とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


カテゴリ:ジャンル > 女性



オリビア・コールマン主演 ヨルゴス・ランティモス監督の映画「女王陛下のお気に入り」を試写会で観た。

18世紀イングランドの王室を舞台に、一人の王妃と彼女に取り入ろうとする二人の女性の愛憎を描いた歴史劇。


映画「女王陛下のお気に入り」


満足度 評価】:★★★★★

超絶面白かった!

自分では何もできない王女。

王女を裏で操る熟練の侍女。

そして若くて野心満々なしたたか娘。

彼女たちの三つ巴は先の展開が読めない面白さ。これは時代劇だけど、やがてくる女性社会を予言する作品だと思った。



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『女王陛下のお気に入り』予告編 動画

(原題:The Favourite



更新履歴・公開、販売情報

・2019年1月28日 試写会にて鑑賞。

・2019年2月19日 感想を掲載。

・2019年11月17日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信、DVD共に販売中。詳しい作品情報につきましては、下記の公式サイトをご参照ください。
 ↓
映画「女王陛下のお気に入り」公式サイト




キャスト&スタッフ


出演者


エマ・ストーン

レイチェル・ワイズ


…(「ある少年の告白」、「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」など)

監督

ヨルゴス・ランティモス
…(「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」、「ロブスター」など)



2018年製作 アイルランド・イギリス・アメリカ合作映画



あらすじ


18世紀初頭のフランスとの戦争下にあるイングランド。

レディ・サラ(レイチェル・ワイズ)は、気まぐれな女王アン(オリビア・コールマン)を完全に支配し、国政を操っていた。

ある時、サラの親戚で、没落貴族のアビゲイル(エマ・ストーン)が宮廷に現れ、アンの下で働き始める。

若くて美しいアビゲイルは、やがてサラの目に留まるようになっていく。

そんなアビゲイルをアンは警戒するようになるが、アビゲイルは貴族の資格を取り戻そうとしていた…。



映画「女王陛下のお気に入り



感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


女王陛下のお気に入り (2018)



★★★★★ [100点]「時代劇を観ながら未来を思う」

今年のアカデミー賞で、9部門10ノミネートという最大の目玉作品。

これがめちゃくちゃ面白かった!!

18世紀のイングランドを舞台に、王女と彼女に取り入る侍女たちの攻防を描く。



18世紀を舞台にした歴史劇と聞いたら、歴史的な知識が必要だと思う人がいるかもしれないが
この映画については、必要ないと思う。

なぜならば、私はこの映画を観ながら未来を感じたからだ。

いや、日本人にとっては未来でも、既にヨーロッパでは、こういう時代が来ているかもしれない。



アン王女(オリビア・コールマン)は、あらゆる出来事の判断を侍女のサラ(レイチェル・ワイズ)に委ねていた。

そのため、王女の寵愛を受けたサラは絶大な権力を握っていた。

そこへ、サラの親戚で貴族から没落してしまった家の娘 アビゲイル(エマ・ストーン)が現れる

そこから、彼女たちの三角関係が始まるのだ。



彼女たちの立ち位置はとてもわかりやすい。

欲望だけで生きていて、自分一人では何もできないアン王女と、知識と経験で王女を操る熟女のサラ、そして、若さを武器にするしたたか娘のアビゲイル。



この三人の腹の内を探りながら観るのが、とにかく面白い

相手の動きを読み、その一歩先にいた者が勝つ世界だ。



しかし、それを例えば日本の時代劇で、男性に置き換えて考えてみると、バカ殿と、そんなバカを手なづける熟練の側近、そして、そんな二人の間に割り込もうとする若手の野心家。

そんな話は、これまで何度でも描かれてきた。

この映画では、男女の立場が完全に逆転しているのだ。



それは、女性上位の社会を予言していると思った。

現在、または近い未来、女性が国のトップに立った時、その周りでは、どんなことが起きるのか、そして男性たちは、どんな扱いを受けるのか



これまでの時代劇とは性別が完全に逆転していて、そこが、この映画のとても面白いところだった。



そんな世界の中で、王女と、サラと、アビゲイルが、どう絡んで、どこへ向かっていくのか。

その先の展開が何一つ読めず、ハラハラドキドキしながらラストまで、一気に観てしまった。



これが例えば、トランプ大統領がアン王女で、その側近たちが全員女性だったら、ホワイトハウスで何が起きているのか。

この映画で起きていることに照らし合わせてみると、トランプに任せていていいのかな…。
と考えてしまう映画だった


Posted by pharmacy_toe on 2019/02/11 with ぴあ映画生活




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シャーリーズ・セロン主演の映画「タリーと私の秘密の時間」を試写会で観た。

3人の子供の育児に追われ、自分を見失いつつあるマーロが、ベビーシッター タリーとの交流を通じて自分を取り戻していく姿を描く。


映画「タリーと私の秘密の時間」


満足度 評価】:★★★★☆

お母さんは家事と育児をするのがどれだけ大変かわかって!という悲鳴のような作品。

が、笑えるところもあって気軽に観られるのが良い

これはぜひ、日頃奥さんに家事と育児を任せきりな旦那さまに観て欲しい。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『タリーと私の秘密の時間』予告編 動画

(原題:Tully)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年8月4日 試写会にて鑑賞。

・2018年8月30日 感想を掲載。

・2019年10月31日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信、DVD共に販売中。詳しい作品情報につきましては、下記の公式サイトをご参照ください。
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「タリーと私の秘密の時間」公式サイト


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キャスト&スタッフ


出演者

シャーリーズ・セロン(兼 製作)

〇マッケンジー・デイヴィス

〇マーク・デュプラス

〇ロン・リヴィングストン

〇アッシャー・マイルズ・フォーリカ

〇リア・フランクランド


監督

ジェイソン・ライトマン
…(「フロントランナー」、「とらわれて夏」など)


2018年製作 アメリカ映画




あらすじ


小学生の娘と息子がいるマーロ(シャーリーズ・セロン)は、2人の子供たちの面倒を見るので手一杯だが、40歳を過ぎて予定外の妊娠をし、育児をすることに。

ただでさえ大変そうなマーロの様子を見かねた兄のクレイグ( マーク・デュプラス)は、マーロに出産祝いとしてベビーシッターをプレゼントするという。

しかし、マーロは兄の親切に甘えてはいけないと思い、断ってしまう。

そして、出産。

これまでの日常に加えて、育児も増えたマーロには寝る暇もない。

そこへ、若くてとても魅力的なベビーシッターのタリー(マッケンジー・デイヴィス)がやってきて、「夜の間だけ」という約束で育児を手伝ってくれることになり…。



映画「タリーと私の秘密の時間」



感想(ネタばれあり)


家事や子育てで忙しくても「楽しむ」気持ちを持って欲しい


どんな人も、どんな瞬間も、楽しむことを忘れてはいけないと思う。

たとえ、それが仕事中であっても、楽しい妄想を思い描くぐらいの自由はあっていいと思う。



私は気ままな独身人間だから、そういえるのかもしれないけれど、それは忙しいお母さんも一緒。

家事や育児で忙しくて手が離せない時であっても、「楽しい」と思える時間を大切にして欲しい

もしも、「楽しい」と思える時間が作れないなら、周りの人たちに「助けて」と言って欲しい

そうしないと、この映画のマーロのようになってしまうから…。



主人公のマーロ(シャーリーズ・セロン)は、小学生の娘と息子がいて、臨月を迎えた妊婦だ。

その息子ジョナは、学校の先生から「落ち着きがない」と言われ、授業についていけず、「彼に適した」学校へ転校して欲しいと言われてしまう。

校長先生からそう言われ、マーロが悩んでいるその横で、ジョナは時折癇癪を起し、言うことを聞いてくれない。



そんな時、マーロは予期せぬ妊娠・出産をし、3人目の育児をすることになった。

毎晩、授乳で起こされる日々になり、睡眠不足に。

ただでさえいっぱいいっぱいなのに、疲れはピークに達し、マーロはイライラしはじめる。



兄はベビーシッターをプレゼントしてくれるというけれど、育児を他人に任せることに抵抗を感じてしまう…。

きっと、子育てを経験してこられた方たちの中で、マーロの大変さに共感できる人たちはたくさんいるだろうし、現在、まさに、子育て真っ最中だという人もいるだろうと思う。

そんな人にこそ、この映画を観て欲しい。

マーロのように手遅れになる前に…。



映画「タリーと私の秘密の時間」



タリーが疲れ切ったマーロにもたらした変化


兄からの出産祝いであるベビー・シッターを断ったマーロだけれど、ある日、シッターのタリー(マッケンジー・デイヴィス)が訪ねてくる。

猫の手も借りたいマーロは、いきなりやってきたタリーを帰すわけにもいかず手伝ってもらう。

タリーは、ちょっと変わったイマドキ女子だけど、育児や家事が完ぺきだったので、その日からタリーの手伝いに甘えることになった。



その日から毎晩やってくる若くて魅力的なタリーを見て、マーロは夢や希望に溢れ、キラキラ輝いていた昔の自分を思い出すようになる。

毎晩のように遊びに出かけ、ボーイフレンドたちを夢中にさせ、時にはルームメイトとケンカした日もあったし、嫌なことがあった日は一晩中飲み明かしたいと思った日もあった。



