とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


カテゴリ:ジャンル > 実話



ジェシー・アイゼンバーグ主演の映画「ソーシャル・ネットワーク」をWOWOWで観た。

ハーバード大学の学生マーク・ザッカーバーグが、ソーシャル・ネットワーク・システム「Facebook」を立ち上げていくまでを描く。


映画「ソーシャル・ネットワーク」


満足度 評価】:★★★★☆

面白かったなぁ~。この映画が伝えるのは成功するための「スピード感」

「これがやりたい」「これが欲しい」と思った時に、その場でそれを形にできる人間だけが成功できる。

映画の随所にその「スピード感」を仕込んでいるデヴィッド・フィンチャーの演出も非常に面白かった。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「ソーシャル・ネットワーク」予告編 動画

(原題:THE SOCIAL NETWORK)



更新履歴

・2017年3月11日 WOWOWで観た感想を掲載。

・2020年1月15日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。




キャスト&スタッフ


出演者

ジェシー・アイゼンバーグ
…(「カフェ・ソサエティ」、「エージェント・ウルトラ」、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」など)

アンドリュー・ガーフィールド
…(「アンダー・ザ・シルバーレイク」、「ブレス しあわせの呼吸」、「ハクソー・リッジ」、「沈黙-サイレンス-」、「ドリームホーム 99%を操る男たち」、「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ、「大いなる陰謀」など)

ジャスティン・ティンバーレイク
…(「女と男の観覧車」、「人生の特等席」、「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」など)

アーミー・ハマー
…(「ビリーブ 未来への大逆転」、「君の名前で僕を呼んで」、「カーズ/クロスロード」(声の出演)、「フリー・ファイヤー」、「コードネーム U.N.K.L.E」、「ローン・レンジャー」、「白雪姫と鏡の女王」など)

ルーニー・マーラ
…(「ドラゴン・タトゥーの女」、「her/世界でひとつの彼女」、「トラッシュ!-この街が輝く日まで-」など)


監督

デヴィッド・フィンチャー
…(<映画>「ドラゴン・タトゥーの女」、「ゴーン・ガール」、「セブン」、「ファイト・クラブ」、「ゾディアック」、<ドラマシリーズ>「マインドハンター」など)

2010年製作 アメリカ映画

第83回 アカデミー賞(2010年)脚色賞、作曲賞、編集賞 受賞




あらすじ


ハーバード大学に入学したマーク(ジェシー・アイゼンバーグ)は、ボストン大生の彼女 エリカ(ルーニー・マーラ)にフラれてしまう。

マークはエリカへの腹いせから、その日の晩にハーバード大女子学生格付けサイトを立ち上げる。

これはハーバードの大学の学生名簿を利用し、「どの女子大生が一番イケてるか」を判定するシステムだった。

そのサイトは、立ち上げからわずか4時間でハーバードの学生に広がり、大学側はサーバーに不正にアクセスしたとしてマークを訴える。

そんなマークの才能を見抜いたハーバード大ボート部のウィンクルボス兄弟(アーミー・ハマー)は、マークにハーバード大生だけが利用できるSNSの製作を依頼する…。


映画「ソーシャル・ネットワーク」


感想(ネタバレあり)


Facebookが成功するまでのスピード感


私にとってFacebookとは、懐かしい友人との再会の場である。

学生時代の同級生や先輩、昔働いていた職場の同僚、大人になってから知り合った友人たちの近況を知り、再び連絡を取り合い始める。

そんなありがたい場所になっている。



いつFacebookのアカウントを取ったのかはハッキリ覚えていないけど、この映画が公開された時には既にアカウントを持っていたことは覚えている。

ということは、2010年の日本公開時、既にFacebookは日本でも定番のSNSになっていたのだと思う。



この映画は、そのFacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグがFacebookを立ち上げ、成功させるまでを描いている。



マーク・ザッカーバーグと友人のエドゥアルド・サベリンらがFacebookを創業したのが2004年。

初めはハーバード大向けのサービスとして始まり、それがアイビーリーグ向けにも開放され、2006年には世界中の人が使えるようになる。

日本語版が公開されたのは2008年のことである。



そして、この映画が公開されたのが2010年。

それまで、このFacebookが物凄いスピードと勢いで成長、拡大していったのかがよく分かる。

そのスピード感に注目し、映画化されたのがこの映画「ソーシャル・ネットワーク」である。



映画「ソーシャル・ネットワーク」



「成功する人」と「しない人」のちょっとした心がけの違い


「成功する人」「成功しない人」の差は、日頃のちょっとした心がけの違いだと思っている。

小さな努力の積み重ねができる人、できない人、思ったことをすぐに行動に移せる人、移せない人。



初めは本当に小さい差だったのが、後々大きな成功を手にすることになったりする。

主人公のザッカーバーグは、「即行動」することで成功を手にした人だ。



彼女にフラれた腹いせに「女子大生格付けサイト」をフラれたその日に立ち上げる。

ハーバード大の学生名簿にハッキングして作られたそのサイトは、瞬く間に大学中に広まり、大学から訴えられてしまう。



しかし、その事件がザッカーバーグを有名にし、上級生に「ハーバード大生専用のSNSを作ってくれ」と依頼される。

その時、「いいよ」と即答して作り始めたものの、途中で依頼のものから路線変更し、自分の良いようにカスタマイズしてしまい、出来上がったのがFacebookである。



全て、大学に入学してからわずか1年足らずの出来事である。

そのスピード感。



そして、「欲望」や「願望」をコンテンツに落とし込む能力。

「好きな女の子とデートしたい」

「好きな女の子が彼氏がいるか知りたい」



誰もが普通に思う「願望」をコンテンツにしてシステムに落とし込んだだけだった。



「これがしたい」「こうなりたい」とは、誰もが思うこと。

しかし、それを実際に実現する人が成功する人であり、「そんなの無理」と思う人が成功できない人である。

そして、早ければ早い程、成功は近づいてくる。



映画「ソーシャル・ネットワーク」



「フレッシュな人材」を主役にすえるデヴィッド・フィンチャーのスピード感


マーク・ザッカーバーグが「時代先読みのスピード感」で成功したとしたなら、監督のデヴィッド・フィンチャーは、自身の演出にも「ハリウッドでの先読みのスピード感」を取り入れている。

ジェシー・アイゼンバーグアンドリュー・ガーフィールドアーミー・ハマールーニー・マーラジャスティン・ティンバーレイク

この映画の主要メンバーである彼らは、この映画に出演するまで、主役を演じるようなスターではなかった。



しかし、この映画に出演後、次々とスターダムに上がり、今ではハリウッドに欠かせない重要な主演俳優の1人にまでに成長している。

その中で、ジャスティン・ティンバーレイクだけは、すでに音楽業界の大スターだったけれども、ハリウッドではまだ役に恵まれていない時期だった。



デヴィッド・フィンチャー自身が、「良い」と思ったフレッシュな人材を誰よりも早く投入している。

そこから感じられるのも、また、スピード感だった。



そのことに公開当時は気付かなかったけれど、数年経た今だからこそ、その時のデヴィッド・フィンチャーの先見の明がキラリと光っている。

次から次へと出てくる今では旬な人たちに、思わず「ウォー」と唸ってしまった。



中でも特に、ルーニー・マーラの可愛さは際立っていた。

しかし、この映画に出演後、彼女が「ドラゴン・タトゥーの女」で、変わり果てた姿になって登場することになるなんて…。



映画「ソーシャル・ネットワーク」



外野に左右されずに、最短距離で成功に向かう強さ


さらに、ザッカーバーグのすごいところは、「自分のやりたいこと」に対し、常に最短の近道を選ぶところだ。

アイディアを出した依頼人に対し、途中で方向転換をしても許可を取らず、挙句の果てに納品すらもせず、勝手に資金を凍結させた親友をクビにし、お金を出してくれる人にはプライドを捨ててでも積極的に会う。



