とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


カテゴリ:ヨーロッパ映画 > フランス映画



トニ・コレット主演の映画「マダムのおかしな晩餐会」を映画館で観た。

パリの豪邸で高価な美術品に囲まれて暮らすアメリカ人夫妻の生活を皮肉ったコメディ映画。


映画「マダムのおかしな晩餐会」



満足度 評価】:★★★★☆

いけ好かないセレブたちが散々、使用人をバカにするコメディ。

しかし、そんなセレブの姿から、本当に幸せで豊かな生き方が浮き彫りになり、最後にはホロッとさせられた。

豪華な家や美術品も心が貧しければ意味がないのだ

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『マダムのおかしな晩餐会』予告編 動画

(原題:Madame)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年12月20日 映画館にて鑑賞。

・2019年1月7日 感想を掲載。

・2019年12月16日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓




キャスト&スタッフ


出演者

トニ・コレット


〇ロッシ・デ・パルマ

〇マイケル・スマイリー


〇スタニスラス・メラール

…(「ヒッチハイク・キラー」など)

〇ブレンダン・パトリックス


監督・原作・脚本

〇アマンダ・ステール


2016年製作 フランス映画




あらすじ

パリで暮らすアメリカ人のマダム アン(トニ・コレット)は、自宅にセレブを呼んで晩餐会を開催。

すると、その直前になって、マダムはその晩餐会のテーブルに用意された招待席が13席であることに気付く。

そこで、それでは縁起が悪いと思ったマダムは、急遽一人分の席を追加することに。

しかし、新たに客を招待することもできず、嫌がる使用人のマリア(ロッシ・デ・パルマ)に無理やり客のフリをさせる。

そして、いざ、晩餐会が始まると、マリアは招待客のデビッド(マイケル・スマイリー)と恋に落ちてしまい…。



映画「マダムのおかしな晩餐会」



感想(ネタばれあり)


アメリカからやってきてパリの豪邸で暮らす成金セレブ


とにかくいけ好かないセレブがモリモリ登場する映画だった。

全編英語で製作されているけれど、これはフランス映画。

そして、主人公は、パリの豪邸で暮らすアメリカ人のマダム アン(トニ・コレット)である。



つまり、これは、フランス人の目線で観たアメリカの金持ちについて描かれた作品である。



それはたとえば、日本で置き換えて考えてみると、白金とか田園調布とかの高級住宅地にある豪邸にアジアの金持ちが住んでいたら、日本人は、その人たちに対してどんな目線で見るかという映画である。



長い歴史があるフランスからすると、アメリカは歴史のない新しい国である。

ということは、貴族でもなんでもないアメリカ人が、パリの由緒正しき豪邸を買って住んでいるとなると、「そのアメリカ人たちは成金か??」という視線で見てしまう。



日本にも「箔をつけるために」高級住宅地に住む成金たちがいるが、この主人公のマダムは、まさに「セレブとしての箔をつけるためにパリに住んでいるアメリカ人の成金」なのである。

この映画は、そんな成金たちに対する皮肉がたっぷりと込められた作品だった。



映画「マダムのおかしな晩餐会」トニ・コレット



南青山の住人と共通する「自分たちは特別な存在」という意識


私が、この映画を観ながら連想したのは、南青山に児童相談所を開設する件で反対している地元住民たちのことだった。


この映画を観た当時、ワイドショーでは、その件をしきりと取り上げていたからということもある。

だから、日本で公開するには、とてもタイムリーな映画だと思った。



この映画のマダムは、使用人のマリアがセレブのフリをして晩餐会に出席したら、富豪の美術商のデイヴィッドと恋に落ち、幸せそうにしているのを見て、妬みやひがみの気持ちを持つようになって、マリアをいじめ始める。



なぜ、マリアがデイヴィッドと恋愛するのが気に入らないのか。

そこには「使用人を見下している」偏見の気持ちがあるからだ。



だから、私は、南青山にいるなんちゃってセレブの人たちを連想したのだ。

ワイドショーで、地元住民の声を紹介していたのを見ると、その反対理由の中に「南青山に住むために何億円という投資をして、家を建てて引っ越した」というものもあれば、「児童相談所にいる子たちには、南青山で暮らす家庭との格差があり過ぎかわいそう」というものもあった。



マダムも、南青山のなんちゃってセレブも、一等地の豪邸で暮らす自分たちは「特別な存在」だと思い、収入が少ない人たちを自分たちよりも下に見ている

だからこそ、使用人のマリアが富豪と恋に落ちるなんて許せないし、嫌みの一つも言いたくなってしまうのだ。



映画「マダムのおかしな晩餐会」トニ・コレット、ロッシ・デ・パルマ



マダムと使用人。本当に貧しいのはどちらなのか


では、本当に貧しいのはどちらなのだろうか。



豪華な家と高価な美術品に囲まれて暮らしていても、幸せそうな人たちを妬んだり、ひがんだり、足を引っ張ったりしている生活が、本当に幸せなのだろうか

人生の豊かさとは、ブランド品の多さや、家の大きさではなく、どれだけ人間らしい生活をしているかではないだろうか。



それよりも大切なのは、本当に親身になってくれる友人や、心の底から愛してくれる人が、どれだけいるかということではないだろうか。

使用人仲間たちや、子供たちから愛されているマリアを見てそう思った。



デビッドがマリアに興味を持ったのは、「スペイン王室の末裔(まつえい)だ」という嘘を信じたのがきっかけかもしれない。

しかし、そこから恋愛に発展したのは、マリアの人としての面白さ、人間性があったからだ。



この映画では、デビッド自身がそのことに気付くまでが描かれているが、マダムは最後までそのことに気付かない。

というか、気付いても認めようとしないのだ。



映画「マダムのおかしな晩餐会」トニ・コレット、ロッシ・デ・パルマ



本当の心の豊かさとは


とはいえ、結局のところ、マダムはマリアに出て行かれ、浮気相手に捨てられ、夫に浮気され、一人ぼっちになってしまう

金やブランドのために寄ってくる人はいても、本当に彼女を愛してくれる人は誰もいないのだ。

そのマダムの貧相な考え方が「アメリカ人の成金らしさだ」と、この映画は皮肉っているのだ。



そしてマリアは、散々マダムにバカにされた結果、給料を失ってもマダムの家を出て、胸を張り、自分らしく生きていく道を選択する。

そんなマリアを見て、デビッドは本当の恋に気付くのだ。



同じ人生を生きるなら、誰かを妬む人生よりも、誰かを愛し、愛される人生を送りたい

それこそが、心豊かな人生だと思った。



そして、これは是非、南青山で児童相談所の建設に反対している住民たちに観て欲しい映画だと思った。

ぜひ、マダムの言動を見て、自分たちの何が間違っていたのかに気付いて欲しいと思った。

本当に心豊かな生活をしているなら、虐待され、大変な生活を送っている子供たちを助けてあげたいと思うはずだからだ。



しかし、この映画を観たところで、マダムの気持ちには共感できても、この映画が本当に伝えたい「心の豊かさ」については、何も気付かないかもしれない。

それこそが「宝の持ち腐れ」なのだ。





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カド・メラッド主演のフランス映画「オーケストラ・クラス」を映画館で観た。

