長澤まさみ主演の映画「散歩する侵略者」を映画館で観た。

ある日突然現れた3人の侵略者が人類から大切なものを奪っていくSFサスペンス映画。



満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

人類にとって最も大切なものは「頭の中にある」という考え方が面白かった。

その中でも、最も尊いものが『愛』であり、『愛』を知らない宇宙人は人間を軽く見るし、簡単に殺してしまう。

そもそも、『愛』を知っていれば侵略などしなかった。

『愛』は、人類にとって、唯一の希望なのである。


「散歩する侵略者」予告編 動画





更新履歴・販売情報

・2017年9月12日 映画館で観た感想を掲載しました。

・2018年8月5日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正


現在、ネット配信、DVD、共に販売中。



ネット配信で観る:「散歩する侵略者」

散歩する侵略者

新品価格
¥500から
(2018/8/5 15:57時点)



DVDで観る:「散歩する侵略者」通常版

散歩する侵略者 通常版 [DVD]

新品価格
¥2,873から
(2018/8/5 15:58時点)



原作本「散歩する侵略者」

散歩する侵略者 (角川文庫)

新品価格
¥605から
(2017/9/12 17:32時点)



世界最恐の映画監督 黒沢清の全貌

世界最恐の映画監督 黒沢清の全貌

新品価格
¥1,944から
(2017/9/12 17:33時点)



映画『散歩する侵略者』オリジナル・サウンドトラック

映画『散歩する侵略者』オリジナル・サウンドトラック

新品価格
¥2,340から
(2017/9/12 17:34時点)



キャスト&スタッフ


出演者

長澤まさみ
…(「君の名は。」、「海街diary」など)

〇松田龍平

長谷川博己
…(「シン・ゴジラ」など)

…(「ギャングース」など)

〇恒松祐里
…(「くちびるに歌を」)

満島真之介
…(「三度目の殺人」など)

監督・脚本

〇黒沢清

2017年製作 日本映画



散歩する侵略者



あらすじ



イラストレーター・の鳴海(長澤まさみ)は、ある時夫・真治(松田龍平)が病院に運ばれ、記憶障害になって帰って来る。

ジャーナリストの桜井(長谷川博己)は、政府や自衛隊の動きがおかしいので地方で取材をしていたが、結局、何のスクープも撮れなかったので、東京へ帰ろうとしていた。

そんな桜井の前に、天野(高杉真宙)と名乗る少年が現れ、「僕は人類を侵略しに来た宇宙人。僕のことを取材してよ」と言う。

さらに、天野は「仲間があと2人いるから、探すのを手伝って欲しい」という。

ちょうどその頃、女子高生・立花あきら(恒松祐里)による、一家惨殺事件が起きていた…。



散歩する侵略者5



感想(ネタバレあり)


人類の大切なものを奪いにきた宇宙人


きっと誰にだって「あぁ、あの人が羨ましい」と思ったり、「あの人が持っている物が欲しい」と思うことがあるだろう

それは、決して悪いことではない。

『自分が持っていないもの』を、他の人が持っていたら、誰だって羨ましいと思うし、自分も欲しくなるのは当然のことである。

だからといって、実際に奪ってしまうのは、他人を『侵略』することになるのだ。



この映画には、宇宙人が登場する。

彼らは、『人類を侵略するため』に地球にやってきて、人類の大切なものを奪っていく

その大切な物とは、人々から頭の中にある『概念』である。

ということは、ある時地球を訪れた宇宙人が、「人間は『概念』を持っていて素晴らしい」と思ったんだろう。

だから、その『概念』を奪おうと考えた。



これは面白いなと思った。

目の前にいる人が素晴らしいアイディアを思いついた時に、その思考回路が羨ましいと思うことはあっても、実際に奪うことはできない。

でも、この宇宙人たちは「それもらうね」と言って、奪うことができてしまう。



お金や土地など『目に見えるもの』を奪うのは、とても分かりやすいことだけど、この映画では数値や形にできない『目に見えない』ものを奪おうとしている点が面白いなと思った。

そもそも、私たちは頭の中にある『概念』を素晴らしいと思ったことがあるだろうか。

当たり前のことだと思っていないだろうか。

それは、人間が『本来持っている助け合う気持ちの素晴らしさ』を忘れ、「地球を滅ぼさないために人類が助け合うべきだ」と伝えるためにやってきた宇宙人を描いた映画『メッセージ』にも通じるものがあると思う。


ネット配信で観る:「メッセージ」 (字幕版)

メッセージ (字幕版)

新品価格
¥2,500から
(2017/9/12 17:17時点)



どうも、最近の人類は、宇宙人に褒められないと自分たちの素晴らしさに気づけないようである




散歩する侵略者2



侵略者が人間たちから奪っていったもの



侵略者は、人類から概念を奪う。

と聞くと、『概念』という言葉がとてもとっつきにくいので、ちょっと難しい印象を受けてしまう。

でも、そんなに難しいことはなくて、人々の「物事に対する考え方を奪う」と考えたら良い。



家族に対する愚痴ばかりをこぼしていた鳴海の妹・明日美(前田敦子)は、『家族』に対して思っていたことを全て奪われ、愚痴どころか、『家族』をなんとも思わなくなってしまう。

