スディーヴ・カレル主演の映画「フォックスキャッチャー」をWOWOWで観た。

アメリカのデュポン財閥の御曹司、ジョン・デュポンが起こした殺人事件の実話を映画化。

満足度 評価】:★★★★☆

決して楽しい作品ではないけど、「この人は何を考えているんだろう…」って考えながら、想像するのが面白かった。

とはいえ、考えたところで、答えはなかなか見つからないけど…。


「フォックス・キャッチャー」予告編 動画

(原題:FOXCATCHER)





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あらすじ


マーク・シュルツ(チャニング・テイタム)はロス五輪のレスリングの金メダリストである。

同じくレスリングの金メダリストで、兄のデイヴ(マーク・ラファロ)と共に、貧しいながらも練習に励む毎日。

ある時、大富豪のジョン・デュポン(スティーヴ・カレル)から、マークへ「話があるから、飛行機に乗って、我が家へ来てほしい」という電話がかかってくる。

理由も分からないままジョンを訪ねたマークは、彼から、「我が家でレスリングの練習をしないか」という誘いを受ける…。

フォックスキャッチャー

感想(ネタバレあり) 上流階級のスポーツ「キツネ狩り」をベースにして考える


欧米の上流階級の人たちの間で行われる「キツネ狩り」というスポーツがある。

日頃、キツネ狩りのために鍛えた猟犬たちを、キツネのいる森へ放ち、追い詰め、最後には猟犬がキツネを殺すことでゲームが終了する。

猟犬の管理者は、マスターと呼ばれ、そのゲームに勝つことで、名声を得ることができる。



そのキツネ狩りのルールをベースに、この映画を考えると、とても分かりやすい。

まず、猟犬は、マークやデイヴなどのレスリング選手たち。

デュポンがレスリング選手たちの練習場に「フォックスキャッチャー(キツネを狩る者)」と、名付けたのは、まさに文字通り。

キツネ狩りは、狩場というキツネの住む森で行われるが、この映画での狩場は、それはレスリング場にあたる。

獲物は、明らかに敵国の選手。

レスリング場で、敵を追い詰め、打ち負かしたものだけが、「金メダル」という栄光を手にすることができる。

そして、キツネ狩りでは、猟犬たちを管理する者が名声を手にするように、栄光を手にしたレスラーのコーチも同じく名声を手にすることができる。

いや、デュポンのシナリオでは、そこで名声を手にするはずだった。

だからこそ、マークとデイヴに、わざわざ頼みこんで、オリンピックの試合で、リングサイドのコーチの椅子を手に入れたのだった。

しかし、彼が莫大な費用をかけて挑んだゲームで、期待の猟犬・マークは負けてしまう。

もちろん、デュポンのシナリオ通りの名声は、手に入らなかった。

フォックスキャッチャー2

気に入らないことがあるとブチ切れる性質


デュポンは、幼い頃から、欲しいものは何でも手に入れてきた。

ヘリコプターも、自家用ジェットも、戦車もマシンガンだって持っている。

欲しいものは何がなんでも手に入らないと気が済まない性質のよう。

デュポンと母親の会話で、とても印象に残っているセリフがある。

「あなたの鉄道模型を手放して欲しいんだけど…」

と、なんの脈絡もなく、お母さんが話しだす。

この時、「あぁ、お母さんは認知症なんだなぁ」と思った。

同時に、その鉄道模型を手放そうとしたときに、かなりのひと悶着があったんだろうなぁという想像がついた。

なぜなら、そんな認知症かと思われるお母さんが、デュポンの気を損ねてはいけないと了承をとっている。

かつて、お母さんは、デュポンがその鉄道模型にもう興味がないと判断したんだろう。

鉄道博物館が欲しがるのなら、喜んで寄付しようと思った時、デュポンは、何の相談もなく、寄付するということに大激怒したのではないか。

その時の出来事が母にとっては心の傷となり、認知症らしく、大昔のその時のことを思いだしては、そのセリフを繰り返すではないか。

認知症の母親でも忘れられないぐらいの印象的な出来事…。

