ギャスパー・ウリエル主演、グザヴィエ・ドラン監督映画「たかが世界の終わり」を映画館で観た。

余命わずかの劇作家が12年ぶりに帰郷し、家族に余命を打ち明けようとするが…。


満足度 評価】:★★★★☆

ラストがあまりにも寂しくて悲しく、エンドロールを見ながら自然と涙がこぼれてしまった作品だった。

共に暮らすことが幸せな家族もいれば、共にいることが苦痛な家族もある。

理解してもらおうと声をかけても、距離が縮まるよりもむしろ離れていくのが切ない。


「たかが世界の終わり」予告編 動画

(原題:JUSTE LA FIN DU MONDE /英題:IT'S ONLY THE END OF THE WORLD)




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キャスト&スタッフ


出演

ギャスパー・ウリエル
…(「エヴァ」、「ハンニバル・ライジング」など)

マリオン・コティヤール
…(「愛を綴る女」、「マリアンヌ」、「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」、「サンドラの週末」、「コンテイジョン」、「インセプション」など)

ヴァンサン・カッセル
…(「ジェイソン・ボーン」、「チャイルド44」、「美女と野獣」、「リオ、アイラブユー」、「バースデイ・ガール」、「避暑地で魔が差して」など)

レア・セドゥ
…(「007 スペクター」、「美女と野獣」、「ロブスター」、「あるメイドの密かな欲望」、「若き人妻の秘密」など)

ナタリー・バイ
…(「復讐のセクレタリー」、「シリアルキラーNo.1」、「ママはレスリング・クイーン」、「私はロランス」など)

監督・脚本

グザヴィエ・ドラン
…(<監督・主演作>「Mommy/マミー」、「神のゆらぎ」、「トム・アット・ザ・ファーム」<出演作>「ある少年の告白」、「エレファント・ソング」など)

2016年製作 カナダ・フランス合作映画



たかが世界の終わり



あらすじ


34歳の劇作家・ルイ(ギャスパー・ウリエル)は、12年ぶりに里帰りする。

それは、もうすぐ自分が死ぬことを家族に告げるためだった。

久しぶりに帰った我が家では、兄のアントワーヌ(ヴァンサン・カッセル)とその妻のカトリーヌ(マリオン・コティヤール)、妹のシュザンヌ(レア・セドゥ)と母(ナタリー・バイ)が待っていた。

笑顔とハグで迎えてくれた家族だったが、ルイは自分の病気のことを言い出せずにいた…。



たかが世界の終わり2



感想(ネタバレあり)