自分が所有する家に引きこもりだった丸尾は、その『所有』に対する考えを奪われたことで、『物を所有する』気持ちがなくなり、外に出て人々に語りかけるようになる。



他にも、様々な考えを奪われる人たちが登場するが、最も印象的だったのは、フリーランスの鳴海に仕事を提供しているデザイン会社の社長(光石研)だった。

その社長は、鳴海に対し、セクハラまがいのボディタッチをしていて、それを鳴海がやんわり断ると、態度が一変、鳴海に強く当たるようになる。

鳴海が提出したデザイン案についてもNGを出し、「これなら、ネットにあるどっかのデザインをパクった方がマシだ」と言う。

私は、その様子を見て、『ネットにあるどっかのデザインをパクる』ことこそ侵略だと思った。



誰かがある物事に対して考えたものを表現するのがデザインなら、そのデザインをパクることは、その人の考えを奪うと言うことであり、宇宙人がしている『侵略』と全く同じである。

私たちは日頃から、気付かぬうちに他人の物を『侵略』しているのである。

東京オリンピックのロゴパクリ疑惑騒動を思い出しつつ、あの時は「そんなのみんなやってること」と内心思っていたけど、

その感覚は麻痺していて、『パクリ』は、他人の頭の中からデザインを盗むことであり、それは立派な犯罪なんだなと気付かされた。



鳴海がしている『仕事』が気になった真治が、その場に登場し、社長から『仕事』を奪うと、社長は童心に帰ってしまう。

仕事人間から仕事を奪うと、何もできないただの子供なのだ。



散歩する侵略者3



人類を生かすも殺すも『愛』次第


目に見える物全てに対し、常にいろいろと考えながら暮らしている私たちの頭の中には、数えきれないほどの概念ががある。

その中で『愛』とは、最も尊いものだと、この映画は訴える。



天野のガイドとして、宇宙人と共に行動していた桜井は、それまで宇宙人のやり方を否定していたのに、最後の最後になって天野を助けるようになる。

それは、桜井が『人間だから』である。

どんなに嫌っていた人でも、たとえ、その人が敵だったとしても、目の前にいる人が死にそうになって困っていたら、「何かできることはないか」と声を掛けるのが人間であり、『情』であり、『愛』なのである



天野とあきらが死んでしまい、人類の命運は真治にかかっていた。

彼らの故郷へのコンタクトが成功し、侵略が始まるまで『愛』についての概念を持っていなかった真治だったが、

鳴海から『愛』を教えられると、これまで見えていた世界が一変し、「鳴海を守りたい」という気持ちが生まれる

そして、侵略は途中で止まる。



それは、宇宙人が『愛』を知り、侵略をやめたということ

ということは、そもそも、宇宙人が『愛』を知っていたら、地球が侵略されることはなかったということ。

宇宙人たちは『愛』を知らないから、人間を軽く見るし、簡単に人を殺していたということ




桜井の『愛』が、宇宙人のコンタクトを成功させるが、鳴海の『愛』がそれを阻止させる。

これは、そこに『愛』さえあれば、侵略も止められるし、コンタクトをすることもできる

つまり、人類と宇宙人が共存できるということである。



散歩する侵略者4


最も愛がないのは『無関心』、最も愛が強いのは『無償の愛』



この映画では、「侵略者」は宇宙人として描かれているけれども、どんなものにでも置き換えることができる

「侵略者」が他国だったら戦争になるし、ライバル会社だったら産業スパイや企業買収になる

前述した『ロゴパクリ疑惑』だってそうだし、強盗や万引きだって、「人の持っている物を奪う」侵略である。



つまり、私たちの身の回りで起きている犯罪の多くは、この『侵略』から始まっている。 



ということは、その犯罪の多くは『愛が足りなくて』起きていることだともいえる

ラストで真治がくれたミカンに鳴海が一切無関心なのは、『愛』がないからである。

一方で、真治は『鳴海から何の反応がなくても、鳴海に一生愛を注ぎ続ける』と考えている。

最も愛がない行為は『無関心』であり、最も強いのは『無償の愛』である



そんな二人の姿を見て、時々、冷たい態度をとったり、イラついてしまうのは、私も最近『愛』が足りないからなんじゃないかと考えさせられた。

SF映画でありながら、こんなにも『愛』について深く考えさせられるところが、この映画の面白さだなと思った。


関連記事

〇宇宙人たちは救いに来たのか、それとも侵略に来たのか…
「メッセージ」遠く離れた星から来た訪問者が伝えたかったこと。私たちの語る言葉は何のために存在するのか。奪い合う時代から分け合う時代へ。エイミー・アダムス主演映画【感想】



Twitterでも映画情報を発信しています~








↓ 人気ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします

映画 ブログランキングへ

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村





ネット配信で観る:「散歩する侵略者」

散歩する侵略者

新品価格
¥500から
(2018/8/5 15:57時点)



DVDで観る:「散歩する侵略者」通常版

散歩する侵略者 通常版 [DVD]

新品価格
¥2,873から
(2018/8/5 15:58時点)



原作本「散歩する侵略者」

散歩する侵略者 (角川文庫)

新品価格
¥605から
(2017/9/12 17:32時点)



世界最恐の映画監督 黒沢清の全貌

世界最恐の映画監督 黒沢清の全貌

新品価格
¥1,944から
(2017/9/12 17:33時点)



映画『散歩する侵略者』オリジナル・サウンドトラック

映画『散歩する侵略者』オリジナル・サウンドトラック

新品価格
¥2,340から
(2017/9/12 17:34時点)