アネット・ベニング主演の映画「20センチュリー・ウーマン」を試写会で観た。

1970年代のアメリカを背景に、3人の女性にお世話をされながら成長していく少年の姿を描く。


満足度 評価】:★★★★☆

時にはクスッと笑いながら、しかしその中に共感する要素もあり。

母親っていうのは、誰にとっても奇妙な存在であり、と同時に偉大で、愛さずにはいられない唯一無二の存在なんだなと再認識した作品だった。


「20センチュリー・ウーマン」予告編 動画

(原題:20TH CENTURY WOMEN)



「20センチュリー・ウーマン」予告編 動画

・2017年5月29日 試写会で観た感想を掲載しました。

・2018年6月3日 WOWOWでの放送(21時より)に合わせて、加筆・修正しました。

現在、ネット配信・DVD共に販売中です。


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キャスト&スタッフ


出演者

アネット・ベニング
…(「キャプテン・マーベル」、「Dear ダニー 君へのうた」、「あの日の声を探して」など)

エル・ファニング
…(「メアリーの総て」、「パーティで女の子に話しかけるには」、「夜に生きる」、「ネオン・デーモン」、「マレフィセント」など)

グレタ・カーウィグ
…(<出演作>「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」、「マギーズ・プラン-幸せのあとしまつ-」、「フランシス・ハ」、<監督作>「レディ・バード」など)

ビリー・クラダップ
…(「エイリアン:コヴェナント」、「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」、「スポットライト 世紀のスクープ」、「君が生きた証」など)

〇ルーカス・ジェイド・ズマン

監督・脚本

〇マイク・ミルズ

2016年制作 アメリカ映画



20センチュリー・ウーマン


あらすじ


1970年代のアメリカ。

シングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)は、一人息子のジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)が思春期を迎え、どう育てて良いか分からない。

そこで、ジェイミーの幼なじみであるジュリー(エル・ファニング)と、間借り人のアビー(グレタ・カーウィグ)にジェイミーの世話をしてくれるようにお願いする。

その話を聞いて、母の身勝手な行動に反発するジェイミーだったのだが…。

20センチュリー・ウーマン2


感想(ネタバレあり)


かなり発想がぶっ飛んだ母親・ドロシア登場


70年代のアメリカ。

喫煙者にはまだまだおおらかで、エイズの心配もそれほどなく、インターネットがこの世に登場してなく、TVゲームもまだそれ程普及していなかった頃。

十代の思春期を迎えた少年たちの最大の関心事は、「女性とはどんな生き物なのか??」ということだった。

(そうではなかった方たちもいるかもしれませんが)



この映画は、その世代の少年ジェイミーが、周りの女性たちから大いなる影響を受け、とりわけ、母親からの愛情をタップリ受けて成長していく物語である。



私の同世代の友人の中にも、「息子が思春期を迎えたお母さん」たちがいるのだが、彼女たちの息子が非行に走ることなく普通に育っているだけで素晴らしいなぁと思ってしまう。

なぜなら、私からすると「思春期の男子」の考えていることが全く理解できないからだ。



私はそんな同世代の母たちの話を聞くとつい、

「すごいね。私は思春期の少年たちなんて、何考えているのか分からないよ。真っ直ぐ育っているだけでもすごいよ」

と言ってしまう。



すると、たいてい、そのお母さんたちからは

「私も、あの子が何考えているかなんて分からないよ(笑)」

という回答が返って来る。



どうも母たちは、息子のことが理解できないから当たり障りのないように距離を置いて育てるらしい。

すると、子供たちは好き勝手しながらなんとなく育つという。

はぁ、そういうものなのかと子供を持ったことのない私は、またしても感心してしまう。



この映画の主人公である50代のシングルマザー ドロシアは、息子のジェイミーが思春期を迎えた時、自分の手に余ると思い、ジェイミーの同級生であるジュリーと、同居人のアビーに息子の世話を頼んでしまう