つまり、「敵を作ることを恐れずに前進する」のが彼のすごいところだ。

いや、他人のことなんか気にしていないと言うのが正しいのだろうか。



これは、もしかしたら、真面目すぎて周りとの調和を最も大切にする日本人が最も学ぶべきところなのかもしれない。

もちろん、周りの人たちとの友情や調和も大切だけれども、「周りの意見を聞き過ぎて」自分の本当の方向性を見失うことだってあるんじゃないだろうか。

そしたら、「やりたいこと」を具現化することなんてできないし、いつまでも、成功なんて手に入らないのではないだろうか。



ザッカーバーグが親友のエドゥアルドに激怒したのは、資金が回らなくなってサーバーが止められることを恐れたことだった。

時間は常に動いている。

サーバーが止められ、ユーザーがFacebookにアクセスできなくなったら、その時点で、何万人ものユーザーが離れてしまい、そのうち、誰も使わなくなる。



スピード重視のザッカーバーグにとって、そのエドゥアルドの行為は「死亡宣告」のようなものだった。

そうやって成功に向かって最短距離を歩いたら、結局のところ、ハーバードで知り合った仲間の多くを敵に回し、友達作りの「ソーシャル・ネットワーク」を立ち上げたザッカーバーグは一人ぼっちになってしまう。



それでも、20代の中では世界で一番の億万長者になった。

友人を失うことと、成功を手にすること。

どちらが大切なことなのか。



しかし思うに、本当の友人とはどんな時も支えてくれるもの。

そもそも、エドゥアルドは本当の友達ではなかったのかもしれない。

それでも、最後に一人ぼっちになったザッカーバーグが見つめていたのは、元カノのエリカだった。



「成功」を何よりも最優先に行動してきた彼にも、「寂しい」という感情は持っているようで、その姿にちょっと安心した。







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メリル・ストリープトム・ハンクス主演の映画「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」を試写会で観た。

1971年のアメリカで「ベトナム戦争に勝ち目がない」とシンクタンクが分析した文書を当時のニクソン政権が隠ぺいし、その文書を手に入れた「ワシントン・ポスト紙」が政府の圧力がありながら掲載に向けて戦った実話を描く


映画「ペンタゴン・ペーパーズ」


満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

新聞社同士のスクープ合戦にハラハラドキドキし、主人公であるキャサリンの葛藤に共感した作品だった。

そして「報道の自由」とは、一体、誰のためのものなのかを改めて考えさせられた作品。



この感想には映画の結末に関わるネタバレを含みます。映画をご覧になってからお読みください。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」予告編 動画

(原題:The Post)




更新履歴

・2018年3月6日 試写会で観た感想を掲載。

・2020年1月5日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。




キャスト&スタッフ


出演者

メリル・ストリープ
…(「メリー・ポピンズ リターンズ」、「マンマ・ミーア!ヒア・ウィーゴー」、「マダム・フローレンス!夢見るふたり」、「未来を花束にして」、「幸せをつかむ歌」、「イントゥ・ザ・ウッズ」、「8月の家族たち」、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」、「ジュリー&ジュリア」、「大いなる陰謀」、「母の眠り」、「プラダを着た悪魔」など)

トム・ハンクス
…(「ハドソン川の奇跡」、「インフェルノ」、「ブリッジ・オブ・スパイ」、「ウォルト・ディズニーの約束」、「キャプテン・フィリップス」、「幸せの教室」、「天使と悪魔」、「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」など)

ボブ・オデンカーク
…(「インクレディブル・ファミリー」(声の出演)、「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」、ドラマシリーズ「ベター・コール・ソウル」、「ブレイキング・バッド」など)

〇サラ・ポールソン

〇トレイシー・レッツ

ブラッドリー・ウィットフォード
…(「ゲット・アウト」、「アイ・ソー・ザ・ライト」など)

ブルース・グリーンウッド
…(「ニュースの真相」、「白い沈黙」、「ドローン・オブ・ウォー」、「パパが遺した物語」、「エレファント・ソング」、「デビルズ・ノット」、「スター・トレック イントゥ・ダークネス」「スター・トレック」など)

〇マシュー・リス

…(ドラマシリーズ「GLOW ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」など)


監督

スティーヴン・スピルバーグ
…(「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」、「ブリッジ・オブ・スパイ」、「リンカーン」、「マイノリティ・リポート」、「アミスタッド」、「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」、「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」、「レイダース/失われたアーク<聖櫃>」など)


2017年製作 アメリカ映画




あらすじ


1971年、ニクソン政権下のアメリカ。

ベトナム戦争が長期化し、反戦運動が沸き起こる中、政府が委託したシンクタンクであるランド社は「ベトナム戦争でアメリカの勝ち目なし」という調査結果報告文書「ペンタゴン・ペーパーズ」を提出するが、政府はこれを隠ぺいする。

大手新聞社 NYタイムズはこの文書の一部を極秘に入手して掲載するが、ホワイトハウスから発行差し止めの通告を受ける。

地方紙であるワシントン・ポスト紙はNYタイムズにスクープを奪われるが、独自のルートで残りの全文を手に入れる。

NYタイムズが発行差し止めを受けている中で、それをワシントン・ポストが掲載すれば独占スクープとなるのだが、「法廷侮辱罪」で訴えられる可能性もあり、編集長のベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)は、社主のキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)に判断を仰ぐことになり…。


映画「ペンタゴン・ペーパーズ」



感想(ネタバレあり)


「強いアメリカ」のために犠牲になっていく兵士たち


現在のアメリカ トランプ政権では、大統領がTwitterや記者会見で特定の新聞社や報道局を名指しし「フェイク・ニュースだ」と非難することが度々あり、記者会見場から新聞社や報道局が締め出されるという事態も起きている。

これは明らかに、マスコミがトランプ政権から「報道の自由」を奪われているのである。



その、トランプ政権によるマスコミ締め出しと同じようなことが、今から45年以上も前のニクソン政権でも起きていた。

スピルバーグ監督は、その当時のできごとを通して「『報道の自由』とは、一体誰のためのものなのか」を現代のアメリカに訴えかけている



これは、1970年代、冷戦時代のアメリカで起きた実話である。

1955年から始まったベトナム戦争は長期化し、1971年頃には反戦運動が巻き起こっていた。

アメリカから委託を受けたシンクタンクのランド社は、その30年も前からベトナム戦争について調査・分析を行い、「ベトナム戦争に勝ち目なし」という文書(ペンタゴン・ペーパーズ)をアメリカ国務省(通称:ペンタゴン)に提出していた。



しかし、アメリカの歴代大統領はそのペンタゴン・ペーパーズの存在を知りながら隠ぺいしてきた



なぜ、隠ぺいしたのか。

「それでもベトナム戦争を続けるべき」という理由が3つあった

1.資本主義を守るため

2.南アジアの経済発展を支援するため

3.偉大なるアメリカは負けてはいけない

という3つの理由だったのが、中でも3番目の「アメリカは負けてはいけないから」という「見栄」がその理由の大半をしめていた



歴代の大統領たちは「アメリカは敗戦した」と認めたくないために、終戦を先送りし、延々と続けていたのだ。

これには、思わず目がテンになってしまった。



そんなソ連との意地の張り合いのために、多くの人たちがベトナムで犠牲になっていたなんて。



そのペンタゴン・ペーパーズの全文を入手したワシントン・ポスト紙は単独のスクープ記事として掲載すべきと考えるが、そこには、越えなければならない政府の圧力があった



映画「ペンタゴン・ペーパーズ」


全文を手に入れろ!新聞社同士のスクープ合戦


現在だったら、ニュースはネットで流れてくるもので、スマートフォンさえあれば、最新のニュースをいつでもどこでも手に入れることができる。



しかし、インターネットが普及してなかった当時は、新聞のスクープ合戦が過激だった

その「ネタの奪い合い」は、この映画の面白さの一つである。



面白かったのは、ワシントン・ポスト紙がインターンの若者をNYタイムズに走らせ「明日の一面に何を載せようとしているのか探ってこい」という指令だった。

郵便配達のフリをした若者が得てきた情報で、ワシントン・ポストは、NYタイムズがペンタゴン・ペーパーズの一部を手に入れたことを知る。



ところが、その記事があだとなり、ホワイトハウスはNYタイムズ発行の差し止めを裁判所に請求する。

ワシントン・ポスト紙としては、ライバルのNYタイムズに完全に出し抜かれたと思っていたのに、ホワイトハウスのおかげでスクープのチャンスが巡ってきたのだ。



「ペンタゴン・ペーパーズ」のような文書があるという情報を入手しながら、実際の文書はNYタイムズが先に得ていたために諦めていたのに、そのNYタイムズが発行停止。

もしも「ペンタゴン・ペーパーズ」の全文を手に入れれば、単独スクープをワシントン・ポストがものにできる!!