行き詰ったプロのバイオリニストが、小学生にバイオリンを教えることで、自分自身を取り戻していく姿を描く感動作。


映画「オーケストラ・クラス」



満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

「バイオリンを習いたい」と目を潤ませるアーノルドの表情にやられまくって泣きっぱなしだった。

音楽で挫折した先生が新しい才能を見つけたことで再起するのも良いし、人種も年齢も関係なく音楽で繋がっていく人の輪も良い。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『オーケストラ・クラス』予告編 動画

(原題:La Melodie)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年8月24日 映画館にて鑑賞。

・2018年9月25日 感想を掲載。

・2019年10月30日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信、DVD販売中。


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キャスト&スタッフ


出演者

〇カド・メラッド

〇サミール・ゲスミ

〇アルフレッド・ルネリー

〇シレル・ナタフ

〇ユースフ・ゲイエ

〇ザカリア・タイエビ・ラザン



監督

〇ラシド・ハミ


2017年製作 フランス映画




あらすじ


プロのバイオリニストのシモン・ダウド(カド・メラッド)は、音楽生活に行き詰ってしまい、フランスの「プロの音楽家が生徒に音楽を教える」という教育プログラムで、小学生にバイオリンを教えることになる。

ところが、授業を開始してみると、生徒たちには落ち着きがなく、とてもバイオリンを教える状況ではない。

それでも、試行錯誤しながら、少しずつ音楽を教えていくシモンだったが、アーノルド(アルフレッド・ルネリー )という生徒に才能を見出す。

そこから、シモンは教えることに情熱を感じ始めるが、プロとしての音楽活動も再開できるようになり…。



映画「オーケストラ・クラス」



感想




オーケストラ・クラス (2017)


★★★★☆ [90点]「音楽に必死な子供の表情に泣けた」


感動!

音楽は子供も大人も人生を豊かにしてくれるものだと思ったし、小学校6年生の子供たちが、一生懸命にバイオリンの練習をしているのを観てるだけで泣けてしまった。



フランスでは、小学校にプロの音楽家を招いて生徒たちを直接指導するというプログラムがあるそうで、主人公のダウド先生は、音楽家として行き詰まったため、小学校のオーケストラクラスでバイオリンを教えるプログラムに参加することに。

しかし、そのクラスに集まった子供たちは、バイオリン弾いたこともなければ、落ち着きもない問題児ばかり。

その上、1年後にはそのメンバーでコンサートをしなければならず…



多くの小学生がそうであるように、この映画に出ているフランスの小学生もみな、落ち着きがない。

子供たちと話していても、モーツァルトとセリーヌ・ディオンの区別もついていない。

そんな子供たちに、どうやってクラシック音楽を教えればいいのか。

頭ごなしに叩き込んでも、身につくものではない



そこで先生が教えたのは、音を楽しむことだった。
(音楽という日本語は本当に素晴らしい)

楽譜も、バイオリンの指の位置も、持ち方も関係なく、それぞれのスタイルで音を出す。

その、心の中にある音を自分なりに表現することが、音楽を楽しむということだと先生は教える

そこで、そう言っている先生本人も、音楽を楽しんで演奏していないことに気付かされる

それよりも、子供たちと共に音を作り出すこと、とりわけ、アーノルドの才能を伸ばすことに喜びを感じるようになる。



先生にとって、そのオーケストラクラスは、初めは生活のために仕方なく始めたことだったけれど、子供たちに音楽を教えながら、先生は人生の喜びを取り戻していくのだ。

新しい才能を見つけ、その才能を伸ばし、未来を感じる喜び

あぁ、先生が教える喜びを知って良かったと思った。



初めは、怖い顔をして気難しそうだった先生の顔が、だんだん柔和な顔に変化していく過程がとても良かった。

人生は一度失敗しても、再度、やり直すチャンスが巡ってくる。

ただただ、大好きな音楽に夢中になって、練習すれば、次の大きなチャンスがやってくる。

そうして、少しずつチャンスをクリアしていくうちに人生は豊かになるのだ。



最後にコンサートを終えた後、子供たちがドヤ顔で、誇らしげだった表情が目に焼き付いてる

「あぁ、やっぱり音楽っていいなぁ」と思った作品だった。


Posted by pharmacy_toe on 2018/08/26 with ぴあ映画生活



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フランソワ・オゾン監督のフランス映画「2重螺旋の恋人」をフランス映画祭で観た。

1人の女性と一組の双子の男性をめぐるエロティックなサスペンス映画。


満足度 評価】:★★★★☆

双子の神秘を題材にしたサスペンス。

主人公のクロエは現実と妄想の間にいて、どこまでが現実なのかという謎解きしながら物語を追っていると、いつの間にか迷宮に迷い込んでいる。

その永久に出口のない感じがとても面白かった。



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「2重螺旋の恋人」予告編 動画

(原題: L'amant double)





更新履歴・公開情報


・2018年6月22日 「フランス映画祭 2018 横浜」にて鑑賞。

・2018年7月29日 感想を掲載。

・2019年9月29日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。詳しい作品情報などは、下記の公式サイトをご参照ください。。
 ↓
「2重螺旋の恋人」公式サイト

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キャスト&スタッフ



出演者

〇マリーヌ・ヴァクト

ジェレミー・レニエ
…(「午後8時の訪問者」など)


〇ミリアム・ポワイエ

〇ドミニク・レイモン



監督

フランソワ・オゾン
…(「彼は秘密の女ともだち」など)


2017年製作 フランス映画



映画「2重螺旋の恋人」



あらすじ


原因不明の腹痛に悩まされるクロエ(マリーヌ・ヴァクト)は、主治医(ドミニク・レイモン)に「精神的なところからくるもの」だと診断され、精神科に通い始める。

やがて、精神科医のポール(ジェレミー・レニエ)と付き合うようになり、同棲を開始。

ところが、街中でポールとそっくりの男性が、クロエの知らない女性と会っている姿を目撃。

ポールへの不信感を持ったクロエが再びその場所へ行くと、彼はポールの双子の兄弟ルイだと分かるのだが…。



映画「2重螺旋の恋人」



感想(ネタバレあり)