それに比べて、今の疲れ切った自分はなんだろうと思うようになる。

マーロは忙しい日々に追われ、あの頃の自分をどこかに置き忘れてしまったことに気付いたのだ。

そこから、マーロは化粧をしたり、ジョギングをしたり、かつての自分を取り戻す努力をし始める。



マーロ自身が変わろうとすることで、子供たちや夫が彼女を見る目も変わってくる。



映画「タリーと私の秘密の時間」



家事や育児を完璧にこなそうと思わなくていい


では、ある日突然やってきたタリーは一体何者なのか

タリーは、マーロが見た幻想だったのだ。



子育てを他の人に任せることができず、息子は学校になじめず先生に叱られ、赤ん坊はそんなマーロを気遣うことなく泣き叫ぶ。

ストレスとイライラがたまりに溜まったマーロは、タリーという「理想のベビーシッター」の幻想を生み出したのだ。



そんなタリーを見ていて思うのは「家事や育児を完璧にこなそうと思ってはいけない」という教訓。

日本でも「ワンオペ育児」の大変さはとても問題になっているけれど、全部を一人で完ぺきにこなすなんていうのは、無理だと思った方が良い。

自分で真面目にこなそうとすればするほど、精神的に追い込まれていってしまう



時には、マーロとタリーがニューヨークに遊びに行ったように、お酒飲んだり、ライブを見たり、思いっきり騒いだりするガス抜きがあってもいい。

そんな日は、子育てを誰かに任せてもいいのだ。



真面目に家事も育児もこなそうと思えば思うほど、精神的に追い詰められてしまう。

完璧にしなくていい。

困った時は「助けて」と言ってもいい



楽しむことを忘れず、時には自分をケアして、他人に頼れる時は積極的に頼る

日本では「ベビー・シッターを雇うなんて贅沢だ」という批判もあるけれど、そんな他人の言うことを気にする必要はない。

子供たちだって、いつもイライラしているお母さんよりも、キラキラ輝いて楽しんでいるお母さんの方が良いに決まってるのだ。



映画「タリーと私の秘密の時間」



家事や育児を一人だけに任せない環境づくり


とはいえ、みんながみんな、ベビー・シッターを雇う余裕などない。

そこで大切なのは、子育てしやすい環境づくりだ。

このマーロの家のように、夫は仕事、妻は家事・育児という完全なワンオペ育児ではなく、夫が家にいるときは、積極的に手伝って欲しいし、マーロの兄のように手助けしてくれる人がいたら甘えても良い



この映画は、家事と育児に追われて自分自身を見失ってしまったマーロについて描いているけれど、「子育ても育児も妻に任せきり」という男性たちにこそ観て欲しい作品だった。



男性たちの不倫の言い訳として「妻はお母さんになってしまって女としての魅力を感じなくなった」という声をよく聞くけれど、安易に不倫をする前に「なぜ、女性としての魅力を失ってしまったのか」その理由を考えて欲しい

自分の服を買うよりも、子供の服を買ったり、化粧にお金をかけるよりも、子供の習い事にお金を使ったり。

妻たちが犠牲にしているものを知って欲しい



そして、一人になれる自由な時間を作ってあげて欲しい。

外の新鮮な空気を吸ったり、友人たちに家事や育児の愚痴をこぼす時間が、どれだけ貴重で彼女たちの助けになるか。



私は、マーロとタリーの生活を観ながら、私の周りの「育児に追い込まれている」友人たちのことを思った。

ぜひ、半日だけでも育児をだれかに任せて、夫婦で観て欲しい作品である。




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キーラ・ナイトレイ主演の映画「コレット」を映画館で観た。

1890年代のパリを舞台に、フランス文学界で人気の女流作家コレットの人生を描いた作品。


満足度 評価】:★★★★☆

常に新しいことにチャレンジし、イキイキと輝くコレットがとても素敵で、

人として幸せな生き方というのは、自身の情熱を追い求めたその先にあると教えられた。

百年以上も前の話だけど、彼女の生き方は現代の女性たちの模範にになると思った


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『コレット』予告編 動画

(原題:Colette)


更新履歴・公開、販売情報

・2019年5月25日 映画館にて鑑賞。

・2019年6月24日 感想を掲載。

現在、全国順次公開中。詳しい劇場情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
映画「コレット」公式サイト


コレット著:「牝猫」

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コレット著:「シェリ」

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キャスト&スタッフ


出演者

キーラ・ナイトレイ


〇デニース・ゴフ

〇フィオナ・ショウ

〇エレノア・トムリンソン

〇ロバート・ピュー

〇レイ・パンサキ


監督

〇ウォッシュ・ウエストモアランド


2018年製作 イギリス・アメリカ合作映画



映画「コレット」



あらすじ


フランスの田舎で生まれ育ったコレット(キーラ・ナイトレイ)は、14歳年上の人気作家 ウィリー(ドミニク・ウェスト)と結婚し、パリへ。

パーティに行くなど華やかな日々と送る中、ウィリーは、コレットに文才があることに気付き、コレットをゴーストライターにして「クロディーヌ」シリーズを出版。

それが人気シリーズとなるが、コレットは作家として認められないことに、苛立ちを募らせるようになる…。



映画「コレット」キーラ・ナイトレイ



感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


コレット (2018)


★★★★ [80点]「なぜ、彼女はこんなにも輝いているのか」


とても魅力的なコレットに惹きつけられ、彼女の生き方にときめいた作品だった。



フランスの女性作家コレットの半生を描いた作品。

田舎町で育った彼女は、年上の人気作家ウィリーと結婚。



しかし、浪費家のウィリーは生活に困っていた。
そこで、彼はコレットの文才を見込んで、彼女に「クロディーヌ」シリーズを書かせると、それが大ヒット!

それ以来、コレットはウィリーのゴーストライターとしての道を歩み始める。



そのウィリーは、とても魅力的な人だけど、夫にするには最低の人だった。

なぜなら、パーティ好きで、浪費家で浮気性だからだ。



しかし、コレットはそんなウィリーに腹を立てながらも、独自の人生を歩み始める



ウィリーから頼まれて、ゴーストライターとして「クロディーヌ」シリーズを書き始めたことが、彼女の新たな人生の扉を開くきっかけとなり、そこから、彼女は自分の情熱のおもむくままに歩み始めるようになるのだ。

そうして彼女の人生はイキイキと輝き始める



そのコレットは、常に新しいことにチャレンジし、「こうすべきである」という枠に囚われずに生きていて、その姿がとても素敵だった。

彼女は100年以上も前に生きた人だけど、そんな彼女の生き方は、現代女性たちのお手本になるものだと思う。



それぐらい進歩的な考え方をしていたコレットだから、多くの人から叩かれたりもしたけれど、それでも堂々と生きる彼女はとても魅力的だった。

そんな彼女の生き方を観て、本当に幸せな人生とは、何かに情熱を持ち、何があってもその情熱の向かう方向へと進んで行くことなのではと思った。



さて、私の情熱は、今、どこにあるのか。

時々、そう自分に問いかけることも大切なのことだと思った。



これは、ぜひ、たくさんの女性に観て欲しい作品だった

コレットを観て、夫にも、仕事にも、大衆にも、何ものにも囚われない生き方を女性たちに知って欲しいと思った。

コレットを演じているキーラ・ナイトレイも素敵なので、キーラ・ナイトレイ好きにもオススメの作品。


Posted by pharmacy_toe on 2019/06/07 with ぴあ映画生活




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寺島しのぶ主演の映画「オー・ルーシー!」を映画館で観た。

43歳独身OLの節子が、うんざりするような毎日を捨て、これまで押さえつけていた本当の自分を取り戻す物語。



満足度 評価】:★★★★☆

面白かった!

これは、うんざりするような毎日とサヨナラする方法を描いた日本のOLたちへの応援歌だった。

新しい世界に飛び込むには勇気もいるし、失敗もしてしまうけれど、それを上回る素晴らしい体験がある。

そして、その先には、思いがけなない救世主が待っている。…かもしれない。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「オー・ルーシー!」予告編 動画

(英題:OH LUCY!)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年5月18日 映画館にて観た感想を掲載。

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ネット配信で観る:「オー・ルーシー!」

オー・ルーシー!

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【映画パンフレット】オー・ルーシー!

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キャスト&スタッフ


出演者



…(「わが母の記」など)

役所広司
…(「孤狼の血」、「三度目の殺人」、「蜩ノ記」、「わが母の記」など)

…(「デッドプール2」、「女が眠る時」など)




監督・脚本

〇平柳敦子


2017年製作 アメリカ・日本合作映画



オー・ルーシー!