しかし、もしも裁判所が「発行差し止めを棄却」すれば、NYタイムズはすぐに掲載するだろう。

だから、ワシントン・ポスト紙がその千載一遇のチャンスをものにできるまでの時間は限られていた

なんとしてでも、早急に全文を手に入れたいワシントン・ポスト紙は、記者の一人であるベン(a.k.a ソウル・グッドマン(ボブ・オデンカーク))が、かつてシンクタンクのランド社で働いていたことから、そのつてをたどって文書の全文を手に入れるのである。



この、実話なのにまるでドラマのような展開には、私もワクワクドキドキ、胸を躍らせながら観ていた



しかし、「全文を手に入れたからこれで安泰」というわけではなかった

NYタイムズが「発行差し止め」を請求された記事を、ワシントン・ポスト紙が掲載するということは「法廷侮辱罪」に当たるという。

そのため、弁護士たちは全力で記事の掲載を阻止しようとし、その決断は会長の判断に任された。



映画「ペンタゴン・ペーパーズ」


アメリカ新聞社史上初の女性発行人の葛藤


反政府的な記事の掲載を反対したのは弁護士だけではなかった。

その当時、ワシントン・ポスト紙はワシントンDCの地方紙でありながら株式を公開したばかりだった。

そこで、政府を批判するするような記事をの載せれば、株の評価が下がりかねない…。

そう思った取締役たちは記事の掲載を反対する。



そのとき、社長になったばかりのキャサリンは、アメリカでは新聞社史上初の女性発行人だった。

元はと言えば、キャサリンの父が買収した新聞社だった。

父の死後は、キャサリンの夫が受け継ぐが、その夫が急死してしまう。

しかも、その夫は自殺で亡くなったと伝えられている。

(参考:Wikipedia ワシントン・ポスト



それまで「子供を育てることに幸せを見出していた」ような主婦だったキャサリンが、夫が突然いなくなったことで、社長になり「もしかしたら廃刊にまで追い込むかもしれない」ような決断を迫られる。



「このとき、キャサリンの胸の内はどんなだったのだろうか」と思った。

確かに、読者が激減し、株主が離れていく事態になるかもしれないけれど、「もしも、目の前に国民に知らせるべき記事があったら、父や夫だったら、どうするか」と思ったのではないか



キャサリンは編集長のベンと話をするとき、父と夫の思い出話が多かった。

そして、いつも夫の最後の日を思い出すと語っている。

それは、彼女が悩んだ時に頼りにしたのは彼らの言葉だったからではないのか



夫から息子へと社長業を引き継ぐ間のつなぎの社長として、キャサリンは存在していたのかもしれないけれど、だからといって、父と夫が作り上げた現在のワシントン・ポスト紙のカラーを変えてはいけない

読者と株主を失っても、「ワシントン・ポスト紙らしさ」を失ってはいけないとキャサリンは考え、結論を出したのではと思った。



私は、そのキャサリンの「掲載するかしないかの葛藤」にとても共感した

もう彼女は新聞社のお嬢さんでも、奥さんでもなく、社長であり「方向性の決断」を迫られている。

そして、決断をくだした後は、腹をくくり、一切の抗議を受け付けない姿が凛として、とてもかっこよかった

その瞬間、彼女はワシントン・ポスト紙の「お飾りではない」事実上の社長になったのである。



この映画では、それまで素人だったキャサリンを主役にしたことで、「素人の目線」で物語が語られているので、当時の政治を知らなくても楽しめるエンターテインメント作品になった

誰が見ても理解できるし、自然と「報道の自由」について考える作品になっている

その辺りの「見せるうまさ」がこの映画のスピルバーグ監督らしさなのだと思った。



映画「ペンタゴン・ペーパーズ」


「報道の自由」とは国民のためにあり、統治者のためのものではない



そうして、ワシントン・ポスト紙はトップページに「ペンタゴン・ペーパーズ」の存在をスクープし、その後、他社もワシントン・ポスト紙に追随する記事を掲載。

「政府によるペンタゴン・ペーパーズの隠ぺい」は社会問題へと発展する。



けれど、ワシントン・ポスト紙はNYタイムズと共に「ペンタゴン・ペーパーズ」の掲載差し止めの件で、裁判所に呼び出される。



そして「勝訴」を勝ち取る

その時の判決の理由が感動的だった。

「報道の自由」とは、報道を守るために作成されたものであり、国民に付与するものである。統治者に付与するものではない



たとえ、国の統治者が報道を差し止めようとも、報道の自由によって守られ、国民には知る権利があるのである。



だから、たとえトランプ大統領が「フェイク・ニュースだ」と言って、マスコミを締め出そうとしても、マスコミには報道の自由があり、国民はその報道を見たり読んだりする権利があるのだ。



ワシントン・ポスト紙はこの報道によって注目を浴びた直後、「ウォーターゲート事件」でスクープ記事を書き、再び注目を浴びるが、「反体制的な新聞」として政府と対立するようになる。

今後、株式に上場したばかりの地方紙が世界を変えることになるである。



それは、キャサリンが父と夫から教えられたことを忠実に守り、彼らが信じて編成した編集部を彼女も同じく信じたことから生まれたスクープだったように思う。

たとえ政府に嫌われても、拒絶されても「伝えるべきこと」があり、それが世界を変えるのだと改めて思った作品だった。



そして、この後、ワシントン・ポスト紙は「ウォーターゲート事件」でスクープ報道をする

この映画も、民主党本部に何者かが盗聴器を仕掛けている場面で終了している。



ワシントンDCのFBI本部にいるディープスロートは、この「ペンタゴン・ペーパーズ」の件を見てワシントン・ポストを選んだのだろう。

この「ペンタゴン・ペーパーズ」が持ち込まれた時は、株主が離れるとか、読者が減ると心配されたのがだが、実際は勇気を持ってスクープ報道をしたことで、次のスクープが舞い込んできたのだ。

その成功は「どんな圧力にも屈してはいけない」という「報道があるべき姿勢」を私たちに教えてくれる。



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テオ・ジェームズ主演の映画「バグダッド・スキャンダル」を試写会で観た。

2002年に国連で実際に起きた汚職事件をモデルに描いたサスペンス映画。


映画「バグダッド・スキャンダル」


満足度 評価】:★★★★☆

国連の汚職を巡る社会派サスペンス。

ハードな内容ながら、テンポの良さと緊迫感ありラブロマンスありで一気に楽しめた。

ここで描かれる国連の腐敗ぶりにうんざりし、誰も弱者のことなど考えていない現実が痛くて悲しい。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『バグダッド・スキャンダル』予告編 動画

(原題:Backstabbing for Beginners)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年10月29日 試写会にて鑑賞。

・2018年11月13日 感想を掲載。

・2019年12月28日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓

映画「バグダッド・スキャンダル」公式サイト




キャスト&スタッフ


出演者


ベン・キングスレー

…(「2重螺旋の恋人」など)

〇ベルシム・ベルギン

〇デヴィッド・デンシック

〇ロッシフ・サザーランド

〇レイチェル・ウィルソン


監督




2018年製作 デンマーク、カナダ、アメリカ合作映画




あらすじ


幼い頃に亡くなった父が外交官だったため、外交官として働くことを夢見ていた24歳のマイケル(テオ・ジェームズ)は、2002年、その若さで国連の職員として採用される。

国連事務次長の補佐官に任命された彼は、バグダッドへ赴任し、国連が主導する「石油・食料支援事業」を担当することに。

それは、フセインの独裁政権に対し経済制裁がくだされたイラクで、石油を売るお金で食料や日常生活に必要なものに変える人道支援事業であり、事務次長サッシャ(ベン・キングスレー)の指示の元でマイケルは働き始める。

しかし、やがて、石油と交換する医薬品の中に期限切れで使用できないようなものが含まれていることに気付き、そのプログラムに問題があるのではと疑い始める…。



映画「バグダッド・スキャンダル」テオ・ジェームズ、ベン・キングスレー



感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


バグダッド・スキャンダル (2018)



★★★★ [80点]「今だからこそ観たい社会派エンターテイメント」


ノーマークの作品だったけど、緊迫感とスピード感があって面白い社会派作品だった!