好きな人と見た目は瓜二つで、性格が正反対の人が現れたら…



なにごとにも100%満足するということはなかなかない

楽しかった時は、次はもっと楽しくと思うし、お金を稼げは、次はもっと稼ごうと思う。

美味しいものを食べれば、もっとおいしいものがあるはずと思い、勉強すれば、さらに深く知ろうと思う。


その「もっと」という気持ちは、人の成長や進歩につながっていくから、決して悪いことではない。

しかし、人間はどこまでも貪欲であり、その欲望を完全に満たすことはできない

この映画は、その人間の「不満足」から生まれるサスペンスである。



主人公のクロエには、精神科医の恋人ポールがいる。

ポールは優しい人で、母親との関係に不満があるクロエの精神面を癒してくれ、気にしていた腹痛も収まってきた気がする。

しかし、なんだか物足りない



そこへ現れたのは、見た目がポールと瓜二つで、ポールがその存在を話したがらないという双子の兄弟ルイである。

ポールがなぜルイの存在を隠すのか気になったクロエは、ルイに会いに行くのだが、そのうちにポールよりもワイルドでちょっと暴力的なルイに惹かれていく。



そこで考える。

もしも、付き合っている人がいたり、パートナーがいる時に、その人に対して、ちょっと不満があるとする。

そこへ、その人と見た目が瓜二つで、性格が正反対な人が現れたらどうするだろうか

きっと誰もが、グラグラと心が揺れるのではないかと思う。



だからこそ、ここでクロエがポールの目を盗んでルイに会いに行く気持ちが理解できるのだ。



映画「2重螺旋の恋人」



「ルイ」とは一体何者なのか



とはいえ、いくら「満たされたない」気持ちがあったとしても、見た目が瓜二つで、性格が正反対の双子に出会う確率などない。

そんな時、私たちはどうするかといえば、「妄想」を見るようになる。



たとえば俳優やアイドル、時には二次元のマンガの主人公などを主役にした「妄想」で、その満たされない隙間を埋めようとする



初めはクロエの物語を追っているうちに、これはポールとルイの双子の間に挟まれたクロエの三角関係の物語なんだなと思っていた。

しかし、次第に「え??」「んん??」と思うようになってくる。

どう考えても、「ここには絶対いないはず」のルイが現れるようになるのだ。



そうして次第に「ルイ」とは、クロエの「妄想」が作り上げた人物ではないのか??と思うようになった。

ポールに対する不満がやがて願望となり、ルイというポールの双子の兄弟を作り出したのではないか。



そこで、この物語を出口のないサスペンスにしているのは、「どこからが妄想で、どこからが現実か」という線引きをせず、その判断は観客に委ねているところだ。

だから、「ルイは実在している」と思う人もいれば、私のように「ルイは妄想だ」と思う人もいる。



どちらも、正解でも不正解でもない。

それは、観た人が判断すればいいのだ。



映画「2重螺旋の恋人」



クロエの中にいるもう一人の自分



では、クロエの愛した人は、双子なのか、そうではないのか。

そもそも、なぜ、クロエはポールを双子だと思ったのか。



その発端は、クロエの腹痛の原因となった、クロエの身体の中にいる産まれるはずだった双子にあると感じた。

医学上、このクロエのように「双子の片割れが身体の中に残る」ということが、本当にあるかどうかは分からないけれど、クロエのDNAの中に遺された「双子の魂」が、「もう一人のポール」を彼女の目の前に映し出したのではと思ったのだ。



私の周りにいる双子を見ていて、いつも不思議に思うのは「以心伝心」だ。

何も言わなくても、何の合図をしなくても、全く同じタイミングで、同じことを考えている。

2人が意図せず吐き出した言葉が、怖いくらいにシンクロしている。



あの以心伝心具合は、いつもすごいなぁ、不思議だなぁと思いながら見ていた。



もしも、クロエの身体の中で、ひとりの肉体は奪われても、そのパーソナリティはクロエのDNAの中に残されていて、そのクロエの中の「もう一人の自分」が、「ルイ」という人間を描きだしたとしたら。

そもそも、クロエの中の不満は母親との不仲から始まっていて、それが少しずつ「もう一人の自分」を大きくし、ポールとの出会いで、ルイという幻想を映し出す。



次第に、DNAの中に潜んでいた「もう一人の自分」はクロエの中で巨大化し、やがて、クロエを支配するようになる…。



双子だからこそ、「もう一人の自分」が描きだす幻想にクロエの気持ちがシンクロし、共鳴し、ルイに惹かれてしまう。

「もう一人の自分」は、そんなクロエを混乱させて、弱らせた時を見計らって支配しようとする。

まるで、クロエの肉体を2人の精神が奪い合うように…。



映画「2重螺旋の恋人」



全てにおいて「不満足であること」が、この映画の答え



そのうえで、「どこまでが現実で、どこまでが幻想なのか」について考えてみる。



しかし、映画の始まりから終わりまで様々なトラップが隠されていて、考えれば考える程答えは見つからない

監督は、あえてこの物語に答えを出さないんだと思った。



なぜならば、この物語は「不満足」についての話だからだ。

全ての伏線を回収し、全てに答えを出した「完璧」なストーリー展開だったら、それは「不満足」ではなく「満足」になってしまう。



「あれは結局なんだったんだろう」という「不満足」な余韻を残してこそ、この映画は成立するのだ。



人間の欲とはとても深く、完全に欲望を満たすことなどできない。

だから、多少物足りないなと思っても、現状に満足することが、肉体的にも、精神的にも健全な生活を送るコツなんだろうなと思った。



さて、身体の中から「もう一人の自分の肉体」を取り出したクロエのパーソナリティはどうなるのか。

母親と和解して(ように見える)、精神的にも落ち着くのだろうか。

いや、私としては、これからもクロエはポールとルイの間で生き続けてこそ、安定した世界にいられるのでは…と思うけれど…。


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フランス映画「ジュリアン」を試写会で観た。

別れた夫かのDVに悩まされる妻と幼い息子・ジュリアンの姿を通して、彼らを守るべき司法の在り方を描いた作品。


満足度 評価】:★★★★☆

元夫のDVに怯える母と息子。

どんなに母が元夫のDVを訴え、息子が父を拒否しても司法は彼らを守ってくれない。

その結果、事態は最悪の展開へ。

その恐ろしさに号泣だった。

司法は市民を守るためにあるべきだと思った。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ジュリアン』予告編 動画

(原題:Jusqu'à la garde)


 

更新履歴・公開、販売情報

・2019年1月23日 試写会にて鑑賞。

・2019年2月21日 感想を掲載。

・2019年9月2日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

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キャスト&スタッフ


出演者

〇レア・ドリュッケール

〇ドゥニ・メノーシェ

〇トーマス・ジオリア

〇マティルド・オネヴ


監督

〇グザヴィエ・ルグラン


2017年製作 フランス映画



映画「ジュリアン」



あらすじ

両親が離婚したため、息子ジュリアン(トーマス・ジオリア)の親権を争うことに。

妻ミリアム(レア・ドリュッケール)は夫アントワーヌ(ドゥニ・メノーシェ)のDVを訴え、ジュリアンは父に会いたくないと訴えるが、司法はアントワーヌにジュリアンと面会する許可を与えてしまう。

それ以来、週末ごとに父と会うことになったジュリアンだが、父はミリアムの引っ越し先を知りたがり、そんな父に対してジュリアンは嘘をつき続けるのだが…。



映画「ジュリアン」



感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


ジュリアン (2017)


★★★★ [80点]「母子を守るのは一体何なのか」

予想外に、ラストは恐ろしさからの号泣の作品だった。



これはある家庭におけるDVを描いた作品。

そんな映画を観ながら思い出したことがある。

それは大学時代の友人の話だ。



大学を卒業してから数年後、大学時代の同級生A君が結婚したという話を聞いた。

その時、私は普通に「そうかA君は結婚したのか」と思った。

A君は、結婚して良い家庭を築きそうな人だと思っていたからだ。



しかし、それから数年後、友人からA君が離婚したと知らされた。

あまりの早さにビックリしたので事情を聞くと「妊娠してる奥さんに暴力を振るったらしいよ」と、これまた驚きの事実を聞かされた。

その瞬間、さーっと体中の血の気が引いたのを覚えている。



A君は、大学時代に一緒によく遊びに行った友人で、日頃から人に暴力を振るうような人ではなかった。

しかし、結婚して家庭に入った途端、私たちの知らない「内弁慶の顔」が出たようだった。



それ以来、DVというのは、周りの人には分からないところで密かに行われているもので、だからこそ、他人にはなかなか理解してもらえず、恐ろしいものなのだと思うようになった。



