とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


カテゴリ:ジャンル > スポーツ



スベリル・グドナソン主演の映画「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」を試写会で観た。

1980年、世紀の対決と言われたボルグ VS マッケンローのウィンブルドン決勝の実話を映画化。


満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

まるで1980年のウィンブルドン決勝に連れていかれたような臨場感と、そこに至るまでの緊張感、息詰まるような重苦しさを見事に再現し、頂点の苦しさが伝わってくる中で戦う2人は本当に最高だった!


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』予告編 動画

(原題:Borg/McEnroe)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年8月22日 試写会にて鑑賞。

・2018年9月22日 感想を掲載。

・2019年6月23日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
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キャスト&スタッフ


出演者





監督

〇ヤヌス・メッツ


2017年製作 スウェーデン、デンマーク、フィンランド合作映画



映画「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」



あらすじ

1980年、イギリスで行われたテニスのウィンブルドン大会決勝。

それまで4連覇を成し遂げてきた王者ビヨン・ボルグ(スベリル・グドナソン)にとって、それは、歴史的偉業となる5連覇をかけた戦いだった。

その絶対王者に立ち向かっていったのは、アメリカからやってきた「悪童」であり、ボルグの宿敵ジョン・マッケンロー(シャイア・ラブーフ)だった。

ボルグを目指して勝ち進んできたマッケンローにとっても、それは絶対に負けられない試合だった…。



映画「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」スベリル・グドナソン、シャイア・ラブーフ



感想(ネタばれあり)


ウィンブルドン決勝戦の面白さをそのまま再現


錦織圭選手が世界大会で活躍するようになってから、テニスの4大大会(全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープン)の試合を見るようになった。

それまでテニスのルールすらあまり知らなかったけれど、何回か試合を見ただけで、その面白さに魅了されてしまった。

特に、テレビを通しても伝わってくる、ピーーーーンと張り詰めた空気と、会場のヒリヒリとした緊張感のプレッシャーの中で戦う選手たちの迫力は、他のなにものにも代えがたいものがある



先日の大坂なおみ選手とセリーナ・ウィルアムズの全米オープンの決勝もWOWOWで観戦していた。

出産を終え、1年ぶりに帰ってきた全米オープンで女王への返り咲きをかけたセリーナと、幼い頃から彼女を目標とし、その女王の胸をかりる思いで決勝の舞台に立った大坂なおみ。

そんな二人の戦いは、この映画のボルグ VS マッケンローに通じるものがあると思った。



1980年の男子テニス界で、「絶対的王者」として君臨していたのは、スウェーデン人テニスプレイヤーのビヨン・ボルグ(スベリル・グドナソン)だった。

その年のウィンブルドンの決勝で、5連覇をかけたボルグの前に立ちはだかったのが、アメリカ人テニスプレイヤーのジョン・マッケンロー(シャイア・ラブーフ)だった。



この映画では、その後「世紀の試合」と言われ、語り継がれることとなった決勝戦を描いている。

まるでライブで試合を見ているかのような臨場感、会場に張り詰めた緊迫感、二人のプレイヤーにのしかかる重圧と息が詰まるような空気

その全てを見事に再現した映画だった。



あまりにもリアルに再現していたので、二人の試合を見ていると、まるで自宅のテレビでテニスの試合を見ているときのように「あぁーーーっ」とか、「おしいっ」とか声を出したり、拍手をしたりしそうになってしまった。

その時の決勝戦を全く知らない私まで、その場にタイムスリップしたような作品だった。



映画「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」スベリル・グドナソン



ボルグとマッケンロー、何もかもが対照的なふたり


しかし、そんな当時の試合を再現するだけなら、当時のビデオを見直すのと大して変わりはない。

いや、むしろ、その時の動画を見返せばいい。



私がこの映画に感情移入して、思わず見入ってしまったのは、その決勝に至るまでの2人の軌跡が描かれていたからだ。

ボルグもマッケンローも、彼らがトッププレイヤーになるまでの育ち方が、とても意外だったのだ。



この映画の邦題にもある通り、「ボルグ」は「氷の男」であり、とても物静かなタイプだ。

常に落ち着いていて、取り乱すことがない。

サーブやリターンがあまりにも正確で「機械のようだ」と言われたほどだった。



しかし、幼い頃の彼はとてもキレやすく、家も決して金持ちではなく、テニスを続けられるような状況ではなかった

そんな彼に目を付けたのが、国別対抗戦デビスカップのスウェーデン代表のコーチをしていたレナート(ステラン・スカルスガルド)だった。

レナートがボルグをコーチするようになってから、ボルグはメキメキと実力を伸ばし、国際大会で優勝するようになる。



ボルグとレナートの関係を見ていると、大坂なおみ選手の場合もそうだけど、選手は、持っている能力を最大限に引き伸ばしてくれるコーチに出会うか出会わないかで、プレイヤーとしての人生が全く違ってくるんだと思った。

もしも、その時レナートに出会っていなかったら、ウィンブルドン連覇という偉業は達成できなかっただろう。

「運も実力のうち」という言葉があるけれど、そういう「実力を見出してくれるコーチに出会える運」もまた、選手の日頃の努力や実力が引き寄せたものに違いない。



コートの上で「冷たい男」とは対照的に「炎の男」だったのはマッケンローだ。

テニスは、発祥の地イギリスでは「紳士のスポーツ」だと言われているにも関わらず、マッケンローは、記者会見やコート上で悪態をつき、「悪童」というニックネームがついてしまう



しかし、幼い頃の彼は頭が良くてお行儀がよく、優等生だった。

裕福な家庭に育った彼は、テニスの試合に勝つとお父さんが喜んでくれるため、常に必死になって勝ち続け、やがて、3歳年上のテニスプレイヤー ボルグに憧れるようになる。



そこからは、ボルグと同じコートに立って戦うことを目標にし、ランキング上位に食い込むような選手にまで成長する。

「勝つことだけ」にこだわり、夢中になった結果、「おとなしい優等生」は、いつしか「コートで悪態をつく悪童」になっていたのだ。



映画「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」シャイア・ラブーフ



トップに立つ人間に必要なのは、技術力、精神力、そして、最高のライバル


そんなとても対照的な二人が、ウィンブルドンの決勝で出会うという奇跡。

その舞台は、準々決勝でも、準決勝でもなく、決勝なのだ。

神様は、なんてニクイ演出をするんだろう。



その決勝のコートに立った二人を見て、「二人にしか見えない景色」があると思った。

エベレストの頂上に立った人にしか見えない景色があるように、ウィンブルドンの決勝の舞台に立った人にしか見えない景色がある。



そこに立つまでの間、悪態をつき続け、感情を爆発させてきたマッケンローの気持ちを一番理解できるのは、かつて自分も悪童だったボルグであるように、二人には二人にしか見えていない世界がある



そんな二人を見て思ったのは「トップに立つ人間をを成長させることができるのは、最高のライバル」ということだった。

大坂なおみが全米オープンでセリーナ・ウィリアムズを目標にして勝ち上がり、準決勝で勝った時のウィナーインタビューでは、「どうしてもセリーナと戦いたかったからがんばった」と言っていた。

マッケンローもまた、「どうしてもボルグと試合がしたくて」それだけを目標に勝ち進むのだ。



目標にされたボルグもまた、コートで悪態をつくマッケンローに昔の自分を重ね、自分の立場を揺るがすのはマッケンローしかいないと確信する。

そこで、彼は「連覇」の重圧を感じ、押しつぶされそうになるが、それを乗り越え、また戦いの舞台へと戻っていくのだ。

彼らは、常に互いを刺激し合い、切磋琢磨し、高め合う仲間であり、最高の「好敵手」なのだ。



お互いの存在があったからこそ、ボルグは偉業を成し遂げることになったし、マッケンローもまた最高のテニスプレイヤーへと成長したのだと思う。

常に誰かの背中を追いかけ続け、共に戦い、トップに立った時には、周りからの重圧に押しつぶされない強さ。

それらがそろって、初めて王者になれるのだ。



それは、テニスの世界に限らず、他のスポーツでも、ビジネスの世界でも同じことだと思う。

トップに立つに人間には、それなりの技術力と精神力が必要であり、互いに意識し合えるライバルがいれば最高!なのだ。



そして、ウィンブルドンの決勝。

彼らの互いに最後まで諦めない熱戦に、最後は涙を流しながら観ていた。

緊張感も半端なくて、見ているこちらまで緊張感で息がつまる試合だった。



映画「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」シャイア・ラブーフ



試合後、親友になった二人の美しい関係


生まれた時から天才などいない。

いや、いるかもしれないけれど、才能を持っているだけではトップに立つことはできない。

人一倍の努力をし、技術力を養い、その上で、押しつぶされない精神面を持った者だけがトップに立つことができる。



そこまでは、よくあるスポーツ映画でよく言われることだ。

この映画を見ていて思ったのは、トップに立った人間がさらにその上を目指すために必要なのは、切磋琢磨できるライバルの存在だということ。

時には連覇がかかった試合や、引退をかけた試合で、さらに一歩踏み込みたい時に、ライバルの存在は、選手を奮い立たせることになる。



私は、そんな彼らの存在が羨ましいと思った。

すぐ目の前に「この人を越えたい」と思える存在がいるなんて素晴らしいではないか。



そして、この映画では、その後の2人が描かれている。

そこがとても心温まるシーンで良かった。

コートに出た二人が、プライベートでも親友同士になれたのは、二人しか見ていない景色を共有したからだと思う。



互いをこき下ろしたり、足の引っ張り合いをしたり、そんな貧しい関係ではない

共に相手の素晴らしさを認め合う仲なのだ。

そんな二人の間には誰も入ることができない、とても美しい関係だった。


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マイケル・B・ジョーダン主演の映画「クリード 炎の宿敵」を2回観た。


チャンプになったクリードは、父アポロを殺したドラゴの息子からの挑戦を受ける。


満足度 評価】:★★★★☆

ボクシング映画のど真ん中を貫く王道の作品!

