イーサン・ホーク、リチャード・ギア、ドン・チードル主演の映画「クロッシング」をWOWOWで観た。
NY、ブルックリンの三人の警察官の生き様を描くサスペンス映画。
【満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)
ブルックリンという街では、本当なら市民の命を守るはずの警察官も生きていくのが大変で、市民守るどころではないっていうのが、衝撃だった。
◆ネット配信で観る:「クロッシング」(字幕版)
◆DVDで観る:「クロッシング」
〇イーサン・ホーク
ブルックリンで警察官をしているエディ(リチャード・ギア)は、定年退職まであと7日という時に、新人警官と共にパトロールをするという任務を受ける。
日頃から、息をひそめるように生きてきたエディは、残りの数日を何事もなく過ごしたかったが、「最後の任務だ」と押し付けられてしまう。
同じくブルックリンで刑事をしているサル(イーサン・ホーク)は、麻薬捜査をしている。
既に子供が4人いる上に、妻が双子を妊娠したサルは、新しい家に引っ越すことを考えているが、昇給しない安月給では家を買うことができず、犯罪者たちが麻薬売買で手に入れたお金に手をつけるようになってしまう…。
FBI捜査官のタンゴ(ドン・チードル)は、麻薬売買組織に潜入しているが、その組織のボスであるキャズ(ウェズリー・スナイプス)に命を救われ、恩義を感じるようになり、FBIに協力しづらい状況になってきていた…。
エディ、サル、タンゴの三人は、同じ地域で警察官として働いているが、それまで互いに関わることなく過ごしていたのだが…。

いや~、NYには住みたくないなぁと思った。
もちろん、NYの中でも最も犯罪率が高い所轄が、この映画の舞台として描かれているので、全てがこんな凄惨な状況だとは思わないけど、それでも嫌だーーーーと思った。
物語の始まりは、1人の黒人青年が白人の警官に殺された事件からスタートする。
なんと、その白人警官は、強盗目的でその青年を殺したという。
なぜ、白人警官は強盗するほどに追い詰められていたのか。
というのが、この映画には描かれている。

どうも、この映画によれば、警察官は給料が少ない上に昇給もない。
退職したところで、年金も大してもらえないらしい。
それで、警察官たちは、生活費がなく追い詰められてしまう。
えぇーーーと思うよね。どうやって生活しろっていうんんだよ!!
人の命を守ってる場合じゃねーよって、観ている私が言いたくなるような生活だった。
ただし、FBI捜査官は違う。FBI捜査官はかなり良い生活をしてた。
このエリートと、そうじゃない人たちとの格差にも、問題があるように思う。
富めるものは富み、そうじゃないものは、毎日、必死で生きたところで生活は向上しない。
しかも、犯罪者たちは銃で武装していて、いつ殺されるか分からない毎日なんだとしたら、警察官になんてなるもんじゃないなと思ってしまう。
もっと稼げる堅気の仕事をした方が良い。

この映画の中で、一番印象的だったのは、リチャード・ギア演じる定年間近の警察官エディの生き様。
日頃から、定年退職する日だけを考え暮らしてきたエディは、夢溢れる新人警官を嫌い、警察署で話しかけられることすらも嫌い、誰とも関わらずに暮らしている。
この映画を見始めた時は、「なんて負け犬キャラなんだ!!そんな生き方でいいのか!!」と、ちょっとバカにした感じで観ていた。
しかし、観続けていくと、もしも長生きして、めでたく生きて定年を迎えたいのであれば、彼のような生き方をするしかないんだということに気付く。
彼も、かつては夢と希望にあふれた新人警官だった頃もあったはず。
でも、あまりにもたくさんの出来事を体験し、「誰にも関わらないこと」が「最も安全な生き残る術」だということに気付いていしまった。
そのことを知らずに、エディの生き方をバカにしたような新人に腹が立つのも分かる気がするな。
ようやく、生きて定年を迎えられたエディ。
自殺なんてしないで、早くブルックリンを出て、新しい生活を始めて欲しいと心から思った。

制服の警察官、エディを演じるのはリチャード・ギア。
めでたく定年退職を迎えた日。
それまで街でケンカを見かけても仲裁することすら嫌がったエディが、ヤク中に囚われた女性たちを助けるという良心を見せる。
男性なら助けないのに、女性は命がけで助けるっていうのが、なんともリチャード・ギアらしい(笑)
リチャード・ギアにしては、珍しい負け犬キャラのこのエディ役。
ファンの方には申し訳ないけど、この負け犬っぷりが良かったなぁ。
しかし、なぜ彼が負け犬になったのかの説明があると、もう少し物語に深みが出て良かったように思う。