あらすじ


43歳の独身OL 川島節子(寺島しのぶ)は、肩身の狭い思いをしながら会社へ通う毎日。

ある日節子は、姪の美花(忽那汐里)から

「今まで通っていた英会話教室に行けなくなってしまったから、代わりに行ってくれないか」

と言われ、節子は美花が支払い済みの受講料 60万円を支払い、代わりに英会話教室へ行くと、アメリカ人教師のジョン(ジョシュ・ハートネット)から「ルーシー」という英語名を与えられ、ジョンからハグをされ、今まで味わったことないような時間を過ごす。

しかし、次回、教室へ行くと、ジョンは美花と共にいなくなり、アメリカへ帰ったと言われてしまう。

そこで、節子は美花の母で姉の綾子(南果歩)を連れ、美花とジョンを追ってアメリカへと向かう…。




オー・ルーシー!5






感想(ネタバレあり)


「つまらない毎日」を過ごすOLたちに贈る応援歌



汚部屋で暮らす43歳 独身OLの節子。

駅で痴漢に遭い、満員電車にゆられて会社に行く毎日。

その日は、最寄り駅で人身事故に遭遇した。



会社へ行けば、愛想笑いと噂話。

好きでもない仕事のために一日をオフィスで過ごしている。

そんな節子の日常を見て、「節子って私みたい!」と思う人もいるかもしれない。



節子は、うんざりするような毎日を過ごしているOLたちの気持ちを象徴するようなキャラクターなのだ。

私もかつて「つまらない毎日にうんざりしていたOL」だったから、その気持ちがよくわかる。



私はそんな毎日を過ごすうちに身体を壊してしまい、強制的にその「つまらない日々」からつかみ出され、それ以来、好きなことをして過ごす毎日にシフトチェンジした。

しかし、節子のような人たちに、「そんなに毎日がつまらないなら、さっさと仕事を辞めればいいのに」と言ってもなかなか難しいのだ。

「好きなことをしろ」と言われても、何をすればいいのか分からないし、40歳を過ぎて転職するなんて危険すぎる



しかし、私が身体を壊して強制的にその「つまらない毎日スパイラル」からつかみ出されたように、何かの大きな力によって動かされれば、思いがけないところで扉が開け、そこでは「飾らない自分」でいられる世界が待っているかもしれないのだ。



この映画では、そんな「つまらない毎日スパイラル」を送っているOL節子が、一念発起して「アメリカ旅行」をしてみたら、今まで気付くことのなかった新しい自分に気付き、思いがけないところから救世主が現れるという希望を描いた物語である。

それは、つまらない毎日を過ごしている日本のOLたちへの応援歌だと思った。



「あなたたちの未来は未知数である。

今からでも遅くない。

今まで観たことがなかった世界に飛び込んでみよう」

そんなメッセージを感じる作品だった。



オー・ルーシー!3




アメリカ人教師ジョンとの出会いが新しい世界への扉を開くきっかけに


節子を「つまらない毎日スパイラル」から引きずり出すきっかけを与えたのは、英会話教師のジョンである。

ジョンは節子にルーシーという英語名を与え、教師と生徒という関係を越えて「リラックスして、フランクに話すこと」を強要する。

それは、真面目な日本人にとってはとても難しいことなのだ。



その上、ジョンは「自称ハグ魔」である。

あいさつ代わりにハグをするアメリカ人の中でも、ジョンは「よりハグ好き」なタイプなのであり、誰とでも気軽にハグをする。



初めて行った英会話教室で、節子はそんなジョンから「フランクに話そうよ」と言われ、いきなり「ハグ」されるという、アメリカ式人付き合いの洗礼を受ける。

いかにも絵に描いたようなアメリカ人のジョンは、内気な日本人女性からしたらちょっと戸惑ってしまうタイプである。



しかし、節子はそんな戸惑いの中に新たな自分を発見したようだった

その時、節子はこれまでにない「人との距離の近さ」と、「ハグ」というスキンシップに人の温かさを感じたのだ。

金髪のかつらをしてルーシーになりきった節子は、彼女の生活にはない解放感を得たのだ。



ジョンこそが、節子にとって新しい風であり、彼女を新しい世界へ導く扉だったのだ。



ところが、その調子で英会話教室に通い続けようと思ったら、ジョンは姪の美花を連れてアメリカへ帰ってしまう。

そのため、節子は「新しい世界を見せてくれた」ジョンを追ってアメリカへ行ってしまうのだ。

きっと、その時の節子は「ジョンに会いたい」一心であり、仕事を休むこととか、何にも考えていなかったかもしれない。

けれど、その「感情におもむくまま行動すること」こそ、新しい人生を開く原動力となるのだ。



オー・ルーシー!2




失敗した経験の裏で得られたワクワクドキドキの初体験


しかし、思い切って清水の舞台から飛び降りた結果、節子を待ち受けていたのは惨憺たる結果だった。

ジョンには振られ、美花とつかみ合いのケンカをし、姉の綾子から突き放される。

新しい世界に期待を抱いてアメリカへ渡った節子だったが、結局一人ぼっちになってしまう。



けれど、節子がアメリカで経験したのは悪いことばかりではない

アメリカのモーテルに泊まることも、腕にタトゥーを入れることも、車を運転することも、全て初体験であり、ジョンが見せてくれた新しい世界だった。

全て、ワクワクドキドキしながら手に入れたものだったはず。



それまで、そんなにワクワクドキドキするようなことが、彼女の日常生活にどれだけあっただろうか

満員電車に揺られ、会社と家を往復するだけの毎日に、そんなときめきがあっただろうか



でも、もし、節子がアメリカへも行かず、休みも取らずにそのまま通勤し続けていたら、どうなっていただろうか。

ジョンを追ってアメリカへ行かなかったことを後悔し続け、その後は、彼女がバカにしていたお局への道まっしぐらではなかっただろうか。



その時、節子はアメリカへ行ったことで、「新しい世界へ飛び込む勇気」を身に着け、「うんざりする毎日」を節子から捨ててやったのだ。

それは、他の女子たちには真似できないことである。



それこそが、「つまらない毎日」を送り続ける節子に必要な「チェンジ」だったのだ。

「失敗すること」を恐れて何もせずにいたら、何も得ることはできないけれど、新しい世界に飛び込んだ結果失敗してしまっても、得られることはたくさんあるのだ。



オー・ルーシー!4




勇気あるチェンジを神様は見ていてくれる


そして、そんな節子の「チェンジ」を神様は見ていてくれる

思わぬところから「トム」という救世主が現れるのだ。



トムはかつて、家族をおざなりにして仕事中心の生活をしていた結果、家族を失うという過去を持っていた。

そんなトムだからこそ、節子の痛みを感じて理解していたのだろうと思う。

節子は、思いがけないトムの優しさに癒され、救われる

そうして、節子は「うんざりする毎日」にサヨナラしたのだ。



もしも、つまらなくて、満たされない毎日を送っているのなら、そこから飛び出す勇気が必要だ。

その結果、ワクワクドキドキを得る反面、痛いこと、辛いことも経験するかもしれないし、失うこともあるかもしれない。



しかし、それ以上に得るものはたくさんあるし、今までにない新しい世界が待っている。

それに、「やった後悔」よりも「やらない後悔」は、一生引きずり続ける

だから、目の前の「好きなこと」に飛び込んでみようよ!とこの映画は世のOLたちにエールを送っているのだ。



多くの「つまらない毎日」を送っているOLたちがこの映画を観て、何かを感じて新しい人生を始めてくれるといいなと思った。





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フランス映画「若い女」を試写会で観た。

いきなり、恋人に家を追い出された31歳の女性がパリの町をさまよいながら、自分の生きるべき道を探し求める姿を描く。


満足度 評価】:★★★★☆

すごく共感した!

31歳とは女性にとって「若いけど若くない」という微妙な年頃であり、結婚、出産、仕事などで迷う年頃でもある。

その中で女性たちが尊重すべきなのは「自分が幸せで楽しく生きられる環境作り」ではないかと思った。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『若い女』予告編 動画

(原題:Jeune femme)




更新履歴・公開、販売情報

・2018年8月20日 試写会にて鑑賞。

・2018年9月21日 感想を掲載。

現在、全国順次公開中。詳しい上映劇場情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
「若い女」公式サイト


サウンドトラック「Jeune Femme」

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キャスト&スタッフ


出演者

…(「パパは奮闘中!」など)

〇グレゴワール・モンサンジョン

〇スレイマン・セイ・ンディアイ

〇ナタリー・リシャール


監督

〇レオノール・セライユ


2017年製作 フランス映画



若い女




あらすじ

パリで暮らす31歳のポーラ(レティシア・ドッシュ)は、ある日突然、同居している恋人から家を追い出されてしまう。

そのため、ポーラは恋人の飼い猫であるムチャチャと共に、友人の家や安ホテルへ行くが、「猫はダメだ」と断られてしまう。

しかし、住み込みのベビーシッターの職を得たポーラは、ベビーシッターをしながら、下着店の店員の仕事をして生活を始めるのだが…。



若い女2



感想(ネタばれあり)


いきなり夜のパリに放り出された31歳のポーラ


この映画は、私の共感がいっぱい詰まった作品だった。



ド頭から衝撃的なシーンで始まった。

若い女性がドアに頭を打ち付けながら悪態をついている!!

きっと誰もが、特に日本人の多くが「この人、激しい!!」と思うだろう。



その女性は、31歳のポーラ

ある日突然、彼氏に捨てられてしまい、夜のパリの町に放り出されてしまった



ポーラと彼氏は、それまでの10年間、彼氏の仕事(有名カメラマン)のためにメキシコで暮らしていた。

最近パリへ帰ってきたばかりで、ポーラは仕事もしていないし、お金もない。

いきなりパリの町へ放り出されても、当てにするような友人もなく、パリ近郊に住んでいる母親との関係はあまりよくない。



しかし、ポーラは、町をぶらぶらしながら、たまたま知り合った人の家に転がり込んだりして、自分自身とムチャチャの寝る場所を必ず確保しているのだ。

なんてたくましい人なんだ!!