デュポンは、それを「あぁまたその話か」とでも言いたげに否定していたけど、彼は同じことをレスリングでも繰り返す。

フォックスキャッチャー3

どうしても欲しかった「名声」は、いくら金を積んでも手に入らない


デュポンが欲しかったのは、「オリンピックで金メダリストを育てた」という名声。

まさに、この上ない栄冠と思ったことだろう。

しかし、残念ながら、それはお金を積んで手に入るものではなかった。

そして、さらに気に入らないのは、デイヴはマークを敷地から逃がすという大失態まで犯したことだった。

当然、飼い主に噛みつりく猟犬など必要がない。

世の中、思い通りにいかない時は、激怒すれば誰かが彼の言うことを聞いてくれる。

そういう環境で育ったんだろうな。

デイヴは、飼い主であるデュポンから殺されてしまう。


フォックスキャッチャー4

ビックリする程いつもと違う3人の主演俳優たち


主人公のジョン・デュポンを演じるのは、スティーヴ・カレル

メイクや付けっ鼻のせいもあるけど、いつもと全く違う暗ーーーいスティーヴ・カレルが怖くて、気持ち悪くてドキドキした。

でも、それはそれで、このスティーヴ・カレルは好きだなぁ。

他の出演作には「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」、「30年後の同窓会」、「カフェ・ソサエティ」、「プールサイド・デイズ」、「エンド・オブ・ザ・ワールド」、「マネー・ショート 華麗なる大逆転」などなど

ジョン・デュポンが、どうしても金メダルをとらせたかったレスリング選手マーク・シュルツを演じるのは、チャニング・テイタム

最初、金メダリストなのに、地味で暗くて、オーラの欠片もない姿で出てきた時はビックリした。

あのマジック・マイクが地味で暗くてオーラの欠片もないなんて(笑)

きっと、そんな彼が見られるのも、この映画だけだと思う。

この映画でも、そんなチャニングは最初だけで、途中から、いつものチャラ男に戻っちゃうから(笑)

他の出演作には、「キングスマン:ゴールデンサークル」、「ローガン・ラッキー」、「マジック・マイク」、「22ジャンプストリート

そして、マークの兄、デイヴにはマーク・ラファロ

今回は、緑色の巨人になったりしない方のマーク・ラファロ

そもそも、彼は演技ができる人だって知ってるけど、一番最初に画面に登場してきたシーンで、身体のシルエットから、明らかに素人じゃないレスリング選手の体型になってたからビックリした。

今年(2016年)のアカデミー賞でも、映画「スポットライト 世紀のスクープ」の演技で助演男優賞にノミネートされている。

他の出演作には、「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」、「ゾディアック」、「コラテラル」など

マークの妻の役には、シエナ・ミラー(「アメリカン・スナイパー」、「マリリン&モナ 踊って、泣いて、輝いて」など)、ジョンの母親はヴァネッサ・レッドグレーブ(「アンコール!」、「大統領の執事の涙」など)が演じている。

フォックスキャッチャー5

「身の丈」が「進撃の巨人」レベルの財閥御曹司


子供の頃に、どうしても欲しいものがあって、親にねだった時に、それが本当に必要かどうか以前に、「家庭の事情」で買えない物ってあるじゃない??

あぁいう時って、子供ながらに我が家の経済事情を知ってしまって、それなりにブルーになったりしたもんだけど、今思えば、そうやって、「自分の身の丈」を知るために必要なことだったんだよね。

この映画のジョンは、その身の丈が「進撃の巨人」レベルだった。

もう、その辺にいる普通の人間なんて、食ってしまえぐらいのレベルなんだよ。

でも、それじゃぁ、人間界では暮らしていけないんだよねぇ。

財閥に生まれ、何不自由なく育っても、一般人と同じレベルで暮らしていくのは、とても辛そうだね。



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