とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


カテゴリ:ジャンル > 戦争



シン・ハギュン主演の韓国映画「高地戦」をU-NEXT で観た。

1953年の朝鮮戦争で最前線となった高地での壮絶な戦いを描く。


韓国映画「高地戦」


満足度 評価】:★★★★☆

心にずっしりとのしかかる映画だった。

同じ半島に住む同じ民族同士の戦いに胸が引き裂かれる思いがした。
大国に挟まれ、代理戦争に利用されてしまった彼らの間に芽生えた心の交流が救いだけど、だからこそ戦争の無意味さをヒシヒシと感じた作品だった


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『高地戦』予告編 動画

(原題:고지전)



更新履歴・公開、販売情報

・2019年11月28日 U-NEXT にて鑑賞。

・2019年11月29日 感想を掲載。




キャスト&スタッフ


出演者

シン・ハギュン
…(「7号室」、「悪女/AKUJO」など)


〇リュ・スンス


監督



2011年製作 韓国映画





あらすじ


1953年 朝鮮戦争の停戦は難航し、南北の境界線上にある高地では領地を奪い合う戦いが続いていた。

カン・ウンピョ中尉(シン・ハギュン)は、その高地に北側の兵士と内通している者がいるという情報を確認するために赴任する。

そこでは、学生時代の友人キム・スヒョク中尉(コ・ス)と再会するが、昔は心優しかったスヒョクも、壮絶な戦争を経て人が変わってしまっていた。

そして、兵士たちは地獄のような日々に疲弊しながらも、停戦の日に向けて必死に生きていたのだが…。



韓国映画「高地戦」シン・ハギュンとコ・ス



感想(ネタばれあり)


舞台は朝鮮戦争の最前線にある高地


1953年。

停戦間際の朝鮮戦争で、最前線となった38度線上の高地での戦いを描いた作品。



朝鮮戦争を見ていて辛いのは、同じ民族同士が殺し合うということ

外見も肌の色も話す言葉も一緒で、話せばコミュニケーションをとれる間柄なのに、住んでいるところが北か南かというだけで殺し合わなければならないということ。



そもそも、朝鮮戦争は1950年代の冷戦で対立していたアメリカとソ連の代理戦争だった。

大国に挟まれた朝鮮半島は、38度線よりも北側はソ連が率いる共産主義、南側はアメリカが率いる民主主義に別れ、そこで暮らす国民は、互いの主義主張を正当化する大義名分のために戦争に行かされてしまう。



その時代背景を思いながらこの戦争を見ていると、国はどれだけ酷いことを国民に強いていたのかが分かる。

戦争さえなければ友達になれたかもしれない北と南の兵士は、殺し合わなければならない状況に追い込まれていく。



そんな緊迫した状況の中で、主人公のウンピョ(シン・ハギュン)は、「自分たちは何のために戦っているのか」を自問し続ける

そしてそれは、ウンピョから私に投げかけられた「問い」でもあった。



私は、ウンピョと共にその「問い」について考えながら、最前線の高地で起きていることを理解しようとしていた。

そして、その結果、心に残ったは「戦争の無意味さ」だった。



韓国映画「高地戦」シン・ハギュン



敵も味方もどうでもよくなってしまう極限状態


その朝鮮戦争が壮絶さについて、印象に残っているシーンがある。

北の軍隊から海岸線に追い込まれた南の兵士たちが、救助に来た船に乗ろうと殺到している場面だった。



救助に来た船があまりにも小さすぎて全員乗ることができない。

しかし、船は強制的に扉を閉め、そこから出ようとしている。



そこで、乗れなかった兵士たちが、既に乗っている兵士を殺して自分が乗ろうとする…。

それだけでも、壮絶な場面だったのだが、その場面にはまだまだ続きがあった。

その状況に気がふれてしまった若い兵士は、船に取り付けてある銃を乱射し、その周辺にいる人たちを全員射殺してしまう…。



それは、1部隊が全滅してしまう壮絶な状況で、まさに地獄絵図だった。



全滅してしまった部隊では部隊長だけが生き残るが、その部隊長も気がふれてしまい、自分の部隊が全員死んだということをいつまでも受け入れられずにいた。



それは、人は戦争という極限に追い込まれると、何をしでかすか分からないという心理的状況を表していた。

そもそも、朝鮮戦争は見た目が全く同じ民族が殺し合っているため、あの若い兵士は、自分の周りにいる人たちが、敵なのか、味方なのかすらどうでもよくなってしまったのではないかと思った。



恐らく、その地獄絵図は、その若い兵士と、その場にいて助かった人たちの心に一生残り続け、苦しめられ続ける光景になるだろう。

しかし、悪いのはその若い兵士ではなく、「戦争」なのだ。



韓国映画「高地戦」コ・ス



悲惨な状況の中で、心温まる瞬間は…


その悲惨な状況の中で、心温まる瞬間だったのは、北と南の兵士同士の心の交流だ。



最前線の本部の地面に埋められた秘密の箱。

南はチョコレートやマッチを提供し、北は酒を提供する。

そして、やがて互いに手紙をやり取りするようになる。


その瞬間は、北も南も関係ない、素の兵士たちの思いが垣間見える瞬間で、その悲惨な状況の中で数少ない安らぎの時だった。

同じ民族だからこそ、写真や音楽を聴いただけで分かり合えることがあるし、思わず涙が溢れてしまうことがある。

中でも、歌が互いの心をつなぐ場面は、歌好きな朝鮮民族らしさを感じた場面だった。



その北と南の交流は映画「JSA」と共通している。

それもそのはず、この映画の脚本は「JSA」の原作者が担当している。

朝鮮半島で暮らす人々にとって、その戦争当時も、そして現在も、互いに心を通わせることは悲願なのだ。



そして、その心の交流がどこかに漏れ、「最前線には北の内通者がいる」と言われるようになったのだろう。

しかし、彼らはスパイ活動をしていたのではなく、心を通わせていただけなのだ。



そして、その「心の交流」があるからこそ、戦争の悲惨な状況が余計に悲しくなって胸が引き裂かれるのだ。



韓国映画「高地戦」キム・オクビン



我々は何のために戦っているのか


そして、ウンピョが問い続けた「問い」。

我々は何のために戦っているのか



「停戦」と言われ安堵した直後に「あと12時間戦え!」と、天国から地獄へ突き落された彼らを辛い思いで見届けた後、その「問い」に答えはないなと思った。

アメリカが説く「民主主義」のために必死に戦った彼らも、結局、アメリカの空爆によって殺されてしまうのだ。

何度も無線で「空爆を止めろ」と言ってもだ。



そんな結末が待っているのなら、そんな「大義名分」に意味などないじゃないか。

彼らは、一体誰のために、何のために戦っていたのか



しかし、そこから分かったことがあった。

それは「戦争は無意味」ということだ。



そこにどんな理由があろうとも、人を殺してまで主張すべき主義などないし、手に入れるべき土地などないのだ。

そして、同じ民族である彼らは、交流をしたい時に交流できるべきなのだ。



つくづく、大国に挟まれたことで悲痛な運命をたどることになった朝鮮半島が気の毒だと思った。

ベルリンの壁がなくなった時点で、この世から冷戦はなくなったはずだ。

同じ民族でありながら、引き裂かれてしまった彼らが再び心を通わせる時が早く来ればいいなと思う。





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ドイツ映画「ヒトラーを欺いた黄色い星」を映画館で観た。

第二次世界大戦下のドイツのベルリンに潜伏し、終戦まで生き延びたユダヤ人たちのインタビューと再現ドラマで描いた作品。


満足度 評価】:★★★★☆

心に強く残ったのは良心を失っていなかったドイツ人達がいて、彼らの存在は絶望的な時代の中で希望だったこと。

生存者たちの証言があるからこそ、余計に真実味がある。

危機的状況での人間性を考えさせられる作品だった。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ヒトラーを欺いた黄色い星』予告編 動画

(原題:Die Unsichtbaren)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年8月11日 映画館にて鑑賞。