もしも、ある日突然、仕事もお金もなく、知り合いが少ない街に放り出されたらどうするだろうか。

自分に置き換えて考えると、途方に暮れてしまうけど、そんなポーラを見ていると「人生なんとかなるかな」と思えてくる



特に深く考えずに、困っている時は「困っています」「助けて欲しい」と口に出して言ってみれば、人生なんとかなるものなのだ。



若い女4



31歳は仕事や結婚・出産で迷いの年頃


ポーラは31歳。

周りからは「若いね」と言われるけれど、言われた本人は「もうそんなに若くない」と思ってしまう年頃だ。



女性の28~32歳という年頃は、仕事も、家庭も、プライベートも迷いの時期

「そろそろ結婚したいけど、仕事も面白くなってきたし…」とか、「仕事に行き詰まりを感じるけれど、結婚する相手もいないし…」とか、「そろそろ子どもを産みたい…」とか。



私も、ちょうどその頃、いろいろなことで悩んでいた。

悲しいことがあったり、失業したりで、人生の大きな壁を感じ、スキルアップの勉強をしたり、趣味を増やしたりして、いろいろとチャレンジしていた。

私の場合は、恋愛や結婚よりも仕事に夢中になってしまい、今に至っている(笑)



周りの人たちからは「若いね」と言われるけれど、「そろそろ結婚しないの」とか、「子供産まないの」とか、「余計なこと」を言われてしまう年頃もある。

そうすると「そう若くもないし」と思ってしまうのだ。



若い女3



ポーラにやってきた強制的な自立


ポーラの場合はどうなのか。

彼女も、10年間付き合っていた彼氏との結婚を意識していたはずだ。

そして、ちょうどその節目に故郷のフランスへ帰ってきたことで、ますます意識したに違いない。



けれど、無残にも、その彼氏から家を追い出されたことでポーラは情緒不安定になってしまう。

そりゃぁ、その状況で追い出されたら、誰だって情緒不安定になるわー!!



そこから、彼女は自分の生きる道を模索し始める。

何もない彼女にとって、自立しなければ生きていけないからだ。



31歳にもなって、生きる道??自立??今さら??

と思うかもしれない。

しかし、他の人たちが自立した20代の頃、彼女は有名なカメラマンである彼氏と一緒にメキシコで夢のような暮らしをしていたのだ。



だから、10年遅れて彼女に自立の時がやってきたのも、すごくよく分かると思った。

そこから、いろんな人たちと出会い、いろんな経験を重ねて、誰の所有物でもなく、誰にも依存しない自分を見つけ出していく。



ポーラは彼氏のものでも、母親のものでも、仕事先の所有物でもない。

誰のものでもないポーラなのだ。



若い女5




幸せになるために。ポーラが決めた選択。


そして、ポーラは最後に「結婚・出産・仕事」について、選択を迫られる



彼女を決意させたのは、母と彼氏の存在だ。

ポーラを産んでも、決して幸せそうとは言えず、彼女との仲が険悪な母親の存在、外で働き始めた彼女を見て急に戻ってきた彼氏。

そんな彼らとの関係を思いながら、ポーラは「産むべきか、産まないべきか」と考える。



そして彼女は「中絶」を選択する。

それは、とても意外なものだったけれど、私は彼女の選択を尊重したいと思った。

仕事や、家庭、プライベートなどで悩む年頃だけれど、その中で、最も大切なことは「自分が幸せで楽しくいられる」環境を作ることなのではないだろうか。



もしも、仕事もプライベートも充実せず、ゆとりもないまま子供を産んでしまったら、ポーラの母の二の舞になってしまう。

彼女は、母の姿を見ながら「私は母とは違う生き方をしたい」と思ったに違いない

その上、いきなり夜の町に彼女を放り出すような男性と、この先幸せに生きていける保証はない。



それならば、自分自身の幸せを追求したい。

ラストのポーラの表情には、そんな彼女の「強い意志」を感じた

きっと、これからのポーラは、誰にも依存しない、所有物にはならない自分自身を確立していくんだろう。



たとえ、子供を産みたいと思った時に産めなかったとしても、ベビーシッターの時に、血のつながっていない子供と親子のような関係を築けたように、他人の子供を育てるという選択肢もある。

そうして、彼女は常にベストな選択をしながら、たくましく生きていくように思った。



「たとえ全てを失っても、ゼロから人生を始めることができる」

そう前向きに思える映画だった。



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ナタリー・ポートマン主演の映画「プラネタリウム」を7月20日に新宿で行われたジャパンプレミアで観た。

第二次世界大戦前、フランスがまだ平和だった頃、アメリカから渡ってきて、時代を必死に生き抜こうとする姉妹を描く。


満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

女性たちが働くことができる職業が、まだまだ制限されていた時代のお話。

霊感の強い妹と、その妹を利用して、のし上がろうと計算する姉が描かれるが、彼女たちはそうすることでしか、生きていくことができなかった。

姉妹はこれまで見たことがない星を手に入れようとしていたのだが、時代がそれを許さなかった。

それまで積み上げてきたもの全てを、一瞬のうちに無にしてしまう戦争の悲しさを感じる作品だった。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想



「プラネタリウム」予告編 動画

(原題:PLANETARIUM)




更新履歴・公開、販売情報

・2017年7月22日 ジャパンプレミアで観た感想を掲載。

・2018年8月28日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


DVDで観る:「プラネタリウム」

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ネット配信で観る:「プラネタリウム」(字幕版)

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キャスト&スタッフ


出演者

ナタリー・ポートマン
…(「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」、「ブラック・スワン」、「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」、「スター・ウォーズ/エピソード2 クローンの攻撃」、「スター・ウォーズ エピソード3/シスの逆襲」、「レオン」など)

〇リリー=ローズ・デップ

〇エマニュエル・サランジェ

ルイ・ガレル
…(「愛を綴る女」など)

監督

〇レエッカ・ズロトヴスキ


2016年製作 フランス、ベルギー合作映画



プラネタリウム



あらすじ


第二次大戦が起きる前のフランスで、ローラ(ナタリー・ポートマン)とケイト(リリー=ローズ・デップ)のバーロウ姉妹は、「降霊術」のショーを行って生活していた。

霊感の強い妹のケイトが、お客様に霊からのメッセージを聞かせるというスタイルのものだった。

そんなある日、バーロウ姉妹の元に現れたのは、映画プロデューサーのコルベン(エマニュエル・サランジェ)。

彼は、彼女たちの降霊術を映画に記録しないか?と持ち掛け、彼女たちの住まいも用意するという。

それまで、狭いアパート暮らしをしていた姉妹は、コルベンへの邸宅に引っ越し、映画の仕事をするようになり…。


プラネタリウム2



感想(ネタバレあり)


女性が就ける職業に制限があった時代


この映画が描かれている時代は、女性が就ける仕事にまだまだ制限があった頃だった。

映画のオープニングに登場する電話交換士は「女性が就ける職業」の代表的なものだった。

そんな中で、女性が財産を築くためにそれなりの報酬を得ようとするなら、女優か娼婦になるぐらいしか選択肢がなかった。



アメリカからヨーロッパに渡り、何のコネもないバーロウ姉妹が、2人だけで生きていくのは非常に難しかった。

そこで、妹であるケイトの霊感の強さを利用し、「降霊術」をして生活費を稼いでいた。



ところが、世の中には戦争の陰が差し始め、人々は余計なことにお金を使わないようになっていた。

そんな時代を背景に、姉妹が厳しい世の中を生き抜こうとする姿がここでは描かれる。



映画の冒頭にとても印象的なシーンがあった。

電車に乗って移動する姉妹。

まだ幼さの残る妹のケイトは、姉に「なんで、昼は星が見えないの?」と聞く。



すると姉は「明るい時には見えないこともあるのよ」と答える。

それは、姉妹がこれまで見たことがない星を目指して生きていく様子を表しているが、平和な頃には見えず、世間に戦争の影が差すようになってから見えるものを示している。

それこそが、この映画のタイトル「プラネタリウム」が表しているものであり、切なく悲しい部分でもあった。



プラネタリウム3



姉妹の生活を支えた希望の星・妹のケイト


霊感の強い妹のケイトは、姉のローラにとって「希望の星」だった。

彼女たちの出生や、どんな家庭で育ったのかは一切語られない。



しかし、何か理由があってアメリカからヨーロッパへと渡ってきた。

彼女たちはお金を稼いでロンドンに渡り、そこからアメリカへと帰ることを夢見ていた。

そのために、ケイトの霊感が必要だったのだ。



毎晩、「降霊術」のショーを行い、目の前にいるお客さんに「霊界からのメッセージ」を伝える。

そして、ある時、彼女たちに幸運が訪れる。

その「降霊術」のショーを見て興味を持った人たちの中に、お金持ちの映画プロデューサー、コルベンがいたのだ。



ローラは早速、コルベンと連絡を取り、彼に降霊術をする。

すると、その時に彼が見たものが、彼の心を強く突き動かし、ケイトの降霊術を強く信じるようになる。

そして、「降霊術の記録を映画に残したい」とコルベンが言ったので、姉妹はコルベンの元で働くようになる。



前半部分を観ている段階では、コルベンがケイトの降霊術で何を観て、なぜ、彼がそんなにケイトに執着するようになるのか分からなかった。

恐らく、姉妹にとっても、初めのうちの彼は「金づる」だったように思う。

しかし、時が経つにつれ、次第に彼の夢が示していたものが分かるようになる。



プラネタリウム4



社会が暗くなって、急に浮かび上がってきたユダヤの星


コルベンは、ポーランドからフランスへ逃げてきた移民だった。

彼の家はユダヤ人一家であり、ドイツからの迫害を恐れ、フランスへ逃げてきていた。



フランス人だと偽って生活していた彼は、映画プロデューサーとして成功し、財産も築いていた。

その時、ケイトが彼に見せたメッセージは彼を殺そうとするものであり、それは「彼に忍び寄る影」の存在を示していたように思う。

というのも、その後、フランスとドイツの対立が激しくなり、彼を「ユダヤ人だ」として糾弾する動きが出始めるのだ。



それまで裕福な生活をしていた頃は多くの人が彼をもてはやしていたのに、戦争の影が見え始めた途端、周りの人たちが敵になってしまった

彼は、世の中が暗くなってから浮き上がる星(=ユダヤ人)だったのだ。



そのせいで、コルベンと生活を共にしていたバーロウ姉妹も、「ユダヤ人の娼婦」と言われるようになってしまう。



平和で裕福な生活をしていた頃は、誰も彼をユダヤ人とは言わず、映画協会では要職についていたにも関わらず、人々は一瞬にして手のひらを返し、彼は「ポーランドのユダヤ人だ」として投獄されてしまう

