シアーシャ・ローナン主演の「レディ・バード」を映画館で観た。

サクラメントで暮らす普通の女子高生のキラキラした日々を描く。グレタ・カーウィグの自伝的要素を込めた作品。


満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

これは素晴らしい映画だったーーー!!

平凡な女子高生が、時に痛々しく笑わせながら成長し、ダサいと思っていたことの素晴らしさに気付く。

田舎でくすぶっている女子高生たちへの応援歌であり、母への素晴らしいラブレターである。



「レディ・バード」予告編 動画

(原題:Lady Bird)



更新履歴・公開情報


・2018年6月5日 映画館にて鑑賞。

・2018年7月4日 感想を掲載。

現在、公開中。劇場情報は下記公式サイトより。
 ↓



DVDで観る:「レディ・バード」

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キャスト&スタッフ


出演者



〇ローリー・メトカーフ

〇トレイシー・レッツ



〇ビーニー・フェルドスタイン



監督・脚本



2017年製作 アメリカ映画



レディ・バード



あらすじ


2002年 田舎町のサクラメントで暮らす女子高生のクリスティン(シアーシャ・ローナン)は、自分の名前が気に入らず、「レディ・バード」と名乗り、両親にもレディ・バードと呼ぶように言っていた。

高校生最後の年を迎えたレディ・バードは、この田舎町を抜け出し、NYの大学に行くことを夢見ているが、母親(ローリー・メトカーフ)からは地元の大学に通うように言われる。

そこで彼女は母には内緒で父(トレイシー・レッツ)を味方につけ、NYの大学に行けるように計画する…。



レディ・バード4




感想(ネタバレあり)


ダサい毎日にうんざりしている女子高生のキラキラした日々



ダサい毎日にうんざり。

早くこんな田舎町を出て、都会でおしゃれな生活をしたいし、親なんてうざいだけ。

私にはイケメンの彼氏や、イケてる友達ができて、人生はもっと光り輝くはず。



きっと、かつて女子高生だった人なら誰でも、そう思っていた時期があるはず。

この映画は、そんな「女子高生あるある」が詰まったキラキラした映画だった。



舞台は2002年 カリフォルニア州にある田舎町のサクラメント。

主人公は、高校生最後の年を迎えたクリスティン。

自分の名前が嫌いで、レディ・バードと名乗っている。



なぜ、舞台が2002年なのか。

この映画は、「20センチュリー・ウーマン」や「マギーズ・プラン-幸せのあとしまつ-」で女優として出演しているグレタ・カーウィグの初監督作品であり、彼女の自伝的要素が込められた作品だからである。

2002年に、グレタ・カーウィグはサクラメントで十代を過ごしていたのである。



身の回りの全てが嫌いなレディ・バード」とは、グレタ・カーウィグ自身のことであり、今となっては、ハリウッドで最も将来有望な監督、女優と言われる彼女の思春期がイキイキと、キラキラと描かれていた。



ちなみに、「レディ・バード」を直訳すると「てんとう虫」であり、西洋でてんとう虫はマリアの虫と言われ、幸運を呼ぶ虫 ラッキーアイテムとして知られている。

つまり、クリスティンは「私は幸運を呼ぶ女神なんだから、明日からそう呼んでね」なんて自分で宣言してしまう、ちょっとイタイ女子高生なのである。



イタイ女子高生というと、映画「スウィート17モンスター」がすぐに思い浮かぶ

この「レディ・バード」と「スウィート17モンスター」はよく似た作品だけど、とても対照的だ。

スウィート17モンスター」の主人公ネイディーンは、「私なんて死んだほうがまし」と考えるネガティブタイプだが、「レディ・バード」のクリスティンは「私には、もっと洗練された都会の生活が待っている」という「根拠のない自信」に基づくポジティブタイプだ。