この映画は、そんなDVの難しさをジュリアンという息子の視点で描いている作品だった。



ジュリアンの両親は離婚しているのだが、父は裁判所でジュリアンとの面会日を要求する。

どんなに母が夫のDVを訴え、息子が父に会いたくないと言っても、司法は父に最低限の権利を与えてしまう

市民を守るべき法律が、全く機能していないのだ。



そこから事態は恐れていた方向へと向かっていく。

司法が守ってくれないなら、誰が熊みたいな暴力男から か弱い母と息子を守るのか



現実世界では、ラブコメでよくあるようなムキムキのヒーローが突然現れて助けてくれるわけではなく、都合よく夫に事故が起きて痛い目にあうわけでもない。

その実態は、深夜に押しかけてくる夫の恐ろしさに怯え、ベッドで泣きながら震えている母子が大勢いるということなのだ。



一体、何のために司法はあるのか

そんなことを考えさせられた作品だった。

いやはや、本当に恐ろしかった



結婚生活に人には言えない悩みを抱えている人に、是非、観て欲しい作品


Posted by pharmacy_toe on 2019/02/03 with ぴあ映画生活




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ゆるめの映画ネタはこちら→「とにかく映画が好きなんです」【別館】

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フランス映画「アマンダと僕」を試写会で観た。

ある日姉を亡くし、共に暮らすことになった青年と姪の生活を描く。


満足度 評価】:★★★★☆

「もしも大切な人を亡くした時、人はどう立ち直るのか」

無理に悲しませず、立ち直らせもしない。

普通に呼吸をするペースで悲しみと向かい合う。

その時間と見つめる距離感がとても自然で優しい。

また、アマンダ役の子役が絶品だった


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『アマンダと僕』予告編 動画

(原題:Amanda)




更新履歴・公開、販売情報

・2019年6月10日  試写会にて鑑賞。

・2019年7月11日 感想を掲載。

現在、全国順次公開中。詳しい上映劇場情報につきましては、下記公式サイトをご確認ください。
 ↓
映画『アマンダと僕』公式サイト


オリジナルサウンドトラック「Amanda」

Amanda (Bande originale du film)

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キャスト&スタッフ


出演者

〇ヴァンサン・ラコスト

〇イゾール・ミュルトゥリエ

〇ステイシー・マーティン

〇オフェリア・コルブ

〇マリアンヌ・バスレー

〇ジョナタン・コーエン

〇グレタ・スカッキ


監督

〇ミカエル・アース


2018年製作 フランス映画



映画「アマンダと僕」



あらすじ

パリで暮らす24歳のダヴィッド(ヴァンサン・ラコスト)は、ある日突然、仲の良かった姉(オフェリア・コルブ)を亡くしてしまう。

そのためダヴィッドは、母一人子一人で暮らしていた姉の娘 アマンダ(イゾール・ミュルトゥリエ)と共に暮らし始める。

さらにダヴィッドは、姉を亡くした悲しみから完全に立ち直れない状態で、アマンダを引き取り、正式な後見人になるかどうかの決断を迫られのだが、子供を育てる自信を持つことができず…。



映画「アマンダと僕」バンサン・ラコスト



感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


アマンダと僕 (2018)


★★★★ [80点]「悲しみに寄り添い合う2人」


時間を追うごとにじわじわと心が温かくなる映画だった。



パリで暮らす7歳のアマンダはママと2人暮らし。

学校が終わると、近くで暮らすママの弟のデヴィッドが迎えに来てくれる。



しかしある時、ママが亡くなってしまい、生活が一変する。

24歳のデヴィッドは、大好きな姉を失った悲しみに暮れる間も無く、アマンダの後見人になって彼女を引き取るか、それとも、施設に預けるのか の選択に迫られる…。



これは人の喪失感についての映画だった。

大切な人を失った悲しみから、どうやって立ち直るのかについて、子供の視点で描かれている



7歳の子供に、ある日突然「お母さんが死んだよ」と言った時、頭の中では「もう会えない」と理解できても、本当に「亡くなった」ことを理解するには時間がかかる。

この映画は、その「悲しみから立ち直る時間とペース」を、とても自然に描いた作品だった。



アマンダはまだ7歳で、死を理解できないだけでなく、彼女の叔父さんであるデヴィッドも24歳で、まだまだ若い。

デヴィッドは、経済的にも、精神的にも自立する過程にあって、まだ頼りない。

そんな幼いアマンダとデヴィッドが、深い悲しみから立ち直ろうとしていく。



私は、その同じ悲しみや、痛みを抱えた人々が、自分たちのペースで支え合い、助け合っていく姿がいいなあと思った。

この手のタイプの映画では、すごく悲しませたり、頑張って立ち直させたりしがちだけど、この映画は、それがない。



彼らが、普通に生活する中で、呼吸をするペースで、悲しみ、立ち直っていく

その自然な感じと、彼らを見つめる視線が優しくていいなぁと思った。



自分が深く悲しんでいることに気付く瞬間も、また、そこから立ち直る時間も、人それぞれなのだ。



また、アマンダを演じている子役の女の子が、とても自然で驚かされた。



悲しいことがあった時、無理に立ち直ろうとする必要はない。

時には、周りの人たちに頼ったり、会話をしていくことで、自然と立ち直れているものだと、この映画を観て思った。


Posted by pharmacy_toe on 2019/06/29 with ぴあ映画生活




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フランス映画「パリ、嘘つきな恋」を映画館で観た。

自分を偽ってワンナイトの恋ばかりをしてきた中年男性が、車椅子の女性を本気で好きになってしまい、自分を見つめ直すロマンティックコメディ。


満足度 評価】:★★★★☆

素敵な人に出会った時、良い人に見られようとつい盛ってしまう。

その日限りの恋なら良いけど、本気になる程嘘を修復するのが難しくなる。

いい歳をしてと思うけど、歳を重ねても恋をすると子供みたいになってしまうのが良かった。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『パリ、嘘つきな恋』予告編 動画

(原題: Tout le monde debout)


更新履歴・公開、販売情報

・2019年6月5日 映画館にて鑑賞。

・2019年6月28日 感想を掲載。

現在、全国順次公開中。詳しい劇場情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
映画「パリ、嘘つきな恋」公式サイト


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キャスト&スタッフ


出演者

〇フランク・デュボスク

〇アレクサンドラ・ラミー

〇エルザ・ジルベルスタイン

〇ジェラール・ダルモン

〇キャロライン・アングラード

〇ローラン・バトー

〇クロード・ブラッスール

〇フランソワ=グザヴィエ・ドゥメゾン


監督・脚本

〇フランク・デュボスク


2018年製作 フランス映画



映画「パリ、嘘つきな恋」



あらすじ


シューズ会社のCEOをしているジョスラン(フランク・デュボスク)は、自分の身分を偽って、さまざまな女性をナンパし、ワンナイトの関係を繰り返す軽薄な中年男性。

そのジョスランの母親が亡くなり、葬式があった日に、遺品の車椅子に座っている時に、車椅子の女性フロランス(アレクサンドラ・ラミー)と出会う。

そのフロランスに一目ぼれしてしまったジョスランは、それ以来、車椅子で会うようになるのだが、自分が歩けることを言い出せなくなってしまう…。


フランス映画「パリ、嘘つきな恋」



感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


パリ、嘘つきな恋 (2018)


★★★★ [80点]「本気だからこそ自分をさらけ出せない」


面白かった!



