エマ・ワトソン主演の映画「美女と野獣」【2D字幕版】を映画館で観てきた。
1991年に制作されたディズニーアニメーション「美女と野獣」の実写版。
【満足度 評価】:★★★★☆
キャスティングも、衣装も美術も音楽もとても豪華で贅沢なミュージカル映画を楽しんだ。
お話の内容や次の展開を知っていても、想像を超える豪華さが目を楽しませてくれた。
◆ネット配信で観る:「美女と野獣」 (字幕版)
◆DVDで観る:「美女と野獣」MovieNEX(実写版)
◆オリジナル・サウンドトラック「美女と野獣」 <英語版>
◆アニメ版「美女と野獣」DVD
…(「ハリー・ポッターと賢者の石」、「ハリー・ポッターと秘密の部屋」、「ハリー・ポッターとアズガバンの囚人」、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」など)
〇ダン・スティーヴンス
…(「クリミナル・ミッション」、「誘拐の掟」、「靴職人と魔法のミシン」、「ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密」など)
〇ルーク・エヴァンス
…(「ワイルド・スピード ICE BREAK」、「ドラキュラZERO」、「ワイルド・スピード ユーロミッション」など)
〇ケヴィン・クライン
…(「ラスト・スキャンダル~あるハリウッドスターの禁じられた情事~」、「パリ3区の遺産相続人」、「幸せをつかむ歌」、「海辺の家」など)
〇ユアン・マクレガー
…(「プーと大人になった僕」、「ゴーストライター」、「T2 トレインスポッティング」、「われらが背きし者」、「8月の家族たち」、「天使と悪魔」、「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」、「スター・ウォーズ/エピソード2 クローンの攻撃」、「スター・ウォーズ エピソード3/シスの逆襲」、「トレインスポッティング」など)
〇イアン・マッケラン
…(「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ、「X-MEN」シリーズなど)
〇エマ・トンプソン
…(「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」、「ロング・トレイル!」、「二つ星の料理人」、「ウォルト・ディズニーの約束」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」、「パイレーツ・ロック」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」など)
〇ジョシュ・ギャッド
…(「僕のワンダフル・ライフ」(声のみ)など)
〇スタンリー・トゥッチ
…(「スポットライト 世紀のスクープ」、「プラダを着た悪魔」、「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」、「ハンガーゲーム」シリーズ、「ジュリー&ジュリア」、「バーレスク」など)
…(「フィフス・エステート/世界から狙われた男」など)
2017年制作 アメリカ映画

読書好きでよく働くベル(エマ・ワトソン)は、小さな田舎の村ででお父さん(ケヴィン・クライン)と2人暮らしをしている。
お父さんが作ったオルゴールを町で売って生活している二人だったが、ある夜、お父さんは町からの帰りに道に迷ってしまい、森の奥にあるお城にたどり着く。
そのお城で見事なバラの花を見つけたお父さんはベルへプレゼントしようと思い、バラの花を摘もうとした瞬間、見るも恐ろしい野獣(ダン・スティーヴンス)に捕らえられてしまう。
家でお父さんの帰りを待っていたベルだったが、馬だけが先に帰ってきてしまう。
お父さんを探すために、馬に道案内をさせると、たどり着いたのは野獣が暮らすお城だった…。

森の奥深くでひっそりと暮らす孤独な野獣。
人を見た目で判断しない心優しいベルは次第に彼の賢さと心の奥にある優しさに気付き始める。
誰もが知る「美女と野獣」の物語。
そもそもの原作は、1740年にフランスで書かれた童話である。
その後、1946年にフランスのジャン・コクトー監督が映画化し、1991年にはディズニーアニメーションで映画化された。
そのアニメーションが大ヒットし、この物語が世界中に知れ渡ることとなる。
この映画「美女と野獣」は、その時のディズニーアニメーションを実写化したものである。
その他にも2014年には、本国フランスでレア・セドゥ、ヴァンサン・カッセル共演版の「美女と野獣」が制作されている。
フランス版の「美女と野獣」と、このアメリカ版を見比べてみると、アメリカ版の方がよりファンタジー色が濃く、よりおとぎ話的な要素が詰まった夢物語になっている。
決定的な違いは、フランス版では「貧しい国民たちを尻目に贅沢三昧だった国王」が呪いにかけられるが、アメリカ版では「愛を知らない国王」が呪いにかけられてしまう。
その部分だけみても、このアメリカ版は田舎町に埋もれた美女と呪いにかけられた野獣の恋に焦点をあてて描かれているということがよくわかる。