・2018年9月10日 感想を掲載。

・2019年8月15日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信、DVD、共に販売中。


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キャスト&スタッフ


出演者

〇マックス・マウフ

〇アリス・ドワイヤー

〇ルビー・O・フィー

〇アーロン・アルタラス

〇ヴィクトリア・シュルツ


監督・製作・脚本

〇クラウス・レーフレ


2017年製作 ドイツ映画



映画「ヒトラーを欺いた黄色い星」



あらすじ

1943年6月19日。

ベルリンで暮らすユダヤ人たちは、収容所へと送られ、ナチスドイツのゲッペルスは「ベルリンからユダヤ人を一掃した」と宣言。

しかし、7,000人のユダヤ人がドイツ人のフリをしてベルリンに潜伏し、その中で1,500人が終戦まで生き延びた。

この映画では、実際に生き延びた人々の証言と再現ドラマで「彼らがどのように生き延びたのか」を描く。



映画「ヒトラーを欺いた黄色い星」



感想


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」 に掲載したものをご紹介します。


ヒトラーを欺いた黄色い星 (2017)


★★★★ [80点]「1人でも味方がいれば希望になる」

悪人とされる集団の中にも、良心を失っていない人はいて、戦争のような時こそ、そういう人たちが希望になると感じた作品。



タイトルにある「黄色い星」とは、第二次世界大戦当時、ドイツ軍がユダヤ人に身につけることを義務付けていたワッペンのようなもの。

その頃、ベルリンにいたユダヤ人は、1人残らずドイツの東側にある収容所へと送られた。

そのため、その「黄色い星」を身につけた人たちはベルリンに1人もいないことになっていた。



しかし、実際には、ベルリン市内に潜伏して生き延びた人たちが1,500人程度いたとされ、その中から4人の実話をインタビューと再現ドラマで描いた作品。

原題の「Die Unsichtbaren.」とは「透明人間」を意味している。

ベルリンに潜伏していたユダヤ人は、2~3年の間、そこで生活しながらも、存在してはいけない生き方をしなければならなかった。



ということは、周りの人たちの協力が絶対不可欠になる

最終的には、周りの人たちの個々の人間性が、彼らユダヤ人の生き死にを左右することになる。

もちろん、そこに潜伏して、息をひそめて生きていかなければならない人たちが一番気の毒だけれど、
私の心に強く残ったのは、そういう「協力してくれた人たちの温かさ」だった。



中には、同じユダヤ人の中にも、生きていくために同胞を裏切って、ナチに情報を密告していた人たちもいたのに、危険を承知で匿ってくれるドイツ人や、あえて、根掘り葉掘り聞かないドイツ人もいた。

戦時中のような危機の時こそ、そういう人間の本質が出るし、もしも、目の前にいる人が迫害されるようなことがあれば、私は、弱者の味方に立つような人間でありたいと思った。



潜伏していた人たちは、生き残ったからこそ、こうして映画化されたけれど、ユダヤ人だとばれて殺されてしまった人たちの方が多かったのだ。



これは、運良く生き残った人たちの証言を残した貴重な記録でもある。

彼らの証言を観ながら、私たちは「なぜヘイトクライムがいけないのか」を学ぶべきである。

一人一人の差別や偏見が、やがて、こうした虐殺へとつながっていくのが良く分かるからだ。



こんな表現は不適切かもしれないけれど、私はこの映画を観ながら、

「永久に鬼に見つかってはいけない鬼ごっこ」

をしている気分になった。

鬼に見つかった時は殺される時なのだ



それは、ホラー映画ではなく、実際にあったことであり、どれだけ恐ろしいことなのか、

誰でも想像がつくことだと思う。


Posted by pharmacy_toe on 2018/08/12 with ぴあ映画生活



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渡辺謙主演、クリント・イーストウッド監督の映画「硫黄島からの手紙」をNHK BSプレミアムで観た。

1944年6月、第二次世界大戦における硫黄島での戦いを日本兵たちが家族にあてた手紙と共に描く。

クリント・イーストウッドによる、硫黄島の戦いについて描いた「父親たちの星条旗」に続く2作目。

満足度 評価】:★★★★☆

終戦から80年が経ち、この当時の日本兵たちの心情について、なかなか理解できない部分があったが、この映画を観ながら、私はもしかして、クリント・イーストウッドと同じような距離感で兵士たちのことを考えていたのかもしれないと思った。

「なぜ彼らはお国のために死んでいったのか」その思いを見つめ、考える映画となった。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想
  6. 関連記事


「硫黄島からの手紙」予告編 動画

(原題:LETTERS FROM IWO JIMA)



更新履歴・公開、販売情報

・2016年8月19日 NHK BS プレミアムで観た感想を掲載。

・2019年8月12日 NHK BS プレミアムでの放送に合わせて加筆修正。

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原作本「栗林忠道 硫黄島からの手紙」

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キャスト&スタッフ


出演者

渡辺謙
…(「怒り」、「インセプション」など)

…(「検察側の罪人」など)

〇伊原剛志


〇中村獅童

〇裕木奈江

監督

クリント・イーストウッド


2006年製作 アメリカ映画




あらすじ


1944年6月。第二次世界大戦において、日本にとっては不利な戦いが続いていた。

東京から遠く離れた太平洋の島、硫黄島では明日米軍が攻めてくるかもしれないという状況の中、空軍による支援がないという危機的な状態にあった。

そんな中、新しい指揮官として赴任してきたのが栗林中将(渡辺謙)だった。

栗林は硫黄島に到着するなり、これまでの作戦を変更したり、作業を止めさせるなど、明らかに通常のやり方とは違う方法で動きだしたため、そのやり方についていけない者たちも出始めていた。

その一方で、体罰や無駄死にを徹底的に嫌う彼の人間性が多くの兵士たちからの支持を集めることとなったのだが…。



映画「硫黄島からの手紙



感想(ネタバレあり)


米兵と日本兵の違い…


第二次大戦の硫黄島で日米間の戦いの様子が描かれている。

特に、日本兵たちが家族にあてた手紙と共に、日本兵からの視点で、日本兵=悪としてではなく、あくまでも各個人の人間性を描いている描いているのが特徴だ。

どっちが勝ったとか、どっちが敵だ、悪魔だという話ではなく、その時、硫黄島にいた全ての人たちが恐怖と闘い、必死で生きようとしていたことが「父親たちの星条旗」と合わせて観るとよく分かる。



しかし、そこは戦場。

当然のように、多くの人間が命を落としていく。



接近戦により米兵に殺された者、米軍の爆撃機により命を落としていく者…。

自害していく者、上官により処罰を受けて死んでいく者…。

この自害していく者の多さが、日本兵と米兵では大きく違っているところだ。



映画「硫黄島からの手紙」渡辺謙

なぜ、彼らは自害するのか…


私自身の正直な感想を言えば、「なぜ国のために命を落としていくのか」その理由が分からない。



この映画を観終わった後でも、その心情の核心の部分が理解できない。

私は、自分のために生きている。

国のために生きているわけじゃない。



だから、「国のために死んでください」と言われても、絶対に死ねないのだ。

むしろ、そうするぐらいなら、この映画の中村獅童演じる伊藤中尉のように、死んだふりをしてでも、捕虜になってでも生き延びたいと考える。



映画「硫黄島からの手紙」渡辺謙



兵士たちの手紙を通して見えてくる心情…


それではなぜ、当時の兵士たちは、敵にこの身を渡すぐらいなら、死んででも「国のために」身を捧げることができたのか。



それが、戦前の富国強兵の教育の結果なのか。

それが、戦争の作った産物だったのか。

それとも、80年経った現在の日本人と当時の日本人では本質がちがうのか…。



私は、クリント・イーストウッドも「なぜ、日本兵たちは『お国のために』と言って死んでいったのか」と不思議に思ったに違いないと思う。

だから、彼らが家族に宛てた手紙を通して、その心情を理解しようとしたのではないか。



映画「硫黄島からの手紙」渡辺謙、クリント・イーストウッド監督



個よりも家族、家族よりも国という時代


しかし、その手紙に書かれていたのは、戦地の悲惨さより、本土に遺したてきた家族への思いばかりだった。

そこで、きっとクリント・イーストウッドは、「日本兵たちは個よりも、家族。家族よりも国を大切にする国民だった」ということが理解できたのではないかと思う。



というのも、私自身の視点も、当時の日本人より、今のクリント・イーストウッドの視点に近いなと思ったからだった。



戦後80年が経ち、日本人も、国や家族より個人を優先する個人主義の人たちが増えてきたということだと思う。

どう考えても日本のために切腹するなんて理解できない。

それが、私の率直な感想だった。



映画「硫黄島からの手紙」二宮和也



「昨日の友が今日の敵」が戦争そのもの


この映画の全てを見終わって、心に残るのは開戦直前、栗林中将がアメリカの友人たちと楽し気に談笑している姿が心に残る。



「国のためだったら友人のアメリカ人を殺すこともできますよ」

「国のためですから」



それは、食事の席での冗談だったが、結局、アメリカと日本は、そんな冗談のような関係になってしまった。



戦争は、それまでに築いた友情や愛情を全て無にしてしまうものだ。

家族に愛情を込めて描いた手紙も届かない。

そんなに悲惨で悲しいことは二度とあってはいけないと。



戦争映画を観るたびに思う。






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クリント・イーストウッド監督の映画「父親たちの星条旗」をNHK BSプレミアムで観た。

