ゲイリー・オールドマン主演の映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」を試写会で観た。

第二次世界大戦当時、チャーチルが首相となった1940年のイギリスの「最も暗かった日々」を描く。


満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

嫌われ者だったチャーチルが第二次世界大戦のヒーローとなるまで。

チャーチルが政治家として、最後まで自分の意志を貫き通す姿に感動した作品だった。

彼のおちゃめなキャラクターもあって、時折笑えるところもあって、最後まで楽しめた作品だった。


この感想には、結末についてのネタバレがあります。映画をご覧になってからお読みください。


「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」予告編 動画

(原題:Darkest Hour)




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キャスト&スタッフ


出演者

ゲイリー・オールドマン
…(「裏切りのサーカス」、「クリミナル 2人の記憶を持つ男」、「チャイルド44」、「猿の惑星 新世紀(ライジング)」、「ロボコップ」、「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」、「エア・フォース・ワン」)

クリスティン・スコット・トーマス
…(「フランス組曲」、「パリ3区の遺産相続人」など)

リリー・ジェームズ
…(「マンマ・ミーア!ヒア・ウィーゴー」、「ベイビー・ドライバー」、「高慢と偏見とゾンビ」、「シンデレラ」など)

ベン・メンデルソーン
…(「レディ・プレイヤー1」、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」、「スロウ・ウエスト」、「ブラック・シー」、「ワイルド・ギャンブル」など)

〇ロナルド・ピックアップ

…(「メアリーの総て」など)

監督

ジョー・ライト
…(「プライドと偏見」など)


2017年製作 イギリス映画

第90回アカデミー賞(2018年)主演男優賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞 受賞作品




ウィンストン・チャーチルヒトラーから世界を救った男



あらすじ


1940年、第二次世界大戦中のイギリスでは、内閣不信任案が可決されたため、チェンバレン首相の後任者を探していた。

そこで、内閣はハリファックス外相(スティーヴン・ディレイン)を立てようとするが、本人がこれを固辞。

そこで、野党が納得いく人事として与党では嫌われ者のウィンストン・チャーチル(ゲイリー・オールドマン)を首相に指名する。

その頃、ヨーロッパではヒトラー率いるナチスドイツがヨーロッパを席巻し、フランスが陥落した後は、イギリス本土もナチスドイツに占領されるのではと思われていた…。



ウィンストン・チャーチルヒトラーから世界を救った男6




感想(ネタバレあり)


イギリスの歴史もチャーチルも知らなくても楽しめる



チャーチルの伝記映画と言われも、正直、私はチャーチルのことをあまりよく知らない。

そう言われてみれば、教科書で観たことがあったっけ。その程度だ。

だから、「ゲイリー・オールドマンがチャーチルにそっくり!」と言われても、あまりピンとこない。



しかし、この映画は、チャーチル本人についてそれほど知識がないからこそ楽しめたと思っている。

ゲイリー・オールドマンがチャーチル本人に似ているか似ていないか」とか

「辻さんのメイクがどこまでチャーチルに似せているか(ゲイリー・オールドマンの面影が全くないのはわかるけど)」など、

「どこまでチャーチルに迫ったのか」を気にすることなく、まっさらな気持ちで、「あぁ、これがチャーチルなんだな」とそのまま受け取り、先入観なしで「イギリス元首相の伝記」を楽しむことができたからだ。



1940年 第二次世界大戦下のイギリス。

ヨーロッパでは、ナチスドイツが席巻しようとしていた。

国会はチェンバレン首相内閣の不信任案が可決され、与党は首相候補を探していた。

ところが、与党は誰もが納得いく候補を立てることができなかったため、野党を納得させるために仕方なく候補に選んだのがチャーチルだったのだ。



この映画では、その「チャーチルが首相に任命され、第二次世界大戦でドイツと戦う数日間」が描かれる

「伝記映画」とか、「歴史もの」とか「第二次世界大戦」と聞くと、なんとも堅苦しく難しいイメージがある。



しかし、この映画は歴史を知らなくても十分楽しめる

その「嫌われ者チャーチル」の人間性にはユーモアがあって、時にはクスッと笑えるところもあり、昨年観た映画「ダンケルク」の舞台裏が描かれたところはとても興味深く観たし、最初から最後まで楽しめた作品だった。