なぜ、この「美女と野獣」の物語は250年以上もかけて語り継がれているのだろうか。
私はこの映画を観て、物語の中に世界中の女子が胸を焦がすシチュエーションが巧みに盛り込まれているからではないかと感じた。
まず冒頭の「森の奥にある魔法をかけられた謎の城」が出てきただけで、自然とワクワクしてしまう。
私たちがそこにワクワクするのには、それなりの理由がある。
私たちは幼い頃から「眠れる森の美女」や「シンデレラ」、「白雪姫」などの童話を読んだり聞かされたり、アニメで見たりして育ってきた。
そして、そこには必ずと言っていいほど「森の奥にあるお城」があり、そこには運命のお姫様を探す王子様が住んでいた。
それを繰り返し聞かされてきた幼い頃の私たちの脳は「森の奥にあるお城」と言われると、「姫を探す王子様」のイメージが浮かぶように洗脳されてきたのである。
だから、私たちは大人になっても「森の奥にある魔法をかけられた謎の城」と聞いただけで、脳にスイッチが入り、「お姫様を探す素敵な王子様がいるに違いない」と期待してしまう。
それだけで私たち心はワクワクしているのに、さらに追い打ちをかけるように次の決定打が撃ち込まれる。
それは、「見た目は怖くても、本当は心が優しいあなたの内面を理解できるのは私だけ」というシチュエーションだ。
この一撃が女子たちの母性本能に火をつけ、「私がなんとかしなくては」という気分になってしまう。
森の奥のお城でひっそりと暮らす王様が、魔法をかけられ、こんな姿になってしまった。
本人は反省しているみたいだし、私がなんとかしてあげなくちゃ…。
特に女子の心をくすぐるのは、「理解できるのは私だけ」という部分である。
野獣がガストンや村人たちに痛めつけられればつけられるほど、ベルの野獣への気持ちがどんどん強くなっていくのは、この「私だけ」の要素が強くなっていくからである。
おバカなガストンによって、ベルの恋心に火がつけられたと言っても過言ではない。
そしてそんなベルの恋心に感情移入し、呪われた野獣を不憫に思う心優しい観客の女子たちは、野獣がベルと心を通わせた瞬間に「あぁ良かった。これで王様も幸せになれる」とホッとして胸をなでおろし、ようやく成就した恋に心が揺さぶられ、涙を流すこととなる。
この物語は最初から最後まで「女子の大好きなシチュエーションの波状攻撃」のようなお話なのである。
そこが、250年間もこの物語が愛され続けた理由である。

「あの人を理解できるのは私だけ」、「私がなんとかしなきゃ」という女子たちの乙女心の裏側には、変わり者のの私を理解して欲しいという願望がある。
そもそも、魔法にかけられる前に王様とベルが出会っていたら、2人は恋に落ちていただろうか。
きっと、着飾ることよりも読書や働くことに熱心だったベルは「みすぼらしい田舎娘」だと王様に思われていたはず。
王様に会う前、ベルはガストンにそのことを指摘され、いつもなら言い返すところが、その時は何も言えなくなってしまっていた。
ベルはベルなりに、野獣と同じく「誰かに本当の私を理解して欲しい」という願望があったのだ。
化粧が薄くても、服装がみすぼらしくても、何よりも本を読むことが大好きで「変わり者」と言われてしまう私を理解してくれる人がどこかにいるはず…。
それがベルの密かに願う「白馬の王子様」だった。
だから、変わり者同志、野獣の「誰かに理解して欲しい」という願いがベルにも伝わったのである。
そこもまた、世界中の女子たちの「共感ポイント」になっている。
いつもモテるのはクラスの中心にいる「キラキラ女子」だけで、クラスの隅っこにいるような私は誰も理解してくれない。
でも、いつかきっと本当の私を理解してくれる王子様が現れるはず。
そう思って日々暮らしている女子たちは皆、「変わり者」と言われ、肩身が狭い思いをしているベルに共感し、そんなベルを理解してくれる野獣との出会いに自分を重ね、「あぁやっぱりいつか王子様が現れるんだ」と、自分の考えが間違っていなかったことに安堵する。
真面目で飾らない主人公のベルは、世の中の若い女子たちを見事に体現した女性像なのである。