これまで「恋は1日限りでいい」と思っていた軽薄男のジョスランが、たまたま母の遺品の車椅子に乗っている時に、車椅子の女性 フロランスと出会う。

そのフロランスに一目惚れしてしまったジョスランは、自分も下半身が麻痺していると偽るようになり、本当は歩けると言い出せなくなってしまう…。



そんなジョスランに対して、「なんで、本当のことを言わないのよ!」と思いつつも、彼の気持ちも分かる気がした



もしもある時、とても素敵な人に出会ったら、その人に良い人だと思われたくて、いろいろと盛ってしまうことがある。

本当はよく知らないのに、話を合わせるために知ったかぶりをしてみたり、いつもよりメイクを念入りにしてみたり、いつも着ないような服を着てみたり。

中には、年齢や、学歴や、経歴を詐称する人もいるだろう。



ジョスランの場合は、それが、下半身麻痺のフリをすることだったのだ。



そもそも彼は、いつも誰かになりすまして女性に声をかけていた。

かわいい女性を見れば、その場に応じてアフリカ人のフリだってするような人だった。

そのまま気が合えばベッドインして、翌日にはバイバイしていたような尻軽の彼が、フロランスと出会って、下半身麻痺のフリをするんだから皮肉な話だ。



しかし、私たちが素敵な人と出会って話を盛っても、あっという間に化けの皮が剥がれてしまうように、ジョスランも嘘をつき続けることが辛くなってくる。



いつものジョスランだったら、誰かのフリをすることに心が痛むなんてことはなかったのに、フロランスに対しては、心が痛くなるということは、それだけ本気だということなのだ。

これはビックリなのだけど、軽薄男のジョスランが、50歳になって初めて本気の恋をしたという話なのだ。

さらに、自分を偽って相手を口説くということは、愛する人を騙し、傷つけるということに初めて気づくのだ。



そして、その話に説得力があるのは、そのフロランスが、女性から見ても、とても素敵で魅力的な人だからだ。

バイオリニストのフロランスは、キラキラして輝いている。

ジョスランにはもったいないぐらいの女性だ。



そんな彼女だからこそ、ジョスランが嘘をついて近づいた挙句、本当のことを言ったら、嫌われて彼女に会えなくなってしまうことを恐れる気持ちもよく理解できるのだ。



50歳のジョスランは、ビジネスで成功し、お金を持っている。

夢のような高級アパートに住み、弾けもしないグランドピアノをインテリア代わりにし、ポルシェを乗り回し、女性の趣味を知り尽くしている。



しかし、ジョスランからそんな様々な仮面を引き剥がした時、本当の彼はどこにいるのか



ジョスラン本人には何もないからこそ、日頃から他人になりすまして女性に近づき、本気になることを恐れるのだ。



その一方で、下半身麻痺という障害を持ちながら、音楽に、スポーツに、自分の好きなことに夢中になってイキイキとするフロランスは、とても対照的だ。

だから、ジョスランは自分にないものを持っているフロランスに恋をしたのだろう。



そんな二人は出会うべくして、出会ったのかもしれない。



実際のところ、フロランスの方がジョスランよりも何枚も上手で、手の上でジョスランを転がしているのだけど、そのぐらいの方が、彼らはうまくいくに違いない

そんなジョスランを見ていると、いい歳をして…と思ってしまうけど、

人が恋するときは、いつまで経っても大人になれないものなのかもしれない


Posted by pharmacy_toe on 2019/06/15 with ぴあ映画生活




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イザベル・ユペールギャスパー・ウリエル共演のフランス映画「エヴァ」を試写会で観た。

嘘で人生を固めた男の人生が、ある女性との出会いをきっかけに崩壊していくサスペンス映画。


満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

悪女によって人生を狂わされた男の話か、それとも、自滅した男の話か。

私には、ある男の作り上げたお粗末な虚像が、隠せない欲望によって剥がされ、薄っぺらい人生が露になってしまったという自滅した男の話に見えた。

悪女の話か、それとも自滅の話なのか、その判断は観客に委ねられているのも、この映画の良さだった。



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「エヴァ」予告編 動画

(原題:Eva)




更新履歴・公開情報

・2018年7月3日 試写会にて鑑賞。

・2018年7月22日 感想を掲載。

・2019年6月19日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信、DVD共に販売中。詳しい作品情報につきましては下記公式サイトをご参照ください。
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キャスト&スタッフ


出演者

イザベル・ユペール
…(「クレアのカメラ」、「未来よ こんにちは」、「間奏曲はパリで」、「ピアニスト」など)

…(「たかが世界の終わり」など)

〇ジュリア・ロイ

〇マルク・バルベ

〇リシャール・ベリ


監督



2018年製作 フランス映画



映画「エヴァ」



あらすじ


ベルトラン(ギャスパー・ウリエル)は、人の戯曲を盗作し、その舞台がヒット。

彼は瞬く間に期待の新人脚本家となり、次作を期待されるが、なかなか筆が進まない。

そこで執筆のために別荘へ行くと、そこには雪で立ち往生して、勝手に上がり込んだ中年男女がいた。

その時、ベルトランは、そこにいた娼婦のエヴァ(イザベル・ユペール)に心を奪われてしまう…。



映画「エヴァ」イザベル・ユペール、ギャスパー・ウリエル



感想


この映画の感想は、私が「ぴあ映画生活」に掲載した感想を紹介します。


エヴァ (2018)


★★★☆ [70点]「嘘で塗り固めたお粗末な人生」


面白かったなぁ



一見、悪女によって人生を狂わされた男の話と思わせつつ、しかし、それは、その男が自滅しただけなのでは…と思うようになった。

全く正反対の虚像と実像を持つ人がいて、その人の本質にある欲望が自らの虚像をぶち壊していったのではないかと。

その化けの皮がはがれていく過程を見ていくのが、非常に面白かった



ギャスパー・ウリエル演じるベルトランは、他人の脚本を盗んで出版したところ、その舞台が大ヒットし、たちまち、次作が待ち望まれるスター脚本家となる。

若くて美しい恋人もでき、まさに順風満帆の人生を送っていた。

しかし、当然ながら2作目を書くことができない。



そこでベルトランは、その時出会った娼婦エヴァ(イザベル・ユペール)を題材にして脚本を書こうと思いつき、彼女に近づくが、やがて彼女にのめり込んでしまう…。



映画の冒頭から、何とも言えない居心地の悪さを感じていた。

なぜならば、ベルトランの人生が嘘だらけだったからだ。



まるで玉ねぎの皮のように次から次へと嘘を積み重ね、身包み剥がしたら何もない人なのに、自分が作りあげた虚像にしがみつき、上流階級にいる人間のような顔をして生きている。

そんな「いつバレるかもわからない」ような人生を生きるくらいなら、そんな人生はやめてしまえよと、ベルトランの薄っぺらい人生を思い、私はなんだか居心地が悪かったのだ。



そして、そんなベルトランの目の前に現れたのが、娼婦エヴァだったのである。

その時、虚像ではないベルトランの本性が、エヴァに対して「同じ匂い」を感じたのだろう。

こういうのを同類相憐れむというのだろうか。



ベルトランは、上流階級の賢い恋人といるよりも、エヴァといる方が居心地が良かったに違いない。

しかし、エヴァにとってベルトランは、ただの金づるでしかないのだ。

そうして、ベルトランはエヴァにのめり込むことで、自ら破滅の道を歩んでいくことになる。



人にはそれぞれに合った身の丈の人生というのがあって、身の丈以上の生活をしていると、本性にある欲望をむき出しにした瞬間に、虚像は崩れ落ち、あっという間に身の丈の生活に戻っていくのである。