実際に国連で起きた汚職事件をモデルに描くフィクション

2002年。世界平和という、壮大な夢を抱いて国連に就職した24歳のマイケル(テオ・ジェームズ)は、いきなり事務次長バシャ(ベン・キングスレー)の補佐という仕事を任される。

事務次長のパシャは、イラクで 石油・食糧交換プログラムにたずさわっていて、マイケルもパシャに同行してイラクのバグダッドへ。

そこで、イラクの人々に人道支援を行うはずが、その裏側で金が飛び交う汚職まみれの現実を知ってしまう…。



当時の国連は、フセイン大統領の独裁政治を止めるために、経済制裁をしていた。

その中で行われた「石油・食糧交換プログラム」というのは、石油を国連に売ったお金で食糧や医療費など国民の生活に必要な物資と交換できるプログラムだった。

しかし、実際には、国連の職員を通してフセインから各界の大物にワイロが渡り、フセイン自身は石油を売ったお金で私腹を肥やしていた

という事件があって、この映画は、ある一人の国連職員の告発という形で描かれている。



国連が汚職まみれという話は聞いたことがあったけれど、ここまで汚れきっていると、人道支援とか、弱者を守る機関っていうのは、どこにあるんだろうなと、絶望的な気分になってしまう



政界や企業や国連の大物たちは、イラクで行われている民族浄化を見て見ぬ振りをし、悪の枢軸と呼ばれた独裁者(=フセイン)と手を組み金儲けをしている

そして、その事実を知ろうものなら、命が危うくなってしまう…。



それって結局、あのフセインを支援してたのは国連に加盟している先進国ってことじゃん…(呆)

この映画は、その国連を根底から揺るがした事件をサスペンスフルに、ラブロマンスも盛り込み、分かりやすく楽しめるように描いている。

ただし、「石油・食糧交換プログラム」の概要については、一切説明がないから、そこは予習してから観た方がいい。



私は、ざっとあらすじを読んで、そのプログラムの仕組みを理解してから観た。

現在
「命がけのジャーナリズムは必要か、それとも自己責任か」
の議論が沸き起こっている日本だからこそ、観ておきたい作品。

誰かが命をかけなければ明らかにされない悪事は、戦場にこそ潜んでいるのだ


Posted by pharmacy_toe on 2018/11/03 with ぴあ映画生活




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ニコラス・ホルト主演「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」を映画館で観た。

「ライ麦畑でつかまえて」で知られるベストセラー作家J・D・サリンジャーの生涯を描く。


映画「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」


満足度 評価】:★★★★☆

「ライ麦畑でつかまえて」は、どのように生まれ、なぜ、J・D・サリンジャーは隠遁生活を送ることになったのか。

サリンジャーは自分を救うために小説を書くが、彼の小説を読んだ多くの人が救われても、彼自身は救われなかったことが切なかった。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』予告編 動画

(原題:Rebel in the Rye)

更新履歴・公開、販売情報

・2019年2月2日 映画館にて鑑賞

・2019年3月14日 感想を掲載。

・2019年12月19日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓





キャスト&スタッフ


出演者


ケヴィン・スペイシー
…(「ベイビー・ドライバー」、「アウトブレイク」、ドラマシリーズ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」など)



…(「ボーダーライン」など)



監督・製作・脚本

〇ダニー・ストロング


2017年製作 アメリカ映画





あらすじ

コロンビア大学に入学したサリンジャー(ニコラス・ホルト)は、ウィット・バーネット教授(ケヴィン・スペイシー)の指導のもと、小説を書き始める。

書いても書いても、なかなか出版社に採用されなかったサリンジャーだが、ようやく、自筆の小説が掲載されることに。

しかし、第二次世界大戦の勃発で掲載は見送られ、サリンジャーは従軍する。

戦地で地獄を見て帰還したサリンジャーが書いた「ライ麦畑でつかまえて」は大ヒットし、サリンジャーは一躍有名人となるのだが…。



映画「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」ニコラス・ホルト



感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー (2017)


★★★☆ [70点]「なぜ、彼は姿を消したのか」


ケヴィン・スペイシーが出演してる映画にお金を払うのもどうかと思ったのだけど、ニコラス・ホルトを観たい!と思って行ってきた。

で、結局のところ観てよかった。

伝説の小説家 J・D・サリンジャーのことが少しわかった気がした。



この映画は世界的ベストセラー小説「ライ麦畑でつかまえて」を書いた小説家 J・D・サリンジャーの生涯を描いている。

どのようにして「ライ麦畑でつかまえて」が生まれ、その後、なぜ彼は姿を消してしまったのか。

これまで多くの謎に包まれていた「その理由」がわかる作品になっている。



私が「ライ麦畑でつかまえて」に初めて出会ったのは20代前半の頃だった。

大人たちから押し付けられた社会に反発し、ひたすら悪態をつき続ける主人公ホールデンにとても共感し、「僕は子供たちが崖から落ちないように見守る大人になりたい」と言うホールデンの優しさに感動したことを今でも鮮やかに覚えている。



そのホールデンというキャラクターの背景には、サリンジャー本人の戦争体験があったことを、この映画を観て初めて知った。



サリンジャーは1930年代後半から第二次世界大戦に従軍し、ヨーロッパへ派兵され、多くの仲間たちが死んでいくのを目の当たりにしてしまう。

壮絶な戦争体験をした後、終戦して帰国したサリンジャーはPTSDに悩まされることになる。

そんな彼が戦時中も、戦後も、心の拠り所としたのが「小説を書くこと」だった。



心に深い傷を負ったサリンジャーが生み出した「ライ麦畑でつかまえて」はベストセラーとなり、サリンジャー本人は人々の注目を集めるようになる。

その当時、社会に溶け込むことができないホールデンを描いた「ライ麦畑でつかまえて」が爆発的ベストセラーになったのは、その背景に、サリンジャーと同じように戦争の後遺症に悩んでいた人々がたくさんいたからだったのだ。