ブルックリンで麻薬捜査をする刑事サルを演じるのは、イーサン・ホーク。
家族のために、犯罪者の金に手を付けてしまうサル。
しかし、家族の現状を見ているとサルの汚職も許してしまいたくなってしまう部分もある。
だって、市民を守る仕事をしている人が、家族の命も守れないなんて、なんだかとても矛盾しているように思う。
いろいろ考えさせられる役柄だった。
最近のイーサン・ホークは、こういう男っぽいハードな役が多くていいね。

FBIの潜入捜査官タンゴを演じるのは、ドン・チードル。
最初、麻薬組織の一員として登場したので、「おぉ、ドン・チードルが悪者なんて珍しい」と思ったら、潜入捜査官だった。
さらに、タンゴという役は、FBI捜査官としての自分と、麻薬組織の一員としての自分と、どちらを取るのかという内面の揺らぎがとても印象的だった。
最後の最後に警察官に殺されてしまうとは、なんという皮肉。
ドン・チードルらしい、奥の深い役だったように思う。

そして、タンゴがFBI捜査官でありながら、その人柄にひかれてしまい、FBIから守ろうとする組織のボス、キャズを演じたのは、ウェズリー・スナイプス。
ウェズリーは、やっぱりカリスマがある人だなぁとすごく思った。
彼は、やはりスターさんで輝いているから、こういう麻薬組織のボスっていうのはすごく向いてる役だったし、出番もセリフも少ないながらも、印象的だった。
これは、すごく良いキャスティングだったなぁ。

監督は、アントワン・フークワ。
警察官やFBIの不正を描くことを得意とする監督。

この映画は2009年製作の映画で、6年ぐらい前の作品になるけど、その後、ブルックリンの警察官の待遇は良くなっているんだろうか。
これじゃぁ、モチベーション上がらないよねぇ。
汚職に走っちゃう気持ちが分かるようじゃダメだよね。
少しでも待遇が良くなっていますように。
これじゃ、他人の命なんて守れないよ。
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◆ネット配信で観る:「クロッシング」(字幕版)
◆DVDで観る:「クロッシング」
NY、ブルックリンの三人の警察官の生き様を描くサスペンス映画。
【満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)
ブルックリンという街では、本当なら市民の命を守るはずの警察官も生きていくのが大変で、市民守るどころではないっていうのが、衝撃だった。
「クロッシング」予告編 動画
(原題:BROOKLYN'S FINEST)◆ネット配信で観る:「クロッシング」(字幕版)
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キャスト&スタッフ
出演者
〇イーサン・ホーク
…(「パッセンジャー57」など)
監督
2008年製作 アメリカ映画
あらすじ
ブルックリンで警察官をしているエディ(リチャード・ギア)は、定年退職まであと7日という時に、新人警官と共にパトロールをするという任務を受ける。
日頃から、息をひそめるように生きてきたエディは、残りの数日を何事もなく過ごしたかったが、「最後の任務だ」と押し付けられてしまう。
同じくブルックリンで刑事をしているサル(イーサン・ホーク)は、麻薬捜査をしている。
既に子供が4人いる上に、妻が双子を妊娠したサルは、新しい家に引っ越すことを考えているが、昇給しない安月給では家を買うことができず、犯罪者たちが麻薬売買で手に入れたお金に手をつけるようになってしまう…。
FBI捜査官のタンゴ(ドン・チードル)は、麻薬売買組織に潜入しているが、その組織のボスであるキャズ(ウェズリー・スナイプス)に命を救われ、恩義を感じるようになり、FBIに協力しづらい状況になってきていた…。
エディ、サル、タンゴの三人は、同じ地域で警察官として働いているが、それまで互いに関わることなく過ごしていたのだが…。

感想(ネタバレあり)
「白人警官が黒人の青年を射殺」という事件は、なぜ起きるのか
いや~、NYには住みたくないなぁと思った。
もちろん、NYの中でも最も犯罪率が高い所轄が、この映画の舞台として描かれているので、全てがこんな凄惨な状況だとは思わないけど、それでも嫌だーーーーと思った。
物語の始まりは、1人の黒人青年が白人の警官に殺された事件からスタートする。
なんと、その白人警官は、強盗目的でその青年を殺したという。
なぜ、白人警官は強盗するほどに追い詰められていたのか。
というのが、この映画には描かれている。