偉大なる父の遺伝子を引き継ぐ二人のボクサー。

彼らの前に立ちはだかるのは、復讐、因縁、そして葛藤。

それらを乗り越えるのは憎しみなのか、愛なのか。

後半は号泣必至の感動作!

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想
  6. 関連ページ


『クリード 炎の宿敵』予告編 動画

(原題:Creed Ⅱ)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年12月12日 試写会にて鑑賞。

・2019年1月14日 映画館にて鑑賞。

・2019年1月20日 感想を掲載。

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キャスト&スタッフ


出演者

マイケル・B・ジョーダン




監督

〇スティーブン・ケイブル・Jr


2018年製作 アメリカ映画



クリード炎の宿敵




あらすじ


ロッキー(シルベスター・スタローン)の指導の下でチャンピオンとなったクリード(マイケル・B・ジョーダン)は、かつて、父 アポロを殺したロシアのボクサーイワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)の息子ヴィクター・ドラゴ(フロリアン・ムンテアヌ)から挑戦状を受ける。

父の復讐のために挑戦状を受けたクリードだったが、ヴィクターからダウンされてしまう。

しかし、ヴィクターの反則により勝利するという後味の悪いものだった。

そして、それ以来、クリードはリングから距離をおくようになり…。



クリード炎の宿敵4






感想(ネタばれあり)


「クリード チャンプを継ぐ男」と「ロッキー4」の続編


このブログを定期的に読んでくださっている方は、もしかしたら「こいつよく泣くなぁ」と思っているかもしれない。

そのぐらい、どの映画にも「泣いた!」と言っている。



その私が言うのだから、当てにならないと思うかもしれないけど、この映画は「号泣案件」だった!!

2回観たが、2回とも号泣した。

そこで何が起きるのか分かっていても、泣いてしまった。



この映画はボクシング映画だけれども、かなりエモーショナルで泣ける作品になっている。

だから「暴力苦手」「ボクシング苦手」という人も、是非、観て欲しい作品である。



しかし、その前にクリード チャンプを継ぐ男」と「ロッキー4」の予習は必ずして欲しい

特に「ロッキー4」を観ていないと、魅力は半減すると言っていいと思う。



というのも、この映画はクリード チャンプを継ぐ男」の続編だけど、「ロッキー4」の続編でもあるのだ。



日本では1986年に公開された「ロッキー4」は、ロッキーとソ連のボクサー ドラゴが戦う話だった。



ソ連からアメリカへやってきたボクサーのドラゴがロッキーに叩きつけた挑戦状をロッキーが拒否。

そこで、友人のアポロが代わりに引き受けるが、ドラゴに打ちのめされて亡くなってしまう。

そのため、ロッキーはアポロの復讐のためにソ連へ行ってドラゴと戦い、ドラゴは負けてしまうのだ。



それから30年経ち、ドラゴの息子はボクサーとなり、再びアメリカのチャンピオンに挑戦状を叩きつける。

それが、アポロの息子クリードなのだ。



ドラゴはロッキーに負けたため、妻にも逃げられ、ロシアで立場が無くなってしまい、ウクライナへ逃亡。

そして、自分と息子の立場を取り戻すために、ロッキーの弟子で、アポロの息子でチャンピオンのクリードに挑戦状を叩きつけたのだ



クリード炎の宿敵2



30年前、なぜ、彼らは戦ったのか


30年前、アポロとロッキーとドラゴが戦った頃、アメリカとロシア(当時はソ連)は冷戦にあった



民主主義か、共産主義かというその戦いの中で、アメリカとソ連は技術力を競い合っていた。

ボクシングについても、それは同じだった。

トレーニング方法についてその技術を競い合い、ソ連は最先端の機械を使ってドラゴという殺人兵器を生み出していた。



そのドラゴに対し、ロッキーは、それまで通りのトレーニングで調整を行い、アメリカ国旗を背負ってソ連入りし、ドラゴを倒すのだ。

その当時、「アメリカの強さの象徴」として存在していたロッキーは、「冷戦におけるアメリカの強さ」を表現し、見事にドラゴを打ち負かしたのだ。



それから30年が経ち、冷戦は終わった。

チャンプになったクリードは「何のために戦うのか」を問われる

それは、冷戦後に「打倒共産主義」という目標を失ったアメリカの姿と重なっている



冷戦が終わり、ロシアが敵ではなくなった現在、アメリカはどこへ向かうべきなのか

その問いかけを、この映画はドラゴと戦うクリードの姿を通して描いているのだ。



クリード炎の宿敵3



クリードとドラゴ、彼らは「何のために戦うのか」


ドラゴからの挑戦状を受けたクリードは、はじめは父アポロの復讐のために戦っていた。

しかし、「怒り」や「憎しみ」の感情では、相手に勝てないことが分かる。



そこから、クリードは自身に「何のために戦うのか」を問いかけるようになる。

そして、「怒り」や「憎しみ」ではなく、「家族を守るため」ならば強くなれることに気付く。



ビアンカが妊娠したことで、クリードに家族ができ、守るべきものができた。

クリードは、そんな家族から応援され、彼らを守るためにも戦わなければならないのだ。



2回目のクリードとドラゴの戦いは、号泣で涙が止まらなかった。

何度倒れても、何度諦めようと思っても、目の前にいるビアンカのために立ち上がり、最後まで諦めずにドラゴに向かって行く。



その一方で、ドラゴは父がコーチとして参加しているものの、本当に彼らが復讐したかった母親は「ドラゴが劣勢」となると、その場から立ち去って行った。

クリードが家族のために戦っていたその裏で、ドラゴ父子は、彼らを捨てた母親への復讐のために戦っていたのだ。

そのため、強くなった自分の姿を母に見せたかったドラゴは、母がいなくなったことを知り、ひどく落胆し、クリードに打ち込まれてしまう。



そのことに気付いた父は、息子を助けるためにリングにタオルを投げ入れるのだ。

死ぬまで息子が戦ったとしても、母がそこにいなければ意味がないからだ。



ロッキーを含めた家族が最後まで支え続けたクリードと、家族に見捨てられたドラゴの対照的な二人を描き、「家族のために戦うことの強さ」をこの映画は訴えているのだ。



クリード炎の宿敵5



スタローンが伝えたかった「家族」への思い


30年前の「ロッキー4」は冷戦中であり、「国のために」戦う「国家主義」だった。

そして、冷戦が終わった今、アメリカ国民は「家族のために」戦う「家族主義」になるべきだと主張ししている。



この映画で、最も重要な役割を演じているのはドラゴの元妻を演じたブリジット・ニールセンだった。

彼女は、未だにロシアの幹部の中には古い体質が残っていることを表している。

そして、ブリジット・ニールセン本人は、シルベスター・スタローンの元妻なのだ。



ブリジット・ニールセンとシルベスター・スタローンは、「ロッキー4」の後に結婚したが、その後すぐ離婚したのを知っていたので、まさか、この映画に出演するとは思っていなかった。

しかし、彼女はドラゴを捨てた元妻として登場するのだ。

正直、それにはのけ反ってしまった。

そこから、シルベスター・スタローンの「家族の間にわだかまりがあってはいけない。過去に何があっても、家族は家族だ」というメッセージを感じるのだ。



アメリカ国民の一人一人が、家族を思い、家族のために戦えば、自ずとアメリカも強くなる

それこそが「強いアメリカの姿なのだ」とスタローンは訴えているのだ。



そして、かつては「敵」だったロシアは、クリードとドラゴのようにアメリカの良きライバルになれると提案している。



そんな「まずは、家族を大切に」というメッセージは、まるでスタローンの遺言のようにも見える。

遺言とは大げさかもしれないけれど、トランプ政権の「アメリカ第一主義」が進む中で、「国民が国よりも大切にすべきもの」を訴えたかったのでは…と思った。






関連ページ


〇「クリード」第一作
「クリード チャンプを継ぐ男」号泣必至の感動作!!誰もが常に何かと闘っている。大切なのは最後まで諦めずに闘いぬくこと。映画「ロッキー」のスピンオフ【感想】



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マチュー・カソヴィッツ主演のフランス映画「負け犬の美学」を映画館で観た。

チャンピオンのスパークリング相手となっているプロボクサーの引退する姿を描くヒューマンドラマ。


満足度 評価】:★★★★☆

日陰者であるチャンピオンのスパーリング相手のボクサーの生き様。

勝てなくても良い、ただボクシングが好きだからリングへ上がる。

その心意気にグッときた。

カッコ悪くても、笑われても良い、最後まで自分を貫く姿にホロっとした。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『負け犬の美学』予告編 動画

(原題: Sparring)


更新履歴・公開、販売情報

・2018年11月1日 映画館にて鑑賞。

・2018年11月15日 感想を掲載。

現在、全国順次公開中。詳しい上映劇場情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
映画「負け犬の美学」公式サイト