私は、彼女の行動を観た時、若干呆れながらも、「あぁ、そういう育て方もあるのか」と思った。



世のお母さんたちのように突き放してしまうこともできるけど、それではドロシアは心配なのだ。

かといって、煩わしい母親にはなりたくない。

そこで、ジェイミーの周りの女性たちに監視役をお願いするのだ。

どうも、このドロシアお母さん、発想がぶっ飛んでいらっしゃるようだ。



20センチュリー・ウーマン3



「一晩中添い寝してくれる男子」に猛烈に憧れる思春期女子


そこから、女3人、男1人の奇妙な生活がスタートする。

その中で、この映画のとても良いところは、全ての登場人物がとてもイキイキと生活しているところ。

ドロシアはしょっちゅうタバコを吸い、アビーは体のことで悩みを抱え、ジュリーは母親との関係に悩まされている。



みんなそれなりに悩みを抱えながらも、羨ましいぐらいにイキイキしているし、彼女たちの感情がとてもリアルで素敵な女性たちだ。

その中で特に印象に残っているのは、エル・ファニング演じる主人公ジェイミーの幼なじみジュリーだ。



ジュリーは13歳の時に処女を捨て、それから誰とでもセックスをするようになってしまった女の子だ。

しかし、ジェイミーとだけはセックスしようとしない。

もちろん、ジェイミーはやる気満々なのにも関わらず。



私はそんなジュリーの気持ちが分かる気がした。

(私がその年の頃、そんな生活を送っていたというわけではない)



この年頃の女子は、「一晩中添い寝しても、一切身体に触れてこようとしない男性」に異常なぐらい憧れる

それは、思春期女子にとっては「体が目当てではなく、私を大切に思ってくれている証拠」だからだ。

大人になれば、それが「相手のことを好きじゃない証拠」だってことが分かる。



しかし、思春期女子は身体は大人でも、心は子供

そんな彼女たちからしたら「全く手を出さない添い寝男子」は、素敵な男性に見えてしまうのだ。



だから、どんなに仲が良くてもジェイミーとは添い寝しかしたがらないジュリーは、ジェイミーにとっては生き地獄かもしれないけど、やっぱり中身は思春期女子なのだ。

この年頃の微妙な感覚をとてもリアルに、そしてさりげなく描いているところに、この映画の素晴らしさが現れている



20センチュリー・ウーマン5



母が息子に捧げる無償の愛。大人になって分かる愛の偉大さ


そして、なんと言っても、この映画は「母に捧げるラブレレター」である。

それは、監督のマイク・ミルズが母をモデルとして描いたと言っていることからも分かる。



常にタバコをぷかぷかふかしていても、思春期の息子が理解できないからといって息子の世話を他人に任せても、一緒にクラブに行って楽しんじゃうような50代のママなのだ。

家出して帰って来られなくなったら、迎えに来て、頭ごなしに叱らないママなのだ。



このお母さんの凄いところは、いつも明るく元気よく笑っている姿を息子に魅せるその姿

シングルで思春期の息子を育てていることだって大変なのに、いつも明るく元気にしてる

少なくとも、息子の前では



このお母さんは、そこがとても魅力的。

本当は頭の中は悩みだらけだ。

でも、息子のために明るく元気にしているのだ。



もちろん、思春期のぼんくら男子ジェイミーにはそんなことは到底理解できない。

しかし、それこそが母が息子に捧げる無償の愛なのだ。

多くの家庭が息子にとって母がとても偉大で、多くの男子がマザコンに育つのは、大人になると、その「無償の愛」に気付くから。

だからきっと、誰にとっても母はちょっと奇妙だけれど、偉大で、愛すべき存在なんだなと思う。



20センチュリー・ウーマン4



それぞれが自立して逞しく生きていた「20センチュリー・ウーマン」


母が最初に「二人の女性に息子の世話を任せた」時、反発していたジェイミーだけど、アビーからは「パンクミュージックの素晴らしさ」を教えてもらい、ジュリーからは「愛の苦しさ」を教えられ、そうやって彼女たちから影響を受けて成長していく。



それにしても面白かったのは、彼らの中で唯一の男性、ビリー・クラダップが演じるウィリアムの存在感の無さ

本当だったら、ウィリアムがジェイミーに影響を与えて、ジェイミーが成長しても良いのに、私の中のウィリアムのイメージは、一緒に遊んじゃってる感じ。

どうやらその辺に、「男性はいつまで経っても中身は子供」が出ているように感じた。



むしろウィリアムもアビーやドロシアから影響を受けているような感じさえした。

だから、やっぱりこれは70年代を逞しく生きた輝く女性たちを描いた「20センチュリー・ウーマン」なんだなと思った。

男女同権が叫ばれる何年も前から、女性は若い頃から自立して、逞しく生きていたんだな。





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