これは、まるで人間の本質を見るような作品だった。



Posted by pharmacy_toe on 2018/07/05 with ぴあ映画生活



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ロバン・カンピヨ監督・脚本のフランス映画「BPM ビート・パー・ミニット」を試写会で観た。

1990年代のフランスで、エイズに対する知識を広めるための活動(『ACT UP(アクト・アップ)』)を行っていた若者たちを描く。

第70回 カンヌ国際映画祭(2017年)グランプリ受賞作品


満足度 評価】:★★★★☆

エイズ患者の環境改善やエイズについての偏見をなくすために正しい知識を広めたり、エイズの予防法について考える彼らが、政府や製薬会社と戦う姿を見ていると「人間らしい生活をさせて欲しい」という心の叫びが聞こえてくる。

HIV陽性であり同性愛者であることで、二重の差別と偏見を持たれ、それでも普通の若者らしく生きようする姿は涙なしには見られない

感動の作品だった。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「BPM ビート・パー・ミニット」予告編 動画

(原題:120 battements par minute)



更新履歴・公開、販売情報

・2017年11月26日 試写会で観た感想を掲載。

・2019年5月21日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


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キャスト&スタッフ


出演者

…(「天国でまた会おう」など)

〇アーノード・ヴァロワ

アデル・エネル
…(「午後8時の訪問者」、「ニースの疑惑 カジノ令嬢失踪事件」など)

監督・脚本

〇ロバン・カンピヨ


2017年製作 フランス映画



映画「BPM ビート・パー・ミニット」



あらすじ


1990年代のパリ。

当時はHIVに対する間違った知識が広まっていたため、エイズ患者に対する差別や偏見が蔓延していた。

そこで、ニューヨークから始まった『ACT UP(アクト・アップ)』のパリ支部では、エイズ患者の環境を改善するため、正しい知識を啓蒙するためのデモ行進や、高校での性教育、製薬会社への抗議などの活動を行っていた。

HIVポジティブ患者であるショーン(ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート)や、ナタン(アーノード・ヴァロワ)や、ソフィー(アデル・エネル)はアクト・アップ・パリのメンバーで、熱心に活動を行っていた。



映画「BPM ビート・パー・ミニット」



感想(ネタばれあり)


『ACT UP(アクト・アップ)』の活動とは


この映画は、1990年代のパリで行われていた『ACT UP(アクト・アップ)』の活動を描いたもの。

私は、その『ACT UP(アクト・アップ)』という組織について、この映画を観て初めて知った。

正式名称は the AIDS Coalition to Unleash Power(=力を解き放つためのエイズ連合)というそうで、1987年にニューヨークで発足された団体。



この映画に登場するのは、その『ACT UP(アクト・アップ)』のフランス支部『ACT UP(アクト・アップ)パリ』。

彼らは、エイズの正しい知識を広めるための活動をしたり、製薬会社に抗議をしたり、高校でコンドームの使用を促す性教育などをしている

次にどんなアクションを起こせばいいかについては、週一回のミーティングで話し合われる。

ここでは、デモや抗議活動の他にミーティングの様子も描かれている。



『ACT UP(アクト・アップ)』のメンバーの多くはゲイの人たちで構成されている。

そのゲイの人たちにはHIVポジティブの人もいて、病状が進行してしまっている人もいる。

ゲイの人たちだけでなく、血友病患者の輸血の際に院内感染してしまった人もいた。



そんな彼らにとっては、新薬の開発が強い願いであるが、当時の感染者がゲイの人たちや血友病患者といったマイノリティに多かったため、その開発が遅れていた。

だから、『ACT UP(アクト・アップ)』での活動は、彼らにとって「明日を生きるため」の活動でもあった。



映画「BPM ビート・パー・ミニット」アデル・エネル


同性愛者であること、エイズであることの二重の偏見を受けた人たち


1990年当時、エイズに感染している人たちに同性愛者が多かったため、エイズと言えば『同性愛者がかかる病気』という偏見が多かった。

私もその頃はエイズについて知識がなく「ゲイの人がかかる病気」だと本気で思っていた。

トム・ハンクス主演の映画「フィラデルフィア」が日本で公開されたのが1994年で、映画館で観たのを覚えているから、その頃にはようやく正しい知識が身についていたように思う。

映画の力って偉大なんだな。

参考:当時のエイズ患者を取り巻く環境を知りたくなったら「フィラデルフィア」 DVD

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ただでさえ、エイズにかかっていなくても、同性愛者の人たちに対する偏見が多く、同性愛者であることを隠して生活している人も多かった時代に、さらにエイズという病気がその偏見に追い打ちをかけることになった。



そのためか、製薬会社による新薬の開発も思うように進まない

まず、HIVの検査に行くということは「自分が同性愛者だと認めること」になるため、多くの人が病院に行かないままであり、それがまた感染者を増やすことになってしまう。

しかし、製薬会社としてはわずかな感染者のための新薬開発にお金をかけることもできない。



そのため『ACT UP(アクト・アップ)』では、「同性愛者ではなくてもエイズにかかる可能性があること」や「購入しやすい新薬の開発」を訴え続けていた。



映画「BPM ビート・パー・ミニット」


世間から注目してもらうために彼らがとった手段


しかし、それにしても彼らの活動は紳士的とはいえず、とても過激なものだった

大量の血のりを作って製薬会社にばらまいたり、座り込みの活動をしたり、デモ行進をしたり。



なぜ、そこまでしなければならないのか。

普通に訴えただけでは「誰にも注目してもらえない」からである。



より多くの人たちに、正しい知識を知ってもらうためには、マスコミに報道してもらわなければならない。

そのために、彼らは『より目立つ方法』を考えて、多くの人たちから注目してもらうことを目標としていた。



当時「ゲイ=エイズ=近寄るな」という間違った偏見が広がっていたため、エイズ患者であり同性愛者である人たちの日常は、偏見との戦いだった。

しかし『ACT UP(アクト・アップ)』には、病気が進行していくことへの恐怖や、世間からの偏見を共有する仲間がいた。

だから、そんな彼らにとって『ACT UP(アクト・アップ)』は大事な居場所だったし、仲間がいたから強くなれたのだと思うし、過激なことであっても、勇気を持って活動することができたのだと思う。