12年もの間、家族と音信不通だった劇作家の里帰り


12年ぶりに里帰りする時というのは、どういう気持ちなんだろうか…。

私は実家で両親と共に暮らしているので、余計にルイの心境が知りたくなった。



しかも、単なる里帰りではない。

自分がもうすぐ死ぬということを家族に告げるための里帰り

その思いは、どれだけ複雑なものだろうか



そして、なぜ12年間も音信不通でいたのか

12年前に何があったのかについては何も語られないので、彼がどんな思いでその12年間を過ごしたのか分からず、ルイの心境については、想像するしかなかった。



きっと緊張しているんじゃないかとか。

何せ12年ぶりだから、家族が温かく出迎えてくれるのを期待しているんじゃないかとか。

そんな想いもあり、ルイが家のドアを開けて中に入ってくるところは、ドキドキしながら観ていた。



ところが、12年ぶりだというのに、まるで、出て行ったのが昨日のことのような通常営業の家族の姿がそこにはあった

そこで、あぁ12年も離れていたとはいえ、やっぱり家族なんだなと思った。



たかが世界の終わり3



会話ができず、すぐにキレるイライラ家族


しかし、しばらくすると、この家族の問題点が見えてくる。

なんと、12年ぶりに息子が帰ってきたというのに、誰一人ルイの話を聞こうとしない

ルイの話どころか、家族の会話が会話になっていない



それぞれが一方的に話をし、互いを否定し合い、ののしり合う。

そんな不毛な時間ばかりが過ぎていく



監督のグザヴィエ・ドランは、あえて観客がイライラする演出をしている。

音楽を大音響で流し、母は金切り声を上げ、兄はすぐにキレ、妹は兄とケンカする。



そんな状況の中でも時折、わずかに、「ルイを理解しよう」という姿勢が見え隠れする。

兄のアントワーヌは一緒にタバコを買いに外に出たり、妹のシュザンヌは自分の部屋に招き入れたりする。

それでも、2人きりになったところで話が平行線なのは変わらず、兄と妹は2人揃って「ルイが理解できない」とぼやく。



極めつけは母親で、ルイのことを「誰よりも強く愛している」と言いながら、余命わずかなルイに向かって、「元気そうで良かった」と言ってしまう。

もちろん、彼女はルイが余命僅かだなんて知りもしないのだけれど、そもそも「ルイの近況も、本当の姿も」知ろうとしないのである。

母親なのに。



そんな彼女の口からでた「愛している」の言葉は、ルイにぶつかって滑り落ちていく。

そんな状態だから、ルイも話をするきっかけを失ってしまう。



そのルイにとって救世主のように存在するのが、アントワーヌの妻、カトリーヌだった

カトリーヌは、家族にとって「よそ者」だ。



だからこそ、冷静な立場でこの家族のことを見つめ、ルイに同情するのだ。

血のつながっていない家族が唯一の理解者だなんて、なんとも悲しい皮肉だ



たかが世界の終わり5



家族に何を期待して帰郷したのか


最も心に残っているシーンは、最後のデザートの時間だった。



その時、それまで無口だったルイが重い口を開いた。

そして、「これまでのことを反省し、実家にはもっと頻繁に帰って来るよ」と宣言する。



しかし、家族はそんなルイの提案を誰も喜ぼうとしない

兄や妹に「家へ遊びにおいで」と言ったり、「週末どこかへ出かけよう」と言っても、いろいろ言い訳を言って同意しようとしない。

これは、家族のルイへの拒絶反応だった。



さらに兄のアントワーヌは「そんな話は聞きたくなかった」とばかりに怒り出し、「ルイを空港まで送る」と言い出す。

そんなアントワーヌの振る舞いに怒った家族がケンカになる。

当事者のルイがアントワーヌに何も言ってないのに…。



家族はケンカを初め、ルイは一人ぼっち

拒絶の後に来るのは、家族の中での孤独



これが、この家族の日常であり、最初にハグをして歓待をしたのが異常だったんだと思った。

そして、その時に、「あぁ12年前も、ルイはこうして静かに家を出て行ったんだな」と思った。

「あの頃と何か変わっているかもしれない」と思って、少しは期待して帰ってきたのに、現実は一ミリも変わっていなかった



「たかが世界の終わり」

それは、ルイの世界が終わっても、この家族は一切変わることがないことを示している。



僕は家族に何を期待したんだろう

そのあきらめのような心境が、夕焼けの中、家を去っていくルイの背中に見えた。

その孤独感があまりにも悲しくて、思わず涙が溢れてしまった。



たかが世界の終わり4



家族へのあきらめを感じる27歳天才若手監督


監督は27歳のカナダ人、グザヴィエ・ドラン

これまで、「Mommy/マミー」や「トム・アット・ザ・ファーム」などで家族をテーマに描いてきた。



今回は、フランスのメジャーな俳優たちを使い、監督に徹したドラン。

Mommy/マミー」や「トム・アット・ザ・ファーム」などでの作品では、家族、特に母親との愛にこじれた青年が、「もっと愛してくれ、愛してくれなきゃ死んでやる!!」というような激しい心の叫びが聞こえていた印象だった。



しかし、今回の「たかが世界の終わり」では、

「そうですか。分かり合えないのなら、私の方から姿を消しますね」

という、母親や家族からの逃避を感じた



これは家族に対するあきらめなのか…。

それとも、27歳の成長なのか。



彼の気になる次回作は、英語作品であり、アメリカの人気俳優と11歳のファンの少年の間に交わされた往復書簡から発覚したスキャンダルが描かれるという。

となると、次回は家族というテーマからいったん離れるのか…。

いずれにせよ、次はどんな作品を送り出してくるのか、非常に気になる27歳天才映画監督なのだ。





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