ウィンストン・チャーチルヒトラーから世界を救った男3


なぜ、「ダンケルク」のダイナモ作戦は生れたのか



昨年公開された映画「ダンケルク」では、イギリス軍のダイナモ作戦により、フランスの海岸線に取り残された30万人の兵士たちがイギリスに帰るまでが描かれていた。

この映画では、フランスのダンケルク海岸は出てこない。

その舞台は内閣であり、「どのようにしてダイナモ作戦が生れたのか」が描かれる。



チャーチルが首相に指名されてから間もなく、フランスはナチスドイツに占領され、パリが陥落するまで間もなくというところまできていた。

連合軍の一員としてフランスに進軍していたイギリス軍だったが、ナチスドイツに追い込まれ、カレーに数千人と、ダンケルクに30万人の兵士たちが追い詰められていた。



その時、イギリス軍にはダンケルクに兵士を助けに行く軍艦がなかったため、30万人もの兵士たちを助けることができないという見方をしていた。

しかし、チャーチルは「絶対に兵士たちを見捨ててはいけない。何としてでも助ける」と言って、あらゆる方法を模索したのだ。



そこで、米軍に援助要請の電話をするが、その当時、アメリカはまだ第二次世界大戦に参戦していなかったため、「中立を守るため、介入できない」と言って断られてしまう。

この後、チャーチルの説得でアメリカは第二次世界大戦に参戦することになる。



軍艦は残っていないし、他国にも頼れない。

もしもそうなったら、普通だったら、どう考えるのだろうか。

兵力が足りないなりに工夫して、なんとかできる限りの兵士を救おうと考えるだろうか。

しかし、そこは映画「ダンケルク」の中でも描かれていたけれど、数少ない軍艦が海岸にたどり着いたとしても、ドイツ軍の戦闘機や潜水艦に撃墜されてしまう。



そこで、チャーチルはカレーにいた3千人の兵士を犠牲にすることを考える。

カレーにいるイギリス軍がドイツ軍に戦闘をしかけ、敵の注目を引き付けている間に、ダンケルクにいる兵士たちを救う。

それにしても船が足りないので、「兵士たちをダンケルクに助けに行く民間船を募る」とラジオ放送をしたのだ。

そしてそれは、ダイナモ作戦と名付けられた。



カレーにいる兵士たちを犠牲にすることには、内閣にも反論があったし、イギリス軍参謀の反応もイマイチだった。



しかし、それでもチャーチルが「ダンケルクに残された兵士たちを全員助けるんだ」という意志を貫いた結果、思った以上に民間船が集まり、兵士を助けることができたのだ。

これは、それまでチャーチルについて「どうせ成果を上げられない首相」だと思っていた与党にとっては、思わぬ誤算だっただろう。



このダイナモ作戦の裏側を観られたことで、「ダンケルク」をより立体的に理解できたように思う。

その時の「なんとしてでも兵士たちを救うんだ」というチャーチルの苦悩の末に民間船投入を投入した思いがあって、あのたくさんの船がダンケルクの海岸線に現れる感動的なシーンが生れたんだと思った。



ウィンストン・チャーチルヒトラーから世界を救った男5


政治家は国民の声に耳を傾ける存在であって欲しい



しかし、私が、この映画の中で一番感動したのは、その「ダイナモ作戦」の話ではない。

最も心を打たれ、印象に残ったのは「チャーチルが地下鉄に乗った場面」だった。



チャーチルが首相になるまで、内閣はイタリアを仲介役にして、ナチスドイツと和平条約を結ぶつもりでいた

しかも、チャーチル本人は「ドイツには屈しない」という意見だったのにも関わらず、周りに説得された結果「イギリス本土の主権をイギリスが握れるのなら」という条件付きで和平条約を受け入れる側へ心が傾きかけていた



