エマ・ストーン、ライアン・ゴズリング主演の映画「ラ・ラ・ランド」を映画館で観た。
LAのハリウッドでの成功を夢見る男女が恋に落ち、共に励まし合い夢に向かっていくミュージカル。
【満足度 評価】:★★★★★
とにかく最初から最後まで、画面の隅から隅まで楽しかった。
時々、泣いたりしたし、映画館を出た時には、私も踊れるような気分になっていたから不思議。
私も明日からがんばろう!と思える作品だった。
◆ネット配信で観る:「ラ・ラ・ランド」(字幕版)
◆DVDで観る:「ラ・ラ・ランド」コレクターズ・エディション(2枚組) Blu-ray
◆「ラ・ラ・ランド」オリジナル・サウンドトラック
…(「女王陛下のお気に入り」、「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」、「マジック・イン・ムーンライト」、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」、「アメイジング・スパイダーマン」など)
〇ライアン・ゴズリング
…(「ファースト・マン」、「ブレードランナー 2049」、「ドライヴ」、「きみに読む物語」など)
〇ジョン・レジェンド
〇J・K・シモンズ
…(「フロントランナー」、「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!」、「パトリオット・デイ」、「ザ・コンサルタント」、「Re:LIFE リライフ」、「セッション」、「マーダー・オブ・キャット」、ドラマシリーズ「カウンターパート/暗躍する分身」など)
…(「ファースト・マン」、「セッション」など)
2016年製作 アメリカ映画

LAで女優として成功を夢見るミア(エマ・ストーン)はオーディションを受けまくる日々。
しかし、なかなか役を得ることはできない。
同じくLAでジャズバーのオーナーになりたいジャズピアニストのセバスチャン(愛称:セブ)(ライアン・ゴズリング)は、レストランでピアノを弾くがジャズを弾かせてもらえない。
そんな二人が、ある時パーティで出会う。
たまたまセブが弾くジャズを聴いたミアが彼の音楽を気に入り、パーティで声を掛けたのだ。
それから二人は会うようになり、恋に落ちるのだが…。

私の心は、いきなりオープニングから鷲掴みにされた。
渋滞している高速道路。
どこまでも続く車の列。
いつまでも動かず、ただ時間だけが過ぎ、ドライバーたちは明らかにイライラしている。
すると、ドライバーたちが車から降りて歌い、踊り出す。
車の上に乗って踊っている人もいれば、フラフープをしている人もいれば、太鼓を叩いている人もいる。
なんだか、みんなとても楽しそう!!
本当にいつもの渋滞がこんな風だったら楽しいのに!!
私はその冒頭のミュージカルシーンでやられてしまい、
思わず舞台のミュージカルを見ているみたいに拍手をしそうになり、
画面の奥の方の遠くの遠くの車の上で飛び跳ねているエキストラのダンサーたちを観て泣きそうになった。
高速道路の上、果てしなく長く続く渋滞を使ってミュージカルにするなんて!!
これこそが、映画にしかできないミュージカル!
この冒頭のシーンだけでも、何回も観たくなる素晴らしさで、なんて楽しい映画なんだろうと思った。

あのシーンの意味はここにあるとか、これは何を表現しているとか、いつもの映画だったらネチネチと書いているような理屈はこの映画には必要ない。
最初から最後まで鮮やかな色彩に目を輝かせ、素晴らしい音楽に耳を研ぎ澄ませ、軽やかに踊るダンスに心を躍らせれば良い。
私の陳腐な感想なんて、全く必要ない(笑)
しかし、映画感想ブログを運営している身としてはそうもいかず…
大切な読者の方を失ってしまいかねない…(笑)
そんな中、あえて私が好きなシーンを上げるとすれば、「プラネタリウム」のシーンだ。
ミアとセブの初めてのデート。
待ち合わせは名画座。
上映されていたのは、ジェームズ・ディーン主演の映画「理由なき反抗」。
映画を観ていた二人が暗闇の中でキスをしようとしたら、フィルムが焼けてしまい(「ニュー・シネマ・パラダイス」みたいだよね)、場内が明るくなってしまう。
せっかくのデートが台無しになりかけた時、セブがミアに「いいところがある」という。
そこは、「理由なき反抗」の舞台になった天文台だった。
そうして始まったのが、天井にたくさんの星が輝くプラネタリウムをバックにしたミュージカルシーンだった。
初めてのデート。
二人の気持ちは浮ついてふわふわしている。
そんな気持ちを表現するように、2人は星空へと浮かんでいく。
それは、まさに「天にも昇る気持ち」。
あの場面を観た時には、「この映画はなんてロマンティックで素敵なんだろう」と思った。