彼らは「ライ麦畑でつかまえて」を読み、「ホールデンは私だ」と信じ込む

そういう人たちがこの映画の中にも登場し、J・D・サリンジャーをストーキングして、彼を悩ませていた。



彼らもサリンジャーと同じように従軍してPTSDに悩まされたからこそ、ホールデンに共感し、まるで自分のことを書いていると思うのだ



1980年、ジョン・レノンを暗殺したチャップマンの愛読書は「ライ麦畑でつかまえて」だというのは有名なの話だ。

サリンジャーは、自分自身を戦争後遺症から救うために本を書いたのだが、彼が生み出したホールデンが彼から離れて一人歩きしてしまったのだ。

そして一気に増加したホールデンのファンたちは創造主サリンジャーを英雄視するようになる

サリンジャー本人は小説を書いても救われなかったのに、彼の小説を読んで救われた人々がたくさんいたというのは、なんとも皮肉な話



私は「ライ麦畑でつかまえて」と出会って以来、サリンジャーがその後隠遁生活を送ることになったのが、とても謎だったのだけど、この映画を観てようやく理解できた。

サリンジャーという人は、小説家向きではあるけど、戦争に行くにはあまりにも繊細過ぎたのだ。

その心は戦争によって破壊され、サリンジャーは自分を守るために固い殻を作ってしまった。

その反発心がホールデンというキャラクターを生み、彼の心の奥にある優しさが「崖から子供が落ちないように見守りたい」という言葉を生み出したのだと思った。



サリンジャーに隠遁生活を送らせた一番の要因は第二次世界大戦だったのだ。

「フィールド・オブ・ドリームス」では伝説の小説家として登場し、「小説家を見つけたら」のモデルと言われるサリンジャー。

そこまで熱望されても、一切、マスコミの前に姿を現わすことはなかったサリンジャー



そんな彼の生涯を知ることができて、観てよかったと思った

それにしても、切なずぎる生涯だった。


Posted by pharmacy_toe on 2019/02/15 with ぴあ映画生活




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アンドリュー・ガーフィールド主演の映画「ブレス しあわせの呼吸」を試写会で観た。

1950年代、ケニアに出張中にポリオにかかり、四肢麻痺になってしまった男性が、やがて人々に勇気を与える存在になっていく実話を映画化。


映画「ブレスしあわせの呼吸」


満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

号泣の感動作!

重度の四肢麻痺であるロビンが何事にも積極的に挑戦している姿を観て、普通に息をして生活しているだけでもすごく幸せなことだし、人生に不可能はないと思えた。

そんな彼から諦めない気持ちを教えられた



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ブレス しあわせの呼吸』予告編 動画

(原題:Breathe)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年8月23日 試写会にて鑑賞。

・2018年9月24日 感想を掲載。

・2019年12月17日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓




キャスト&スタッフ


出演者


…(「ファースト・マン」、ドラマシリーズ「ザ・クラウン」など)


〇スティーヴン・マンガン

〇ディーン=チャールズ・チャップマン

〇ペニー・ダウニー


〇デヴィッド・ウィルモット

〇アミット・シャー

〇ベン・ロイド・ヒューズ

〇ジョナサン・ハイド

〇エミリー・ビーヴァン

〇シルヴェスター・グロート


監督

アンディ・サーキス
…(<出演作>「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」など)


2017年製作 イギリス映画




あらすじ

愛し合って結婚したロビン(アンドリュー・ガーフィールド)とダイアナ(クレア・フォイ)だった。

しかし、1959年、ロビンの仕事でケニアのナイロビに二人で滞在した際、ロビンがポリオに感染し、首から下を動かせず、自分で呼吸をすることすらもできなくなってしまう。

そのまま、ロンドンの病院で寝たきりの状態で一生を過ごすと思われたロビンだったが、ある時、「家に帰りたい」とロビンが言い出し、ダイアナは、自宅でロビンの看病をする方法を模索しはじめる…。



映画「ブレス しあわせの呼吸」



感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介いたします。

ブレス しあわせの呼吸 (2017)


★★★★☆ [90点]「それでも明るく生きる姿に泣いた!」

号泣の感動作だった!

1950年代のイギリス

愛し合って結婚したロビン(アンドリュー・ガーフィールド)とダイアナ(クレア・フォイ)。

しかし、ロビンの仕事のため、夫婦で訪れていたケニアでロビンはポリオにかかってしまう

その結果、自力では呼吸できない重度の四肢麻痺になってしまったロビンは、余命数ヶ月と宣告されてしまう。



この映画を観て本当に良かったと思った。

映画を観る前に「主人公は重度の四肢麻痺だ」だと知り、もしかして、重い映画かも…と思っていた。

しかし、彼らのどんな時も前向きな生き様を見て、むしろ、健康な私の方が彼らから元気をもらっていることに気付く。



そして「普通に息をして生きていることが、どれだけ幸せなことなのか」と思い知らされ、「それなのに、なぜ、私は小さいことでクヨクヨしたり、イライラしたりしているのか」と思った。



主人公のロビンは「2分間呼吸できなかっただけで死んでしまう体」だったにも関わらず、彼自身も、彼の妻のダイアナも、希望を捨てることなく前を向き、やりたいと思ったことは全て積極的にチャレンジする素晴らしい人たちだったからだ。



ロビンも、初めからそんなに前向きだったワケではない。

四肢麻痺と分かったときには「死なせてくれ」と懇願していた。

しかし、そんな彼の目の前には、生まれたばかりの息子がいて、死ぬわけにはいかなかったのだ。



そこから、彼は彼のやり方で生き延びることで、周りの人たちに勇気と希望を与える存在になっていく

彼らは決して悲観的にはならず、悲壮感もない

毎日を幸せに生きる普通の家族なのだ。

そこが本当に素晴らしく、だからこそ、彼らから希望と勇気を感じるのだ。



そんな彼の姿を見ていたら、私には、もっとやれることがあるし、もっと人生を楽しまなきゃいけないと思った。

うまくいかないことがあれば、うまくいくように環境を整えればいいし、「うまくいかなくて困っている」と周りに言えば、きっと誰かの心を動かすことになる。

絶望したり、諦めたりする前にやれることはたくさんあるのだ。



私は、この映画を観てロビンから「諦めない気持ち」を教えられ、本当にこの映画を観てよかったと思った。



監督は「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラム役、「猿の惑星」のシーザー役で知られるアンディ・サーキスで、この作品が初監督作。

「人間ではない者の身体の動き」で名を上げた彼が「全く動けない人」を描いて感動作を作り上げたというのが、とても面白いと思った

そして、映画の中にも登場するロビンの息子ジョナサンは、この映画の共同製作者である。
彼の両親への強い尊敬と愛情を感じさせる作品になっている。

ぜひ、たくさんの人に観て欲しい作品だ。


Posted by pharmacy_toe on 2018/08/25 with ぴあ映画生活




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ヒュー・ジャックマン主演の映画「フロントランナー」を特別上映会で観た。

1988年、スキャンダルにより失脚した大統領候補ゲイリー・ハートの実話を映画化。


映画「フロントランナー」


満足度 評価】:★★★★☆

面白かった!

先の展開がわかってもスリリングな展開にハラハラドキドキしながら楽しめた。

ゲイリーが女性スキャンダルで叩かれたのは、女性の地位が上がり、公に「不快だ」と言えるようになった証で、そうなる運命だったと思う

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『フロントランナー』予告編 動画

(原題:The Front Runner)



更新履歴・公開、販売情報

・2019年1月22日 スペシャルスクリーニングにて鑑賞。

・2019年3月2日 感想を掲載。

・2019年12月8日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓




キャスト&スタッフ


出演者




〇モリー・イフラム



監督

ジェイソン・ライトマン
…(「タリーと私の秘密の時間」、「とらわれて夏」など)


2018年製作 アメリカ映画




あらすじ

1988年の大統領選挙。

民主党上院議員のゲイリー・ハート(ヒュー・ジャックマン)は、46歳という若さで大統領候補の筆頭に名乗りを上げる。

しかし、マイアミヘラルド紙が、彼に関するあるスキャンダルを入手し、やがてそれが他の有力紙にも知られることとなり、ゲイリー・ハートの支持率は一気に急落してしまう…。



映画「フロントランナー」



感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介いたします。


フロントランナー (2018)


