インド版「クイズ$ミリオネア」に出演していた青年が快進撃を続け、あと1問で億万長者に!なぜ彼はそんなに正解することができたのか。

【満足度 評価】:★★★★☆
「LION/ライオン~25年目のただいま~」と「T2 トレインスポッティング」を観たこともあって、観たいなぁと思っていたところ、WOWOWで放送していたので久しぶりに観た。
好きな女の子に会いたくてクイズ番組に出てみたら、大金持ちになっちゃったっていう、まるでおとぎ話みたいなところが好き。
最後の最後までワクワクドキドキが止まらないエンターテイメント作品。
目次
「スラムドッグ$ミリオネア」予告編 動画
(原題:SLUMDOG MILLIONAIRE)更新履歴
キャスト&スタッフ
出演者
〇デヴ・パテル…(「LION/ライオン~25年目のただいま~」、「マリーゴールドホテルで会いましょう」、「チャッピー」)
〇マドゥル・ミッタル
…(「ミリオンダラー・アーム」など)
〇フリーダ・ピント
…(「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」など)
〇アニル・カプール
…(「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」など)
〇イルファン・カーン
…(「インフェルノ」、「ジュラシック・ワールド」、「めぐり逢わせのお弁当」、「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」など)
監督
〇ダニー・ボイル…(「T2 トレインスポッティング」、「スティーブ・ジョブズ」など)
2008年 イギリス・アメリカ合作映画
第81回(2009年)アカデミー賞 作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、作曲賞、歌曲賞、音響賞、編集賞 受賞
あらすじ
人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演している青年ジャマール(デヴ・パテル)は、あと1問でミリオネアというところまできていた。
スラム街出身の彼が正解を連発することを怪しんだ警察(イルファン・カーン)は不正があるのではと取り調べを始める。
すると、彼はなぜ正解したのかについて、一問一問理由を答え始める…。

感想(ネタバレあり)
私が目にしたインドの子供たちの現実
子供たちは欧米諸国や日本のような先進国の観光客に群がり、お金をねだる。
この映画の中にも出てくるが、路上で芸をしている子供たちや、電車の中で物を売る子供たちもいた。
そして、中には、より同情をひいて稼げるように、わざと手足をなくした子供たちさえいた。
この映画を観ながら思い出したのは、そんな現実の姿だった。
その頃の私はまだ社会をよく知らない子供で、当然、それ程お金も持っていなかった。
なので、「絶対にお金をあげてはいけない」と言われた通りにすることしかできなかった。
1人の日本人がお金をあげると、「日本人=金をくれる人」というイメージが定着し、日本人のお金が狙われるようになるという理由だった。
片足を失いながらも、必死になってでんぐり返しをしている子供が目の前にいて、私はその姿を心を痛めながら見つつ、何だか見てはいけないものを見てしまった気分になっていた。
この映画「スラムドッグ$ミリオネア」を見て、20年前に見たそんな光景を思い出した。

カースト制の名残からスラム街出身者に立ちはだかる高い壁
世界には、誰かが「ここでこんなことが起きています」と知らせてくれなければ、知らないことがたくさんある。
先日公開された映画「LION/ライオン~25年目のただいま~」と、この映画「スラムドッグ$ミリオネア」では、インドのスラム街で暮らす人々の現実を思い知らされた。
町で拾われた子供たちが物乞いの仕事をさせられたのも、同情を買うために目を潰されたのも、女の子たちが売春婦になるために大事に育てられたのも、実際にあった話が元になっているのではと思う。
なぜなら私は実際にこの目でその現実を見てきたからだ。
かつてインドにあり、今でもその名残があると言われるカースト制の中で、スラム街出身者は最下層にいる。
だから、スラム街出身者のジャマールはどこに行っても「虫けら」のような扱いを受けてしまう。
ジャマールのようにクイズ番組で勝ち残る程知識があったとしても、就職したコールセンターでは「お茶くみ」の仕事しか与えられない。
なぜなら、彼は「スラム街出身者」だからだ。
どんなに頑張っても、最高級のクラスには上がれない。
それが、インドのカースト制の現実なのだ。

どんな人にも夢を見る権利があり、実現するチャンスが訪れる
この映画の素晴らしいところは、絶対無理だと思える夢を実現するところにある。
ジャマールのような人間でも、知識があれば「億万長者」になれる。
これは、継母と義姉たちに虐げられて育ったシンデレラが王子様と結婚するような夢のおとぎ話である。
クイズの一問一問が彼の生い立ちと重なり、私たちはジャマールの波乱万丈な人生を思い知らされる。
と同時に、ジャマールになんとか勝ち抜いて欲しいと思うようになる。
何より良いのは、彼が「初恋の人」ラティカに会いたくて「クイズ$ミリオネア」に出たという動機だ。
「億万長者になりたいんだ」とか、「お金をもらって家を建てるんだ」なんていう夢じゃない。
「きっとラティカが見ているに違いない」から、彼は出るのだ。
そんなスイートな動機を知ったら、嫌でも応援したくなちゃうし、幸せになれよと思わずにいられない。
最下層の出身者でも、学校へ行っていなくても、夢を見る権利は全ての人たちに平等に与えられている。
そのチャンスを切り開く原動力が愛なのだ。
愛の力は、ジャマールの人生を切り開く。

「好きな人に会いたい」という理由で億万長者になれることもある
「T2 トレインスポッティング」でジャンキーの現実を描いたダニー・ボイルは、この映画で「スラム街で暮らす少年たち」の現実を描いた。
ありがたいことに、日本ではこんな光景を目にすることはないが、海外へ行くと電車の中や路上で物乞いする子供たちに頻繁に出会う。
つい、私たちはその現実から目を背けようとしてしまう。
しかし、ダニー・ボイルはその現実を真正面から見据え、彼らを主人公にしたおとぎ話を描いた。
育ちが悪いからとか、いい学校へ通っていないからという理由で人生を諦めるのはもったいない。
自分の心に正直に、おもむくままに生きていれば、きっとチャンスは訪れる。
そのチャンスに向かって行動を起こすか起こさないかの違いである。
ジャマールのように「好きな人に会いたいから」という理由で、テレビに出たら億万長者になれる可能性だってある。
どんな人でも夢を見ることは自由である。
人間の可能性も無限大である。
いつかきっとチャンスが訪れる。
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