第二次世界大戦。アメリカの勝利の象徴として使われた「星条旗を立てる米兵たち」

その写真が撮られた硫黄島の戦いと、写真が有名になったその後の話を描く。



映画「父親たちの星条旗」



満足度 評価】:★★★★☆

戦争の英雄とは何か。本当に平和で住みやすい世の中とは何かについて考えさせられた。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「父親たちの星条旗」予告編 動画(日本語字幕なし)

(原題:FLAGS OF OUR FATHERS)



更新履歴・公開、販売情報

・2016年8月6日 NHK BS プレミアムで観た感想を掲載。

・2019年8月5日 NHK BS プレミアムでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。



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キャスト&スタッフ


出演者

〇ライアン・フィリップ

〇ジェシー・ブラッドフォード

〇アダム・ビーチ

…(「崖っぷちの男」、「ディファイアンス」など)





監督

クリント・イーストウッド


2006年製作 アメリカ映画




あらすじ


1944年、第二次大戦の末期。

アメリカと日本は硫黄島で決戦を迎えていた。

米軍は、これまで戦争を経験していない若い兵士たちの多くを硫黄島へ送るが、予想以上の苦戦を強いられてしまう。

数日間の死闘の末の穏やかなある日。米兵たちは硫黄島の摺鉢山の頂上に星条旗を立てる。

そして、その際に撮った写真が本土に渡ると、それは戦意高揚の材料として使われ始める。

しかし、硫黄島での苦戦はその後も続いていた…。




感想(ネタバレあり)


摺鉢山に星条旗を掲げる米兵たち


あぁこの写真は硫黄島で撮ったものなのかと、真っ先に思った。



父親たちの星条旗2



この映画では、この「摺鉢山に星条旗を掲げる米兵たち」の写真について描かれている。

これはいかにも「米軍が硫黄島で勝利しました」と言いたげな写真だが、実際には、この星条旗を立てた後も硫黄島ではアメリカと日本の死闘が続き、この写真に写っている6人も、その多くがその後の戦闘で亡くなっている。



幸運にも、この戦闘で怪我をしたが軽症だった者、運よく最後まで命が助かった者のみが、本土に帰ることができた。

まさに、そこは地獄のような有様だった。



映画「父親たちの星条旗」



「国債買ってよキャンペーン」に利用される英雄たち


そして、彼らが運よく本土に帰った頃、この写真は戦意高揚の象徴としてあまりにも有名になっていた



この星条旗を掲げた小隊のメンバー3人、ドク(ライアン・フィリップ)、レイニー(ジェシー・ブラッドフォード)、アイラ(アダム・ビーチ)は英雄として迎えられる。

彼らは3人で全国を周り「国債を国民に買うよう促すキャンペーン」に使われるようになってしまった。



しかし、実際の硫黄島の戦闘は苦戦続きで、多くの仲間を失った彼らは英雄扱いをされることに戸惑いを感じていた

しかも、その中でもアイラはその写真にも写っておらず、「同じ小隊で生き残ったから」という理由で、その写真のメンバーとして祀り上げられていた。

それはきっと、米軍側がネイティブアメリカンが1人いた方が、「自由なアメリカ」の象徴になると考えたからだろう。



たちまち英雄となった彼らは、3人で全国を周り、国債の宣伝をし、戦争の資金集めの手伝いをさせられることに。

その「嘘の戦意高揚作戦」のプレッシャーに押しつぶされたアイラは自分自身を見失い、日々、泥酔するようになってしまう。



しかし、他の2人を含め、米軍の国債キャンペーンのスタッフたちは、そんなことはお構いなしだった。

今見れば、この時の「国債買ってキャンペーン」がなんてバカバカしいことかと思うけど、当時のアメリカの資金難は尋常じゃなかったんだろうなと思う。



人々に注目してもらうために作られた英雄

そこに違和感を持たずにはいられなかった



映画「父親たちの星条旗」



人種差別を受ける「英雄」


そんな中、私にとって、最も印象的なシーンがある。

それは、街にあるバーの前の道路で仁王立ちになったアイラが椅子を振り回し、大暴れしているシーンだった。



日頃から泥酔していたアイラだったので、スタッフたちは「あいつ、また暴れてる。なんとかしろ」程度の対応しかしなかった。

しかし、その後、ドクがアイラにその理由を尋ねると、彼は「入店を拒否された」と答えた。



これは衝撃だった。

全米各地を英雄として巡っていた彼らが、「ネイティブアメリカンだから」という理由で入店を拒否される



アメリカのように自由で平和な資本主義を広めるために世界で戦っている彼らが、本土へ帰れば差別を受けている

彼の生活が一向に良くならないのなら、なぜ、何のために彼らは戦っているのかと言わざるを得ない場面だった。



映画「父親たちの星条旗」



生き残るのが英雄なのか、戦場で命を落とせば良かったのか


そして、そのプレッシャーに苦しみ、ほぼ毎日泥酔していたアイラのセリフがとても印象的だった。

俺はただ弾をよけていただけなのに。なんで英雄にされるんだ



運よく命が助かっただけで、英雄ではない。

これは、多くの兵士たちが思う現実だろう。



多くの亡くなった兵士たちとなんの違いもないのに。なぜ、自分は英雄なのか

そのことに悩まされ続けたアイラは、その後、孤独な死を遂げてしまう。



戦争でせっかく助かった命、生き延びた命だったのに、本土に帰ってきてから悩まされ続け、辛い思いをし、命を落としてしまうなんてあまりにも悲しすぎる彼の生涯だった。



映画「父親たちの星条旗」



表面ではなく、その裏側を知る努力


そして思う。英雄とは、一体何なのか。

人を一人でも多く殺した者が英雄なのか。

それとも悲惨な状況の中、逃げ続け、命からがら助かった者が英雄なのか。



米軍から「英雄」と言われ、資金集めに散々利用された結果、それまで生活が変わらず、差別を受けていたものが差別を受け続けるのであれば、ただの戦意高揚の道具だとしか言いようがない。



私たちは、つい、テレビやラジオで政府が垂れ流す情報をそのまま鵜のみにしてしまうことが多々ある。

しかし、その裏にある真実とは何かということに目を向け、耳を傾けないと、世の中は簡単に間違った方向に動いてしまう。

そのことを強く感じた映画だった。




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ジョセフ・ファインズ主演の映画「最後のランナー」を映画館で観た。

映画「炎のランナー」でモデルとなったオリンピック金メダリスト エリック・リデルのその後を描く。


満足度 評価】:★★★★☆

第二次世界大戦下の中国で、日本の捕虜収容所に入れられた英国人元オリンピック金メダリスト。

どんなに酷く悲惨な状況でも、希望を失わずに人のために全てを捧げる姿に心が打たれる。

神に心を捧げ、神のために生きている人は強いなと思った。



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「最後のランナー」予告編 動画

(原題:On Wings of Eagles)





更新履歴・公開情報


・2018年7月25日 映画館にて鑑賞

・2018年8月23日 感想を掲載。

・2019年7月16日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信、DVD、共に販売中。



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キャスト&スタッフ


出演者

〇ジョゼフ・ファインズ

…(「疾風スプリンター」など)

〇エリザベス・アレンズ

〇小林成男

〇リチャード・サンダーソン

〇ジェシー・コーヴ



監督

〇スティーヴン・シン

〇マイケル・パーカー


2016年製作 中国・香港・アメリカ合作映画



映画「最後のランナー」



あらすじ


1924年 パリ・オリンピックに出場し、男子400mで金メダルを獲ったエリック・リデル(ジョゼフ・ファインズ)は、その後宣教師として生きる道を選択する。

その翌年、中国の天津へと渡るが、1927年、天津は日本軍の占領下におかれる。

英国領事館は、在中英国人たちに対し国外退去を命じる。

家族と共に中国へ渡ったリデルは、妊娠中の妻と娘たちをカナダへ送り出す。

人助けのため、一人残ったリデルだったが、間もなく強制収容所へと送り込まれてしまう…。



映画「最後のランナー」ジョセフ・ファインズ



感想


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


最後のランナー (2016)