この映画のタイトル「プラネタリウム」とは、この当時の人々のユダヤ人に対する差別意識を表しているのではないか

明るい時には気付かなかった星たち(=ユダヤ人たち)だが、世相が暗くなると同時に浮かび上がってくる。

プラネタリウムに浮かぶ星の全てが、戦争が遺した悲しい傷跡なのだ。



プラネタリウム5



スターになって、豊かな暮らしを目論んだ姉


その時代に翻弄され続けたのが、バーロウ姉妹の姉ケイトだった。

彼女は、アメリカからヨーロッパに渡ってきて、妹と2人暮らし。

なんとか、妹に良い暮らしをさせてあげようと思って必死に生きてきた。

そのための「降霊術」だった。



そして、ようやく手に入れたスターの座(=女優業)だった。

これで、ようやく生活楽になるかもしれないと思い始めた頃、頼りにしていたコルベンが投獄されてしまう。

さらには、妹の病気が発覚。

それは、必死になって築き上げたものが、一瞬にして崩れ去る瞬間だった。



そして、彼女のその「必死さ」を観ていると、女性が働いて生活を築いていくことが当時はどれだけ難しかったのかということが良くわかる

最後のシーンでは、彼女が星の美しさに感激する場面がある。

しかし、彼女が観ていたのは、セットに描かれたニセモノの星なのだ。



それはまるで、自分を押し殺し、「妹のため」と必死に生きてきた彼女の「偽りの人生」を表しているようにも見える

そこから、ようやく彼女の新しい人生が始まるのか、しかし、残念ながら、そこからフランスは酷い戦争へと突入して行く。

ニセモノの星に希望はあるのか。

そんなことを考えると、なんだか切なくなってくる。

そんな映画だった。





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タラジ・P・ヘンソン主演の映画「ドリーム」を映画館で観た。

1960年代、アメリカでは黒人たちの自由が認められていなかった頃、NASAの宇宙開発を影で支えた黒人女性たちの活躍を描く。


満足度 評価】:★★★★★

本当に素晴らしい映画だった。

今から50年以上も前、NASAの開発に大きく貢献しながら、『黒人女性だから』という理由で差別や偏見を受け、その活躍が公表されなかった黒人女性たち。

しかし、実際に働く彼女たちの姿に悲壮感がなく、どんなに酷い仕打ちにあっても、前向きに明るく生きる姿にはとても感動するし、何より、彼女たちがとってもかっこいい!!

「差別を受けています」と言って嘆くだけでなく、「誰よりも有能であること」を仕事ぶりと成果で見せ、必要ならば裁判所へ行って権利を獲得する行動力。

胸をはって前に向かって進む強さを、彼女たちから教えられた作品だった



「ドリーム」予告編 動画

(原題: Hidden Figures)




更新履歴・販売情報

・2017年10月3日 映画館で観た感想を掲載。

・2018年8月12日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信、DVD共に販売中。


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原作本「ドリーム NASAを支えた名もなき計算手たち」

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キャスト&スタッフ


出演者

〇タラジ・P・ヘンソン

オクタヴィア・スペンサー
…(「gifted/ギフテッド」、「シェイプ・オブ・ウォーター」、「ギリー・ホプキンズの不機嫌な日常」など)

ジャネール・モネイ
…(「ムーンライト」など)

ケビン・コスナー
…(「ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~」、「モリーズ・ゲーム」、「クリミナル 2人の記憶を持つ男」、「ドリフト・デイ」、「ラスト・ミッション」、「マン・オブ・スティール」、「ボディ・ガード」、「フィールド・オブ・ドリームス」、「アンタッチャブル」など)

〇キルスティン・ダンスト

マハーシャラ・アリ


監督

セオドア・メルフィ
…(「ヴィンセントが教えてくれたこと」など)


2016年製作 アメリカ映画



ドリーム



あらすじ


1961年の冷戦時代、アメリカはソ連との宇宙開発競争で後れを取っていたため、NASAでは、ソ連よりも早く有人宇宙飛行を成功させることが求められていた。

責任者のハリソン(ケビン・コスナー)は、より早く正確に計算ができるスタッフを探していたところ、NASAで計算係をしていた数学者のキャサリン(タラジ・P・ヘンソン)が採用される。

宇宙船の軌道を計算する部署に配属されたキャサリンだったが、当時のアメリカでは黒人の自由が許されず、同じ部署のスタッフから差別や偏見を受けたり、白人女性と同じトイレが使えないなどの困難を乗り越えながら奮闘していく。



ドリーム3



感想(ネタばれあり)


差別や偏見を受けながらも、前向きに働き続ける姿に感動



舞台は1961年のアメリカ。

当時のアメリカでは、有色人種の自由が認められていなかった。

正確には、法律で認められている州もあったけれども、彼女たちが暮らす州では、まだまだ認められないことが多かった。



そのため、国のトップ機関であるアメリカ航空宇宙局(NASA)ですら、黒人が働くビルが白人とは別だったり、白人のトイレは黒人が使えないなどの不便があった。

その中で、数学者やエンジニア、プログラマーとしての優秀な才能を持った黒人女性たちが、自分たちの才能を開花させ、差別や偏見に負けずに働く姿がここでは描かれる。

それは、NASAにも昔は差別があったことを認めることでもあるし、輝かしい宇宙開発事業の影には、名前が表に出ることのない黒人職員たちがいたということを認めることでもある。



そんな彼女たちの活躍を見ながら、『私も有色人種の女性である』という視点に立ち、彼女たちのように差別や偏見を受けたらどう思うか、どう感じるかと思いながら観ていた

すると、周りの人たちからの、まるで、ばい菌やゴミを観るような視線が、ビシビシと伝わってくる。

つまらない差別や偏見は、人間の進歩を遅らせるだけで、なんの利点もない

他人をけなすことのつまらなさと、偏見を乗り越え、協力し合うことの素晴らしさを感じた作品だった



ドリーム4


『働きたい』のに能力を発揮できない『偏見』の壁



『働く』ということは、どういうことだろうか。

同じ会社に集まった人たちが1つの事業に向かい、知恵や技術を出し合い、業績を上げ、利益を出し、それぞれの生活が豊かになっていくこと。

それが、『働く』ということなのだとしたら、社員、一人一人は『知恵や技術』を出せば良い。

それなのに、例えば、性別が違うから、学歴が悪いから、コネがないからという『どうでも良い理由』が目の前に立ちふさがり、能力を存分に発揮できない人たちがいる



NASAで働くキャサリンは、幼い頃から数字の天才だった。

黒人が通える大学の数も限られている中、小学校4年生の頃に飛び級で高校へ進み、博士号を取り、NASAに就職した逸材だった。

そんな彼女に、ようやくキャリアアップのチャンスがめぐって来る。

それが、「マーキュリー計画(アメリカ有人宇宙飛行計画)」で、宇宙船の軌道を決める計算係のポストだった。



しかし、様々な偏見と差別が彼女の前に立ちはだかり、せっかくポストを与えられながら、思うように実力を発揮できない

私も、バスの中では白人と座る位置が別とか、トイレが別っていうのは知っていたけど、まわりにいる同僚たち、一人一人の意識がキツイと思った。

部屋に入ればゴミ箱を手渡され、同じコーヒーポットのコーヒーを飲めないとか。

最悪なのは、仕事を与えられながら、同僚からの差別で数値を読むことができず、やりたい仕事が思う存分できないということ。



「自分よりも、彼女の方が優秀なはずがない」という男性職員の傲慢さが、どれだけ無駄な時間を費やしてしまったことか

キルスティン・ダンスト演じるヴィヴィアンが、トイレの中でオクタヴィア・スペンサー演じるドロシーと会った時、ヴィヴィアンはドロシーと「私は偏見を持っていないのよ」と言い切る。

それに対して、オクタヴィア・スペンサーは「その思い込みは立派ね」(うろ覚え)と言う場面がとても印象的だ。



「私は、あなたを理解しているのよ」と言っていること自体、相手を下に見ている。

偏見を持っていないというのなら、同じ部署に彼女を招き入れ、隣同士に机を並べ、共に仕事をすればいい。

伝言をするのにも、イチイチ長い距離を歩かなくて済むし、効率的じゃないか。

ヴィヴィアンがそのことに気づくのは、随分先の話になる。



その他にも、ドロシーが図書館で本を借りられなかったり、才能のあるメアリーがエンジニアになるために、裁判所に申請をして、白人しか通えない高校に通う権利を得る様子が描かれる。