主人公のセブはジャズピアニストであり、良いジャズとお酒を提供するジャズバーの経営を夢見ている。
そんなセブの様子を観ながら、「そういえば、最近、ジャズらしいジャズを聴いてないな」と思った。
「ジャズ」といったら、古い時代を表現するものであり、クラシックなイメージがある。
ミアも映画の中で、セブがジャズミュージシャンであることを知りながら、ハッキリと「ジャズは嫌い」と言い切っている。
さらには、セブと共にジャズバンドを組んだジョン・レジェンド演じるキースは、ジャズでスタートした音楽に途中から電子音を組み込み、次第にR&Bへと変化させている。
むしろ、キースたちが演奏した曲こそが最近の音楽っぽい。
最近では、熱狂的なファンを除き、一般の人が積極的にジャズを聴こうとしなくなった。
この映画では、そんなジャズのような「忘れ去られそうなエンターテインメント」にあえてスポットライトをあてている。
ミュージカル映画もその1つ。
昔は、ハリウッドが主体となってオリジナルのミュージカルを作っていたのに、今ではブロードウェイでヒットした作品ばかりを映画化するようになり、「映画ならではの」ミュージカルをなかなか観られなくなった。
そして名画座。
ミアとセブが初デートした名画座は、閉館されることが決まってしまった。
フィルムで撮影されたハリウッド黄金時代の映画を、わざわざ映画館へ足を運んで観ようとする人が減ってしまった。
そして、a-haの「Take On Me」(笑)
もう80年代ポップスなんて誰も知らない(笑)
ジャズも、ミュージカル映画も、名画座も、a-haも、みんな時代遅れで、ハリウッドの遺産となってしまった。
ハリウッドはこれまでたくさんの素晴らしいエンターテインメントを作ってきたのに、時代が経つにつれ、人々はその素晴らしさを忘れてしまう。
そして、新しいテクノロジーへと人が流れていく。
32歳という若手監督デイミアン・チャゼルは、あえて人々から忘れさられつつある「素晴らしきハリウッドの遺産」を地下深くから掘り起こし、新たに現代風にアレンジして、その素晴らしさを表現してみせた。
エンターテインメントの「温故知新」。
ちょっと古くなってしまった文化を「クラシック」というジャンルに閉じ込めてしまう前に、ほこりを払い、新たに色を付け直せば、こんなに楽しい作品になるよ。
と、この映画で教えられた気分だった。

夢を見るのはとても簡単なことである。
むしろ、多くの人が「〇〇になりたい」という夢を抱く。
しかし、実際に夢に向かって行動し、なおかつ行動し続けることは非常に難しい。
誰もがその途中で壁にぶち当たり、「もう無理だ」と言って挫折してしまう。
ミアとセブは互いに夢に向かっている途中に出会った。
お互いが夢を追いかけているからこそ、共感できるところもあり、恋に落ちてしまう。
共に夢を追う「同志」のような存在だったように思う。
そして、セブに背中を押されたことによって、ミアは夢を叶える第一歩を踏み出すことになった。
しかし、ミアが夢を手に入れた代償として失ったものもある。
それが「セブの愛」だった。
逆に、「セブの愛」を手に入れていれば、温かい家庭を手にすることはできても、女優への道は断念していたのかもしれない。
華やかなサクセスストーリーの裏で、ちょっと切ない悲恋の物語があるのも、「夢の町LA(ロサンゼルス)流」ならでは。
その切ない思いを乗り越えて、ミアはより偉大な女優へと成長していく。
Wikipedia調べによれば、デイミアン・チャゼルは若い頃、ジャズ・ミュージシャンになることを夢見ていたという。
しかし、才能が無いと諦め、映画監督に転身。
その時の経験を元に作られた映画が「セッション」なんだとか。
最後にちょっと物悲しい表情を浮かべたセブは、もしかしたら、デイミアン・チャゼルの分身なのかもしれない。
素敵な夢の後に見た「The End」の文字がなんだかとても切なく見えた。
本当に、最後の最後まで素晴らしい映画だった。
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◆「ラ・ラ・ランド」オリジナル・サウンドトラック
LAのハリウッドでの成功を夢見る男女が恋に落ち、共に励まし合い夢に向かっていくミュージカル。
【満足度 評価】:★★★★★
とにかく最初から最後まで、画面の隅から隅まで楽しかった。
時々、泣いたりしたし、映画館を出た時には、私も踊れるような気分になっていたから不思議。
私も明日からがんばろう!と思える作品だった。
「ラ・ラ・ランド」予告編 動画
(原題:LA LA LAND)◆ネット配信で観る:「ラ・ラ・ランド」(字幕版)
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◆「ラ・ラ・ランド」オリジナル・サウンドトラック
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キャスト&スタッフ
出演者
〇エマ・ストーン…(「女王陛下のお気に入り」、「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」、「マジック・イン・ムーンライト」、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」、「アメイジング・スパイダーマン」など)
〇ライアン・ゴズリング
…(「ファースト・マン」、「ブレードランナー 2049」、「ドライヴ」、「きみに読む物語」など)
〇ジョン・レジェンド
〇J・K・シモンズ
…(「フロントランナー」、「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!」、「パトリオット・デイ」、「ザ・コンサルタント」、「Re:LIFE リライフ」、「セッション」、「マーダー・オブ・キャット」、ドラマシリーズ「カウンターパート/暗躍する分身」など)
監督・脚本
〇デイミアン・チャゼル…(「ファースト・マン」、「セッション」など)
2016年製作 アメリカ映画