★★★★ [80点] 「どんな時も希望を失わない生き方」


1981年に製作された映画「炎のランナー」のモデルとなったオリンピック金メダリスト エリック・リデルのその後を描く。

エリックはオリンピックて金メダルを獲得した後、アメリカの数々の企業から誘いを受けるも、それを拒否。

宣教師になる道を選び、中国の天津へ。



しかし、エリックが赴任してからしばらく経つと、中国は日本との長い戦いの末、第二次世界大戦に突入し、日本の占領下となった。

エリックは収容所に入れられてしまい、食べ物が制限され、人間らしい生活を奪われた生活を送るようになる。

そんな生活の中でも希望を失わずに人のために尽くすエリックの姿には、とても胸を打たれる



この映画を観ながら思い出したのは、アンジェリーナ・ジョリー監督の「不屈の男 アンブロークン」だった。

「不屈の男」も、オリンピックに出場した後、第二次大戦に突入し、日本の捕虜収容所に入れられた選手の実話が描かれていたからだ。



しかし、「不屈の男」と比べると、この映画のエリックは、尋常じゃない精神力の持ち主だということがわかる。

与えられた食事は飢えた子供たちに与えてしまい、それでも走るトレーニングをし、日本人との対決に備える。

罰として穴倉に入れられても、冷静さを失わない。

そして、自分の体調が悪い時でさえ、周りの人たちを気遣い、優先する。



そんな彼の姿を見て、エリックにあって「不屈の男」にないものは、「神の存在」だと思った。

宣教師の彼は「常に神に守られている」という思いがあって、その思いが彼を強くしている

だからこそ、悲惨な状況にあっても、いつも、自分よりも他人を思いやり、優先することができるのだろうと思った。



最後は収容所にいても、しっかりと宣教師としての役割を果たし、地元の中国人たちに彼の教えが伝わっていたことに感動して涙が溢れた

とても地味な作品だけど、これが実話で、こういう立派な人がいたんだということを知って欲しい作品だった。


Posted by pharmacy_toe on 2018/07/28 with ぴあ映画生活


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J・J・エイブラムス製作のアクション映画「オーヴァードライブ」を映画館で観た。

第二次世界大戦下の1944年6月 フランスの小さな村に降り立った米軍の落下傘部隊が、その村に隠された思わぬ敵と戦う姿を描いたアクション映画。


満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

ちょっとグロかったけど先読みできず予想外に面白かった!

第二次世界大戦の欧州でナチスドイツが人体実験!?

前半はガッツリ戦争映画、後半はホラー色濃い目のゾンビ映画という異色作!

しかし相手はナチスドイツ!

もしかしたら本当に実験してたかもね!と思っちゃう一作



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『オーヴァーロード』予告編 動画

(原題:Overlord)




更新履歴・公開、販売情報

・2019年5月15日 映画館にて鑑賞。

・2019年6月16日 感想を掲載。

現在、全国順次公開中。詳しい劇場情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
映画『オーヴァーロード』公式サイト


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【映画パンフレット】「オーヴァーロード」

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キャスト&スタッフ


出演者

〇ジョヴァン・アデポ

〇ワイアット・ラッセル

ピルウ・アスベック
…(「特捜部Q キジ殺し」、「LUCY/ルーシー」など)

〇マティルド・オリヴィエ

〇ジョン・マガロ
…(ドラマシリーズ「アンブレラ・アカデミー」など)

〇イアン・デ・カーステッカー

〇ドミニク・アップルホワイト

監督

〇ジュリアス・エイヴァリー


2018年製作 アメリカ映画



映画「オーヴァーロード」



あらすじ

第二次世界大戦下の1944年。

ノルマンディー上陸作戦を成功させるため、極秘任務についていた米軍の落下傘部隊は、爆撃された戦闘機から落下し、フランスにある小さな村に降り立つ。

そこから、無事に着陸できた者だけで任務を遂行すべく、一行は目的地へと向かう。

すると、その村では、ナチスドイツがある驚くべき人体実験を行っていることが判明し…。



映画「オーヴァーロード」ジョヴァン・アデポ、ドミニク・アップルホワイト



感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


オーヴァーロード (2018)


★★★☆ [70点]「戦争映画?ゾンビ映画?」


これ、割と評判が良かったので観たのだけど、予想外に面白かった!



第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦は、なぜ成功したのか。

その裏にナチスドイツの人体実験があった!?



前半はガッツリ戦争映画、後半はホラー色濃い目のゾンビ映画!?という異色作



私がこの映画を観ながら思ったのは映画
高慢と偏見とゾンビ」だった。

あれはジェーン・オースティンの古典恋愛小説「高慢と偏見」にゾンビ映画をマッシュアップした作品だった。

それに対して、これは戦争映画にゾンビをマッシュアップ作品だ。



何せ相手はナチスドイツだから何をしててもおかしくない!

「最強の兵士を作るために人体実験をしていた」と言われれば、「んーそうかもしれない」と思ってしまう説得力がある(笑)



これがまた、教会で「最強の兵士」を作る人体実験をしている訳だが、まさに、それは「神のごとく」行われているのだ。

これは教会でなければ意味がないだろう。



しかし、残念ながらというか、当たり前というか、人間は神ではないから、「最強の兵士」が人体実験で作れるはずがない

その結果、失敗作のモンスターを量産することになる。



まぁ、それぐらい、当時のナチスドイツは謎が多く、不気味で薄気味悪い存在だったということだろう。

そういえば、先日観た映画「アイアン・スカイ」では、ナチスドイツは月に移住していたし(笑)

ナチスドイツは当時から高度な技術を持っていたということでもあるんだろう。



そのナチスの薄気味悪さと、戦争の恐ろしさを組み合わせたのがこの映画だった。

まるで、トンデモ映画のようにさらっと観れてしまうけど、いろいろと考えて作られた作品だった。



最近、ありがちな映画には飽きてしまった…という人にオススメの作品だ。

先の展開が読めず、個性的で、面白い作品だった。

ただ、ちょっとグロいので、血が吹き出る系が苦手な人はご注意を。


Posted by pharmacy_toe on 2019/06/01 with ぴあ映画生活




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ドイツ映画「ヒトラー暗殺、13分の誤算」をWOWOWで観た。

1939年。1人の男がヒトラー暗殺を企てるが、わずか13分の誤差で失敗に終わってしまう。その後、ナチスに捕らえられた彼がなぜ、ヒトラー暗殺に至ったかを描く。

満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

小さな田舎町に住む家具職人がヒトラー暗殺を企てた実話。

それが、わずか13分という誤差で作戦に失敗してしまうのだが、それもまた運命。

1人の男性の勇気ある行動に驚かされる作品だった。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想
  6. 関連記事


「ヒトラー暗殺、13分の誤算」予告編 動画

(原題:ELSER /英題:13 MINUTES)



更新履歴・公開、販売情報

・2016年12月1日 WOWOWで観た感想を掲載。

・2019年4月17日 NHK BS プレミアムでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。



DVDで観る:「ヒトラー暗殺、13分の誤算」

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ネット配信で観る:「ヒトラー暗殺、13分の誤算」(字幕版)

ヒトラー暗殺、13分の誤算(字幕版)



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キャスト&スタッフ


出演者

〇クリスティアン・フリーデル

〇カタリーナ・シュットラー

〇ブルクハルト・クラウスナー
…(「パリよ、永遠に」、「リスボンに誘われて」など)

ヨハン・フォン・ビューロー
…(「5%の奇跡~嘘から始まる素敵な人生~」)


監督



2015年製作 ドイツ映画

ヒトラー暗殺13分の誤算




あらすじ


1939年11月8日。

ドイツのミュンヘンではヒトラーの演説が行われた。

しかし、その13分後、演説の会場が爆破される。

逮捕されたのは、ゲオルク・エルザー(クリスティアン・フリーデル)ドイツの田舎町に住む家具職人だった。

逮捕したナチスの幹部たちは、エルザーを拷問し、彼に協力した人間たちの名前を吐かせようとするが、エルザーは単独で計画したと言い…。

ヒトラー暗殺13分の誤算3




感想(ネタバレあり)