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キャスト&スタッフ


出演者


〇オリヴィア・メリラティ

〇ソレイマヌ・ムバイエ

〇ビリー・ブレイン


監督・脚本

〇サミュエル・ジュイ


2017年製作 フランス映画



負け犬の美学





あらすじ


45歳のプロボクサーのスティーブは、49戦して13勝しかしていない弱小ボクサーだ。

彼と妻 マリオン(オリヴィア・メリラティ)の間には、娘のオロール(ビリー・ブレイン )がいて、オロールの大好きなピアノを買ってあげたいが、彼には、そんな金がない。

そこで、彼は家族を養うために、チャンピオンのタレク(ソレイマヌ・ムバイエ)が探していたスパークリングパートナーに立候補する。

しかし、彼の実力ではチャンピオンのスパークリング相手には不十分で、クビを言い渡される。

それでも、スティーブはタレクに直談判し…。



負け犬の美学3




感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


負け犬の美学 (2017)


★★★★ [80点]「笑われても良い自分を貫いて生きたい」


最後にホロっとする、じんわり温かな映画だった。



主人公のスティーブは45歳のベテランプロボクサー。

彼は、これまで、49戦して13勝しかしていない弱小選手だ。

そんな彼には2人の子供がいて、経済的にも苦しくなってきたこともあり、50戦したらボクサーを引退することに決めていた



そんな時、スティーブはトップクラスのボクサーがスパーリング相手を探していることを知り、娘の大好きなピアノを買うためにスパーリング相手に立候補する…



スポーツの世界には、どんな競技にも世界のトップに君臨するチャンピオンがいる。

そして、そんなチャンピオンの裏にある血の滲むような努力と、それがもたらす勝利には、とても胸が熱くなる。



これまで、多くの映画はそんなチャンピオンの感動的な姿を描いてきた。

しかし、そのチャンピオンの陰には、どんな選手にも、日頃、練習相手のためだけにいる選手たちがいる

例えば、野球のホームランバッターの陰に練習用のピッチャーがいるように、チャンピオンを目指すボクサーには、スパーリング相手のためだけのボクサーがいる。

この映画は、そのスパーリング相手にスポットライトを当てた作品である。



そんなスパーリングボクサー スティーブを観て感じたのは、「ふがいない」とか「うだつの上がらない」という言葉だった。

どんなに必死に戦っても勝てず、子供にカッコいい姿を見せることができないからだ。



けれど、私たちが生きる社会の中では、チャンピオンになれる人はわずか1%未満であり、スティーブのような人が多数派なのだ

だから、きっと多くの人が彼に共感し、心の中でがんばれと応援してしまうのだ。



では、なぜ、勝率2割6分の彼が45歳になってもボクサーを続けているのか

ただボクシングが好きだからだ。



チャンピオンのサンドバッグになってボコボコにされても、50戦までやると決めたら、その引退の日までボクシングに命をかける

その生き様にグッとくる映画だった。



周りの人たちに笑われようと、生き恥を晒そうとも、自分で決めた人生は最後まで守り抜く

ふがいなくても、うだつが上がらなくても良い、最後まで必死に戦うことが、ボクサーとしての彼の生き様なのだ。



その彼の心意気を知ったチャンピオンは、彼にサプライズプレゼントをする

このチャンピオンの心遣いにグッときてしまった



日頃、スパーリング相手のボクサーにスポットライトが当たることはないけれど、ボクシングに対する思いは、チャンピオンも一目置くほどなのだ。



そんなスティーブに対して「負け犬」っていうタイトルを付けちゃう邦題ってどうかなと思った。

彼の心にある志は、決して負け犬ではなく、もっと気高いものだからだ

そういう地味な日陰の人たちにスポットライトを当てる優しさが良いなと思った。

彼の最後の檜舞台には、思わず涙が出てしまった


Posted by pharmacy_toe on 2018/11/08 with ぴあ映画生活


負け犬の美学2






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マイケル・B・ジョーダン主演、シルベスター・スタローン共演の映画「クリード チャンプを継ぐ男」を劇場で観てきた。

かつてボクシングの世界チャンピオンだった「ロッキー」の親友であり、同じく世界チャンピオンだった「アポロ」の息子・ドニーが、父と同じボクシングの世界チャンピオンを目指す話。

「ストレイト・アウタ・コンプトン」と、この「クリード」のどちらを観るか悩んだ結果、アカデミー賞で話題になりそうな「クリード」を観てきた。



満足度 評価】:★★★★★

噂通りの良い映画で、噂通りに号泣してきた。

ボクシングで世界チャンピオンを目指すことよりも大切なこと。

自分の人生の生き方について考えさせられる映画だった。


*** 受賞歴 ***

ナショナル・ボード・オブ・レビュー
助演男優賞(シルベスター・スタローン) 受賞

第50回 全米批評家協会賞
主演男優賞(マイケル・B・ジョーダン) 受賞

第73回ゴールデングローブ賞 2016 映画部門
助演男優賞(シルベスター・スタローン) 受賞

第21回放送映画批評家協会賞
助演男優賞(シルベスター・スタローン) 受賞

**********


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想



「クリード チャンプを継ぐ男」予告編 動画

(原題:CREED)



更新履歴・公開、販売情報

・2016年1月1日 感想を掲載。

・2018年10月8日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


ネット配信で観る:「クリード/チャンプを継ぐ男」(字幕版)

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DVDで観る:「クリード チャンプを継ぐ男」

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キャスト&スタッフ


出演者

シルベスター・スタローン
…(「クリード 炎の宿敵」、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」、「リベンジ・マッチ」、「エクスペンダブルズ」など)

…(「クリード 炎の宿敵」など)


…(「クリード 炎の宿敵」など)

〇アンソニー・ベリュー

〇グレアム・マクタヴィッシュ



監督・脚本

〇ライアン・クーグラー


2015年製作 アメリカ映画




あらすじ


かつてボクシング世界チャンピオンだったアポロの息子ドニー(マイケル・B・ジョーダン)は、LAで証券マンをしていたが、仕事を辞め、本気でボクサーを目指す決意をする。

向かったのはフィラデルフィア。

そこは、アポロの親友で、同じく世界チャンピオンだったロッキー(シルベスター・スタローン)が住む街だ。

彼に、ボクシングののコーチを引き受けてもらうために。

しかし、ボクシングからしばらく離れていたロッキーは、ドニーからの依頼を断ってしまう…。



クリード3



感想(ネタバレあり)


誰もがいつも何かと闘っている


これは、「闘う」ということについての物語だ。

たとえ、ボクサーではなくても、人は常に何かと闘っている。



主人公のドニーは、偉大なる父「アポロ・クリード」という名前と闘い、ドニーの恋人ビアンカはいつか音が無くなってしまうという恐怖と闘っている。

そして、ロッキーは過去の栄光、家族を失った孤独、そして突然訪れた病気と闘っている。



彼らが闘う姿を観て、人は自分の人生と重ね合わせ、自分は何と闘っているんだろうかと考えさせられる



ロッキーは若い弟子に、大きな鏡の前でシャドウボクシングを教えるシーンで、

「常に、その鏡に映っている姿と闘え。それは人生でも同じだ。」

と教えるシーンがある。



それは、もしもボクシングで世界チャンピオンになりたいのなら、リングの外でも、練習をしていない時でも、常に目の前にいる自分と闘えとロッキーは言っているのだ。

そのシーンが、この映画の全てを語っていると私は感じた。



クリード5



「勝ち負け」よりも大切なことは「最後まで諦めないこと」


そして、あのスポ根映画の代表選手のようだった「ロッキー」が、「勝ち負けが全てではなく、そこに至る過程が何よりも大切だ」と訴えていることに、とても驚かされた。

もちろん、ボクシングは勝ち負けが全てで、勝てばチャンピオン、負けてしまえばただのボクサーだ。



しかし、この「クリード」では、「勝ち負け」よりも大切なのは、「最後まであきらめずに戦いぬくこと」だと訴える。



これは衝撃だったなぁ。

あの「ロッキー」が、そんな成熟した大人になって帰ってくるなんて。



チャンピオンになることは、もちろん素晴らしいこと。

でも、困難と闘う姿は誰よりも美しく、最後まで諦めないその勇気を称えようじゃないかと、あの「ロッキー」に教えられるなんて。



その全てが凝縮された映画のラスト、彼らが闘う姿を見ながら号泣してしまった。

そうなんだよ。困難なことにチャレンジして、最後まで諦めないことが、何よりも素晴らしいことなんだよね。



クリード4



スタローン叔父さん以外、若いキャストと、若いスタッフで作られた作品


主役のドニーを演じるのは、マイケル・B・ジョーダン

私は、初めましての俳優かな・・・と思って、彼の過去の作品を漁っていたら、2001年キアヌ・リーブス主演の「陽だまりのグランド」で、ジャマールという役で出演していた!!

