韓国映画「コインロッカーの女」をWOWOWで観た。

コインロッカーに捨てられていた赤ん坊が、やがて裏社会を牛耳る家族拾われ、女帝と対立していく姿を描くサスペンス映画。



満足度 評価】:★★★★☆

この映画「コインロッカーの女」を観ながら、何度か「怖い!」とか「ひえぇぇぇぇぇ」とか声を上げた。

韓国の裏社会の恐ろしさが肌感覚で伝わってくる映画!

人間の闇は、ちょっとした路地裏に潜んでいる。


「コインロッカーの女」予告編 動画

(原題:차이나타운)




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キャスト&スタッフ


出演者


〇パク・ボゴム

〇オム・テグ

〇コ・ギョンピョ


監督・脚本

〇ハン・ジュニ

2015年製作 韓国映画



あらすじ


コインロッカーNo.10に捨てられていた赤ん坊は、10(イリョン)と名付けられ、ホームレスに育てられる。

まだ幼い頃に、仁川にある中華街で裏稼業を営む一家に拾われ、やがてイリョン(キム・ゴウン)は裏社会を牛耳る一家の立派な兵隊として育っていく。

一家の首領はオンマ(母)(キム・ヘス)であり、イリョンと同じように各地で拾われてきた子供たちが、オンマの指示の元、人身売買、借金の取り立て、臓器の闇取引、密入国などの仕事を確実にこなしていた。

しかし、ある時、そんなイリョンが借金の取り立てに向かった相手は、これまで出会ったことのない明るく優しい青年ソッキョン(パク・ボゴム)だった…。



コインロッカーの女




感想(ネタバレあり)


コインロッカーで拾われた女。闇社会で兵隊となる


どんな映画だったか、一言で表現しろと言われたら「恐ろしい」と真っ先に答える。

それぐらい、この映画には韓国の裏社会の恐ろしさが詰まった作品だった。

物語の舞台は仁川にある中華街(原題「차이나타운(チャイナタウン)」)。

韓国には中華街と呼ばれるものがほとんどなく、唯一、存在しているのが、この仁川にある中華街だ。

だから、多くの韓国の人たちにとって中華街とは「謎の街」であり、「あなたの知らない世界」だ。

その中華街を舞台に、まさに、私たちにとって未知の世界・裏社会が描かれているのが、この映画「コインロッカーの女」だ。

主人公イリョンは、コインロッカーに捨てられていた赤ん坊だった。

その彼女が裏社会を牛耳る一家に育てられ、立派な兵隊として成長する。

そして、借金の取り立て、人身売買、臓器の闇取引、密入国など、闇の世界で金になることはなんでも手掛けるようになる。



コインロッカーの女4



闇の社会しか知らない人生


まぁーーー、このイリョンがとにかく恐ろしい。

人を傷つけたり、殺したりすることを全くいとわない。

それもそのはず。

彼女はチャイナタウンで絶対的な女帝として君臨するオンマの元で二の腕として育てられてきたからだ。

幼い頃から、捨てられようが足蹴にされようがくらいついて生きてきた。

むしろ、オンマはちょいちょいそうやって拾ってきた子供たちをテストして生き残る者だけを兵隊として育ててきた。

借金の取り立てに行き、相手に返す能力がないと分かれば、その場で即刻、臓器をいただき金に換金する。

それは、彼女が幼い頃から闇の世界しか知らず、それが当たり前だと思っているからこそだ。

普通の人が学校へ行き、計算の仕方を覚えるように、彼女は人間の臓器がいくらなのかを瞬時に計算する能力を覚えてきた。

角膜、腎臓、心臓…などなど。



コインロッカーの女2



陽のあたる世界と人の温かさを知った日


そんな彼女が、借金の取り立てに向かった先でソッキョンと出会うことで、初めて陽のあたる世界の生活を知る。

ケガをしている人の傷を気遣う。おしゃれなレストランでイタリアンを食べる。深夜の映画館で映画を観る。

普通の人にとってそんな当たり前の日常が、イリョンにとっては初めての世界だった。

しかも、ソッキョンは自身の借金で苦しんでいたわけではない。

中学3年生の時に出て行った父親の借金を肩代わりしているだけだった。

そのソッキョンの優しさと温かさに触れたイリョンは人格が変化していく。

日頃着ないワンピースを着てデートをし、「人を殺すこと」の罪を知る。

それは、恐れることなく人を殺すイリョンを買っていたオンマにとっては大誤算だった。

そして、イリョンとオンマの関係に転機が訪れる。

これはイリョンにとってオンマからの自立であり、オンマにとっては女帝としての足場の崩壊となった。

ソッキョンの死は理不尽なものだけど、その理不尽さがこの映画が描く闇社会のリアリティであり、と同時にこの映画の核となっている。



コインロッカーの女6



今後が楽しみな女優 キム・ゴウン


主人公のイリョンを演じるのは、キム・ゴウンだ。

私が初めてキム・ゴウンを観たのは「ウンギョ 青い蜜」だった。

ある老小説家が若くて瑞々しい少女と出会い、彼女との妄想を小説にするが、彼女も小説も新進気鋭の後輩に奪われてしまうという話で、キム・ゴウンは光まばゆい少女を演じていた。

ずいぶん脱ぎっぷりの良い若い女優さんだなぁとは思ったけど、決して闇の世界の人ではなく、むしろ陽のあたる世界の人だったので、今回の映画での180度転換ぶりにはちょっとビックリした。

現在、25歳。

今後の成長が楽しみな女優さんの1人。



コインロッカーの女7



カリスマと貫録を見せつけるベテラン女優のキム・ヘス


そして、チャイナタウンの女帝オンマを演じるのは、キム・ヘス

私の中でキム・ヘスのイメージと言ったら、いつも完璧に化粧をしてナイスバディの身体で登場するセクシーな姿。

だから、今回いつもよりかなり薄めのメイクでの登場に、それだけでちょっとビックリしてしまった。

しかし、他にもこの役を演じられそうな女優はいたと思うけど、それでも、キム・ヘスに演じさせたのは、彼女の持つカリスマ性が欲しかったのだと思う。

出てきただけで、彼女の一挙手一投足に迷わず目がいってしまうその威厳と脅威、そして威圧感。

監督が彼女に期待したのは、そこなんじゃないかと思う。

それ程までに、今回の彼女の女帝っぷりはキレていた。

若手女優を前に圧巻の存在感を見せつけていた。



コインロッカーの女5



微かに見える新しい時代への希望


結局、女帝が仕切るチャイナタウンの闇社会は崩壊し、新しいリーダーを迎える。

しかし、新女王の闇社会はこれまでとちょっと違う。

臓器を闇取引するための無駄死に一切禁止する。

それは、この映画に刺した唯一の光であり、新時代に向けた希望だった。

韓国映画を見るといつも、路地裏が怖くなる。

細くて暗い路地の向こうに何かあるのでは…と考えてしまう。

今回も、舞台は薄汚い路地裏だった。

貧しさが闇を生み、闇が大きな悪を生み出す。

韓国が抱える貧しさに潜む悪を浮き彫りにする恐ろしい作品だった。





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