今、アメリカで有色人種の人たちが自由に行動できるのは、そういう彼女たちの地道な活動があってこそなのだということがよく分かる



そんな風に、周りの人たちの差別や偏見に、1つずつ対処することに時間を割いている間、敵国のソ連はどんどん先に進んでいる。

その様子を見ていると、差別や偏見は、人間の進歩を遅らせるだけで、何の得にもならないことがよく分かる



ドリーム5


『偏見』を乗り越えるのは、確かな成果と数字



そんな差別の中で、彼女たちが素晴らしいなと思うのは、自分たちの才能や実力を「成績」や「成果」できちんと結果にしたこと

「差別があるから、この職場では働けません!」ではなく、

「私には、これだけの技術があるから、この職場で必要とされるべきです」と証明していく



実際には、刺さるような視線の中で働くということは、かなりしんどいことだったと思う。

それでも、彼女たちがそれをやり遂げたのは、『仕事をしたい』という、誰よりも強い気持ちがあるから。

彼女たちの強い熱意は、周りの人たちの心を次第に動かしていく。



原題の「Hidden Figures」とは『隠されたもの(者・物 両方)たち』という意味で、それは、当然NASAが長いあいだ隠してきた彼女たちの実績を示している。

しかし、彼女たちの内側に眠る『隠れた才能』を、成果という数字にして、目に見える形にしたからこそ得られた栄光という意味も含まれるのではと思った。



これは、日々、働いている人なら誰にもあてはまる話。

もしも、仕事で昇進したい、給料をあげたいと思うなら、「数字」を出さなければならない。

正確な「数字」だけが、人の心を動かすことができる。



差別や偏見はとても理不尽なものだけど、それを「理不尽だ!」と言うのなら、自分が誰よりも働ける姿を見せるべきということに、改めて気付かされた

私も、有色人種の女性として、もっと働きたい!稼ぎたい!と思うなら、もっともっと確かな数字を出さなきゃいけないなと思った。



ドリーム2


つまらない偏見は人間の進歩を遅らせる



もしも、彼女たちが最初から偏見を受けていなかったら、物語はどう進んでいただろうか。

軌道の計算も、IBMのコンピューターでの計算も、もっと早く進んでいたのではないだろうか。

それを思うと、「差別や偏見は、物事を後退させるだけで、何一つ良いことはない」ということがよく分かる。



全ての社員が気持ち良く働けるからこそ、仕事の効率も上がり、成果も出せる。

「女性だから」「学歴がないから」という、つまらない偏見を持つ前に、「チャンスが欲しい」と思っている人に対して、もっと活躍の場を与えるべきだと思う。

もしかしたら、その人が「Hidden Figures」の持ち主かもしれない。



現在、多様性の大切さが求められる時代だからこそ、この映画が訴える思いは、とても大きな意味を持つものだと思う。



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マルゲリータ・ブイ主演、イタリア・フランス合作映画「はじまりの街」を試写会で観た。

夫のDVにより、古い友人を頼ってローマからトリノへと逃げてきた女性の再出発を描く。


満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

トリノの美しい街並みを舞台に、夫のDVから逃げ出した女性とその息子の物語が描かれる。

我慢できないのは、自分の努力が足りないからではない。

全てを捨てて「逃げること」が、必要な時もあると教えてくれる作品だった。


「はじまりの街」予告編 動画

(原題:La vita possibile)




主題歌はシャーリー・バッシーの 「This is my life」

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キャスト&スタッフ


出演者

マルゲリータ・ブイ
…(「ローマの教室で~我らの佳き日々~」など)

〇ヴァレリア・ゴリノ
…(「レインマン」など)

〇アンドレア・ピットリーノ

〇ブリュノ・トデスキーニ

〇カテリーナ・シェルハ

監督

〇イバーノ・デ・マッテオ


2016年製作 イタリア・フランス合作映画



はじまりの街



あらすじ


アンナ(マルゲリータ・ブイ)は、夫からDV(家庭内暴力)を受け続けたため、夫には行先を告げず、13歳になる息子のヴァレリオを連れ、ローマからトリノへと逃げてきた。

トリノには、古い友人のカルラ(ヴァレリア・ゴリノ)がいたからだった。

カルラは、アンナとヴァレリオを自宅に温かく招き入れる。

ひとまず生活する場所が決まったアンナは、翌日から仕事探しを始めるが、急に友人たちと別れ、父とも会えなくなってしまったヴァレリオは、孤独からアンナに反抗するようになる…。



はじまりの街4



感想(ネタばれあり)


辛いことがあったら、逃げることも前向きな選択の1つ



仕事や家庭に問題を抱えている時、その問題が解決できないのは『私の努力が足りないから』と考え、必要以上にがんばってしまうことがある。

その結果、その問題を悪化させ、ますます深みにはまってしまう。

そんな経験はないだろうか。



この映画『はじまりの街』は、そんな時には『逃げることも前向きな選択の1つ』だと教えてくれる。



主人公のアンナは、夫から暴力を振るわれていた

そして、ちょうど殴られているところを、13歳になる息子・ヴァレリオに観られてしまう。

その状態は、自身にも、息子のためにも良くないと考えたアンナは、夫に行先も告げず、息子を連れてトリノへと逃避行する。

トリノでは、古い友人のカルラが温かく迎えてくれた。



しかし、新しい土地でゼロから人生を再出発させるのは簡単なことではなかった

いつまでも友人の家に甘えているわけにはいかないし、そのためには仕事も探さなければいけない。

息子も父や友人たちと離ればなれになり、寂しくなって反抗し、癇癪を起してしまう。



そんな前途多難なアンナを支えてくれたのは、友人のカルラや、近所の人たちだった。

そして、苦労する母親の姿を見ながら、孤独だった息子も少しずつ逞しくなり成長していく



全てを捨ててゼロからやり直すということは、決して簡単ではないけれど、彼らにとって何が幸福なのかを考えたら、『逃げること』も、人生を幸福にする前向きな選択の1つだということが分かる。



はじまりの街2



失恋、父親代わりとなる男性との出会いを通じて成長する思春期の少年



DV夫と離れ、新生活を始めた彼女の頭を悩ませたのは、13歳で、ちょうと思春期に差し掛かった息子のヴァレリオだった

私は、ヴァレリオが13歳だと知った時に

「そうか、中学生1年生ぐらいだよな。女の子に興味を持ち始める年頃だよな…」

と思った。



すると、まるで私の心の声を聞いていたかのように、ヴァレリオは毎日公園に立ち、体を売って生活しているラリッサ(カテリーナ・シェルハ)のことが気になり始める。

やはり、男子の思春期は、世界共通のようだ。



父が母に暴力を振ると分かっていても、父のことが恋しくなり、仲良かった友達と会えなくなったヴァレリオは孤独だった

その時に知り合ったのが、ラリッサだった。

恐らく、東欧から流れてきんだろうと思われる移民のラリッサにとって、ヴァレリオは故郷に置いてきた弟を思い起こさせる存在であり、恋というよりも、弟を可愛がっている感じだった。