覚えてるよ~。チビで、ちょっと生意気なジャマール!!あの子が、こんなに大きくなったのぉ~??(笑)

マジか!!時代を感じるなぁ。本当に立派な大人に成長して良かった(笑)



そして、ロッキー役はもちろん、あの男。シルベスター・スタローン

もしも、スタローンがこの映画でアカデミー賞最優秀助演男優賞なんて受賞したら、この映画のメッセージでもある「最後まで諦めずに闘いぬく勇気」と通じるものがあって、さらに感動して、また泣いちゃうかも。

正直なことを言えば、スタローンが演技賞を受賞するなんて、他の俳優と比べると、そうチャンスが多いわけではないよね。

そんな奇跡が2月28日(アカデミー賞授賞式の日)に起きたら、私ももっと頑張れる気がする。

(追記:スタローンは惜しくも受賞できませんでした(2018年10月8日 加筆))



もう一人、気になったのが、ドニーの恋人ビアンカを演じたテッサ・トンプソン(「グローリー-明日への行進-」)。

彼女、とても良かったなぁ。歌を歌っている感じも、意志が強そうな感じも。

まだ、出演作は少ないようだけど、今後が楽しみ。



監督は、ライアン・クーグラー

マイケル・B・ジョーダンと組んだ前作、「フルートベール駅で」に次いで、この映画「クリード チャンプを継ぐ男」は2作目。

年齢もまだ29歳。

「ロッキー」をリアルタイムで知らない人が作ったんだねぇ。この映画。すごいなぁ。

「フルートベール駅で」も評判が良い映画のようなので、是非、観てみたい。



クリード2



人に歴史あり。ロッキー vs アポロ、アポロ vs ドラゴの思い出と共に


こんな話をすると歳がばれてしまうけど、アポロがドラゴに殺された「ロッキー4」が劇場で公開された頃、私は中学生で映画館に観に行った。

あの頃はまだ、冷戦の余韻みたいなものがあって、アメリカ vs ソ連のテクノロジー対決の側面もあり、今とは、全く時代が違う頃の映画だった。

すごく面白くて、興奮しながら帰ったのを覚えてる。



今回、ドニーがロッキーとアポロの話をするのを観ながら、ロッキー vs アポロの無観客試合も覚えてるし、アポロがリングの上で死んでしまったのも思い出して、そんな懐かしい話が出てくるのも嬉しかったし、「人に歴史ありだなぁ~」ってしみじみと思った。

そんな昔のファンも喜ばせつつ、新たな切り口で成熟した姿で帰ってきた「ロッキー」の新スピンオフ「クリード チャンプを継ぐ男」。

「ロッキー」が大好きな人も、そうでない人も満足する作品だと思う。是非、観て欲しい一本。





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マイルズ・テラー主演の映画「ビニー/信じる男」を試写会で観た。

交通事故により、首の骨を折ってしまい、再起不能と言われてしまった世界チャンピオンのボクサーが復活した実話を描く。


満足度 評価】:★★★★☆

首の骨を折る大事故で、再起不能になってしまい、そこから復活していくというあらすじが分かっていても、やはり感動してしまう。

毎日がんばって生きているつもりでも、どこかで「もう諦めよう」とか、「妥協した方がいいのかも」というネガティブな誘惑と戦って暮らしてる。

そんな日々に、この映画のビニーのように恐怖を克服し、前に向かって突き進んでいる人を見ると「あぁ、私は彼に比べたらもっと恵まれている。もっと頑張れるじゃないか」と思える。

だから、分かっていても最後まで闘い続ける姿に感動し、涙を流すんだと思う。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「ビニー/信じる男」予告編 動画

(原題:BLEED FOR THIS)



更新履歴・公開、販売情報

・2017年6月30日 試写会で観た感想を掲載。

・2018年9月4日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


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キャスト&スタッフ


出演者

マイルズ・テラー
…(「オンリー・ザ・ブレイブ」、「セッション」、「ファンタスティック・フォー」、「ダイバージェント NEO」など)

アーロン・エッカート
…(「ハドソン川の奇跡」、「エンド・オブ・キングダム」、「アイ・フランケンシュタイン」、「ペイチェック 消された記憶」、「エンド・オブ・ホワイトハウス」、「エリン・ブロコビッチ」など)


〇ケイティ・セイガル

〇テッド・レヴィン

監督・脚本

〇ベン・ヤンガー

製作総指揮

マーティン・スコセッシ
…(「沈黙-サイレンス-」「ディパーテッド」、「グッド・フェローズ」など)



ビニー/信じる男



あらすじ


1991年。ボクサーのビニー・バジェンサ(マイルズ・テラー)は、世界チャンピオンになった一ヶ月後に交通事故により頚椎骨折という重傷を負う。

医者の診断では、ボクサーとして復帰するのはおろか、歩くことさえも難しいという。

そんな医師の言うことを聞かず、自分だけを信じたビニーは病院を退院後には頚椎を固定するためのハローという器具を装着したまま歩き始め、皆に内緒で筋肉トレーニングを開始する。

毎朝、誰よりも早起きしてトレーニングに励んでいたビニーを見兼ねたトレーナーのケビン・ルーニー(アーロン・エッカート)は、ビニーのトレーニングに付き合い始める…。



ビニー/信じる男3



感想(ネタバレあり)


ビニー・バジェンサの生き抜く力に圧倒される


首の骨を折り、「ボクサーとしては再起不能」と言われてしまった世界チャンピオンのビニー・バジェンサ。

この映画は、彼がその再起不能の状態からボクサーとして復活していくまでの実話を描いている。



ビニー・バジェンサは1980年代後半から活躍し始めたボクサーで、なかなか勝てない選手だったが、1991年にトレーナーをケビン・ルーニーに変えてから勝ち始め、世界チャンピオン2階級制覇を成し遂げる。

しかし、その直後、交通事故に遭い頚椎骨折という重傷を負ってしまう。



医者からは「ボクサーとして復帰するのはおろか、歩くのさえも難しい」と診断されてしまう。

意識が回復した後、ハローという、ねじで頭蓋骨と首を固定する器具を装着し、退院する。

退院した直後、車いすも用意されていたが、ビニーはそれに乗ろうとせず、車から歩いて帰宅する。



その後、ボクサーとしての人生を諦めることができなかったビニーは、ハローを装着したままトレーニングを開始する。

もちろん、強い衝撃を受けたら、次は二度と歩けないかもしれないという恐怖と不安を抱えたまま



しかし、退院してから半年後にはハローが外され、さらに、その一年後に復帰戦が決定する…。

この映画は、そのビニー・バジェンサの常に人を驚かせる「生き抜くパワー」に圧倒される映画だった。



ビニー/信じる男4



ビニーの隣で再起をかけていたトレーナーのケビン


ビニーは頚椎骨折をし、「もう一度ケガをしたら、もう二度と歩けないかも。もしかしたら、命も危ない」という危険を抱えながらボクサーとしての再起に人生をかけていた。

しかし、彼がケガをした時ははちょうど2階級制覇をしたばかりで、「よし、これから勝ち続けるぞ!」と思った矢先だった。



だから、このままでは終われないという気持ちが強かっただろうし、負けず嫌いの彼からしたら、マスコミや周りの人たちの「お気の毒に」という憐みの視線は、彼の「何クソ!!」という気持ちに火をつけるには十分だった。

その上、心は元気なのに身体が思うようにいかないという苛立ちを克服するために、何も考えたくないから体を動かしたいという焦りの気持ちもあったように思う。



そして、彼の側にはもう1人再起したい男がいた。

それは、トレーナーのケビン・ルーニーだ。

彼も、かつて「名トレーナー」と呼ばれ、マイク・タイソンのトレーナーをしていた栄光を取り戻したいと思いつつ田舎でくすぶっていた人間だった。



そんな彼を、再び華やかなステージに引き戻したのは、ビニー・バジェンサだった。

「ボクサーとして復帰したい」というビニーの気持ちは、ケビンが痛いほど良くわかっていた。



なぜなら、彼もまた、部屋にかつてトレーナーをしていたタイソンンの写真を貼り、毎日それを眺めるぐらい、現役に戻りたいと思っていたからだ。

ケビンとしても、再び、あの華やかなスポットライトの下に戻りたいという気持ちがあったからこそ、ビニーの復帰を手助けしたに違いない。



ビニー/信じる男5



ビニーが恐怖を克服していく姿に感動


しかし、彼の周りにいる全ての人たちが手放しで彼の復帰を喜んだわけではない。

「次に骨折したら、もう二度と歩けないかもしれない」という心配から、母親はもちろん、彼をボクシングの世界に引き込んだ父でさえ、猛反対した。



その家族の気持ちは良くわかる。

自分の愛する息子が再び世界チャンピオンになれるなんて思っていないし、その前にリングの上で命を落とすぐらいなら、ボクシングへの道は諦めて欲しいと家族なら思って当然だ。