女子高生の思考回路は、日々、ネイディーンとクリスティンを行ったり来たりするものだ。

昨日はネガティブ、今日はポジティブ。

それこそが思春期であり、だからこそ、どちらの気持ちにも共感できるのだ。

両方の映画を見比べてみて、自分はどちらのタイプだったか見返してみるのも楽しいと思う。



レディ・バード2




毎日が退屈なのは、周りが悪いせい



そんなちょっとイタイ女子のレディ・バードは、特に勉強ができるわけでもなく、クラスで目立つタイプでもない。

どこにもいる平凡な女子高生だ。



その年頃の女子高生らしく、身の回りの全てが気に入らない

自分はもっとイケてる女子だと思っている。

名前はレディ・バードだし、もっとカッコイイ彼氏がいて、もっとおしゃれな友達が自分には合っている。



何より、こんなダサい田舎町に暮らしていることにうんざりしている。

「私はこんなところにくすぶっているタイプではない。NYこそが、私にピッタリ合った町なんだ」と
思い、母親に反対されても大学はNYへ行こうと決めていた。



そんなレディ・バードには、日本でも多くの人たちが共感するに違いないと思う。

私は田舎町ではないけれど、横浜で暮らしていた。

それでも「東京に行きたい」と思い続け、東京の大学に行くことだけを考えていた。

東京に行けば、キラキラした人生が待っていると思っていたのだ。



毎日が退屈でつまらないのは、自分の努力が足りないのではなく、周りが悪いと考える。

それこそが、身体は大人でも、精神面が成長していない子供である証拠なのだ。

そんな「満たされない毎日」から抜け出して、さらに上を目指すことこそが成長の証なのだ。



しかし、本人はそのことに気付いていないからこそ、いろいろと失敗してしまうのだ。

その「痛み」こそが「成長の痛み」であり、この映画の愛すべきところなのである。



レディ・バード5




思い描いていた理想と現実の落差に気付かされる ありがたさ



しかし、都会の大学に行ったからといって、人生がキラキラするわけではない

レディ・バードもそのことに気付かされる



イケメンの彼氏と付き合っても、イケてる女子と友達になっても、憧れのNYで暮らし始めても人生がキラキラするわけではないのだ。

恋や友情は見た目のカッコ良さで手に入れられることはできないし、どんなに憧れても自分が育った町にかなうものはない。

まさに、理想と現実の違いを知るのが十代の痛みなのだ。



そして、サクラメントの両親の元からNYへ離れてみて初めて、それまで育ててくれた両親のありがたさを知ることになる。

クリスティンという名前は両親がつけてくれた素晴らしい名前だと初めて思うのだ。



そんなクリスティンの思いの一つ一つがとても丁寧に、イキイキと描かれているところがとても素晴らしい作品だった。

脚本を書いたグレタ・カーウィグにとって、当時は「ダサい毎日」だと思っていたけれど、大人になってみて、ようやく全てが輝いた日々に思えたに違いない。

だからこそ、その輝いた日々をこうして映画化したのだ。



レディ・バード3




「何事にも満足できない」気持ちがレディ・バードを成長させる



サクラメントで暮らしていたレディ・バードは、友達も、彼氏も、家族も、学校も、全てのことに満足できず、羽を広げてNYへと飛び立ったのだ。

そして、サクラメントから離れてみて初めて、そこで過ごした日々が素晴らしかったことに気付いた上で、NYで新しい人生をスタートさせる。



彼女の素晴らしいところは、常に「現状に満足しないこと」なのだ。

「私の人生はこんなもんじゃない。きっと、もっといい人生が私にはあるはず」と思うからこそ、上へ上へと目指せるのだ。



この映画を観て少し驚いたのは、クリスティンがあまりにも普通の女子高生だったことだ。

演劇をやってみても端役しかもらえず、勉強が得意なタイプでもない。

2002年にNYの大学に入れたのも、「911同時多発テロ」の翌年でNYの人気が落ちていたからだ。



ところが、そんな彼女が今となっては「アカデミー賞ノミネート監督」になっているのだ。

そんな彼女の成功は、田舎で暮らす女子高生たちの励みになるに違いないと思う。

だからこそ、グレタ・カーウィグもこの映画を撮ったに違いないと思った。



周りから「イタイ女」だと思われてもいい、「自分の世界観」を信じて諦めずに突き進めば、きっと自分の信じた世界を手に入れる時がやってくる

そう思える素晴らしい映画だった。

そして、「私はこんなはずじゃない」と思っている全ての人に見て欲しい作品である。

他の誰よりも、自分のことは自分で信じてこそ、信じた道が開けてくるのだ。



そして、この映画をグレタ・カーウィグの母親は見たのだろうか。

これは、母親への素晴らしいラブレターでもあった



クリスティンは、サクラメントから離れ、NYで暮らしてみてようやく母の偉大さに気付く

これもまた、子供から大人になる瞬間に誰もが気付かされる思いである。

NYへ行ったクリスティンがサクラメントでの日々の素晴らしさに気付き、その思いを綴った場面では思わず涙が溢れてしまった。



もしも、グレタ・カーウィグの母が観たとしたら、号泣して観たに違いない。



かつて、何者でもないただの高校生だった人たち全てに観て欲しい作品である。




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