そこで、イギリス国王がチャーチル宅を訪問する。

それまで国王はチャーチルの反対側にいたのに、その時に「私は君の意見を支持する」「国民の声に耳を傾けて欲しい」と言ったのだ。

この国王がチャーチルを訪問する場面は、この映画で最も心に残るシーンの一つだった。



恐らく、王様は政治に介入してはいけないことになっているから、誰に知られないようにアポなしでひっそりとチャーチルを訪ねてきたのだろう。

それぐらい、王様は当時のイギリス軍の状況を憂慮していたに違いない。

もしも、そこで王様がチャーチルに声をかけなければ、本当に王様はカナダに亡命することになっていたのかもしれない。



そして、王様の訪問を受けた翌日の地下鉄。

チャーチルが乗った車両に偶然居合わせた乗客の「本土を攻撃されることになっても、屈してはいけない」という気持ち

その時のチャーチルと乗客のやり取りを観て、やはり、政治と言うのは、国民の声に直接耳を傾けるべきなのだと思った。

そうでないと、内閣で起きていることと国民の声の間には距離ができてしまう



もちろん、国民の大多数の声よりも、政治のプロとして、政治家や内閣の意見が正しいこともあるかもしれない。

たとえ参考程度であっても、どんなに偉くなっても、政治家には「国民の声に耳を傾ける時間」がとても貴重なものだと思って欲しいのだ。

なぜなら、彼らは国民の選挙によって選ばれた国民の代表だからだ。



そして、チャーチルは、彼らの声を聞き流すのではなく、ちゃんと自分の演説に反映した

そこが、「簡単に与党の操り人形にはならないチャーチルの意志の固さ」なんだと思った。

その意志の固さは「ダイナモ作戦」の時と通じている。



この当時、ヒトラーはホロコーストや軍事力で自分の意志を貫き通したけれど、その対極にいたチャーチルは、本来なら仲間のはずの与党の支持よりも、野党と国民の強い支持が力となってその意志を貫き通すことができたのだ。




ウィンストン・チャーチルヒトラーから世界を救った男2


肝心なことは、それを続ける勇気である



そして、この映画のラストにはチャーチルの言葉が引用される。

成功が上がりでもなければ、失敗が終わりでもない。

肝心なことは、それを続ける勇気である


この言葉には、とても感動した。



チャーチルは首相候補になるまで失敗を繰り返し、「誰にも支持されない嫌われ者」だった。

それでも「政治家人生を終わらせる」ことなく信念を持ち続ける。

そして、棚ぼたで首相になったからといって、自分の地位に胡坐をかくことなく、多数派に迎合しない自分の意志を持ち続ける。

そうして、最後の「決してナチスドイツには屈しない!!」という名演説が生れるのである。

それは、何があっても、自分の意志を曲げることなく持ち続けた結果だった



この映画の試写会に行った時、ハリー杉山さんのトークショーが上映後に行われた。

その時、ハリー杉山さんはお父様から「チャーチルがいなかったら、お前は生まれていなかったかもしれないんだよ」と言われながら育ったとお話しされていた。



もしも、チャーチルが他人の意見に迎合するタイプの政治家で、内閣の多数派に意見を合わせるタイプの政治家だったら、ドイツと和平条約を結び、ヨーロッパ全土が暗黒時代を迎えたかもしれない。

チャーチルがダンケルクにいた30万人の兵士を救ったことで兵力を温存し、アメリカに参戦を仰ぎ、アメリカと共にナチスドイツに立ち向かったからこそ、民主主義が守られたのだ。



最後まで、自分自身を貫き通すチャーチルの姿に感動し、政治家は国民の代表であるからこそ、常に国民の声に耳を傾ける人であって欲しいと強く願った作品だった

辻さんのメイクもとても素晴らしいので、ぜひ多くの日本人に観て欲しい一本。






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