しかし、ヴァレリオにとってラリッサは初恋の人。

彼女が知らない男たちに体を売っているのを知り、大きな衝撃を受け、その感情をうまく処理することができない。



そのことがきっかけで、ヴァレリオは「やっぱりトリノでは孤独」という思いを強くしてしまう

そんな時に彼の心を理解してくれたのが、近所のバーの主人・マチューだった



マチューはヴァレリオに対し、何か特別なことをしたわけではない。

ただ、話を聞いてあげて、ご飯やジュースを出してあげただけだった。



しかし、そんな話を聞いてくれるマチューの存在が、ヴァレリオにとって「父不在」の穴を埋めてくれることになった

やはり、思春期の男の子には、話を聞いてくれる男性の存在がとても大きいと思った。



そんなマチューとヴァレリオの関係を見て思うのは、地域の人たちの子供に対する優しさだった。

マチューも、過去に事件を起こして逃げてきた人だから、アンナ親子の気持ちがよく分かるのだろう。

困っていそうなことがあれば、積極的に手を差し伸べて手助けをする。



もし、私がマチューと同じ立場だったら、同じことを彼らにしてあげられるだろうか

私には、近所に悩みを抱えた女の子を見かけた時に、声を掛けてあげる自信がない。

きっと、うなだれて座っていても、「なんか悲しいことでもあったのかな」と思うだけじゃないだろうか。



マチューの存在には、子供は親だけが育てるものではなく、地域で見守るべきなのだと教えられる



ラリッサへの失恋やマチューとの出会いで、ヴァレリオは少し逞しくなっていく。

それまで、荒れて、反抗し、癇癪を起していたヴァレリオを、母のアンナは心配し、ヴァレリオのために夫に連絡しようかとまで考えていた。



しかし、ある時、ヴァレリオから母アンナに「二人でどこかに出かけようよ」と声を掛ける

これは、それまで心配させてしまった母を思いやってのこと

それは、ヴァレリオが成長した瞬間だった



はじまりの街5



社会的弱者だからこそ、互いに支え合って生きることの心強さ



困っているヴァレリオに優しく声を掛けたマチューは、元セリエAのサッカー選手だったが、事故を起こしたことがきっかけでサッカーを辞めてしまった人で、彼も移民である。

彼もまた、悲しい過去から逃げてきた人だから、アンナ親子の苦悩がよく分かるんだろう。



そして、ヴァレリオの初恋の人ラリッサも東欧からきた移民

生活のために体を売っているが、もしかしたら、お金の一部は故郷に送っているのかもしれない。

化粧をしているととても大人っぽく見えるけど、素顔はまだまだティーンエイジャーである。



そして、DVから逃げてきたアンナ親子と、好きな演劇をしながら、少ない収入で独身生活を送るカルラ。

マチューも、ラリッサもアンナ親子もカルラもみな、社会的な弱者である。



そんな彼らへの視線の温かさが、この映画の感動させるところの1つ

それぞれが、トリノに流れてきて、寂しい思いをしているからこそ、寄り添い合って、助け合う。

それが、一人一人の心強さへと変わっていく。



アンナがローマから逃げ出すことができたのは、カルラという存在があってこそ。

誰も頼りになる人がいないまま、全くゼロの状態から新生活をスタートさせるよりも、頼りになる人がいるありがたさ。

辛いことがあった時に、話を聞いてくれる人が側にいるというだけで、どれだけ心強いか



しかし、アンナやヴァレリオは彼らから助けてもらっただけではない。

これまで、1人寂しく暮らしてきたカルラは、アンナが家を出たいと言った時に泣いて止めたし、マチューにとっても人助けは過去への罪滅ぼしになるだろう。



それに、ヴァレリオをサッカーに誘ってくれる友達もできた。

彼らは、自分たちが気付かぬ間に周りの人たちからも必要とされるようになっていた



そこから伝わってくるのは、「人は1人で生きているわけではない」ということ。

私たちは気付かぬ間に、支え合って生きている



たとえそれが見ず知らずの他人であっても、勇気を出して「助けてください」「困っています」と言うことが、次の一歩へとつながっていく

そんな弱者たちへの温かい視線が、私がこの映画の好きなところだった。



はじまりの街3



全てを捨てて、新しい人生を始める勇気が、幸せを誘い込む


そして、アンナも仕事が決まり、ヴァレリオにも友達ができて、トリノでの生活も落ち着いてきた。

しかし、もしも、未だにローマにいたとしたら、夫に殴られ続ける日々…そう考えると、いろいろあったけど、トリノに来て正解だったと思える。



私たちは何か辛いことに直面した時、そこから逃げ出すということに対し罪悪感を持ってしまう

状況を悪化させているのは、自分の努力が足りないせいだと考えてしまう。

しかし、この映画を観ていると、『逃げること』は、人生において前向きな選択であるということが分かる。



その『私の努力が足りない』という思いを振り切って、そこから逃げ出し、新たな一歩を踏み出すには、ちょっとした勇気が必要になる。

それまで、そこで培ってきた生活があるからだ。

しかし、今までの人生を全て捨てでも、その向こうに幸せが待っているということを、この映画は教えてくれる



人生は、様々な可能性と驚きに満ちている。

今まで我慢してきた分、自ら幸せになる権利がある。

辛い日々を捨て、勇気を持って一歩踏み出せば、新しい人生が待っている

そう思える素敵な作品だった。


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キャリー・マリガン主演の映画「未来を花束にして」を映画館で観た。

20世紀初頭のイギリスで、参政権を得るために闘った女性たちの実話を映画化。


満足度 評価】:★★★★☆

今では当たり前の参政権を獲得するために、罵倒され、虐げられながら命がけで闘った女性たちがいたなんて全く知らないかった。

そのことに驚きつつ、彼女たちを強くしたのは、子供たちへの想いだったことに感動した。

いつの時代も、どこの世界でも子を想う母の愛は普遍的なものだと思った。

「未来を花束にして」予告編 動画

(原題:SUFFRAGETTE(婦人参政権論者))




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キャスト&スタッフ


出演者

キャリー・マリガン
…(「インサイド・ルーウィン・デイビス 名もなき男の歌」、「ドライヴ」、「プライドと偏見」など)

ヘレナ・ボナム・カーター
…(「オーシャンズ8」、「英国王のスピーチ」、「レ・ミゼラブル」、「シンデレラ」、「天才スピヴェット」、「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」など)

ベン・ウィショー
…(「メリー・ポピンズ リターンズ」、「パディントン2」、「パディントン」(声の出演)、「リリーのすべて」、「ロブスター」、「白鯨との闘い」、「007 スカイフォール」、ドラマシリーズ「英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件」など)

ブレンダン・グリーソン
…(「ロンドン、人生はじめます」、「パディントン2」、「ヒトラーへの285枚の葉書」、「夜に生きる」、「ある神父の希望と絶望の7日間」、「白鯨との闘い」、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」、「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」など)

メリル・ストリープ
…(「メリー・ポピンズ リターンズ」、「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」、「マダム・フローレンス!夢見るふたり」「幸せをつかむ歌」、「イントゥ・ザ・ウッズ」、「8月の家族たち」、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」、「ジュリー&ジュリア」、「大いなる陰謀」など)

監督

〇セーラ・ガヴロン

2015年製作 イギリス映画

未来を花束にして


あらすじ


20世紀初頭のイギリス。

女性たちが政治に直接参加する婦人参政権を求める運動が強まる中、洗濯工場で働くモード・ワッツ(キャリー・マリガン)は、同僚のバイオレットに運動に参加しないかと声を掛けられる。

洗濯工場で生まれ育ち、同僚のサニー(ベン・ウィショー)と結婚したモードは外の世界を知らず、運動にもあまり乗り気ではなかった。

しかし、バイオレットや医師のイーディス(ヘレナ・ボナム・カーター)の話を聞くうちに、今まで当たり前だと思っていた男尊女卑の生活が、当たり前ではないことに気付き始める…。

未来を花束にして2

感想(ネタバレあり)


命がけの闘いの末に得た参政権


女性参政権運動と聞くと、「うーーん。そういえば世界史の授業でそんな勉強をしたかな」程度の知識しかなかった。

生まれた頃から男性も女性も関係なく自由な暮らしをしてきた身としては、あまりピンと来ない話だった。

二十歳になった時には選挙権をもらい、社会人になって自分で税金を払うようになってからは投票にも行っている。

それは、社会の仕組みとして当たり前のことだと思い、女性に選挙権が与えられない世界のことなど考えたこともなかった。



しかし、私がその当たり前の権利だと思っていた女性参政権が、多くの女性が命がけで闘って得られたものだということを、この映画「未来を花束にして」を観て初めて知った。

そして、彼女たちの心には自分たちの娘やその孫たちへの思いがあってこそだったことに感動した。

母が子を想う気持ちは、いつの時代も強く温かい



未来を花束にして3



彼女たちの前に立ちはだかる「常識」という厚い壁


20世紀初頭のイギリス。

当時の女性たちは「男尊女卑」が当たり前だった。

男性と同じ仕事をするにも、女性は安い給料で過酷な労働を強いられる

労働環境の改善を訴えようにも、その機会すら与えられない



しかし、多くの女性たちは、それが「当たり前」だと思って暮らしているために、その生活に我慢しながら暮らしていた。

そこで、彼女たちの中から「進歩的」と言われる女性たちが、自分たちの権利を国会で主張できるよう、参政権を求めて運動を始めた



主人公のモードはとても常識的な人で、初めは疑問に思っていなかった人のうちの1人。

そのうち、運動に参加している人たちの話を聞きようになると、「新しい世界の魅力」に気付き、運動に参加するようになる。



しかし、そこで彼女の壁になるのは、頭と心の中にどっかりと座った「常識」である

男性が女性よりも社会的地位が優先されることが当たり前だと思って育った彼女には、その「常識」を打ち破る勇気が出なかった。



それは、彼女だけの話ではない。

多くの女性たちが、「常識」という厚い壁に悩まされていたからこそ、運動に参加するモードたちを後ろ指さす人たちも大勢いた。

その時、その厚い壁を打ち破ったのは、娘たちへの愛情だった



未来を花束にして4



勇気を奮い立たせた「娘たち、未来の孫たちへの愛情」


そんな、彼女たちの心に火をつけたのは歴史に残る女性参政権運動家のパンクハースト夫人だった。

メリル・ストリープが演じる彼女が運動に参加する女性たちの前で演説するシーンは、この映画の中で最も感動した場面だった。

あなたたちの娘たちが、将来、息子たちと同じ権利を平等に得られるように闘ってください」と彼女は演説する。



そこで私はハッとした。

それまで、彼女たちの運動が少し過激すぎるんじゃないかと思っていたからだ。

でも、パンクハースト夫人の演説を聞いて、「なぜ、彼女たちがそこまで強くなれるのか」その理由が分かったような気がした



彼女たちは、自分たちが選挙に行きたくて運動しているだけではない。

娘やその孫たちが、男性たちと同じような権利を持てるようにと願って運動をしている

子を想う母の愛は誰よりも何よりも強い

だから、多少過激なことでもできてしまうんだと思った。



物語の中で、モードが活動にのめり込んでいくのと同時に、息子のジョージから引き離されるシーンが挟みこまれているのは、「母の愛」が強いことを証明するためだった。

しかし、どんなに母の愛が強くても、母親に養育権はなく、養子に出すのも父親次第というのは「女性に一切の権利がない」時代だからこその出来事だった。

だからこそ、モードには女性参政権が必要なんだと納得させるための場面だった。



未来を花束にして5



まだまだ闘いは続く…


これはイギリスでの女性参政権の話。

結局、最後はメンバーの一員が命がけで訴えたことで、社会が目を向けるようになる

そこまでしなくてはいけないのかという悲しさが残った。



しかし、それもまた事実。

エンドクレジットに入る直前には、何年にどの国で参政権が得られたのかがずらずらと流れていた。

その中に日本はなかったけど、日本で本格的に女性参政権が施行されたは、1945年、第二次大戦後の直後だった。

GHQの命令によるものだった。



日本が民主主義国家になる一貫で、女性も権利を得るようになった。

おかげで、私は自由平等の世界で生きている。



今でも、中東やアフリカ諸国で女性参政権が認められない国々があり、戦いは今も続いている

こうやって過酷な歴史を観て、「毎日の自由な生活が当たり前」と思える現在は、本当に幸せな時代なんだなと改めて思った。

そして、母親の子への愛情を感じ、私自身も母親孝行をしたくなった映画だった。





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キム・ミニ主演、パク・チャヌク監督の韓国映画「お嬢さん」を試写会で観た。