原作が描かれてから250年も愛され続け、何度も映画化されたのは、世の中の若い女子たちの代表のようなベルが彼女たちの夢をそのまま叶えているところに理由があったのだ。
またアニメ版の世界を忠実に再現するために作られた豪華なセット、衣装、美術のどれもが素晴らしい。
そして、思った以上にしっかりとしたミュージカル映画になっていて、音楽やダンスも存分に楽しめた。
特にキャスティングがとても豪華で、その中でもガストンを演じたルーク・エヴァンス、ルミエールを演じたユアン・マクレガー、ミセスポットを演じたエマ・トンプソンがとても印象的だった。
エマ・トンプソンの歌声は初めて聞いたような気がするけど、彼女の歌う「美女と野獣」がとても温かくて、素晴らし過ぎて泣きそうになった。
それに、歌うのは初挑戦だというエマ・ワトソンも彼女の歌声の中にベルの几帳面さや真面目さ、爽やかさがあってとても良かったと思う。
よくよく考えたら、本好きで真面目な変わり者っていう設定はハーマイオニーとあまり変わらないので、エマ・ワトソンにとっては演じやすかった役なのではないかと思う。
その中でもミュージカルのシーンで一番印象に残っているのは、ルーク・エヴァンスかな。
ガストンの迫力満点な力強さは、さすがイギリスの舞台で鍛えた俳優さんだなと思ってしまう素晴らしさだった。
そんな豪華なミュージカルを楽しみながら観ていると、あっという間に2時間が過ぎてしまうとても楽しい映画だった。
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◆ネット配信で観る:「美女と野獣」 (字幕版)
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◆オリジナル・サウンドトラック「美女と野獣」 <英語版>
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1991年に制作されたディズニーアニメーション「美女と野獣」の実写版。
【満足度 評価】:★★★★☆
キャスティングも、衣装も美術も音楽もとても豪華で贅沢なミュージカル映画を楽しんだ。
お話の内容や次の展開を知っていても、想像を超える豪華さが目を楽しませてくれた。
「美女と野獣」予告編 動画
(原題:Beauty and The Beast)◆ネット配信で観る:「美女と野獣」 (字幕版)
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キャスト&スタッフ
出演者
〇エマ・ワトソン…(「ハリー・ポッターと賢者の石」、「ハリー・ポッターと秘密の部屋」、「ハリー・ポッターとアズガバンの囚人」、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」など)
〇ダン・スティーヴンス
…(「クリミナル・ミッション」、「誘拐の掟」、「靴職人と魔法のミシン」、「ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密」など)
〇ルーク・エヴァンス
…(「ワイルド・スピード ICE BREAK」、「ドラキュラZERO」、「ワイルド・スピード ユーロミッション」など)
〇ケヴィン・クライン
…(「ラスト・スキャンダル~あるハリウッドスターの禁じられた情事~」、「パリ3区の遺産相続人」、「幸せをつかむ歌」、「海辺の家」など)
〇ユアン・マクレガー
…(「プーと大人になった僕」、「ゴーストライター」、「T2 トレインスポッティング」、「われらが背きし者」、「8月の家族たち」、「天使と悪魔」、「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」、「スター・ウォーズ/エピソード2 クローンの攻撃」、「スター・ウォーズ エピソード3/シスの逆襲」、「トレインスポッティング」など)
〇イアン・マッケラン
…(「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ、「X-MEN」シリーズなど)
〇エマ・トンプソン
…(「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」、「ロング・トレイル!」、「二つ星の料理人」、「ウォルト・ディズニーの約束」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」、「パイレーツ・ロック」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」など)
〇ジョシュ・ギャッド
…(「僕のワンダフル・ライフ」(声のみ)など)
〇スタンリー・トゥッチ
…(「スポットライト 世紀のスクープ」、「プラダを着た悪魔」、「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」、「ハンガーゲーム」シリーズ、「ジュリー&ジュリア」、「バーレスク」など)
監督
〇ビル・コンドン…(「フィフス・エステート/世界から狙われた男」など)
2017年制作 アメリカ映画