★★★★ [80点]「女性の地位が向上した証」


1988年のアメリカ大統領選挙で、民主党の有力な候補者だったゲイリー・ハートに降りかかるスキャンダルを描く作品。

実話の映画化。



現在では、不倫スキャンダルで政治家が失脚するのは、よくある話だ。

むしろ、リスキーなのがわかってて、よく不倫なんかするよなぁと思う。



しかし、この映画の舞台である1987年当時は、そうではなかった。

プライベートなことよりも政策で戦う時代だった。



ところが、ゲイリー・ハートの不倫が明らかになると、これまでスキャンダルを扱っていなかったワシントンポスト紙までが、ハートの不倫を書き立てるようになる。

ゲイリー・ハートは、女性スキャンダルによって、その資質が問われた初めての大統領候補なのだ。



そんなハートの姿を見て、なぜ、1987年というタイミングだったのかと考えた。

中には、ジャーナリズムの質が落ちて、販売部数を増やすために政治とは関係のないスキャンダルに手を出すようになったという見方もあるかもしれない。



しかし、それは女性たちの地位が上がった証ではないかと、私は思った。

それまでの男性社会では、不倫や女遊びは男の甲斐性、ただの火遊びだと思われていた



しかし、女性の地位が向上し、意見が言える立場になった人が増え、「女性を遊び道具のように扱うのは不快です」と言える人が増えてきたということだと思った。



だから、私はこのゲイリーの件が、ジャーナリズムの質が落ちて、くだらない三面記事まで扱うようになっただけだとは思えなかった。

確かに、そういう一面もあるかもしれないし、確かにジャーナリストはスキャンダルよりも政策を語るべきかもしれない。



しかし、その反面で、お堅い新聞が政治家の女性スキャンダルを暴くことで、若い女性をポイ捨てする権力者の地位が落ちるのは大歓迎だと思った。



人間は誰しも失敗をするもので、ゲイリーの件も騒ぎすぎだったという見方もあるかもしれない。

しかし、この時、ゲイリーの女性スキャンダルが明らかにならなかったら、彼に捨てられる女性たちは、もっと増えていたかもしれないのだ。

ゲイリーはただの運が悪かった男ではなく、起こるべくして起きた件だったのではと思う

なんとく、話の展開は分かっているものの、それでも、スリリングな展開にハラハラドキドキしながら最後まで見入ってしまった作品だった。


Posted by pharmacy_toe on 2019/02/03 with ぴあ映画生活




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デヴ・パテル主演の映画「LION/ライオン~25年目のただいま~」を映画館で観た。

インドで迷子になった5歳の少年が、25年後にGoogl earthで生家を探し出した実話の映画化。


映画「LION/ライオン25年目のただいま」

満足度 評価】:★★★★☆

Google earthがつないだ家族の絆の物語。

生みの親も、育ての親もどちらもかけがえのない家族で、親たちの思い、迷子になった子の願い、それぞれの想いに胸が締め付けられるような思いで観た。

しかし、これが実話であることが、これからの未来に向けて新たな希望の光を感じさせることであり、心が温かくなる思いがした。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「LION/ライオン~25年目のただいま~」予告編 動画

(原題:LION)



更新履歴・公開、販売情報

・2017年4月16日 映画館で観た感想を掲載。

・2019年11月11日 「映画天国」での放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。




キャスト&スタッフ


出演者

デヴ・パテル
…(「スラムドッグ$ミリオネア」、「マリーゴールドホテルで会いましょう」、「チャッピー」)

ルーニー・マーラ
…(「ドント・ウォーリー」、「A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー」、「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」(声の出演)、「ドラゴン・タトゥーの女」、「her/世界でひとつの彼女」、「トラッシュ!-この街が輝く日まで-」、「ソーシャル・ネットワーク」など)

ニコール・キッドマン
…(「ある少年の告白」、「アクアマン」、「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」、「パーティで女の子に話しかけるには」、「パディントン」、「シークレット・アイズ」、「リピーテッド」、「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」、「バースデイ・ガール」、「レイルウェイ 運命の旅路」、「ザ・インタープリター」、「ファング一家の奇想天外な秘密」など)

〇デヴィッド・ウェンハム

監督

〇ガース・デイヴィス

2016年制作 オーストラリア映画




あらすじ


1886年インドで、兄のクンドゥと共に電車に乗って出かけた5歳の少年サルーは兄と離れ離れになってしまい、迷子になってしまう。

1人で街をさまよい続けたサルーは、1年後にカルカッタで保護され、その後、オーストラリアのタスマニアで暮らすジョン(デヴィッド・ウェンハム)とスー(ニコール・キッドマン)の夫妻の元に養子に出される。

それから25年間、何不自由ない暮らしをしてきたサルー(デヴ・パテル)だったが、5歳の時に迷子になった記憶が消えず、Google earthでインドの生家を探し始める…。

映画「LION/ライオン 25年目のただいま」


感想(ネタバレあり)


インドや中国で行き場を失いさまよい続ける子供たち


インドで迷子になった5歳の少年がカルカッタで保護される

しかし、あまりにも人口が多すぎるインドでは、少年の両親を見つけ出すことができない。

そのため、彼は保護施設を経てオーストラリアで養子になる。



それから25年後、彼は「Google earthで生家を見つけ出す」という奇跡を起こす

これは、その実話を映画化したものである。



現在、インドでは年間8万人もの子供が行方不明になっている」という事実が、この映画の背景にある。

その中でも、この映画の主人公であるサルーのように、欧米諸国へ養子縁組でもらわれたケースは恵まれた方なんだと思う。

中には、人身売買で売られてしまった子供もいただろう。



この映画の中にも、これはもしや人身売買か!?と思われるシーンがある

カルカッタで野宿をしていたサルーが、ある時親切なおばさんと出会う。

その後、その親切なおばさんに付いて行き、彼女の家で美味しいご飯を食べてゆっくりしていると、そのおばさんが怪しげな男を連れ来るというシーンがある。



その男はサルーに会うなり、身体を触りまくり、「彼なら大丈夫、よくやった」と彼女に声をかける。

幼い頃から苦労をして育ったサルーは、その男にただならぬ気配を感じ、彼女の家から走って逃げ出すことになる。

もしもあの時、サルーが気配を察しなかったら、彼はどこかに売り飛ばされたかもしれず、この奇跡の実話は生まれたかったかもしれない



また、それはインドだけに限った話ではなく、同じく人口過多の中国でも「行方不明児童」の増加が問題になっており、それは中国映画の「最愛の子」でも描かれていた。

中国では、行方不明になった子供たちが農家の仕事を手伝わされたりしている様子が描かれていた。

そして、「最愛の子」もまた、実話を映画化したものだった。



インドでも、中国でも、行方不明児童の増加は社会問題なのである。



映画「LION/ライオン 25年目のただいま」



幼くして親と離れて暮らすことになった子供たちの想い


幼い頃から、何不自由のない生活を送ってきた私のような者にとって、迷子の末に親と離れて暮らすことになった人の体験や、その時の気持ちを知ることはとても貴重なことである。

どれだけ想像で推し量ろうとしても、彼らの心にある本当の気持ちなど知る由もない。



5歳で行方不明になったサルーは、その後オーストラリアの養父母の元で過ごすことになる。

オーストラリアでの新しい生活では、インドで使っていた言葉も忘れ、愛する両親の元、何不自由ない暮らしをし、目標を持って人生を生きていた。



しかし、行方不明になった時の思い、離ればなれになってしまったお兄さんとお母さんへの想いはひと時も頭を離れることがなかった

その心境について、サルーは「僕は25年間迷子なんだ」と言う。



でも、それはサルーの場合だ。

サルーがオーストラリアに引っ越してから1年後。

養父母であるジョンとスーの夫妻の元に、同じく養子としてやってきたマントッシュは、オーストラリアに適合できず、大人になると彼らの元を離れ、自堕落な生活を送るようになってしまう。

マントッシュは、サルーとは対照的に行方不明児童の養子縁組があまりうまくいってないパターンとして、ここに登場する。



先述した中国映画「最愛の子」では、誘拐された少年が、数年間、別の家族と暮らしているうちに生みの親を忘れてしまう。

それぞれの「迷子たちの想い」を見ていると、サルーのように生みの親のことが忘れられず、常に彼の心に住み続けるというのも、奇跡なのかもしれない。



そして、覚えていたのは家族だけでなく、生活していた町の姿や景色の細かい特徴まで覚えていたことが奇跡を生んだ要因になった。

それだけ、5歳のサルーはインドで幸せな生活を送っていたということ。

5歳という幼さにも関わらず、家族を愛し、母と兄を助けて仕事をしたいと思い、実際に自分の意思で彼らの手伝いをして生きてきたサルーだからこそ、この実話が生まれたのだろうと思う。