しかし、そんな彼らの心配をよそにビニーはケビンと共に黙々とトレーニングをしていた。

そんな家族の心配なんて、ビニーにとっては「どこ吹く風」なのだ。

すごい精神力なんだなぁと思っていた。



ところが、いざ、リングに上がったビニーを観た時に、それは私の思い過ごしだったのだろうと思った。

ビニーは目の前にいるボクサーと対面した瞬間に、事故のことを思い出し、ハローで装着していた日々を思い出す。



もしかしたら、あの日々に逆戻りするかもしれない。

この対決を誰よりも恐れ、事故の恐怖から抜け出せていないのはビニー本人だったのだ。



私は、そんなビニーの姿を見て、その恐怖を克服するために、彼はリングに立ったんだろうと思った。

あの恐ろしい日々を振り切るかのようにトレーニングと練習に明け暮れ、この日のために「血のにじむような努力」を繰り返してきた。

その「努力をしてきた」という自信が彼の恐怖心を振り払う手助けをしていた

努力は最後まで裏切らない」のだ。



彼が復活する世界タイトル戦は、これまで練習を積み重ねてきた自分を信じて、恐怖を克服するための戦いだったのだ。

誰よりも血と汗を流し、努力をしてきた結果の全てをリングに出せば良い。

ビニーがその恐怖を克服し、相手に対して攻撃的に転じた瞬間に感動して涙があふれてしまった。



どんなにすごく見える人でも、内心では恐怖を抱え、その内なる恐怖と闘い克服して前に進んでいる。

つい「辛いのは自分だけだ」「周りの人たちはもっとすごいんだ」と思いがちだけれども、そんなことはない。

それは、自分でブレーキをかけているだけにすぎない。

その方が楽だからだ。



むしろ、自分は自由に戦えるだけ他の人たちよりも恵まれている

その分、もっと精進しなきゃいけない

ビニーの戦う姿を見ていると、そう思わされ、背中を押されている気分になった。



ビニー/信じる男2



「失敗したらどうしよう」と考える時間があるなら手を動かせ


私たちが日々暮らす中で、何かにチャレンジしようとする時、きっと誰もが「失敗したらどうしよう」という心配をする。

心配をする時間があったら、トレーニングをすれば良い。

心配のために頭を使うなら、練習をすればいいし、闘い方を考えれば良い



多くの人が心配をして怖気づき、ネガティブな気持ちになって諦めてしまう。

前に進むことができるのは、そこで諦めずに前に進むための行動ができる人のみなのだ。

日頃からそれは感じていたことだけれども、この映画を観て、その思いが強くなった。



時間は無限のようで有限だ。

先に進もうか悩んでいる時間があるなら、ビニーがハローをしたままトレーニングを始めたように、できることから始めれば良い

ライバルたちは、その瞬間も前に進んでいる

躊躇している時間はないのだ。



もしも、諦められない夢があるなら、この映画を観ると良い。

きっとビニーの最後まで諦めずに戦い抜く姿に背中を押されるに違いない。





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インド映画「ダンガル きっと、つよくなる」を映画館で観た。

インドで、2人の娘をレスリングの代表選手に育てたお父さんの実話を元にしたスポ根ムービー。


満足度 評価】:★★★★☆

感動して号泣した作品だった。

お父さんの娘たちへの思いにも感動したけど、まだ女性の地位が低いインドで女性たちの地位向上を目指して戦うギータの姿とても感動した。

日本のレスリング協会のパワハラ騒動を思い起こさせる場面もあって、面白かった。


「ダンガル きっと、つよくなる」予告編 動画

(原題:Dangal दंगल)




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キャスト&スタッフ


出演者

アーミル・カーン
…(「PK ピーケイ」など)

〇ファーティマー・サナー・シャイク

〇サニャー・マルホートラ

監督・脚本

〇 ニテーシュ・ティワーリー


2016年製作 インド映画



ダンガルきっと、つよくなる



あらすじ


レスリング選手のマハヴィル(アーミル・カーン)は、オリンピックを目指していたが家が貧しかったため、断念することに。

そのため、息子を選手にすること夢見るようになるが、彼には娘しかいなかった。

そこで、長女のギータ(ファーティマー・サナー・シャイク)と次女のハビータ(サニャー・マルホートラ)をレスリングの選手にしようと練習を始めるが、インドでレスリングは男のスポーツであり…。



ダンガルきっと、つよくなる3



感想(ネタバレあり)


レスリングのチャンピオンになりたいお父さんが夢をたくしたのは二人の娘



「自分が叶えられなかった夢を子供に託す」というのは、よく聞く話だ。

その教育法を一歩間違えれば「子供を追い込み、支配しようとする毒親」になりかねない。

例えば、昨年公開されたクリス・エヴァンス主演の映画「gifted/ギフテッド」は、娘を天才数学者に育てようとした学者の母親が、娘を追い込んでしまう姿が描かれる。



この映画は、レスリングオリンピック代表を目指しながら、志半であきらめざるを得なかったマハヴィルが自分の叶えられなかった夢を自分の子供にたくす話である。

そこまでは、よくある話である。



しかし、マハヴィルは毒親にはならなかった。

なぜなら、彼のふたりの娘、ギータとハビータは初めこそは厳しい練習を嫌がっていたものの、思春期を迎えた頃には、レスリング選手になる覚悟を決め、自ら進んで厳しい練習をするようになるのだ。

厳しい練習を乗り越え、時には父と対立しながら、二人三脚で頂点を目指す娘たち。

というと「よくあるスポ根ものかぁ」と思うかもしれない。



しかし、この物語が描くのは、それだけではない。

インドではその当時、レスリングは「男のスポーツ」であり、小さな田舎町で暮らすギータとハビータがレスリングをするには、「女がレスリングをするなんて」という常識や偏見とも戦わなければならなかった

ギータとハビータがレスリングのチャンピオンを目指す姿を描きながら、並行して女性に対する偏見とも戦い、彼女たちの活躍がインドの人々の「女は女らしく」という意識を変えていく様子も描いているのだ。

その変化はとても感動的なものだった。



その上、最近、日本のレスリング協会で起きていたパワハラ騒動を思わせるような場面もあり、最初から最後まで見所たっぷりの感動作だった。



ダンガルきっと、つよくなる4


「女は家事と育児をすればいい」という偏見との戦い



では、何が彼女たちの意識を変え、チャンピオンを目指す覚悟を決めさせたのか。



先ほども言ったけれど、レスリングはインドでは「男のスポーツ」だった。

その一方で、インドの女性たちは「肌を露出すること」は許されず、髪が長ければ長い程美しいとされ、まだまだ古い価値観を持っている国で不自由な暮らしをしていた

ギータとハビータが暮らすのは小さな田舎町だけに、その「偏見」は、より強いものだったと思われる。



その空気の中で髪をスポーツ刈りにし、Tシャツと短パンで練習することを強いられた彼女たちは、周りの人たちから相当好奇の目で見られたはずだし、かなり恥ずかしかったことと思う。

毎日の厳しい練習と男みたいな恰好を強いられたことから、彼女たちはレスリングなんてやめたいと思っていた

そんな彼女たちの意識を変えたのは、同級生の女の子からの

「うちでは、女は子供を産むための道具だと思われている。家事や育児をやらなくていいあなたちがうらやましい

という言葉だった。



自分たちは幼い妹たちの子守を強制されることもないし、食事の支度や洗濯の手伝いをさせられることもない。

それだけでも、十分恵まれている。

彼女たちの中で「家事と子育てだけの人生」と「レスリングのチャンピオンを目指す人生」を天秤にかけ、自分たちの意思でレスリングを選び、自分たちは恵まれいると思ったのだ。



半袖短パン短髪を笑う人がいるなら、投げ飛ばしてしまえばいい。

その決心をした後の彼女たちは、男性選手たちを相手にバタバタと倒すようになる。



ダンガルきっと、つよくなる2


インドの女性たちに新しい道を切り開く戦い



そこから、レスリングのチャンピオンになることを決意したギータの戦いは、インドの女性たちの自由を求める戦いにもなっていく

この映画の原題であるDangal(दंगल)はヒンディー語で「暴動」という意味があるのだとか。

その言葉から連想される勇ましさは、ギータの戦いと、立ち上がるインドの女性たちを表したものなのではと感じた。



私がこの映画の中で最も感動したセリフは、お父さんがギータに

この国には、育児と家事しか知らない女性たちがたくさんいる。

お前が国際試合で勝つことは、彼女たちを救うことになる

と言ったセリフだった。



幼い頃から花嫁修業をして、大人になったら結婚して、子供を産んで…という人生しか知らないインドの女性たちがギータが戦う姿を見て、「スポーツをする」という選択肢が増えていくのだ。

ギータはその時、国だけじゃなく、女性たちの願いも背負っていたのだ。



負ければ「やっぱり、レスリングは女がやるスポーツじゃない」と言われるのが目に見えたからこそ、ギータはお父さんのその言葉をモチベーションにして戦いぬいたのだ。

確かに、オリンピックの中継を見ていると、女性選手の活躍は嬉しいし「私も明日からがんばろう」と思える

この映画は、そんな女性たちの気持ちを代弁している作品なのだ。



映画の最後で、エンドロールが流れる前、マハヴィル一家本人の写真が出て、「ギータの活躍をきっかけにインドでレスリングを始める女性たちが急増した」という説明が流れた。

素晴らしいことだと思った。

それは、初めはお父さんの強制に嫌がりながらもレスリングを続け、彼女たちを笑う男性たちを投げ飛ばしつつ、合わないコーチのもとで戦いながらも、チャンピオンになった甲斐があった瞬間だった。



ダンガルきっと、つよくなる5


合わないコーチの指導を受け続けるということは選手を不幸にするだけ



ギータはお父さんに反発しながらも、次第に、ギータの選手としての良さを一番よくわかっているのはお父さんだということに気付く。

しかし、レスリング協会はお父さんをコーチとして認めず締め出してしまう。

インド代表にまで登りつめたギータを作り上げたのは、お父さんだったにもかかわらず。

これは恐らく、映画としてドラマティックに見せるための脚色なのではと思うけれども、それと似たようなことが日本で起きていることにビックリしたし、ちょっと苦笑してしまった



映画では、ギータは合わないコーチの指導を受けているふりをしながら、それ以外の時間にお父さんの指導を受けることで試合に向けて調整していく。

レスリングのような体重制限があるスポーツでは、食事制限を含めた日常生活の指導が不可欠で、だからこそ、日本の女子レスリングでも、寮生活をするような指導方法をとっているのだと思う。