あらすじ
読書好きでよく働くベル(エマ・ワトソン)は、小さな田舎の村ででお父さん(ケヴィン・クライン)と2人暮らしをしている。
お父さんが作ったオルゴールを町で売って生活している二人だったが、ある夜、お父さんは町からの帰りに道に迷ってしまい、森の奥にあるお城にたどり着く。
そのお城で見事なバラの花を見つけたお父さんはベルへプレゼントしようと思い、バラの花を摘もうとした瞬間、見るも恐ろしい野獣(ダン・スティーヴンス)に捕らえられてしまう。
家でお父さんの帰りを待っていたベルだったが、馬だけが先に帰ってきてしまう。
お父さんを探すために、馬に道案内をさせると、たどり着いたのは野獣が暮らすお城だった…。

感想(ネタバレあり)
250年かけて語り継がれるフランスでは定番の恋物語
森の奥深くでひっそりと暮らす孤独な野獣。
人を見た目で判断しない心優しいベルは次第に彼の賢さと心の奥にある優しさに気付き始める。
誰もが知る「美女と野獣」の物語。
そもそもの原作は、1740年にフランスで書かれた童話である。
その後、1946年にフランスのジャン・コクトー監督が映画化し、1991年にはディズニーアニメーションで映画化された。
そのアニメーションが大ヒットし、この物語が世界中に知れ渡ることとなる。
この映画「美女と野獣」は、その時のディズニーアニメーションを実写化したものである。
その他にも2014年には、本国フランスでレア・セドゥ、ヴァンサン・カッセル共演版の「美女と野獣」が制作されている。
フランス版の「美女と野獣」と、このアメリカ版を見比べてみると、アメリカ版の方がよりファンタジー色が濃く、よりおとぎ話的な要素が詰まった夢物語になっている。
決定的な違いは、フランス版では「貧しい国民たちを尻目に贅沢三昧だった国王」が呪いにかけられるが、アメリカ版では「愛を知らない国王」が呪いにかけられてしまう。
その部分だけみても、このアメリカ版は田舎町に埋もれた美女と呪いにかけられた野獣の恋に焦点をあてて描かれているということがよくわかる。

「野獣の心優しい内面を理解できるのは私だけ」その思いが母性本能に火をつける
なぜ、この「美女と野獣」の物語は250年以上もかけて語り継がれているのだろうか。
私はこの映画を観て、物語の中に世界中の女子が胸を焦がすシチュエーションが巧みに盛り込まれているからではないかと感じた。
まず冒頭の「森の奥にある魔法をかけられた謎の城」が出てきただけで、自然とワクワクしてしまう。
私たちがそこにワクワクするのには、それなりの理由がある。
私たちは幼い頃から「眠れる森の美女」や「シンデレラ」、「白雪姫」などの童話を読んだり聞かされたり、アニメで見たりして育ってきた。
そして、そこには必ずと言っていいほど「森の奥にあるお城」があり、そこには運命のお姫様を探す王子様が住んでいた。
それを繰り返し聞かされてきた幼い頃の私たちの脳は「森の奥にあるお城」と言われると、「姫を探す王子様」のイメージが浮かぶように洗脳されてきたのである。
だから、私たちは大人になっても「森の奥にある魔法をかけられた謎の城」と聞いただけで、脳にスイッチが入り、「お姫様を探す素敵な王子様がいるに違いない」と期待してしまう。
それだけで私たち心はワクワクしているのに、さらに追い打ちをかけるように次の決定打が撃ち込まれる。
それは、「見た目は怖くても、本当は心が優しいあなたの内面を理解できるのは私だけ」というシチュエーションだ。
この一撃が女子たちの母性本能に火をつけ、「私がなんとかしなくては」という気分になってしまう。
森の奥のお城でひっそりと暮らす王様が、魔法をかけられ、こんな姿になってしまった。
本人は反省しているみたいだし、私がなんとかしてあげなくちゃ…。
特に女子の心をくすぐるのは、「理解できるのは私だけ」という部分である。
野獣がガストンや村人たちに痛めつけられればつけられるほど、ベルの野獣への気持ちがどんどん強くなっていくのは、この「私だけ」の要素が強くなっていくからである。
おバカなガストンによって、ベルの恋心に火がつけられたと言っても過言ではない。
そしてそんなベルの恋心に感情移入し、呪われた野獣を不憫に思う心優しい観客の女子たちは、野獣がベルと心を通わせた瞬間に「あぁ良かった。これで王様も幸せになれる」とホッとして胸をなでおろし、ようやく成就した恋に心が揺さぶられ、涙を流すこととなる。
この物語は最初から最後まで「女子の大好きなシチュエーションの波状攻撃」のようなお話なのである。
そこが、250年間もこの物語が愛され続けた理由である。