映画「LION/ライオン 25年目のただいま」



無条件で愛情を注ぎ続ける母が生み出す奇跡


そして、私が何より感動したのは、ニコール・キッドマンが演じた、サルーの育ての親 スーの想いである。

彼女はひたすら無条件に子供たちに愛情を注ぎ続ける

その血のつながりを越えた深い情愛がサルーという奇跡を作り出す



この映画の中で、とても印象的な彼女のセリフがある。

私は子供を産もうと思えば産むことができた。でも、子供を増やして何になる。世界には、もっと救わなければならない子供たちがたくさんいるのに



自分で産んだ子供よりも、既に不幸な環境にある子供を救いたい

スーは、自分で子供が産めないから養子を迎えたのではなく、あえて子供を産まないという選択をし、恵まれない子供たちを救いたくて養子を迎えたのだ。

中には、マントッシュのように最初から情緒不安定な子供もいたのに、それも構わず養子にしている。



そして、出来る限りの愛情を注ぎ、彼らを大人に育てている。

その結果、サルーのように立派に育つ子供もいれば、結局、最後まで新しい家族に適応できないマントッシュのような子供もいる。

それでも、彼らは平等に愛情を注ぎ、2人とも愛していると言い続ける

その彼女の生きる姿勢には頭が下がるばかりだった。



同じように迷子になった子供でも、売られていく子供もいれば、スーのような寛大で心の広い養母に出会えることもある。

サルーが25年経って奇跡を起こすことができたのは、ひとえに、このジョンとスーの養父母の元で育てられたからに他ならない



映画「LION/ライオン 25年目のただいま」



Google earthが作り出すこれからの時代への希望


恵まれない環境で育った迷子の子供が、欧米の家庭に育てられ、立派な大人になりましたという話はそんなに目新しい話でもない。

その中で、この映画が他の類似した話と決定的に違うのは「Google earth」の存在である



サルーは「Google earth」を通じて生家を探し当てる。

それは、これからの時代の中で、誘拐されたのちに保護された子供にとっての無限の可能性を示している

この映画の中でサルーは「近所に線路があった」「駅の近くに給水塔があった」「川があった」「石を採掘する山があった」という情報だけで、生家を探し当てる。



もしかして、これから地震のような災害で親とはぐれてしまった子供たちがいた場合、サルーと同じように「家の近くに何があったのか」を聞き出すことで、より早く親とめぐり逢えるかもしれない



日本のように、子供たちが全員名前と住所を言えるならいいが、世界中にはもっと酷い環境で暮らしている子供たちがたくさんいる

そして、サルーの実母のように「文字が読めない」大人たちだって、世界にはたくさんいるのだ。



そんな彼らにとって「Google earth」が見えない糸を手繰り寄せる手段の一つになる可能性があるなら、それは IT という技術の素晴らしい使い道だと思う。

今回の映画化にあたり、「Google社」は積極的に制作に協力したという。

この映画が世界中に広まることで、同じように離ればなれになってしまった家族が再会できるきっかけになったら良いなと思う。





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大泉洋主演の映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」を映画館で観た。

筋ジストロフィー患者の鹿野と彼を介護したボランティアたちの交流を描く人間ドラマ。



こんな夜更けにバナナかよ愛しき実話


満足度 評価】:★★★★☆

楽しかった!常に真っ直ぐに生きてる筋ジストロフィー患者の鹿野さんから正直に生きることの大切さを教えられた。

夢を持ち、一瞬、一瞬を大切に生きている鹿野さんを観て、笑ったり泣いたり元気をもらった作品だった。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』予告編 動画



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キャスト&スタッフ


出演者


〇高畑充希

〇三浦春馬

…(「きみの鳥はうたえる」など)

…(「きみの鳥はうたえる」など)

〇宇野祥平

…(「菊とギロチン」、「誰も知らない」など)

〇竜雷太

〇綾戸智恵

…(「友罪」、「ザ・マジックアワー」、「愛を積む人」など)

…(「蜩ノ記」など)

監督

〇前田哲


2018年製作 日本映画




あらすじ


北海道大学の医学生・田中(三浦春馬)は、勉強も兼ねて筋ジストロフィー患者の鹿野靖明(大泉洋)のボランティアの介護ヘルパーをしている。

ある時、田中のカノジョである美咲(高畑充希)が、田中のボランティア先である鹿野の家を訪ねると、鹿野は美咲が新しいボランティアなのかと勘違いしてしまう。

それ以来、鹿野は美咲を気に入り、はじめはワガママな鹿野を嫌な奴だと思っていた美咲も鹿野と打ち解けるようになり…。



映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」



感想(ネタばれあり)





こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 (2018)


★★★★ [80点]「正直に生きることの大切さ」


これは楽しかった~。

時に笑い、時には泣いて、主人公の鹿野さんから、自分に正直に生きることの大切さを教えられた作品だった。



この作品では、筋ジストロフィーを患っている鹿野さん(大泉洋)と、彼を介助しているボランティアの人たちとの交流が描かれている。

彼は、一人暮らしをしているが、ボランティアの介助なしでは、生活をしていくことができない。



医学生の田中(三浦春馬)は鹿野さんの介助をしているボランティアの一人。

田中を訪ねてきたガールフレンドの美咲(高畑充希)は、鹿野さんに気に入られ、美咲もボランティアの一員になっていく。

そんな鹿野さんと美咲の交流を中心に、この物語は進んでいく。



この鹿野さんが、とっても困った人で、タイトルにもある通り、夜中の2時に「バナナ食いたい。買ってきて」とか言ってしまうような人。



でも、そんな鹿野さんを観ているうちに、彼のワガママにも慣れてきて、次第に、そんな鹿野さんが、とても魅力的な人だと思うようになる。

悪く言えばワガママだけど、よく言えば正直者

鹿野さんは、何でも言いたいこと、やりたいことを言って生活している。



それが受け取る人によっては、ワガママに聞こえてしまうのだ。

しかし、それぐらい、鹿野さんは、一瞬、一瞬に対して、とても真剣に生きているということなのだ。

いつまで生きていられるかわからないから、やりたい時にやりたいことをやり、言いたいことを言う



そんな鹿野さんを観て、正直に生きるって大事だなぁと思った。



鹿野さんは、筋ジストロフィーという病気を抱えながらも、夢を持ち、その夢に向かって必死に生きている。

人は夢がある時、叶えられるかどうかわからないから、なかなか口に出すことができない。

でも、夢を正直に口にした瞬間、周りの人も巻き込み、その夢を聞いた人たちが手助けしてくれる

だから、正直に言ってしまった方が夢は叶えやすくなるし、時間も短縮できる

そして、夢に向かって一生懸命な姿は、周りに伝染するのだ。



この映画は、そんな夢を見て、それを叶えるために必死に生きている鹿野さんに、周りの人たちが元気づけられる姿が描かれている。

そして、そんな彼らを観ている観客も元気づけられるのだ。



筋ジストロフィーの患者の話と聞くと、重い話とか、お涙ちょうだいモノだと思うかもしれないが、これはそうではなかった。

正直で前向きに生きる鹿野さんから、健常者が元気をもらう作品なのだ。

年の初めにこれを観たら、きっと「私もがんばろう!」と思えるに違いないので、凹んでたり、元気がない人にオススメの作品。


Posted by pharmacy_toe on 2019/01/08 with ぴあ映画生活




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原作本「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」

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ラミ・マレック主演の映画「ボヘミアン・ラプソディ」を映画館で観た。

伝説のバンド「QUEEN」のボーカル フレディ・マーキュリーがスターにのし上がっていった実話を映画化。


映画「ボヘミアン・ラプソディ」



満足度 評価】:★★★★★

最高だった!