小市民が単独でヒトラーを暗殺する極めて稀な実話


2015年は、戦後、70年という節目の年であり、と同時に、ドイツにとってはヒトラー没後70年の年だった。

そのため、ヒトラーが登場する作品が多く製作された年でもあった。

その中で、この作品はヒトラーの暗殺をテーマとしている。



これまで、ヒトラーの暗殺について描かれた作品は数多くあるが、この映画は、これまで製作されてきたヒトラー暗殺モノとは一味違う。

例えば、ヒトラー暗殺を扱った映画で有名な作品といえば、トム・クルーズ主演の映画「ワルキューレ」がある。



その「ワルキューレ」は、トム・クルーズ演じるナチス幹部が、仲間を募り実行するも失敗してしまう映画で、いわゆる内ゲバものだった。

その「ワルキューレ」に代表されるように、「ヒトラー暗殺」と言えば、内ゲバ、もしくは、反ナチスの勢力や、外国人がヒトラーを暗殺するのがよくあるパターンだった。



しかし、この映画はそれらの作品とは少々毛色が違う。



何が違うのかといったら、実行犯のプロフィールが他と明らかに違う。

特に、背後に大きな政治勢力も持たない、田舎町に住む家具職人が単独で暗殺を企てている。



なぜ、政治的背景もない一般人が暗殺を企てようと思ったのか。

どうにも、その理由を知りたくなる作品だった。



ヒトラー暗殺13分の誤算4



彼を強く動かしたのは「世の中を良くしたい」という思い


その暗殺の実行犯エルザーは精密機械を製作することが得意な家具職人だった。

ナチスが台頭する前は、それなりの給料をもらって自由な生活を謳歌していた。



しかし、ナチスが権力を握るようになってからドイツには暗雲が立ち込めるようになる。

街中でナチスの党員たちは大きな顔をして威張り腐り、ユダヤ人の友人はナチスに連れ去られ、街中にさらし者にされているユダヤ人もいた。



そして、どんどん生活は困窮していく。

エルダー自身の生活もどんどん貧しくなっていき、それが自分の母親や、恋人の生活を苦しめていた。

その全てがヒトラーのせいだとエルダーは考えた。



今、英仏を相手に戦争を起こしても、国は全滅してしまう。

幸せだった頃の昔の生活に戻りたい…。

その思いから、エルダーは暗殺を考えるようになる。



「生活を取り戻したい」というこのエルダーの執念が、彼のすごいところだと思う。

目の前で苦しんでいる友人を見ていることが辛い、耐えられない。

その思いだけで、世の中を変えようと思うことができるだろうか。



人を暗殺するには、物凄いエネルギーが必要になる。

ただその辺にいる人を暗殺しようという訳ではない。

他でもないヒトラーだ。



そのヒトラーを暗殺しようと思ったその原動力が、「世の中を変えたい」と思う正義感だったのだとしたら。

彼は、とても強い意志と、正義感の持ち主だったのだろうと思う。



ヒトラー暗殺13分の誤算2



第二のエルザーに恐れ、怯えていたヒトラー


しかし、その計画は失敗し、彼はナチスに捕らえられてしまう。

ナチスはエルザーの暗殺計画が複数の人間による計画だと思い、徹底的に拷問をする。

それが4年間も続く。



ここが、「ヒトラーがエルザーを恐れていた」とされる理由だった。

もしも、エルザー程の精巧な時限爆弾を、彼の仲間が作れるとしたら、次は暗殺を防ぐことができない。



しかも、彼はどこかの反体制グループには所属していない、ただの小市民だ。

こんな人間が次から次へと出てきたらたまらないとヒトラーは考えたのだろう。



ヒトラーは、いつ自分が殺されるか分からないと怯え、第二のエルザーの誕生を誰よりも恐れていた。

だからこそ、長い時間拷問をして、徹底的に分析をしていた。



ヒトラー暗殺13分の誤算5



間に合わなかった13分にも、きっと理由がある


結局、最後まで誰もヒトラーを暗殺することができなかった。

もしも、エルザーの時限爆弾があと13分速かったら。

世界は変わっていたのかもしれない。



しかし、たまたまその日はいつもより13分速く演説が終了してしまう。

本当に、人生って皮肉に満ちていて、悲しいものだと思ってしまう。



それが、ヒトラーの悪運の強さであり、世界に定められた宿命だったのだと思う。

きっと、何かの理由があって、その時、ヒトラーは生かされた。

そう思った。



だから、その生かされたヒトラーから、私たちは何かを学び、二度と彼のような人間が生まれない世の中を作らなければいけない。

そうしないと、家族や恋人、友人たちのために命がけで世界を変えようと思ったエルザーの思い、第二次大戦で犠牲になった多くの人たちの思いは報われないからだ。






関連記事 ヒトラー暗殺


「ワルキューレ」
実際にあったヒトラー暗殺計画の映画化。トム・クルーズ主演作品

「ヒトラー~最期の12日間~」
第二次大戦末期。ソ連に侵攻され自害を決意するヒトラーの姿を描く。ブルーノ・ガンツ主演映画【感想】




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クリス・ヘムズワース主演「ホース・ソルジャー」を試写会で観た。

2001年に起きた『9.11 同時多発テロ』の翌日、アルカイダ掃討のためにアフガニスタンへ向かった12人の陸軍特殊部隊の実話を描く。



満足度 評価】:★★★★☆

戦闘シーンは迫力満点で見応えがあり、彼らの戦いはズシンと重みが残り、思いのほか感動した映画だった。

いつの時代も、誰にも知られることなく命がけで戦っている人たちがいるんだと改めて思い知らされる実話の映画化。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「ホース・ソルジャー」予告編 動画

(原題:12 Strong)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年4月15日 試写会で観た感想を掲載。

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原作本:「ホース・ソルジャー」(上)

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キャスト&スタッフ


出演

クリス・ヘムズワース
…(「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」、「マイティ・ソー バトルロイヤル」、「ラッシュ/プライドと友情」、「白鯨との闘い」、「ゴーストバスターズ」、「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」、「パーフェクト・ゲッタウェイ」、「アベンジャーズ」など)

マイケル・シャノン
…(「シェイプ・オブ・ウォーター」、「ノクターナル・アニマルズ」、「ラビング 愛という名前のふたり」、「ドリームホーム 99%を操る男たち」、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」、「マッド・マザー 生贄の少年」など)

マイケル・ペーニャ
…(「運び屋」、「アントマン&ワスプ」、「素晴らしきかな、人生」、「アントマン」、「大いなる陰謀」、「フューリー」など)

トレヴァンテ・ローズ
…(「ザ・プレデター」、「ムーンライト」など)

…(「アメリカン・アサシン」など)

〇エルサ・バタキー

〇ウィリアム・フィクナー


監督

〇ニコライ・フルシー


2018年製作 アメリカ映画



映画「ホース・ソルジャー」



あらすじ


2001年9月11日 アメリカで同時多発テロが起きる。

その時、陸軍大尉のミッチ・ネルソン(クリス・ヘムズワース)は、現場から退いて管理職に異動したばかりだった。

しかし、居てもたってもいられなくなったミッチは、自分の特殊部隊のチーム 12人を招集し、アルカイダが潜伏していると言われているアフガニスタンへと向かうことを志願する。

翌日には許可が下りたミッチたちチームは、隣国のウズベキスタンへと向かう…。



映画「ホース・ソルジャー」クリス・ヘムズワース



感想(ネタバレあり)