変わり者の私を理解してくれるのはあなたただけ
「あの人を理解できるのは私だけ」、「私がなんとかしなきゃ」という女子たちの乙女心の裏側には、変わり者のの私を理解して欲しいという願望がある。
そもそも、魔法にかけられる前に王様とベルが出会っていたら、2人は恋に落ちていただろうか。
きっと、着飾ることよりも読書や働くことに熱心だったベルは「みすぼらしい田舎娘」だと王様に思われていたはず。
王様に会う前、ベルはガストンにそのことを指摘され、いつもなら言い返すところが、その時は何も言えなくなってしまっていた。
ベルはベルなりに、野獣と同じく「誰かに本当の私を理解して欲しい」という願望があったのだ。
化粧が薄くても、服装がみすぼらしくても、何よりも本を読むことが大好きで「変わり者」と言われてしまう私を理解してくれる人がどこかにいるはず…。
それがベルの密かに願う「白馬の王子様」だった。
だから、変わり者同志、野獣の「誰かに理解して欲しい」という願いがベルにも伝わったのである。
そこもまた、世界中の女子たちの「共感ポイント」になっている。
いつもモテるのはクラスの中心にいる「キラキラ女子」だけで、クラスの隅っこにいるような私は誰も理解してくれない。
でも、いつかきっと本当の私を理解してくれる王子様が現れるはず。
そう思って日々暮らしている女子たちは皆、「変わり者」と言われ、肩身が狭い思いをしているベルに共感し、そんなベルを理解してくれる野獣との出会いに自分を重ね、「あぁやっぱりいつか王子様が現れるんだ」と、自分の考えが間違っていなかったことに安堵する。
真面目で飾らない主人公のベルは、世の中の若い女子たちを見事に体現した女性像なのである。

豪華で贅沢なミュージカルを楽しんでいると2時間があっという間
原作が描かれてから250年も愛され続け、何度も映画化されたのは、世の中の若い女子たちの代表のようなベルが彼女たちの夢をそのまま叶えているところに理由があったのだ。
またアニメ版の世界を忠実に再現するために作られた豪華なセット、衣装、美術のどれもが素晴らしい。
そして、思った以上にしっかりとしたミュージカル映画になっていて、音楽やダンスも存分に楽しめた。
特にキャスティングがとても豪華で、その中でもガストンを演じたルーク・エヴァンス、ルミエールを演じたユアン・マクレガー、ミセスポットを演じたエマ・トンプソンがとても印象的だった。
エマ・トンプソンの歌声は初めて聞いたような気がするけど、彼女の歌う「美女と野獣」がとても温かくて、素晴らし過ぎて泣きそうになった。
それに、歌うのは初挑戦だというエマ・ワトソンも彼女の歌声の中にベルの几帳面さや真面目さ、爽やかさがあってとても良かったと思う。
よくよく考えたら、本好きで真面目な変わり者っていう設定はハーマイオニーとあまり変わらないので、エマ・ワトソンにとっては演じやすかった役なのではないかと思う。
その中でもミュージカルのシーンで一番印象に残っているのは、ルーク・エヴァンスかな。
ガストンの迫力満点な力強さは、さすがイギリスの舞台で鍛えた俳優さんだなと思ってしまう素晴らしさだった。
そんな豪華なミュージカルを楽しみながら観ていると、あっという間に2時間が過ぎてしまうとても楽しい映画だった。
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