音楽は作り手の人生の全てを詰め込んでこそ、人を感動させるんだと改めて思った。

ここにあるフレディの悲しさ、迷い、苦しみ、その全てが強く心と共鳴して揺さぶられた。

ラスト20分の臨場感は圧巻。

必見!

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ボヘミアン・ラプソディ』予告編 動画

(原題:Bohemian Rhapsody)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年11月14日 映画館にて鑑賞。

・2018年11月21日 感想を掲載。

・2019年10月19日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

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キャスト&スタッフ


出演者

〇ラミ・マレック


〇グウィリム・リー

…(「メアリーの総て」など)

〇ジョセフ・マッゼロ

〇エイダン・ギレン

〇アレン・リーチ


〇マイク・マイヤーズ

〇アーロン・マカスカー

〇マックス・ベネット


監督

ブライアン・シンガー
…(「X-MEN:アポカリプス」など)


2018年製作 アメリカ映画




あらすじ

ボーカルが抜けて、バンドとして先行きが不安だったQUEENの元へ「バンドのファンで、ボーカルになりたい」と言う一人の青年フレディ(ラミ・マレック)がやってくる。

それを聞いたメンバーは試しにとフレディに歌わせると、その迫力に圧倒されてしまう。

そうして新生QUEENが誕生し、やがて他のバンドにはない個性的な楽曲でスター街道を登り始める…。



映画「ボヘミアン・ラプソディ」




感想(ネタばれあり)


この映画の感想は、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


ボヘミアン・ラプソディ (2018)


★★★★★ [100点]「音楽サイコー!ライブ最高!」


最高だった!!

なんで、私は音楽が好きで、ライブに行くのか

なぜ、音楽にこんなにも心を揺さぶられ、音楽がないと生きていけないのか

その理由の全てが、ここに描かれていた



正直言って、これまでQueen の音楽って趣味じゃないと思って避け続けてきた。

けれど、この映画を観て、フレディ・マーキュリーの人生を追いながら、改めてQueen の音楽を聴くと、そのリズム、音、言葉の一つ一つに、その時の彼の人生の全てがギッシリと詰め込まれていたのだと知る。

彼の愛も、迷いも、怒りも、憎しみ苦しみも、人生の全てがそこにあって、その叫びである音楽に、心の波動が共鳴したり、反発したりして、強く揺さぶられるのだ。



そうして、私はこれまで日常生活の中で起きた、嬉しいこと、悲しいこと、幸せなこと、辛いことの全部を音楽に投影し、その気持ちの全てを歌手に代弁してもらっていたんだと気づいた。

だから、アーティストたちが、彼らの人生を音楽に反映させればさせる程、より強く気持ちが反響するのだ。

そして、ライブへ行って、共に歌い、叫ぶことで、心に溜まった濁りのようなものを発散するのだ。



だからこそ、若い頃から人生に悩み、迷い、怒りながら生きていたフレディは、誰よりも人の心を強く揺さぶることができたのだと思う。

アメリカの批評家サイト Rotten Tomatoes の支持率を見ると、その数字は6割程度で、この映画の評価がとても低いことかわかる。

が、その一方で、観客の支持率は9割を超えている。



しかし、それさえも、当時の Queen が批評家に酷評されながらも、一般リスナーたちや、オーディエンスから圧倒的な支持率を得た現象そのままであり、この映画の存在そのものが、Queen の全てをそのまま表しているのだと思った。

支持率が低いのは、「この映画のフレディが史実と違うから」というのがその理由の一つらしい。



だとしても、ラスト20分

彼らのライブには、きっと誰もが心を揺さぶられ、心が熱くなるに違いないない

私は、号泣して涙が止まらなかった



そこには、フレディ・マーキュリーの全てがあったからだ。

彼の人生の全てが、そこに込められていた

そこだけでも、必見の映画だと思う。



人生、迷いながら、苦しみながら、悲しみながら生きている人にこそ、おススメの映画

ぜひ、観て欲しい



Posted by pharmacy_toe on 2018/11/22 with ぴあ映画生活



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ジョー・コール主演の映画「暁に祈れ」を試写会で観た。

タイで刑務所に服役したイギリス人ボクサー ビリー・ムーアの自伝的小説を映画化。


映画「暁に祈れ」


満足度 評価】:★★★★☆

面白かった!人権なんてありゃしないタイの刑務所の地獄っぷりと、そこでムエタイを覚えて、なんとか這い上がろうとするビリー。

ムエタイが内なる怒りを解き放ち、ビリー自身が目覚める夜明けを迎える。

その力強い成長に感動した

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『暁に祈れ』予告編 動画

(原題: A Prayer Before Dawn)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年11月29日 試写会にて鑑賞。

・2018年12月6日 感想を掲載。

・2019年10月18日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

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キャスト&スタッフ


出演者

〇ジョー・コール

〇ポンチャノック・マブラン

〇ヴィタヤ・パンスリンガム

〇ソムラック・カムシン

〇パンヤ・イムアンパイ


監督

〇ジャン=ステファーヌ・ソヴェール


2017年製作 イギリス、フランス合作映画




あらすじ

タイでドラッグを使用しているところを逮捕され、服役することになったボクサー ビリー・ムーア(ジョー・コール)。

その刑務所は人権などまるで感じられないところで、ビリーは苦難の連続からか、そこでもドラッグを使用するようになっていく。

そうしてビリーは地獄へと落ちていく日々を送るが、やがて、ムエタイと出会い、トレーニングを重ねるうちにドラッグを辞めようと決意するようになるのだが…。



映画「暁に祈れ」


感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


暁に祈れ (2017)


★★★★ [80点]「地獄で何を思ったか」


見所満載で、とても力強い作品だった!

面白かった!



イギリス人ボクサーのビリーは、タイで麻薬を使用したとして逮捕、収監されるが、その刑務所がとんでもない地獄で…



まず、ビリー本人がとんでもなくダメな人で、麻薬をやって地獄へ送られて、さらに、またその地獄でも麻薬をやってしまう

とにかく意志が弱い



しかし、そんなダメダメなビリーを見ているうちに、彼はあらゆることに不安なんだなというのがわかってくる。

言葉のわからないタイでボクシングをしているが、一流にはなれず、麻薬をやっても解決しないのに手を出してしまい、その快楽に溺れるようになる。



そして、刑務所へ入っても、その不安が消えることはなく、さらに、麻薬を常習するようになる。

そんな彼を救ったのが、刑務所で出会ったムエタイだった。



必死になって練習して、相手を打ち負かした時、ビリーは快感を覚えるようになる。

それはビリー自身の内面にある怒りを解き放した瞬間でもあり、麻薬とは違った快楽を感じたのだろう



そこから、彼はドラッグを断つ努力を始めるようになる。

これは、ビリー本人が麻薬地獄から抜け出せるようにと祈り続け、やがて、その夜明けにたどり着くという、ビリーが人として目覚める話だった。



そのビリー自身の成長の話にも感動だったけれど、タイの刑務所の地獄っぷりも、かなり眼を見張るものがあった。

映画を観る前に丸山ゴンザレスさんのトークショーがあって、撮影で使われた刑務所のレポを観たのだけど、なんだろう…、刑務所というよりも、家畜小屋とか、収容所っていう印象だった。

人権なんて、まるで感じられない

まさに地獄



こんなところにいるぐらいなら、ラリってた方がマシっていう気持ちは、分かる気がする。

それでも、ビリーがそこから何とか這い上がって生還しようと思ったのは、彼の中に生きたいという気持ちが残っていたからに違いない。

そのことに、ビリー本人が気づいた時が、ビリーの夜明けの時だった



ごみ溜めのような刑務所の映像には、かなりショッキングな部分もあるけれど、この世のリアルな地獄を観たい人は是非。



Posted by pharmacy_toe on 2018/12/04 with ぴあ映画生活


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