9.11 同時多発テロ直後に起きた実話の映画化


近年で、時代の流れを変えた事件というのが2つあると思っている。

1つは1989年に起きた「ベルリンの壁」の崩壊。

この時を境に 資本主義 VS 共産主義 の戦いである冷戦が終了した。



もう1つは、2001年9月11日にアメリカで起きた「同時多発テロ」。

この時を境に、世界で起きている戦争が「国 VS 国」から、「国 VS テロ組織」という形へと変化していく。

たとえば、この映画のような「米軍 VS アルカイダ」や、「国連軍 VS ISIS」など。



それぐらい「9.11 同時多発テロ」というのは世界に衝撃を与えた事件だった

この映画は、その「世界の歴史を変えた事件」の中で、テロ組織「アルカイダ」を追い詰めていった米軍特殊部隊の実話を描いている。

彼らが戦っていたのはアフガニスタンではなく、そこに潜伏するテロ組織であり、これまでの戦争とは明らかに戦い方が違っている。

ただ、アフガニスタンに降り立ってテロ組織を潰せばいいというわけではない。



その彼らが、「どう戦っていくのか」という戦略の立て方、山岳地帯での戦い方の難しさ、リーダーの人間性などを見ているのがとても興味深く面白い映画だった



そして、この戦いは極秘の中で行われたため、しばらく人に知られることがなく、長い時間を経ての映画化となった。



映画「ホース・ソルジャー」マイケル・ペーニャ、マイケル・シャノン、クリス・ヘムズワース


アルカイダの敵対組織「北部同盟」を利用する米軍


いくら特殊な訓練を受けた有能な戦士たちだからといって、12人の兵士では、5万人いるといわれるアルカイダと戦えるはずがない

そこで陸軍の参謀が考えた戦略が、現地でアルカイダと敵対している組織 北部同盟と手を組むことだった。



私は、その戦略には複雑な気持ちになった。

なぜなら、そうやって、米軍が現地の組織に金と武器を与え、利用できるだけ利用し、利用価値が無くなったところでポイ捨てした結果、捨てられた組織の中からアメリカを恨み、テロリストが生れていくケースが多いからだった。



そんな私の心配を見越したからだろうか、ミッチ率いる部隊がアフガニスタン入りした頃、アルカイダが現地の女性や子供たちにどれだけ酷いことをしていたのかを映し出す。

その蛮行の残酷さだけでも目をそらしたくなるものであり、「アルカイダを全滅させる」という彼らの目的を正当化するのに十分、説得力を持ったものだった。



これは、これまで行ってきた朝鮮半島やベトナムのように、北と南の間で線が引かれ、国が北部と南部に分かれて戦うのではなく、アフガニスタンに潜伏するテロ組織「アルカイダ」と、彼らに家族を殺された者たちからなる「北部同盟」との対立を利用して、米軍が北部同盟を支援しながら「アルカイダ」を掃討しようする作戦なのである。

「北部同盟」は、ミッチ率いる米軍にとって、アルカイダの潜伏先へ案内するガイドであり、共に手を組んで戦う同士でもあるのだ。



映画「ホース・ソルジャー」クリス・ヘムズワース



勝利へと導く「馬」と「リーダー」


その戦いの中で、彼らを勝利に導く立役者となったのが、「馬」と「頼りになるリーダー」だった。



それは、この映画の邦題からもわかるけれど、なぜ「馬」だったのか

米軍が手を組んだ北部同盟がそれほど予算を持っていない組織だということもあるけれど、アフガニスタンという国は山岳地帯であり、大きな道路はアルカイダに支配され、彼らに気付かれないように近づくには、その崖の中を行かなければならない

そのための「馬」だった。



今どきの戦いで馬!?と思うけれど、実際に映画を観てみると、なるほど、確かに馬でなければ通れないようなところばかりで、馬がいなければこの作戦は成功しなかっただろうと思える。



そして、現地の土地勘もなく、言葉が通じない組織と手を組み、生まれてからこれまで乗ったこともない馬に乗ることになってしまった兵士たちのモチベーションを上げ、チームを導いていったのがリーダーのミッチだった。

ミッチは、陸軍の参謀が「6週間かかる」と言ったところを「3週間で終わらせる」と言って、その役を得た経緯があった。

だから、彼には「急がなければいけない」理由があり、本部からしばしば「成果を出せ」とせっつかれていた



それでも、彼はメンバーの健康状態を気遣い、一人もかけることなくアメリカへ帰ることを約束し、自分のチームだけでなく、北部同盟のメンバーたちのことも気遣う。

さらに、戦闘状態になれば誰よりも先頭に立って部隊を率いる姿は、「憧れるリーダー像」の全てを兼ね備えていた



ミッチが最後まで「全員でアメリカに帰る」と言い続けたからこそ、部下たちは彼を信じてついて行ったのだと思ったし、作戦を成功させることができたのだと思った。



映画「ホース・ソルジャー」クリス・ヘムズワース



「愛国心」や「正義」を押し売りしない戦争映画


よくある戦争映画でうんざりしてしまうのは、「威圧感たっぷり」の上官が出てきて「愛国心」だの「正義とはなんぞや」と講釈をのたまうことで、そういう場面を見るたびに「あぁアメリカって…」と思ってしまう。

しかし、この映画に好感を持ったのは、そういう「愛国心と正義の押し売り」がなかったところ



「9.11 同時多発テロ」のテレビ中継を見て、事件を引き起こしたテロ組織に腹を立て、その報復のためにアフガニスタンに降り立った彼らだけど、いざ戦闘となれば「早くこんなことを終わらせて家に帰ること」が彼らの目標となる。

そして、彼らにとっての最優先事項は、愛国心でも正義でもなく、目の前にいる仲間たちを守りたいという思いだった。

そんな彼らの姿が、とてもリアルで等身大のような気がして良かった



敵を目の前にした彼らが、一番大事なのは「生きるか死ぬか」であり、「仲間と一緒に国に帰ること」であり、「お国のため」ではない

それこそが、現場で戦っているひとたちの思いなんだろうし、だからこそ、必死になって戦っているのだというところに私はとても感動した。



もちろん、優秀な彼らの頭や心の中には「9.11で犠牲になった人たちのために」という思いも当然あっただろうけど、いざ、現地について戦うとなった時に、頭に出てくるのは国で待ってくれている家族のことだろうし、早く帰りたいという思いだろうと思う。



映画の後半は、本当に目の前でミサイルが飛んでいるかのような迫力満点の戦闘場面が続き、それだけでも圧倒される。

そこには「どんなことをしてでも、全員が国へ帰るんだ」という思いを抱えたリーダーが先頭に立って向かっていったからこそ、あの場面は生れるのだし、感動するのだと思った。



どんな状況下でも、彼らのように「世の中に知られることなく」命がけで戦っている人たちが世界には大勢いるのだと思える作品になっている。



最後に、米軍のリーダーミッチと、北部同盟のリーダー ドスタム将軍は、いまだに親友関係が続いているという字幕が流れてホッとした。

それは、北部同盟は「アメリカに利用されるだけ利用されて捨てられた人たち」ではないことを示すメッセージだと思ったからだった。

ということは、あの少年兵たちもテロリストにならず立派な大人になったんだろうと思いたい…。




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ベニチオ・デル・トロ主演の映画「ロープ 戦場の生命線」を映画館で観た。

1995年、内戦が停戦したバルカン半島で住民たちに衛生的な水を提供するNGO団体が、井戸に捨てられた死体を除去するために四苦八苦する様子を通し、戦場における力関係の複雑さを浮き彫りにする。


満足度 評価】:★★★★☆

紛争地帯にある井戸を舞台にし、その井戸を通して、そこで暮らす村人たち、紛争が起きている民族対立、国連の役割を描き、その上で、平和を願うNGO団体にできることは何かを描いていて、とても面白かった。

そして「戦争も紛争もなくならないんだな」と思うと絶望的な気分になる映画でもあった。

この感想には結末に関するネタバレを含みます。映画をご覧になってからお読みください。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想
  6. 関連記事


「ロープ 戦場の生命線」予告編 動画

(原題:A Perfect Day)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年3月23日 映画館にて観た感想を掲載。

・2019年3月24日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

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キャスト&スタッフ


出演者

ベニチオ・デル・トロ
…(「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」、「ボーダーライン」「ガーディアンス・オブ・ギャラクシー」など)

ティム・ロビンス
…(「デッドマン・ウォーキング」など)

オルガ・キュリレンコ
…(「ディバイナー 戦禍に光を求めて」、「スパイ・レジェンド」など)

メラニー・ティエリー
…(「天国でまた会おう」など)

〇フェジャ・ストゥカン

〇セルジ・ロペス


監督・脚本・製作

〇フェルナンド・レオン・デ・アラノア


2015年製作 スペイン映画



ロープ戦場の生命線




あらすじ


1995年、停戦協定が結ばれたばかりのバルカン半島。

NGO団体「国境なき水と衛生管理団」は、ある小さな村の井戸に投げ捨てられた人間の死体を引き上げる作業をしている最中に、ロープが切れてしまう。

そこで、リーダーのマンブルゥ(ベニチオ・デル・トロ)とビー(ティム・ロビンス)は、近くの村を回ってロープを探しに行くのだが…。



ロープ戦場の生命線2




感想(ネタバレあり)


