ブレイク・ライブリー主演の映画「かごの中の瞳」を映画館で観た。
盲目の女性が手術をして目が見えるようになったことで、夫との間に生まれた不和が招くラブ・サスペンス映画。

【満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)
独占欲の強い夫が、次第に美しくなっていく妻をつなぎとめようと必死になった結果起きたサスペンス。
「このままでは妻を誰かに奪われてしまう」
その自信のなさや不安が妻に伝わってしまったのが問題だけど、そんな彼の気持ちも理解できるからこそ面白かった。
目次
『かごの中の瞳』予告編 動画
(原題:All I See Is You)更新履歴・公開、販売情報
・2018年10月3日 映画館にて鑑賞。
・2018年10月19日 感想を掲載。
・2019年11月28日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。
詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
↓
キャスト&スタッフ
出演者
〇ブレイク・ライブリー…(「シンプル・フェイバー」、「カフェ・ソサエティ」、「アデライン、100年目の恋」など)
〇アナ・オライリー
〇イヴォンヌ・ストラホフスキー
〇ウェス・チャサム
〇ダニー・ヒューストン
監督
〇マーク・フォースター…(「プーと大人になった僕」、「ネバーランド」など)
2016年製作 アメリカ映画
あらすじ
保険会社の会社員ジェームズ(ジェイソン・クラーク)は、タイの支社に勤務しているため、妻のジーナ(ブレイク・ライブリー)と共に、バンコクで暮らしていた。そのジーナは幼い頃に交通事故に遭って以来、全盲で生活していた。
ところが、バンコクの眼科医ヒューズ医師(ダニー・ヒューストン)の勧めでジーナは視力回復の手術を受ける。
すると、少しずつ視界が戻ってきた。
それと同時に、目が見えるようになったジーナは、以前よりも活発で行動的に、大胆になっていく。
そんなジーナを見たジェームズは、次第に不安になっていく…。

感想(ネタばれあり)
全盲の妻は僕だけのもの
私は女性だけれども、この映画は夫 ジェームズに同情し、彼の視点で観た映画だった。
ジェームズは、保険会社のタイ支店で働く、どこにでもいる優しい普通の会社員。
タイのバンコクで、何不自由なく暮らし、普通の人だったら彼との結婚生活に特に疑問も持たないし、幸せに生活できるだろうと思う。
しかし、彼の妻 ジーナは、普通の人ではなかった。
彼女を連れて歩いていると、周りの人々の目を引くようなゴージャスな妻なのだ。
それでも、結婚当初は問題なかった。
なぜなら、その当時、ジーナは全盲であり、言葉の通じないバンコクでの生活で頼りになるのは夫のジェームズだけ。
化粧もしなければ、服装も地味で、周りの男性たちの視線など気にすることもないし、自らアピールすることもなかった。
ジェームズにとってジーナは「彼だけのもの」であり、ジェームズも彼に従順で美しいジーナを「自分だけのもの」にして、幸せな生活を送っていた。
言い換えれば、ジェームズ自身が自分の外見に自信がなくても、ジーナはそんなことを気にせず愛してくれる人であり、そんな関係に安心して暮らしていたのだ。
夫にとって、「美しく、従順で、優しい自分だけの妻」がいるなんて、夢のような話だろう。

目が見える妻は周りの視線を集めるゴージャス美人
しかし、その妻ジーナが視力回復の手術を受けたことで、その関係が変化していく。
全盲だったジーナは、片目だけ視力を回復したことで、徐々に視界が明るくなり、今まで見えなかったものが少しずつでも見えるようになる。
目が見えるということについて諦めていたジーナにとって、それはとても嬉しいことだったに違いない。
外へ遊びに行くようになり、今までよりも大胆で派手な服を着て、化粧をし、性格も明るく活発で社交的になっていく。
そうしてジーナが、どんどん大胆に美しくなっていくのと反比例して、どんどん不安になっていくのが夫のジェームズだった。
そんな妻を見て、ジェームズは「このままでは、ジーナが他の人に奪われてしまう…」と不安になっていく。
私は、そのジェームズの気持ちがよく分かると思った。
目が見えないジーナはジェームズだけのものだったけれど、目が見えるジーナは多くの男性たちの視線を集める「ゴージャス美人」なのだ。
そうして、ジェームズは彼女の目が見えなかった頃の方が幸せだった…と思うようになり、目薬に仕掛をしてしまう…。

夫の不安を感じ取り、心が離れていく妻
問題は、そのジェームズの不安が妻のジーナに伝わってしまったことだった。
それまでのジーナは、ジェームズとの生活に特に不安を持っていなかった。
しかし、自信がないジェームズの言動は、必要以上にジーナを不安にさせた。
ジーナは目が見えるようになって、ジェームズの表情が曇ったり、気持ちがこもっていないことを誰よりも敏感に感じ取るようになった。
そして、極めつけは目薬の一件だった。
その時、ジーナの不安は確信に変わったのだ。
「ジェームズが私を再び暗闇に閉じ込めようとしている」そうジーナは確信する。
その時、グイグイと迫ってくる近所のダニエルに心が揺れ動くのも当然だと思う。
ジェームズは、独占欲や支配欲が強すぎたのだ。
人は「その箱を開けてはいけません」と言われると、どうしても開けたくなってしまうように、「君は僕だけのものだ」と縛られると、解放して欲しいと願う生き物なのだ。
その時、ジェームズが「僕の妻はこんなにもゴージャスで美しい」と、自信を持って、胸を張っていてくれたら、ジーナの心が揺らぐことなく、ジェームズの側にいたことと思う。
とはいえ、妻は、あのブレイク・ライブリーだ。
あんなにゴージャスで美しい人が妻だったら、誰だって不安になるし、「誰かに取られる」と心配するのも無理はない。
ジェームズの気持ちは、とてもよく分かる。
よく分かるからこそ、この映画がサスペンスとして成立するし、そこが面白いところなのだ。

世の中、目に見えることが全てではない
結局のところ、元々目が見える夫は、どんなに視野が広くても妻のことしか見えていなかった。
その反面、視界が限られている妻は、見えていない部分のことも感じ取り、夫の異変に気付いていたのだ。
この映画は、世の中、目に見えていることが全てではないということをテーマにしたサスペンスなのだ。
そして、その結果、不安と嫉妬にかられた夫は負のスパイラルに落ちて行く。
そんな彼をバカだなぁと思いつつも、気持ちはわかるなぁと思いながら観ていた映画だった。
もっと自信を持って堂々としていればいいじゃないかと多くの人が思うかもしれないが、人はそう簡単に自信を持って生きることなどできない。
ジェームズにとっては、ジーナが常に従順で側にいた頃が一番幸せだったんだろう。
でも、それはジェームズの理想の押し付けでしかない。
変化していくジーナを受け入れられないなら、別れるしかないのだ。
ラストは、そうなるべくしてなった結果だと思った。
しかし、その中でも希望を感じられたのが良かった。
そこから、ジーナの新しい人生が始まる。
ジーナにとっては前向きな未来だと思う。
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「かごの中の瞳」観た
独占欲の強い夫が、次第に美しくなっていく妻を繋ぎとめよう必死になった結果起きたサスペンス
「このままでは妻を誰かに奪われてしまう」
その自信のなさや不安が妻に伝わってしまったのが問題だけど
そんな彼の気持ち… https://t.co/1h13Q07MMd2018/10/03 22:50:11
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