日本統治下の朝鮮で、ある詐欺師が富豪の日本人令嬢をたぶらかして結婚し、財産を奪い取るという計画を立てる。

その計画に乗った1人の孤児が、令嬢の侍女としてお屋敷に入り込んだのだが…。


満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

変態たちが集う豪邸を舞台にした痛快なエンターテインメント作品だった。

その変態も見せかけの表面的なものであり、その裏側では抑圧された世界に閉じ込められた女性たちがうめき声をあげていた。

エロティックな女たちにドキドキし、滑稽な男たちに笑い、先の読めない展開に何度もダマされた

そして最後には、檻を飛び出した彼女たちの幸せな開放感に溢れていた。


「お嬢さん」予告編 動画

(原題:아가씨)




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キャスト&スタッフ


出演者


…(「1987、ある闘いの真実」など)

ハ・ジョンウ
…(「1987、ある闘いの真実」、「トンネル 闇に鎖(とざ)された男」、「群盗」、「テロ、ライブ」、「ラブ・フィクション」、「ベルリンファイル」、「チェイサー」など)

チョ・ジヌン
…(「悪魔の倫理学」、「最後まで行く」など)

ムン・ソリ
…(「悪魔の倫理学」、「ザ・スパイ シークレットライズ」、「オアシス」など)

キム・ヘスク
…(「黄泉がえる復讐」、「王の運命(さだめ) 歴史を変えた八日間」、「善惡の刃」、「トンネル 闇に鎖(とざ)された男」、「ソウォン/願い」、「カンチョリ オカンがくれた明日」など)

監督・脚本

〇パク・チャヌク
…(「JSA」、「オールド・ボーイ」、「親切なクムジャさん」など)

原作

〇サラ・ウォーターズ著・「荊の城」


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2016年製作 韓国映画



韓国映画「お嬢さん」


あらすじ


日本統治下にあった1930年代の朝鮮。

孤児で詐欺師一家に育てられたスッキ(キム・テリ)は、藤原伯爵を名乗る詐欺師(ハ・ジョンウ)と手を組み、日本人の令嬢・秀子(キム・ミニ)から莫大な財産を奪う計画を立てる。

そこでスッキは、秀子が叔父、上月(チョ・ジヌン)と共に暮らす豪邸で秀子の侍女として住み込み、伯爵は秀子をそそのかし、ゆくゆくは秀子と結婚し、日本へ連れて行ってから財産を奪った後、精神病院に入れてしまう計画だったのだが…。



韓国映画「お嬢さん」キム・ミニとキム・テリ


感想(ネタバレあり)


なぜ、昭和初期の日本が舞台だったのか


映画の舞台は1930年代、昭和初期の日本。

朝鮮の人里離れた豪邸に富豪たちが集まり、夜な夜な朗読会が開かれる。

ここで読まれるのは普通の小説ではない。

エロティックな描写が満載の官能小説だ。



それを一家の令嬢・秀子に読ませ、男たちはジッと聞いている…。

まさに、官能小説フェチな変態のための朗読会だ。



私はその変態ぶりを観て、この当時に活躍した日本を代表する小説家、谷崎潤一郎や江戸川乱歩を思い出した

彼らの世界観が、この映画にはふんだんに溢れて出ている



みずみずしい桃に「ぶしゅっーー」っと音を立てながらかぶりつく伯爵、地下室でうごめく大ダコ、秀子の口に指を入れ、出し入れさせながら歯を磨くスッキ。

その全てのエロティシズムが、谷崎潤一郎であり、江戸川乱歩の世界観を感じさせていた



それは、彼らの世界観を表現するために、時代背景を彼らの活躍した昭和初期にし、わざわざ日本語のセリフを多用したのではと思うほどだった。

谷崎潤一郎や江戸川乱歩の香りに導かれながら、ここにはめくるめく変態の世界が広がっている

この映画は、世界各国の映画祭や映画賞で非常に高い評価を得ている作品ではあるけど、もしかしたら、日本人が最もこの世界観を受け入れやすい国民なのかもしれない。



韓国映画「お嬢さん」キム・ミニ


観客をダマすための三部構成


この映画は、観客をダマすための三部作で構成されている。



第一部は、「お嬢さん」の侍女になったスッキの視点から描かれ、「えっ??この先どうなるの??」というところで終了している。

そこで、第二部は、その続きから新たな世界が展開されるんだろうな…と期待する。

ところが、その期待はあっさりと裏切られる。



第二部が始まったところで、物語は、また最初に戻る。

第二部はお嬢さんからの視点で、物語の裏側が描かれる

また、同じことの繰り返しかと思いきや、この映画は、この第二部が異常に面白い。



第一部は前菜でしかなく、第二部がお腹いっぱいのメインディッシュだった。

全ての事柄には裏があったのだ。



豪邸に閉じ込められ、夜な夜な変態な伯爵たちのために読書をしていた「お嬢さん」。

「お嬢さん」は、そんな変態の館を出たいと思っていた。



そこへ現れた救いの天使「スッキ」と、良いカモの「藤原伯爵」。

彼らのおかげでお嬢さんに脱出のチャンスが巡ってきた。

これは、「お嬢さん」の性奴隷からの解放を描いていたのだ。



そしてついに、お嬢さんがスッキの手を握り初めて家の敷居を越えた時、彼女の顔に現れた満面の笑みが何よりも印象的だった。



それだけでは終わらない。



第三部では、「お嬢さん」による叔父様と伯爵への復讐が描かれる。

ただ脱出するだけではなく、最後には落とし前をキチンとつけている

第一部で始まった物語が、第二部で全部覆され、「あ~騙された」と思っていると、第三部では、これまで恵まれなかった彼女たちに幸せが訪れる。

この三部までの構成が、全く想像がつかなくて、先の読めない展開に最初から最後までドキドキしっぱなしだった。



韓国映画「お嬢さん」ハ・ジョンウとキム・ミニとキム・テリ



虐げられて育った女性たちの復讐の物語


さっきもちょっと書いたけど、この三部構成を通して思ったのは、「抑圧された女性たちの解放」だった。



常にエロティックな描写がある本の朗読を強制させられる秀子。

彼女は、官能小説フェチたちの性奴隷だった。



そして、孤児であり、幼い頃から人をダマすことを教えられて育ったスッキ。

詐欺師たちの道具のように扱われていた彼女も、まるで奴隷のような生活を送っていた



そんな彼女たちが出会い、愛し合い、男たちをダマす計画を立てる。

力で戦ったら負けてしまう彼女たちは、色気で勝負する。



それは【秀子版】「上手な男の落とし方」だった。

キスをする、触らせる、伯爵の前で裸になる。

でも、最後まではいかせない。



そこは徹底的にじらす。じらす。じらす。

とことんじらした末、伯爵が自分に夢中になった瞬間が、復讐の機が熟した時

そこから全てが急展開する。



あの口移しのワインのシーンは、ドキドキしっぱなしだった。



韓国にしろ、日本にしろ、現代になっても女性の地位がまだまだ低く、家庭にしばられ、自由な生活を送れない女性たちがたくさんいる。

そんな女性たちへのメッセージのような映画だった。



どんな状況下であっても、勇気を持って自分の喜びを追及すれば、超えられない壁はない。

その向こうには、誰にも邪魔できない幸せがある。

だからこそ、女性たちよ、抑圧された世界から立ち上がれ!

そんなポジティブなメッセージを感じた作品だった。

いや~すごい映画だった。




韓国映画「お嬢さん」ハ・ジョンウとキム・ミニ


女性たちを解放したいと思ったのは、パク・チャヌク自身なのか


監督は「オード・ボーイ」のパク・チャヌク。

常に唯一無二の存在であり、誰にも真似できない世界観を持っている。



インタビュー記事を読んだところでは、パク・チャヌクは、原作「荊の城」を読んだ時に侍女がお嬢さんの歯を磨く場面を読んで映像化したい!と思ったそう。



ところが、この映画「お嬢さん」と「荊の城」では、ラストが違うのだという。

この「お嬢さん」では、パク・チャヌク監督自身が「こうなったらいいなぁ」という願望を込めてラストを書いたらしい

だから、完全な原作というよりも、インスパイアされたと言った方が近いらしい



なる程、虐げられて育った女性たちが解放されたら良いなぁと思っていたのは、パク・チャヌク自身だったのか

そんなことを言われたら、「荊の城」のラストが気になり、原作が読みたくなってしまった。



そして、これまでパク・チャヌクといったら、痛いとか、グロいというイメージが先行していた。

(もちろん、「オールド・ボーイ」のせいだけど…)

それが今回は、そのイメージを払拭し(多少痛いシーンはあるけれど)、痛快で、爽快な作品に仕上がっていたのが、パク・チャヌクの新しい魅力かと思った。



これまでの「暗」のイメージが一転して「明」に変わったぐらい、ガラリと変わった世界を観た気分になった。

となると、この「お嬢さん」を経たパク・チャヌクが次に見せてくれるのは、どんな世界のなのか…

次回作が、早く観たくなってきた…。




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