1995年 バルカン半島にある小さな村の井戸に投げ込まれた一体の死体


紛争地帯(表面的には停戦中)でのNGO団体の活動の難しさを通して、戦争が国民に与える影響や、様々な利権が絡んだ複雑さを描いた作品。

とても面白い作品だった。



バルカン半島では、冷戦の終結後、東欧の民主化にともない民族対立が発生。

それがユーゴスラビア紛争に発展したが、1995年ごろに沈静化し、停戦協定が結ばれたばかりだった。

とはいえ、停戦協定が結ばれたはずなのに、空爆は引き続き行われていて、その様子は旧ユーゴスラビア出身のエミール・クストリッツァ監督作「オン・ザ・ミルキー・ロード」でも描かれていた。



そんな状況の中で、NGO団体「国境なき水と衛生管理団」は井戸に落ちた死体を引き上げる作業をしていた。

しかし、もうすぐで引き上げられると思ったところで、死体を結んでいたロープが切れてしまう。

そこで彼らは、新たなロープを手に入れるために、周辺の村を回ることになった。



ところが、たかがロープ一本をなかなか手に入れることができない。

道中には牛の死体に埋め込まれた地雷が置かれ、村にたどり着けば、住民がほぼ全滅状態で人気のない村もあるし、国連に助けを求めてもらちが明かない。



様々な民族が入り混じるこの国では、大人たちの力関係が子供たちにも影響を与え、嫌われた人種の子供たちはカツアゲやいじめに遭う。

その現実を見つめながら、彼らは「命の危険にさらされた国民のために何をすべきか」を問い続けながら作業を続ける

その活動を通して、紛争地帯でNGOが活動することの難しさ、そして、国連とは一体何のために存在しているのかについて考えさせられる作品だった。



ロープ戦場の生命線3



死体によって汚染された井戸が示すものとは


人間は水を飲まなければ生きていけない

ということは、この映画の舞台のように、上水道が整備されていない山間部の小さな村にとって、村の中心にある井戸は村人たちの「命の源泉」である。

その命の源泉に、死体が投げ込まれ、汚染されてしまったということは、彼らNGO団体がしていることは「村人の命を助ける作業」である。



では、なぜ、そんな貴重な場所に死体が投げ込まれたのか

それは、その井戸のそばで「水を売っている人々」がいるからである。

「戦争によって金儲けをしたい人たち」が、紛争の混乱に乗じて死体を投げ込み、井戸を使えないようにし、自分たちは貧しい村人たちに水を売って金を巻き上げるのである。



ということは、「この井戸を村人の命」と考えると、そこにいきなり落ちてきた死体は、「戦争ビジネスで儲けたい人々によって引き起こされた紛争」を示していて、その中身は肥大し腐りきり、周辺の命を汚染する。

そして、なんとかしてそれを引き上げようとするロープは、「彼らの命をなんとしても救いたいと願う命綱」なのである。



周辺の村にその「命綱(=解決の糸口)」を探し歩いても見つからず、国連には拒絶され、たどり着いたのは民族浄化によってほとんどの村人が殺された村であり、ようやく見つけたロープは、死体を吊り下げていたものだった。

つまり、そのロープで死体を吊り上げた場合、井戸の汚染除去によって助かる命とは、他の村人たちの犠牲の上に成り立っているものなのである。



ロープ戦場の生命線4



純粋に平和を願う人々と、戦争をしたい人々の狭間で


しかし、そうして、多くの人々を犠牲にしてまで死体を引き上げ、もうすぐ除去できるとなった時、村人たちの目の前で、再びその綱は切れてしまう。

しかも、国連軍の手によって、それは無情にも切られてしまうのだ。

それは、衝撃の結末だった。



つまり、平和を願う人々によって紛争がもうすぐ終わるとなった時、その平和を壊したのは国連軍だったのである。

実際に、この時、和平条約が結ばれていたにも関わらず、いつまで空爆を続けていたのは国連軍だったのである。

その当時の様子は、前述した「オン・ザ・ミルキー・ロード」でも描かれていた。



この時、国連軍は「平和を維持する」ことを目的でこのバルカン半島に入っていたのに、むしろ、平和を壊し、その裏には「戦争ビジネスで金儲けしたい人たち」の存在が見え隠れしている。



では、NGO団体「国境なき水と衛生管理団」(明らかに「国境なき医師団」を示していると思われる)は、もしかしたら、間違って地雷を踏んで爆死してしまうかもしれないという危険と背中合わせで活動しているのだが、純粋に平和を願う彼らが、その地でできることはあるのか。

必死で紛争地帯(表向き停戦中)の人々の命を助けようとしても、国連が彼らの目の前で、その苦労を水の泡にしてしまう



そこに、平和を願うNGOの活動の難しさがある。

井戸の周りに集まってその中を覗き込み、「あの死体をどうやって取り除いて、村人の命を助けようか」と頭を悩ませたところで、村人たちからすれば「所詮、高みの見物」でしかないのである。



ロープ戦場の生命線5



たとえ数人であっても、人の命を救った日は「素晴らしい一日」


結局、目の前でロープを切られてしまい、絶望的な気分になっている彼らが受けた指令は「簡易トイレのつまり除去」だった。

その「たかだか下水のつまり」を治すような、たとえ誰でもできる仕事であっても、その村で簡易トイレを使っている数千人を疫病から救うことができる

それでも「何もしないよりはまし」なのだ。



そして、その道すがら、彼らが「不当に拘束されている」と通報した捕虜たちが乗った国連軍のバスとすれ違う。

もしかしたら、彼らも「民族浄化されてしまう人々だったかもしれない」と考えれば、多くの命を救ったことになる

それもまた、「何もしないよりはまし」なのだ。



たとえそれが数人であっても、人々の命を救った日は、彼らにとって「A Perfect Day(素晴らしい一日)」(原題)なのだ

そのためにNGO団体に入ったのであり、そのために命の危険を顧みず紛争地帯にいるのである。

そう思わないと、絶望して唖然とするような現実がそこにはあるのだ。



この映画の原作は「国境なき医師団」に所属する医師によって書かれたものなのだとか。

唖然とする現実をその目で見た人ならではの、かなり痛烈な皮肉のこもった作品だった。

一体、「平和維持軍」とは何のために存在し、何をするために紛争地帯に入っているのか。

現在、世界中で起きている紛争地帯で、この映画と同じことが起きているのでは…と考えると憂鬱な気分になる作品だった。






関連記事


バルカン半島の民族対立・紛争を描く

「オン・ザ・ミルキー・ロード」



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オスカー・アイザック主演の映画「The Promise/君への誓い」を試写会で観た。

1914年、第一次世界大戦当時に実際に起きた、オスマン帝国によるアルメニア人虐殺を描く。


満足度 評価】:★★★★☆

第一次世界大戦当時にこんなことが起きていたなんて知らなかった。

三角関係から始まって主人公たちに感情移入し、やがて戦争がやってくると、その戦争がまるで自分に起きていることのように感じた。

後半は涙なくしては観られなかった。


この感想にはエンディングに関するネタバレが含まれています。映画をご覧になってからお読みください。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「The Promise 君への誓い」予告編 動画

(原題:The Promise)



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・2018年1月31日 試写会で観た感想を掲載。

・2019年2月17日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

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キャスト&スタッフ


出演者

オスカー・アイザック
…(「サバービコン 仮面を被った街」、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」「X-MEN:アポカリプス」「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」、「ドライヴ」、「インサイド・ルーウィン・デイビス 名もなき男の歌」、「ワールド・オブ・ライズ」、「アレクサンドリア」、「アメリカン・ドリーマー 理想の代償」、「極悪の流儀」など)

シャルロット・ルボン
…(「ザ・ウォーク」、「マダム・マロリーと魔法のスパイス」など)

クリスチャン・ベール
…(「バイス」、「リベリオン」、「マニシスト」、「3時10分、決断の時」、「マネー・ショート 華麗なる大逆転」、「ファーナス/訣別の朝」、「ザ・ファイター」など)

〇アンジェラ・サラフィアン


〇ジャン・レノ

ショーレ・アグダシュルー
…(ドラマシリーズ「パニッシャー」など)