合わないコーチの指導で実力を発揮できないギータを見ていると、合わないコーチに指導されるということは、苦痛以外の何物でもないし、選手が不幸になるということがよくわかる

それは国にとってもマイナスになるのだ。

改めて、選手にとってストレスなく練習できる環境で、最も信頼できるコーチの指導を受けてこそ選手は伸びるし、みんなにとって幸せなのだと思った。

これは、日本のレスリング協会の人たちに、ぜひ観ていただきたい作品である。








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タロン・エジャトン主演の映画「イーグル・ジャンプ」をWOWOWで観た。

ノルディック・スキーからスキージャンプの選手へと転身後、わずか1年でオリンピックに出場を果たした選手「エディ・ジ・イーグル」の実話を映画化。

劇場公開されないままDVD化された、DVDスルー作品。



満足度 評価】:★★★★☆


夢に向かって必死にがんばった人のサクセスストーリーを見ると、いつだって感動してしまう

それはきっと、誰もが人生の中で一度は『夢』を持ったことがあり

一生懸命がんばったんだけど、途中で挫折してしまったり、

もしくは、今、必死になって夢に向かっている最中だったりして

がんばっている人の姿に、思わず自分を重ね合わせて共感し

その人が成功すれば、まるで自分が夢を叶えたような気分になれるから。



この映画は、そんな「夢をかなえたい人・かなえたかった人」に、ぜひ観て欲しい作品

誰にも負けない情熱さえあれば、きっと夢はかなえられる

そう思わせてくれる作品だった。


「イーグル・ジャンプ」予告編 動画

(原題:EDDIE THE EAGLE)




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キャスト&スタッフ


出演者

タロン・エジャトン
…(「キングスマン:ゴールデンサークル」、「SING/シング」、「キングスマン」など)

ヒュー・ジャックマン
…(「フロントランナー」、「LOGAN/ローガン」、「レ・ミゼラブル」、「チャッピー」、「ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密」、「プリズナーズ」、「PAN ネバーランド 夢のはじまり」など)

クリストファー・ウォーケン
…(「ファング一家の奇想天外な秘密」、「ジャングル・ブック」(声の出演)、「ジャージー・ボーイズ」、「キャッチミー・ミー・イフ・ユー・キャン」、「ニック・オブ・タイム」など)

ジム・ブロードベント
…(「パディントン2」、「ベロニカとの記憶」、「パディントン」、「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」、「ウィークエンドはパリで」、「ビッグゲーム」、「ブルックリン」、「ターザン:REBORN」、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」など)


監督

〇デクスター・フレッチャー


2016年製作 イギリス・ドイツ・アメリカ合作映画



イーグル・ジャンプ



あらすじ


幼い頃からオリンピックに出場することが夢だったエディ(タロン・エジャトン)は、夏のオリンピックよりも競技人口が少ない冬のオリンピック競技でイギリスのノルディックスキー代表選手として競技に参加していた。

しかし、成績が振るわなかったエディは、1988年にカナダのカルガリーで行われる冬季オリンピックを目前にして、強化選手からはずされてしまう。

「もう、オリンピックは無理かもしれない」と、夢をあきらめかけた時、イギリスではスキージャンプの登録選手が誰もいないことを知る。

「スキージャンプで記録さえ出せばオリンピックに出場できる!」と確信したエディは、スキージャンプの技術を磨くため、ドイツへと向かう…。



イーグル・ジャンプ2



感想(ネタバレあり)


「どうしてもオリンピックに出たい」エディと、「素行が悪くてオリンピックを逃した」ピアリーの物語


1988年にカナダで行われたカルガリー冬季オリンピックで、

鷲のように飛ぶ男「エディ・ジ・イーグル」というあだ名で親しまれた実在の人物

マイケル・エドワーズ(愛称:エディ)の実話を映画化したもの。



イギリス生まれのエディは幼い頃からオリンピックに出場することを夢見ていた。

夏季オリンピックよりも、冬季オリンピックの方が人口が少ないため、ノルディックスキーの選手に登録。

イギリス代表選手のうちの1人になるが、オリンピック強化選手からは外されてしまう。

そこで、オリンピックの夢を断たれたエディは、『代表選手が1人もいない』スキージャンプの選手へと転身する。



その後、エディはスキージャンプの技術を習得するために向かったドイツで、

コーチのピアリー(ヒュー・ジャックマン)と運命的な出会いを果たす。

ピアリーは、元アメリカのスキージャンプの選手で、輝かしい経歴の持ち主だった。

しかし、素行が悪いために、

アメリカのスキージャンプ代表コーチ、ウォーレン・シャープ(クリストファー・ウォーケン)から戦力外通告を受け、オリンピックへの夢を絶たれてしまった



エディと出会った時も、常に酒が手放せない生活を送っていたピアリーだったが、

フォームが自己流でメチャクチャだったエディを見て、少しずつアドバイスをし始め、

やがて、かつて自身がかなえられなかった『オリンピック出場』の夢をエディに重ね合わせるようになる



この映画「イーグル・ジャンプ」は、エディとピアリー、2人の選手が『オリンピック』への夢を叶える物語である。



イーグル・ジャンプ3


全くやったことがない競技で、1年後のオリンピックに出場する!!


ノルディックスキーの選手だったエディが、「オリンピックには出場できない」と告げられた時、彼は22歳だった。

そこで、普通の人だったら何を思うだろうか。

「今回がダメなら、次回を目指そう」とか、「オリンピックだけが試合じゃない。世界大会で良い記録を残そう」と考えるんじゃないだろうか。



しかし、エディの夢は『オリンピックに出場すること』で、ノルディックスキーも他の競技よりも人口が少ないから選んだ種目だった。

だから、『世界大会』では意味がないし、4年後では出場できない確率が高くなるだけ。

そこで、彼が選んだのは『一度もやったことがない』スキージャンプだった。

なぜなら、『代表選手が1人もいない』競技だったからだ。

その時、冬季オリンピックは1年後に迫っていた。



私がその時エディを見ながら思い出したのは、マラソン選手としてオリンピックに出場するため、カンボジア国籍を取得した猫ひろしのことだった。

エディと猫ひろしに共通して言えるのは、「夢をかなえるための道筋は、決して一本道ではない」ということ。



エディも、猫ひろしも「オリンピックで金メダルを取ること」が夢ではない。

あの憧れの舞台に立ち、一流の選手たち共に戦い、自分の名前で記録を残すことが目標なのだ。



だから、小学生の時からスキージャンプの練習をしている必要はないし、そのためにカンボジア国籍を取得するのもアリなのだ。

その発想の柔軟性は、とても大切なことだなぁと思う。

もしも、エディがその先もずっとノルディックスキーの選手として愚直にがんばっていたら、こんなに素晴らしい経験はできなかったように思う。



では、なぜ、エディはそんなにすぐに発想を切り替えることができたのか。

それは、ただただ『オリンピックになんとしても出たい』という情熱がそうさせたんだと思う。

彼の目には、最初から『ノルディックスキー』ではなく、『オリンピック』しかなかったから、簡単に『ノルディックスキー』を捨てて、『スキージャンプ』に転身できたのだと思う。

もしも、『ノルディックスキー』にこだわっていたら、オリンピックには出場できなかっただろう。



さらに、「そうだ!ジャンプにしよう!」と決めてから、ドイツのジャンプ場に行くまでの時間はほとんどかからなかった

そのスピードと行動力も、彼の背中を後押ししていたように思う。

まさに、「思い立ったが吉日」なのである。



イーグル・ジャンプ5


「素行が悪くて」代表選手をクビになった男の再生の物語


そして、もう1つ大切なことは、「夢は1人ではかなえられない」ということ。

夢をかなえた人の陰には、必ず、支えた人がいる

エディの場合は、それがピアリーだった。



ピアリーは、スキージャンプの元アメリカ代表選手で、輝かしい記録の持ち主だった。

メダルを取ることだって夢ではなかったのに、『素行が悪い』ため、代表選手から外されオリンピックへの出場権を逃してしまう。



日本でも、たまに、『問題を起こして』オリンピックに出場できなくなってしまう選手がいる。

彼らはニュース番組の解説者に、「こんなつまらないことで人生を棒にふるなんて」とよく言われる。

たしかに、次のオリンピックは無理かもしれないし、メダルを取る機会も失ってしまったかもしれない。



でも、決してそれが『人生を棒にふったこと』にはならないことを、このピアリーが証明してくれている

ピアリーはエディと出会い、エディにジャンプを教えたことで、再び『オリンピック』にコーチとして出場することになったのだ。

この物語はエディのサクセスストーリーだけれども、それまで酒浸りだったピアリーの再生の物語でもある

エディの『オリンピック』への情熱が、ピアリーの眠っていた才能を再び呼び起こすことになった。



イーグル・ジャンプ6


オリンピックに出場して、記録を残せることの素晴らしさ


この映画の中で、とても心が温かくなったのは、オリンピックに出場したエディが記録を残した瞬間のことだった。

彼の成績は最下位の数字であり、会場にいた観客も「あぁかわいそうに…」という空気になっていた。

しかし、その時、エディ本人は、「失格ではなく、公式記録が残った」ことに大喜びだった。

両手を上げて飛び上がりながら、全身で喜びを表現したエディに観客は大ウケして大盛り上がりだった

ジャンプの解説者も、そんなエディの人柄を気に入り「エディ・ジ・イーグル」とあだ名をつけ、たちまちエディはオリンピック会場の人気者になった



そんなエディを見て、いつからオリンピックはメダル以外は失敗だと考えるようになったんだろうと思った。

エディも映画の中で言っているが、オリンピックは「アマチュアのための大会」なのに、勝敗にばかり重点が置かれるようになってしまった

エディや猫ひろしのような、本当の素人が参加して、彼らが記録を残せたことに、盛大な拍手を送るような場面がもっとたくさんあったら、「アマチュアの大会」であるオリンピックも、もっと親しみやすい大会になるんじゃないか。