『ACT UP(アクト・アップ)』に限らず、どんな時でもそうだけど、1つの目標に向かって同じ気持ちを共有できる仲間がいるっていうのは良いなと思った。



映画「BPM ビート・パー・ミニット」


普通の若者のように「人間らしく生きていたい」


しかし、そんな風に彼らが製薬会社や政府に対して怒りをぶつけている姿を見ていると、これは彼らの「人間らしく生きるため」の戦いなんだと思うようになった。

エイズに感染してしまい、製薬会社や政府の対応に立ち向かう前に、同性愛者であるという偏見を乗り越えなければいけない。



差別や偏見があっても、エイズに感染していても、普通の人たちと同じように愛する人と愛し合い、クラブで踊って、訴えたいがあればデモに参加する

彼らは、そんな「当たり前の日常」を普通に送りたいだけの若者なのである。



しかし、世間の目はそんなことを許してくれない。

彼らをまるで怪物やばい菌でも観るような目で見て、時には酷い言葉を投げかけてくる。

そんな彼らの『ACT UP(アクト・アップ)』の活動は、

「お願いだから、普通の日常を送らせて欲しい」という心の叫びのように見えた。



同性愛者であっても、異性愛者であっても、誰でも病気になるし、平等に治療を受ける権利がある。

しかし、それが「当たり前ではない」時代があって、そんな「当たり前ではない日常」を「普通の出来事」にするために命がけで活動していた人たちがいた。

それが『ACT UP(アクト・アップ)』の活動だった。



物語の後半は涙なくしては観られなかった

監督と脚本を担当したロバン・カンピヨは、『ACT UP(アクト・アップ)パリ』の元メンバーだったのだという。

だからこそ、彼らの叫びが力強く心に響くし、彼らの活動がとてもリアルに伝わってくるのだろうと思った。





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参考:当時のエイズ患者を取り巻く環境を知りたくなったら「フィラデルフィア」 DVD

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フランソワ・クリュゼ主演の映画「最強のふたり」をNHK BSプレミアムで観た。

首から下が麻痺し車椅子で行動している男性が、介護者として採用したのはスラム街で暮らす黒人男性だった。

実話を元に映画化。


満足度 評価】:★★★★★

いっぱい笑って幸せになる映画だった。

障害を持った人が主人公の映画で、こんなに笑える映画は初めてだと思う。

全ての人におススメの映画。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「最強のふたり」予告編 動画

(原題:INTOUCHABLES / 英題:UNTOUCHABLE)



更新履歴・公開、販売情報

・2017年2月9日 NHK BS プレミアムにて鑑賞。

・2019年5月6日 NHK BS プレミアムでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


ネット配信で観る:「最強のふたり」(字幕版)

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「ドキュメンタリー:最強のふたり」 字幕版

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キャスト&スタッフ


出演者

フランソワ・クリュゼ
…(「ターニング・タイド 希望の海」、「盗聴者」、「避暑地で魔が差して」など)

オマール・シー
…(「あしたは最高のはじまり」、「ショコラ」、「インフェルノ」、「二つ星の料理人」、「ジュラシックワールド」、「パーフェクト・プラン」、「サンバ」など)


監督・脚本

エリック・トレダノ
…(「セラヴィ!」、「サンバ」など)

オリヴィエ・ナカシュ
…(「セラヴィ!」、「サンバ」など)


2011年製作 フランス映画


映画「最強のふたり」



あらすじ


富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、事故で首から下が麻痺してしまい、車椅子での生活をしている。

ある時、彼は介護人の面接を行った。

条件は、彼の家に住みこみで面倒をみること。

多くの希望者がいる中、彼が選んだのは、スラム街に住む黒人ドリス(オマール・シー)だった。

どうせ試用期間の一週間ももたないと思っての採用だったのだが…。


映画「最強のふたり」オマール・シー



感想(ネタバレあり)


常に人から見られる居心地の悪い2人組


日本は、単一民族の上に島国なものだから、日本人以外の人たち(特にアジア系以外)がとても目立ちやすい。

私も時々してしまうんだけど、超背が高かったり、イケメンだったりするとついついジロジロ観てしまう。

あれは、外国の方たちからしたらとても居心地の悪いことだろうなぁと思う。



この映画の主人公は、そんな「常に居心地の悪い思いをしている」2人組のお話。

1人は、大富豪のフィリップ。



彼は、お金持ちだからジロジロ見られるワケではない。

事故で首から下が麻痺してしまい、出かける時はいつも、車椅子に乗っているのだ。



もう1人は、黒人のドリス。

スラム街で暮らす彼は、白人社会の中では身体も大きくとても目立つ存在だ。



常に介護が必要なフィリップは、失業保険目当てで介護人の面接に来たドリスを採用した。

そこから、デコボココンビの珍道中が始まる。



映画「最強のふたり」フランソワ・クリュゼ、オマール・シー



マイノリティ同士だから言葉にしなくても分かり合える思い


フィリップがドリスを採用した理由として、「彼は自分を対等に見てくれる」と友人に明かしている。

フィリップもドリスも、互いに他人からジロジロ見られて「居心地の悪い思い」をしながら生活している社会的弱者だ。

互いにマイノリティだからこそ、分かり合える部分があるんだろうなと思った。



それは、健常者のマジョリティからしたら「分かったような口きくな」とか「同情するな」と言われてしまいそうな部分。

そんなデリケートな部分だからこそ、言葉にしなくても分かり合えるところがあったんだろうなと感じた。



夜中にフィリップが発作を起こして過呼吸になり、「空気が吸いたい」と言った時、私は酸素吸入機を使うのかなと思った。

しかし、ドリスは誰もいない夜のパリへフィリップを連れて行った。



人が大勢いる町だと息が詰まる。

でも、夜中のパリは人がいなくてゆっくりと呼吸できる。

あの場面は、「人の視線に息が詰まる」2人だからこその心が通じ合えるシーンだなと思った。



映画「最強のふたり」フランソワ・クリュゼ、オマール・シー



見ていて心地よいギブアンドテイク


2人の絆をさらに強くしたのは、お互いに持ってないものを補い合えるところ。

フィリップはお金持ちで、知識が豊富で、豪邸に住んでいる。



ドリスは、お金も知識も家もないけど、その分、フィリップの持っていない若さや体力、行動力で彼をサポートすることができる。

この2人の間のギブ・アンド・テイクが非常にうまくいっているところが、彼らの絆の強みだと思った。



また、そのことをお互いにキチンと認識しているところが良いなと思った。

ドリスは、自分に知識がないのをよく分かっている。



でも、フィリップからいろいろ教えてもらってドンドン吸収している。

クラシック音楽や、絵画、オペラまで。



まずは何でも吸収しようとする姿勢がいいなと思った。

きっとフィリップは、ドリスのような息子が欲しかったのではないかと思えるぐらい、フィリップもドリスに対して、知識の提供を惜しまない。



そして、ドリスからはフィリップにポップスやダンスを教えたり。

その2人のやり取りが本当に素敵だなと思った。


映画「最強のふたり」フランソワ・クリュゼ、オマール・シー



不幸も悲しみも笑い飛ばせ


そして、なんと言っても、この映画の素晴らしいところは、全部笑い飛ばしちゃうところ。

障害者を主人公にした映画で、こんなにたくさん笑えてハッピーになれる映画は初めて観た。



車椅子だとカッコイイスポーツカーに乗れないところも、障害者が車に乗っていれば警察の目もゆるくなっちゃうところも、スラム出身の黒人だと「ろくなもんじゃない」と言われちゃうところも、全部コメディにして笑い飛ばしちゃう。

泣かせるほうが簡単で、笑わせる方が何倍も難しいのに、この映画はその難しいことを難なく乗り越え、楽しい映画にしてしまった。



さらに、この映画は実話が元になっている。

実際のフィリップとドリスは今も深い絆で結ばれていると言って、実際の2人が最後に登場する。

そこでまた、ジーーーンとしてしまう。



例えば新しい人と出会う時、育ちも性格も正反対だからうまくいかないだろうなと思ってしまうことってよくあるなと思った。

そうじゃなくて、正反対だからうまくいくんだとこの映画を観て思った。

そして、人との付き合いを本当に大事にしないといけないなと心から思った作品だった。





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フランス映画「天国でまた会おう」をフランス映画祭で観た。