監督

〇テリー・ジョージ

2016年製作 スペイン・アメリカ合作映画



映画「The Promise 君への誓い」




あらすじ


1914年のオスマン帝国。

小さな田舎町で育ったアルメニア人のミカエル(オスカー・アイザック)は医者を志すも、医大に入学する金が無く、地元の有力者の娘・マラル(アンジェラ・サラフィアン)と婚約し、彼女の持参金でイスタンブールにある医大に入学する。

「必ず戻ってくるから、その時に結婚しよう」と約束して。

イスタンブールでは、同じくアルメニア人のアナ(シャルロット・ルボン)と、アメリカ人ジャーナリストのクリス(クリスチャン・ベール)のカップルと出会う。

その頃、オスマン帝国は第一次世界大戦に参戦し、戦場へ取材に向かうクリスはイスタンブールを離れることが多く、ミカエルとアナは恋に落ちる。

また、その頃、イスタンブールではアルメニア人を排斥する動きが始まっていた…。


映画「The Promise 君への誓い」オスカー・アイザック



感想(ネタバレあり)


ホロコースト以前、第一次世界大戦当時に起きたアルメニア人大虐殺


ナチスドイツによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)と言われれば、きっと誰もが聞いたことがあり、酷い話だと思うことだろう。

そして、みな、その話を聞いたときには「もう、二度とこんな酷いことは起きないように」と願うのだが、人間は過去から学ぶことができず、その後も、人種差別や迫害、虐殺はいつも世界のどこかで起きている



今回、この映画で描かれるのは、ホロコースト以前の1914年にオスマン帝国で起きたアルメニア人大虐殺である。

私は、オスマン帝国でそんなことが起きていたなんて知らなかった。



しかも、多くの犠牲者(150万人)を出しておきながら、トルコは現在も、その事実を認めようとしていないという。

ということは、きっと私だけでなく、多くの人にとってこれが「初めて知ること」なのかもしれない。

それだけでも、この映画の存在意義があり、より多くの人に見て欲しい理由の一つである。



「虐殺」にはとても暗くて重いイメージがるし、悲惨なできごとを扱っているけれども、この映画は人間の感情面にフォーカスをあてていて、とても感情移入しやすく、見やすくできている

なので、身構えることなく観て欲しい作品なのだ。



映画「The Promise 君への誓い」クリスチャン・ベール、オスカー・アイザック



主人公たちに感情移入することで、戦争がより身近になる


物語の中心となるのは、主人公たちの三角関係である。

医学生のミカエルと、ミカエルが世話になっている叔父の家で家庭教師をしているアナ。

そして、アナのボーイフレンドでアメリカ人ジャーナリストのクリス。



ミカエルとアナは、共にアルメニア人だったことから意気投合。

ジャーナリストのクリスは戦場に出向いて家を空けることが多く、アナは寂しい思いをしていたことでミカエルと恋に落ちるようになる。

しかし、ミカエルには故郷に婚約者がいるのだが、アナに言い出せずにいた。



アナの気持ちわかるなぁ。

自分が「よそ者」の土地で同郷の人に会うと、それだけで嬉しくなってしまうし、恋に落ちる確率も高くなる気がする。



ミカエルとアナの間には、クリスの入り込めない感情のつながりのようなものがあり、やがてミカエルとアナを見守るようになる。



この「好きな人に恋人がいる」ことからスタートする三角関係は、きっと誰にとっても経験のある感情なのではないかと思う。

付き合っているパートナーがいながら、新たに出会った人を好きになってしまったり、恋人が他の人へ気持ちが揺らいでいってしまうこととか…。

観客は「あぁ、その気持ちわかるわぁ」と主人公たちに共感し、感情移入していく



そこで戦争が起き、彼らの仲を引き裂いていく

その時には、彼らに既に感情移入していたため、観客にとって「戦争や虐殺」という、本来なら遠くの世界で起きているようなことが、まるで自分の身に起きているような身近なこととして伝わってくる



好きな人がある日突然姿を消したり、兵士として戦場に送られてしまったり。

そんな胸を引き裂かれるようなことが、この映画の中で起きている。



この映画の試写会に参加した時、監督のトークイベントがあり、その中で「『ドクトルジバゴ』のようなクラシックな恋愛映画を参考にした」と言っていた。

監督がそう言うように、これは昔からある、とてもクラシックな描き方だけど「戦争を身近に起きているできごと」として観客に感じてもらうように、導入部分に恋愛を描いているのだ。



もしかしたら、「戦争映画に恋愛感情はいらない」と思った人もいるかもしれないけれど、そこがあったからこそ、後半の戦争部分がより心に迫ったのだと思う。



映画「The Promise 君への誓い」シャルロット・ルボン、クリスチャン・ベール、オスカー・アイザック



ひとりの人間の勇気ある行動が、多くの命を助ける姿に感動


戦争が起き、アルメニア人排除の動きが高まり、ミカエルはトルコ軍に徴兵されてしまう。

本来なら、医学生は免除されるはずなのに「アルメニア人だから」という理由で、無理やり連れていかれてしまう。

そして、ミカエルは他の強制収容されたアルメニア人たちと共に重労働をさせられる。



そこでアルメニア人による暴動が起き、その隙を狙ってミカエルは脱走し、故郷へと向かう。

そんなミカエルを助けたのは、クリスだった。

クリスからしたら、ミカエルは恋人を奪った相手。

しかし、クリスはミカエルを憎むどころか、自分の命を投げ出して助けようとする。



当然、心中は穏やかではなかったに違いない。

内心、クリスはミカエルを憎んだことだってあったはずだ。

しかし、クリスはアナの恋人である前に、一人の人間であり、平和と正義を望むジャーナリストなのだ。

そして、クリスはアメリカ大使館に助けを求める。

その行動が、後々ミカエルの命を助けることになる。



大使館はクリスをオスマン帝国軍からクリスを解放。

クリスはオスマン帝国からフランスへ脱出。

クリスからアルメニア人たちが虐殺されていることを知ると、フランス軍はオスマン帝国へアルメニア人たちを助けに向かう。



戦争が始まってから、クリスの「アルメニア人たちを助けたい」という思いには何度も感動して号泣してしまった

「目の前にいる人を助けずにはいられない」という、居ても立っても居られない感じがとても良かった。



実際には、そんな簡単に大使館もフランス軍も動かないかもしれない。

しかし、問題はそこではなく、ここで示しているのは、1人の善意が行動を起こすことで大勢の人を助けることができるということなのだ。

他国(クリスはアメリカ人)の人も、目の前で悲惨なことが起きていたら、傍観者にならずに行動を起こせば多くの人を救うことができる。

戦争を反対することも、ジャーナリストが戦場で起きていることを告発するのも、「善意の行動」の一つである。



しかし、なぜ、いつの時代も

人種が、思想が、肌の色が違うからと言って、異なる人を排除しようとするのだろうか。

そして、なぜ、いつまで経っても、人は学ぼうとしないのか



これは、第一次世界大戦当時を舞台にした映画だけれども、現代に通じる物語なのである。

この映画の中で、クリスの勇気ある行動が多くの人々を助けたように。

誰かの勇気ある行いが、多くの人を助けることができるかもしれないという可能性や希望を感じることができる



もちろん、きれいごとだけではなく、それと同時に多くの善人たちが理不尽に殺され、亡くなっていくことも、戦争の側面として描かれている。



だからこそ、こういうことは二度と繰り返してはいけないのである。



映画「The Promise 君への誓い」オスカー・アイザック



「生き延びること」が復讐になる



その中で、とても印象に残ったセリフがある。

それは、家族を殺されてしまったミカエルが怒りに震え「復讐したい」と言った時に、アナがミカエルに言ったセリフである。

あなたが生き抜くことが、彼らへの復讐になるのよ



そのセリフが、この映画の全てを表しているように思った。



たとえ、酷い仕打ちにあって、悔しい思いをして、向かってくる相手を殺したとしても、何の解決にもならない

彼らはその上の人たちから動かされている兵隊に過ぎない。

「虐殺してやる、滅亡させてやる」と言って向かってくる相手に悔しい思いをさせたいなら、生き延びて、豊かな人生を送り、民族を繁栄させるのが一番なのである。



「暴力」では何も解決しないのだ。

そのことについて、我々はそろそろ過去から学んでも良いのではと思う。



その後のミカエルの人生は、私たちに希望を与えてくれる

たくさん悲しいことがあったけれど、生きていればきっといいことがある

そう思えるミカエルの人生だったと思う。



本当に世の中から、このような理不尽なことで亡くなる人が一人もいなくなるような時代がくればいいなと思う。




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