その場で観ている観客も、とても盛り上がるんじゃないかと思った。



この映画は、オリンピックの父であるクーベルタンの言葉でしめられている。

「オリンピックは勝つことより参加することに意義がある。

勝利よりも努力だ」




2020年は東京オリンピックが開催される年。

かつて『オリンピック』を夢見て、その夢が破れた人でも

よくよく調べてみたら、今からでも出場できる競技があるかもしれないし、選手じゃなくても大会に参加する方法があるかもしれない。

「出場したい!」と思ったなら、今すぐに行動すれば、道は開けるかもしれない。


エディご本人(左)と、エディを演じたタロン・エジャトン
 ▼ ▼
イーグル・ジャンプ4


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ギヨーム・カネ主演の映画「世界でひとつの金メダル」を試写会で観た。

1980年代から90年代にかけてフランスで活躍した馬術競技の選手ピエール・デュランと彼が乗っていた馬ジャップルーの実話の映画化。


満足度 評価】:★★★★☆

最近ありがちな邦題がネタばれしている映画。

おかげで結末が分かってしまうけど、分かっていても感動する映画。

やっぱり、必死になってスポーツやっている人たちの姿には嫌でも感動してしまう。


「世界にひとつの金メダル」予告編 動画

(原題:JAPPELOUP)




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キャスト&スタッフ


出演者

ギヨーム・カネ(兼 脚本)
…(「ニースの疑惑 カジノ令嬢失踪事件」、「ターニング・タイド」、「プレイヤー」など)

〇ダニエル・オートゥイユ

チャッキー・カリョ
…(「ベル&セバスチャン」、「ベル&セバスチャン 新たな旅立ち」、「ロング・エンゲージメント」、「ドーベルマン」、「ニキータ」など)

〇マリナ・ハンズ

ルー・ドゥ・ラージュ
…(「夜明けの祈り」など)

ドナルド・サザーランド
…(「ロング、ロング・バケーション」、「アウトブレイク」、「プライドと偏見」、「ハンガー・ゲーム」など)


監督

〇クリスチャン・デュゲイ
…(「ベル&セバスチャン 新たな旅立ち」など)

2013年制作 フランス、カナダ合作映画

世界にひとつの金メダル


あらすじ


1980年代。幼い頃から父(ダニエル・オートゥイユ)の指導の元、馬術競技の選手をしてきたピエール(ギヨーム・カネ)は、大学を卒業すると弁護士の道へと進む。

しかし、馬術への夢を捨てきれず弁護士事務所のパートナーの職を捨て、再び馬術競技の選手へと戻っていく。

その時、彼が出会ったのは、他の馬よりも小柄で気性の荒いジャップルーだった。

そして、子供の頃に同じく馬術選手だったナディア(マリナ・ハンズ)と再会、結婚。

ピエールは、父の指導の元、ジャップルーとナディアと共に新たな人生を歩み始める…。


世界にひとつの金メダル2


感想(ネタバレあり)


オリンピックに出場している選手たちに自分の姿を重ね合わせる


オリンピックは、なぜあれ程世界中の人たちが熱狂し、睡眠時間を削ってまで見てしまうのか。

4年に一回しかないから?

世界最高の大会だから?

きっと、それもあるでしょう。

しかし、彼らが命がけで戦っている姿に、日頃の自分たちを重ね合わせて観ているところが非常に大きいように思う。

4年間かけて予選を勝ち抜き、晴れの舞台に登場した彼ら。

中には前回大会で失敗し、挫折から見事にカンバックしてきた選手もいるし、その晴れの舞台で失敗してしまう選手もいる。

そんな彼らの姿に日頃の自分の姿を重ね合わせ、まるで自分が失敗してしまったかのような気分になり、なんとかそこからまたはい上がってきて欲しい、その困難を乗り越えて欲しいと思いながら声援を送る。

しかし、健闘も空しく負けてしまった時は共に涙し、めでたく勝利した時はまるで自分が勝ったかのように涙を流す。

そして、勝っても負けても、私もあの選手に負けないように明日から頑張ろうと心に誓う。

スポーツ選手たちは、わずか数分、数時間の競技の間に、たくさんのドラマと、人生の教訓を私たちに提供してくれる。

だから、私たちは寝る間を惜しんでオリンピックを観戦し、テレビの前から本人たちに届きもしない声援を送っているのだ。

彼らに送るエールは、自分自身に送るエールでもあるからだ。


世界にひとつの金メダル5

彼らはなぜ大事な大会で失敗してしまったのか


この映画の主人公は、そんなオリンピックに挑戦した一人の男性ピエールと、一頭の馬ジャップルーの物語である。

彼らが挑戦するのは、置いてある障害を越えながら進む障害飛越競技だ。

ピエールもジャップルーもとても一流の選手、馬とは言えなかった。

ピエールは幼い頃から父に馬術の教育を受けたものの、大学を卒業すると弁護士の道へ進み、一旦競技の世界から離れてしまう。

しかし、馬術への夢を捨てきれず、親の期待に応えられなかったこともあり、弁護士の世界を捨て、馬術の世界へ戻ってきた。

だからその分、他の選手たちよりも圧倒的に練習量が少なかった。

そのピエールの相棒のジャップルーも欠点だらけの馬だった。

他の馬よりも小柄なため障害を越えるのに他の馬よりも飛翔力が必要になる。

さらに、気性が荒く、なかなか人の言うことを聞こうとしない。

そんな彼らが目指したオリンピックだった。

彼らが初めて参加したのは1984年のロスアンゼルス大会だった。

その時、ジャップルーは障害の前で急停止してしまい、ピーターは落馬。

せっかくのオリンピックで失格という不名誉な結果に終わってしまった。


世界にひとつの金メダル4


動物は言葉が通じないから、人の心を察知してしまう


人間と共に生活する動物たちは言葉が通じない分、人間の内面を見てコミュニケーションを取ろうとしているように見える。

例えば犬や猫、馬やイルカなど

彼らは、動物嫌いな人や、落ち込んでいる人、怒っている人などが言葉を発しなくても察知する能力に長けている。

だから、この映画のピエールとジャップルーのように共にペアを組んで協議をするような場合は、特にピエールの機嫌・不機嫌がダイレクトにジャップルーに伝わってしまう。

ロサンゼルスオリンピックでは、ピエールが最後までジャップルーを信頼できていなかった。

それは、ピエールが弁護士を辞めて馬術選手になったことへの焦り、他の馬よりも小さいジャップルーへの不安などが彼の精神面を追い詰めていっていた。

本当は、弁護士を辞めて馬術をしたのも、他の馬よりも小柄なジャップルーを選んだのはピーター本人なのに、優柔不断な彼はいつまでも煮え切らず、上手くいかないと全部父親のせいにしていた。

そして、ジャップルーを操れないと思い込み、ロサンゼルス大会の後、他のチームに売ることを考えていた。

そんな彼を変えてくれたのは、妻のナディアや父だった。

ナディアはいつまでも煮え切らないピーターを叱咤激励し、父はジャップルーを売ることについて、考え直すように説得する。

そして彼が考えを改めた時、ようやくピーターとジャップルーの信頼関係が出来上がったように思う。


世界にひとつの金メダル3

100%完璧な人間などいないからこそ、彼らに共感してしまう


ピーターとジャップルーが共に挫折を乗り越え迎えた88年のソウル大会は感動の嵐だった。

100%人格が素晴らしい人間なんてどこにもいない。

みんなそれぞれが欠点を抱え、失敗しながら生きている。

だから、いつまで経っても大人になれず、優柔不断で煮え切らないピーターに対し、心のどこかで共感してしまうところもある。

いつも面倒見てくれる親が側にいたらどうしても甘えてしまうし、そのせいで妻に迷惑をかけているのも分かっている。

彼の気持ちが分かるからこそ、その「大人になれない」自分を乗り越え、ジャップルーと本当の信頼関係を築き上げた時には非常に感動させられる。

一度見た夢が叶わなかったら、もう一度夢を見れば良い。

失敗したら、初めから出直せば良い。

そうやって私たちは少しずつ強くなり、最後に夢を手に入れることができる。

最後まで諦めずに強い意志を持ち続けた人が最後に勝ち残る。

挫折や失敗は、私たちが強くなるための試練なんだと思えば良い。


話は「シービスケット」に非常によく似ている。

シービスケット」が競馬の話なら、これはその障害飛越競技版だと言っても良いぐらい話は近い。

となると最後の結末は見えてくるけれども(いや、既に邦題がネタバレをしている)最後の結末が分かっていても感動した。

いつも、なぜか失敗や挫折を繰り返してしまう人にぜひ見て欲しい映画。



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中国映画「疾風スプリンター」を試写会で観た。

中国のロードレースでトップを争う3人の栄光・挫折・友情・恋を描く。

満足度 評価】:★★★☆☆

ストーリー展開はとてもありがちで安っぽい感じがしたけど、ロードレースのシーンは迫力満点。

ロードレースのシーンだけでも観る価値がある作品。

「疾風スプリンター」予告編 動画

(原題:破風 / 英題:TO THE FORE)