第一次大戦後のフランスで、顔に重傷を負ってしまった青年が企てた前代未聞の詐欺についての物語。


満足度 評価】:★★★★☆

観ている間は映像の美しさと物語の面白さに引き込まれ、観終わった後には、この映画の素晴らしさがじわじわと湧き上がってきて、戦争の理不尽さが胸に迫ってきた作品だった。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「天国でまた会おう」予告編 動画

(原題: Au revoir là-haut)



更新履歴・公開情報


・2018年6月24日 「フランス映画祭 2018 横浜」にて鑑賞。
(鑑賞時タイトル:シー・ユー・アップ・ゼア(See You Up There(英題)))

・2018年7月30日 感想を掲載。

・2019年3月8日 映画館にて再度鑑賞。

・2019年3月12日 感想を加筆修正。

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キャスト&スタッフ


出演者


〇アルベール・デュポンテル

〇ローラン・ラフィット

〇ニエル・アレストリュプ

〇エミリー・ドゥケンヌ

…(「ロープ 戦場の生命線」など)


監督・脚本

〇アルベール・デュポンテル

2017年製作 フランス映画



シー・ユー・アップ・ゼア





あらすじ


第一次世界大戦で、エドゥアール(ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート)は、友人のアルベール(アルベール・デュポンテル)を助け、負傷してしまう。

命は助かったエドゥアールだったが、顔に重傷を負ってしまったことにショックを受け、裕福な家に帰ることを拒否。

戦争が終わり、エドゥアールは戦死兵として偽装し、全く違う人間として、アルベールと共に生活し始める。

そして、戦時中に理不尽な命令をくだした上官のプラデル(ローラン・ラフィット)が財産を築いていることを知り、前代未聞の詐欺を思いつく…。


シー・ユー・アップ・ゼア2





感想


なぜエドゥアールが戦場にいたのか


この物語は、兵士エドゥアールが、第一世界大戦の戦地で負傷し、顔の半分を失ってしまうところから始まる。

その後、自分の顔に驚愕し、絶望したエドゥアールはそれまでの身分を捨て、違う人間として生き、ある詐欺を思いつく。

そして、戦友のアルベールは、そんなエドゥアールの詐欺を手伝うようになる。



そもそも、エドゥアールは、上流階級の息子で、戦地に行くよりも家で絵を描いている方が好きなタイプの青年だ。

そのエドゥアールがなぜ、戦地に送られたのか

それは、フランス人の「ノブレス・オブリージュ」(直訳:高貴さは(義務を)強制する)という考え方からきている



その「ノブレス・オブリージュ」について、Wikipediaを引用すると

一般的に財産、権力、社会的地位の保持には責任が伴うことを指す。




つまり「財力や権力を持ち、社会的地位の高い人は、他の人々の模範となるような生活をするべきで、誰もよりも積極的に義務を全うするべき」という考え方。



アメリカのセレブたちが積極的にボランティア活動をしたり、多額の寄付をしたりするのは、彼らにとってそれが義務であり、当たり前のことだからなのだ。

むしろ、欧米で一切奉仕活動をしないセレブは批判の対象になってしまうのだ。



で、その「ノブレス・オブリージュ」をこの映画の話に戻すと、第一世界大戦当時は、上流階級の人々が「ノブレス・オブリージュ」を全うするために、息子たちを戦地に送っていた

フランスの権力者の息子として生まれたエドゥアールも例外でなく、彼の意志とは関係なく、父の社会的地位を維持するために戦地へ送られたのだ。

そして、彼は顔面の半分を失うという大けがを負い、犠牲者となってしまうのだ。



天国でまた会おう3





なぜ慰霊碑詐欺なのか


しかし、戦後、社会に戻ってみると、戦場で亡くなった人々は称えられるにも関わらず、エドゥアールのような負傷者に対しては冷遇する世の中になっていた

それは、アルベールがエドゥアールのモルヒネを調達するために、負傷した兵士たちを襲っていたが、彼らはみな貧しい生活を強いられていたことからもわかる。



そこで、エドゥアールは「戦没者慰霊碑詐欺」を思いつく

「戦没者慰霊碑を作ります」と言えば、それこそ「ノブレス・オブリージュ」の精神でエドゥアールのお父さんのような人たちが、大金を払うのは確実だからだ。

エドゥアールは、そうして大金を集めて、慰霊碑を建てずに持ち逃げしようと考えた

誰よりもエドゥアールが、彼らのそうした考え方を知っていたからこそ、思いついた詐欺だった。



そして、戦友のアルベールは、そのエドゥアールの案を手伝うことにしたのだ。



天国でまた会おう4





エドゥアールが仕掛けた詐欺の真意とは…


戦争をすることに決めた政治家や、息子たちを戦地に送った上流階級の人々、エドゥアールの上官プラデルのように戦地で指揮をしていた者たち。

彼らは、戦後も裕福な暮らしをしている。



その反面、戦争によって負傷した者たちは、身体の一部を失い、生活が不自由になるだけでなく、仕事につくこともできず、貧しい生活を強いられていた。



その不条理さが深く胸を打つ作品だった。

エドゥアールのように詐欺をして人をだますのはよくないことだけれど、そのお金で戦争の犠牲者の生活を支えることは、それこそ「ノブレス・オブリージュ」ではないのか。



貧富の差の不条理から生まれた詐欺だったけれど、エドゥアールの真意は「父への復讐」にあった。

エドゥアールは死んだことになっていたが、慰霊碑のデザイン画を見た父は、エドゥアールを思い浮かべるのではないかと思った上で、あの詐欺をしかけているのだ。



そして、その通り、父がエドゥアールが訪ねてくる。

その時、父はエドゥアールとの「和解」を希望していたはずだ。

それまで冷たく当たり、自分の社会的な地位のために息子を戦場に送った父だったが、いざ、亡くしてみると息子の存在の大きさに気付かされるのだ。



しかし、だからこそ、エドゥアールは、その父の思いを裏切るような行動をする

それこそが、父に対する最高の復讐になるからであり、「天国でまた会おう」というタイトルが胸にしみるのだ。



天国でまた会おう5





思いは、最後に残る「悲しみ」


第一世界大戦は、非常に多くの犠牲者を出したことで未だに語り継がれる戦争になった。

しかし、戦死した者は称えられ、戦争によって富める者が生れ、身体が不自由になってしまった者は貧しい生活強いられるという不条理を生み出すこととなった。



いつの時代もそうだけど、戦争をするならば、戦争をしたい人が、最前線に行って銃を構えるべきなのだ。

「市民は国が決めた戦争に参加するのが義務だ」という理由で、戦争に行きたくない人々が戦地に送られ、多くの若い命を失ったり、または身体が不自由になって帰ってくるのは、なんという理不尽なことなのか。



エドゥアールは、そんな世の中に対して「どうしたら、この苦しみを父や父の仲間たちに理解してもらえるのか」と考え、詐欺を思いつき、それによって父をおびき寄せたのだ。

見事にエドゥアールは復讐を果たすことができたが、残された人々には深い悲しみが残った。



どんな形であれ、戦争の後には「悲しみ」が残るのだ。

だから、戦争はしてはいけないのだ。



これは、この世に戦争による犠牲者を出さないためにも、一人でも多くの人に観て欲しい作品なのである。







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