シャーロット・ランプリング主演の映画「ハイヒールを履いた女」をWOWOWで観た。

ある殺人事件の鍵を握る謎の女と、彼女に惹かれていく刑事のサスペンスミステリー映画。

劇場未公開の作品をどこよりも早く公開する「WOWOWジャパンプレミア」の一本。


満足度 評価】:★★★★☆

地味な小品ながら面白い映画だった。

サスペンス映画ながら、心を惹かれるのは事件の謎解きではなく、事件の謎を握るある女の悲しみだった。

孤独が引き起こした悲しい出来事を描いた作品。


「ハイヒールを履いた女」予告編 動画(日本語字幕なし)

(原題:I, Anna)




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キャスト&スタッフ


出演者

シャーロット・ランプリング
…(「ともしび」、「レッド・スパロー」、「ベロニカとの記憶」、「さざなみ」、「リスボンに誘われて」、「クリーンスキン 許されざる敵」、「評決」など)

ガブリエル・バーン
…(「へレディタリー 継承」、「マイ・プレシャス・リスト」、「ユージュアル・サスペクツ」など)

エディ・マーサン
…(「人生はシネマティック!」、「アトミック・ブロンド」、「僕と世界の方程式」、「おみおくりの作法」など)

監督

〇バーナビー・サウスコーム

2012年制作 イギリス、ドイツ、フランス合作映画

映画「ハイヒールを履いた女」


あらすじ


ロンドンにあるアパートの一室で中年男性の他殺体が発見される。

バーニー刑事(ガブリエル・バーン)は、その中年男性の同居人が怪しいとみて捜査を進めるが、進展しない。

その一方でバーニーは、殺人現場付近でよく見かける女(シャーロット・ランプリング)のことが気になり始める…。


映画「ハイヒールを履いた女」シャーロット・ランプリング


感想(ネタバレあり)


電話線に求める「誰かとのつがなり」


原題のタイトルは「I, Anna」である。

これはアンナという女性が電話に出る時に第一声に発する言葉「私、アンナです」である。

映画も、まさにそのアンナがある男性に電話をかけているところからスタートする。

日頃、私たちが誰かに電話を掛ける時はどんな時だろうか。

メールよりも電話で話した方が早い時や、緊急の用事がある時など、必要に迫られた電話もある。

その一方で、「声を聞きたい電話」というのがある。

誰かとつながっていたい、その人の声が聴きたいと思う時、私たちは電話を使う。

今でこそ、携帯電話が主流になってしまったけれど、電話線がある家の電話や公衆電話は電話線があるだけで、より強く「誰かとつながっている」という印象がある。

前述した主人公のアンナは、この映画の中で頻繁に電話をかけ続ける。

ここで携帯電話ではなく、あえて公衆電話や家の電話を使ったのは、アンナが電話線を通じて誰かとつながっていたいと思っているからだと思った。

相手は、元夫だったり、娘だったり、新しく知り合った男性だったり…。

なぜ、彼女はそんなに頻繁に、しかも「公衆電話」から電話をかけ続けるのか…。

それは、彼女が孤独だからだ。


映画「ハイヒールを履いた女」シャーロット・ランプリング


「お見合いパーティ」に求める新しい出会い


アンナが電話と同じように頻繁に利用するのが、「独身パーティ」だ。

夫と離婚し、独身のアンナはお見合いパーティに参加し、そばにいてくれる男性を探し続ける。

それもまた、彼女の「誰かとつながりたい」という気持ちの表れだ。

そして、同じ参加者の女性から「男性を悦ばせる方法」を聞き出しては、それを積極的に試してみる。

たとえ、それが自分の気持ちに反した嫌な行為であっても。

私は、アンナが独身パーティに参加している様子を見て、イギリスにも日本と同じような「お見合いパーティ」があるのかとちょっとビックリした。

それに、アンナの見た目は独立した女性であり、仕事もしていて、何不自由なく暮らしているように見える。

そんな彼女ですら、「誰かとつながりたい」と感じ、不快な思いをしてまで男性についていくのか。

それもまた、彼女の孤独がさせる行動だった。


映画「ハイヒールを履いた女」ガブリエル・バーン、シャーロット・ランプリング


「孤独」が導く電話とパーティ


アンナのその「電話」と「独身パーティ」への執着心と奇行から見えてくるのは、彼女が心の奥底に抱える「孤独」だ。

以前は結婚し、娘を一人前に育て、それなりに満足した生活を送っていた。

しかし、ある日、夫から離婚され、心に大きな穴がぽっかりと開いてしまう。

それ以来、アンナはその大きな穴を埋めるように「電話」をし、「独身パーティ」へ足を運ぶ。

また、孤独を抱えた人間は、同じように孤独な人間を引き寄せ、互いの心の穴を埋め合おうとする。

バーニー刑事がアンナに心を惹かれたのは、彼も妻と別居していて、アンナと同じく「孤独」を抱えているからだった。

互いに孤独だからこそ感じ合い、引き寄せ合うものがあったのだと思う。

バーニー刑事がもっと早くアンナに出会えていたら、もしかしたら彼女を幸せにできたのかもしれない。

しかし、そうならないのが、人生であり、運命のような気がする。


映画「ハイヒールを履いた女」ガブリエル・バーン、シャーロット・ランプリング


「孤独」がもたらす悲劇と妄想


「孤独」は人の心を蝕み、破壊する。

アンナは離婚によって自分を見失い、孫を失うという最大の悲劇をもたらしてしまう。

決して意図的ではなく、完全な事故だった。

しかし、それによって、娘もまた彼女から離れていった。

そして、本当の「孤独」がやってくる。

「孤独」は彼女の心を見事に破壊した。

いないはずの娘や孫と一緒に暮らしていると妄想し、「つながり」を求めて離婚した夫に電話をかけ続け、新しい出会いを求めてさまよい続ける。

そして、第二の悲劇が生まれる。

アンナは、自分が殺人者になったと気付いた時、全ての呪縛から解かれて目が覚める。

そして、思うのは「死ぬこと」のみ。

バーニー刑事がアンナの希望になったものの、結局のところ、その後は一生病院暮らしになるのでは…と思った。

「離婚」から始まった小さな心の隙間が、ドンドン大きくなり、次々と不幸を産み出し、やがて全てが破壊される。

ジャンルとしてはサスペンス映画なのかもしれないけれど、事件の謎解きの部分よりも、「孤独」が心を破壊していく過程の方が恐ろしく、悲しい映画だった。





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