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キャスト&スタッフ


出演者

〇エディ・ポン

〇ショーン・ドウ

〇チェ・シウォン(Super Junior)

〇ワン・ルオダン

監督

〇ダンテ・ラム

2015年製作 香港・中国映画

疾風スプリンター

あらすじ


チョン・ジウォン(チェ・シウォン)をエースとするロードレースの最強チーム「チーム・ラディアント」にチウ・ミン(エディ・ポン)とティエン(ショーン・ドウ)が加入する。

彼らはライバルチームの「ファントム」と激しい戦いを繰り返すが、ラディアントが資金難により、それぞれが違うチームに所属することになってしまう…。


疾風スプリンター2

感想(ネタバレあり)


最後まで諦めずに必死にがんばっている人が好き


何かに向かって必死になり、何があっても諦めずに頑張っている人を見ると気持ちが良いし、その人を応援したくなる。

そして、さらに、自分もその人に影響されて「私も頑張ろう」と思うし、どんなことも最後まで諦めちゃいけないんだと思わせてくれる。

だから、私は必死になって頑張っている人が好きだし、いつもそういう人を応援しようと思っている。

この映画を観て思ったのは、その気持ち良さだった。

3人の自転車ロードレーサーが栄光と挫折を感じながらも、必死になって前を向き、最後まで諦めずに必死にがんばっている。

そこについてくる友情や恋の部分は、ちょっとありがちで昔のアイドル映画のような安っぽさを感じたけど、彼らの必死になっている姿を見た時には、「あぁ~私もがんばろう~!!」と影響されてしまった。


疾風スプリンター3

ストーリーは香港映画にありがちな少女漫画的な展開に


主人公の3人は、それぞれロードレースでトップのチーム「ラディアント」のメンバー。

しかし、チームの資金繰りがうまくいかず、彼らはバラバラになってしまう。

エースのジウォンは他チームでもエースとして活躍していくが、アシストメンバーのチウ・ミンとティエンはそこで挫折を経験する。

チウ・ミンは暴行事件を起こし、ティエンはドーピングをしてしまう。

自転車ロードレースは、日本ではまだまだマイナーなスポーツなので、ちょっとピンと来ないところもあるけど、私は以前、元ロードレース選手ランス・アームストロングの「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」という本を読んでいたので、その暴行事件やドーピングを見て、あぁなるほど、ありがちだなと思った。

だから、ありがちすぎて、どうにもそのストーリー展開が安っぽいなと思ってしまった。

さらには、男性2人の友情の間に1人の女性を入れて三角関係になってくると、その少女漫画的なストーリーにちょっとしらけてしまう。

まぁ、昔の香港映画にはよくあったタイプのお話なので、懐かしさも感じつつ観ていた。

疾風スプリンター4

見せ場はロードレース


しかし、この映画の見せ場は、そんなイケメン男子の三角関係でも、トップを争うバトルでもない。

なんと言っても、自転車ロードレースだ。

鍛え上げられた体で坂道を一列になって一糸乱れず走っていくその姿。

そして、土壇場になってトップが入れ変わる緊張感。

そのロードレースのシーンを観るだけでも、この映画は観る価値があると思った。

明らかに、「昨日、自転車に初めて乗りました」という身体つきではなく、この道のベテランですいった身体つきの彼らのレースシーンはとにかく圧巻だった。

疾風スプリンター5

がんばる人を見て影響されたい


そして、最後まで絶対に諦めない彼らの姿を見て、「あぁ私も諦めないで頑張ろう」と思うし、何かスポーツをやってみたくなる。

そんな映画だった。

まぁ、何も今さら筋肉を鍛えようっていうワケでもないんだけど、何か明確な目標があって、そこに向かってひたすらがんばるっていうのはいいなと思うし、スポーツってその結果が分かりやすいから良いんだよね。

それに、ロードレースにもすごく興味がわく映画でもあるね。

ツール・ド・フランスとか、ちょっと見てみようかなと思ってしまう。

さすがに、自分でやってみようとまではまだ思えないけど、ちょっとロードレースに興味がわいた作品だった。



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カナダ映画の「リトル・ランナー」をWOWOWで観た。

14歳の少年が、病気の母を助けるためにボストンマラソンに挑戦するコメディタッチの映画。

満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

まさに「信じる者は救われる」お話。

随所で笑いながら最後まで楽しめたところが良かった。

しかし、14歳の思春期の男の子たちの日常って一生理解できないなと思う(笑)

「リトル・ランナー」予告編 動画(日本語字幕なし)

(原題:SAINT RALPH)




リトル・ランナー [DVD]

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キャスト&スタッフ


出演者

〇アダム・ブッチャー

キャンベル・スコット…(「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ、「エミリー・ローズ」など)

〇ジェニファー・ティリー…(「チャイルド・プレイ」シリーズ、「バウンド」、「ブロードウェイと銃弾」など)

〇ゴードン・ピンセント

監督・脚本

〇マイケル・マッゴーワン

2004年製作 カナダ映画

リトル・ランナー


あらすじ


1953年。14歳のラルフ(アダム・ブッチャー)は戦争で父を亡くし、母は病気で入院中。

1人暮らしをしながら、キリスト教系の学校へ通っている。

しかし、ある時、母が昏睡状態に陥ってしまい、看護婦のアリス(ジェニファー・ティリー)から「お母さんが目覚めるには奇跡が必要だ」と言われる。

それを聞いたラルフは、母を目覚めさせるために「ボストンマラソンで優勝すれば、奇跡が起きる!」と考えるのだが…。

リトル・ランナー2


感想(ネタバレあり)


主人公は煩悩フル満タン!思春期の少年


主人公のラルフは14歳。

14歳っていうと、女の子もそうだけど、身体は大人でも心はまだまだ子供で、身体の成長に心がなかなか追いつかない年頃。

それを一般的に思春期というけれども、この映画は、その思春期の青年が母の病気を治すために、精神面も少しずつ成長していく姿が描かれている。

といっても、コメディタッチで描かれているので、とてーーも軽い感じで楽しめる。

また、そこがこの映画の良いところ。

まぁ、なんといっても、この年頃の少年たちの頭の中は煩悩フル満タン。

どうにも、女子からすると理解できない行動で溢れてる。

プールの出来事とか、芝刈り機のシーンとか(笑)

映画の序盤は、本当にそんな少年たちの煩悩で溢れていて、「この映画は大丈夫なんだろうか…」と不安な気持ちも湧いてきていた。

リトル・ランナー3

「お母さんを助けたい」という思いが少年を大人にする


しかし、そんな煩悩フル満タンの男の子でも、急に成長するきっかけみたいなものがあるわけで。

それが、主人公のラルフにとっては「お母さんの病気」だった。

そもそも入院していたお母さんだったが、ある日突然昏睡状態に陥ってしまう。

いつまで経っても目覚めない母を不思議に思ったラルフ少年が看護婦に尋ねると、「お母さんが目覚めるには、奇跡が必要なのよ」と言われる。

もしも、同じことを大人が言われた場合、「そうか、もう心の準備が必要なのか…」と捉えるところだけど、ラルフは違う。

「そうか!奇跡を起こせばいいのか!!」と考える。

ピュアで、素直なだけに、医者からの警告も文字通り受け取ってしまう。

この映画の良いところは、そのラルフの「前向きな思い」だ。

母の命が助かるのに奇跡が必要なら、自分から奇跡を起こせば良い。

すごく単純だけど、そんな風に考えるられるなんて、とても素敵なことだと思う。

リトル・ランナー5

ユーモアが辛い思いを笑いに変える


そんな風に、母親が重病で寝たきりと言われると、なんだか重い映画のように感じてしまう。

ところが、この映画には、その重さが一切ない。

常にユーモアを忘れず、どんな時も、随所に笑いがちりばめられている。

その「笑い」が人の不幸を救うところも、この映画の良いところの1つだ。

泣きながら諦めることは誰にでもできること。

でも、どんな状況でも笑いながら前に進むことはとても難しいこと。

とても難しいことだからこそ、最後に奇跡にたどり着く。

とはいえ、彼はボストンマラソンで優勝するわけではない。

その辺の現実も、この映画はしっかりと描いている。

優勝するわけではないけど、彼は誰もが想像できないところへと到達していた。

その思いはこちらにもちゃんと伝わってくる。

リトル・ランナー4

「信じる者は救われる」時には、あり得ないことを信じても良いと思う


人は成功と失敗を重ねながら成長する。

だから、歳を重ねたらその分、人生経験も増えるけれども、その分「失敗」の痛みを知り、「挑戦すること」に臆病になってしまう。

だから、つい「こんなのうまくいくはずない」「やっても無理に決まってる」と考えてしまう。

しかし、この映画のラルフの行動を観ながら思った。

人間、無理なことなんてないんじゃないかな。って。

そんな風に「無理に決まっている」と考える前に、行動に移していたら、成功することだってあるかもしれない。

「信じる者は救われる」

誰よりも先に行動の移した人が勝ちなんだ。

世の中は意外と単純にできてるのかもしれない。

そんな風に考えた作品だった。





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