市民の命を守る仕事をしている警官が、日常生活もままならない
どうも、この映画によれば、警察官は給料が少ない上に昇給もない。
退職したところで、年金も大してもらえないらしい。
それで、警察官たちは、生活費がなく追い詰められてしまう。
えぇーーーと思うよね。どうやって生活しろっていうんんだよ!!
人の命を守ってる場合じゃねーよって、観ている私が言いたくなるような生活だった。
ただし、FBI捜査官は違う。FBI捜査官はかなり良い生活をしてた。
このエリートと、そうじゃない人たちとの格差にも、問題があるように思う。
富めるものは富み、そうじゃないものは、毎日、必死で生きたところで生活は向上しない。
しかも、犯罪者たちは銃で武装していて、いつ殺されるか分からない毎日なんだとしたら、警察官になんてなるもんじゃないなと思ってしまう。
もっと稼げる堅気の仕事をした方が良い。

「夢と希望にあふれる新人警官」には分からないベテランの苦悩
この映画の中で、一番印象的だったのは、リチャード・ギア演じる定年間近の警察官エディの生き様。
日頃から、定年退職する日だけを考え暮らしてきたエディは、夢溢れる新人警官を嫌い、警察署で話しかけられることすらも嫌い、誰とも関わらずに暮らしている。
この映画を見始めた時は、「なんて負け犬キャラなんだ!!そんな生き方でいいのか!!」と、ちょっとバカにした感じで観ていた。
しかし、観続けていくと、もしも長生きして、めでたく生きて定年を迎えたいのであれば、彼のような生き方をするしかないんだということに気付く。
彼も、かつては夢と希望にあふれた新人警官だった頃もあったはず。
でも、あまりにもたくさんの出来事を体験し、「誰にも関わらないこと」が「最も安全な生き残る術」だということに気付いていしまった。
そのことを知らずに、エディの生き方をバカにしたような新人に腹が立つのも分かる気がするな。
ようやく、生きて定年を迎えられたエディ。
自殺なんてしないで、早くブルックリンを出て、新しい生活を始めて欲しいと心から思った。

適材適所のキャスティングと監督
制服の警察官、エディを演じるのはリチャード・ギア。
めでたく定年退職を迎えた日。
それまで街でケンカを見かけても仲裁することすら嫌がったエディが、ヤク中に囚われた女性たちを助けるという良心を見せる。
男性なら助けないのに、女性は命がけで助けるっていうのが、なんともリチャード・ギアらしい(笑)
リチャード・ギアにしては、珍しい負け犬キャラのこのエディ役。
ファンの方には申し訳ないけど、この負け犬っぷりが良かったなぁ。
しかし、なぜ彼が負け犬になったのかの説明があると、もう少し物語に深みが出て良かったように思う。

ブルックリンで麻薬捜査をする刑事サルを演じるのは、イーサン・ホーク。
家族のために、犯罪者の金に手を付けてしまうサル。
しかし、家族の現状を見ているとサルの汚職も許してしまいたくなってしまう部分もある。
だって、市民を守る仕事をしている人が、家族の命も守れないなんて、なんだかとても矛盾しているように思う。
いろいろ考えさせられる役柄だった。
最近のイーサン・ホークは、こういう男っぽいハードな役が多くていいね。

FBIの潜入捜査官タンゴを演じるのは、ドン・チードル。
最初、麻薬組織の一員として登場したので、「おぉ、ドン・チードルが悪者なんて珍しい」と思ったら、潜入捜査官だった。
さらに、タンゴという役は、FBI捜査官としての自分と、麻薬組織の一員としての自分と、どちらを取るのかという内面の揺らぎがとても印象的だった。
最後の最後に警察官に殺されてしまうとは、なんという皮肉。
ドン・チードルらしい、奥の深い役だったように思う。

そして、タンゴがFBI捜査官でありながら、その人柄にひかれてしまい、FBIから守ろうとする組織のボス、キャズを演じたのは、ウェズリー・スナイプス。
ウェズリーは、やっぱりカリスマがある人だなぁとすごく思った。
彼は、やはりスターさんで輝いているから、こういう麻薬組織のボスっていうのはすごく向いてる役だったし、出番もセリフも少ないながらも、印象的だった。
これは、すごく良いキャスティングだったなぁ。

監督は、アントワン・フークワ。
警察官やFBIの不正を描くことを得意とする監督。

この映画は2009年製作の映画で、6年ぐらい前の作品になるけど、その後、ブルックリンの警察官の待遇は良くなっているんだろうか。
これじゃぁ、モチベーション上がらないよねぇ。
汚職に走っちゃう気持ちが分かるようじゃダメだよね。
少しでも待遇が良くなっていますように。
これじゃ、他人の命なんて守れないよ。
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