あらすじ
LAで女優として成功を夢見るミア(エマ・ストーン)はオーディションを受けまくる日々。
しかし、なかなか役を得ることはできない。
同じくLAでジャズバーのオーナーになりたいジャズピアニストのセバスチャン(愛称:セブ)(ライアン・ゴズリング)は、レストランでピアノを弾くがジャズを弾かせてもらえない。
そんな二人が、ある時パーティで出会う。
たまたまセブが弾くジャズを聴いたミアが彼の音楽を気に入り、パーティで声を掛けたのだ。
それから二人は会うようになり、恋に落ちるのだが…。

感想(ネタバレあり)
オープニングのミュージカルが素晴らしくて思わず拍手しそうになった
私の心は、いきなりオープニングから鷲掴みにされた。
渋滞している高速道路。
どこまでも続く車の列。
いつまでも動かず、ただ時間だけが過ぎ、ドライバーたちは明らかにイライラしている。
すると、ドライバーたちが車から降りて歌い、踊り出す。
車の上に乗って踊っている人もいれば、フラフープをしている人もいれば、太鼓を叩いている人もいる。
なんだか、みんなとても楽しそう!!
本当にいつもの渋滞がこんな風だったら楽しいのに!!
私はその冒頭のミュージカルシーンでやられてしまい、
思わず舞台のミュージカルを見ているみたいに拍手をしそうになり、
画面の奥の方の遠くの遠くの車の上で飛び跳ねているエキストラのダンサーたちを観て泣きそうになった。
高速道路の上、果てしなく長く続く渋滞を使ってミュージカルにするなんて!!
これこそが、映画にしかできないミュージカル!
この冒頭のシーンだけでも、何回も観たくなる素晴らしさで、なんて楽しい映画なんだろうと思った。

初デートはまさに「天にも昇る気持ち」
あのシーンの意味はここにあるとか、これは何を表現しているとか、いつもの映画だったらネチネチと書いているような理屈はこの映画には必要ない。
最初から最後まで鮮やかな色彩に目を輝かせ、素晴らしい音楽に耳を研ぎ澄ませ、軽やかに踊るダンスに心を躍らせれば良い。
私の陳腐な感想なんて、全く必要ない(笑)
しかし、映画感想ブログを運営している身としてはそうもいかず…
大切な読者の方を失ってしまいかねない…(笑)
そんな中、あえて私が好きなシーンを上げるとすれば、「プラネタリウム」のシーンだ。
ミアとセブの初めてのデート。
待ち合わせは名画座。
上映されていたのは、ジェームズ・ディーン主演の映画「理由なき反抗」。
映画を観ていた二人が暗闇の中でキスをしようとしたら、フィルムが焼けてしまい(「ニュー・シネマ・パラダイス」みたいだよね)、場内が明るくなってしまう。
せっかくのデートが台無しになりかけた時、セブがミアに「いいところがある」という。
そこは、「理由なき反抗」の舞台になった天文台だった。
そうして始まったのが、天井にたくさんの星が輝くプラネタリウムをバックにしたミュージカルシーンだった。
初めてのデート。
二人の気持ちは浮ついてふわふわしている。
そんな気持ちを表現するように、2人は星空へと浮かんでいく。
それは、まさに「天にも昇る気持ち」。
あの場面を観た時には、「この映画はなんてロマンティックで素敵なんだろう」と思った。

エンターテインメントの「温故知新」
主人公のセブはジャズピアニストであり、良いジャズとお酒を提供するジャズバーの経営を夢見ている。
そんなセブの様子を観ながら、「そういえば、最近、ジャズらしいジャズを聴いてないな」と思った。
「ジャズ」といったら、古い時代を表現するものであり、クラシックなイメージがある。
ミアも映画の中で、セブがジャズミュージシャンであることを知りながら、ハッキリと「ジャズは嫌い」と言い切っている。
さらには、セブと共にジャズバンドを組んだジョン・レジェンド演じるキースは、ジャズでスタートした音楽に途中から電子音を組み込み、次第にR&Bへと変化させている。
むしろ、キースたちが演奏した曲こそが最近の音楽っぽい。
最近では、熱狂的なファンを除き、一般の人が積極的にジャズを聴こうとしなくなった。
この映画では、そんなジャズのような「忘れ去られそうなエンターテインメント」にあえてスポットライトをあてている。
ミュージカル映画もその1つ。
昔は、ハリウッドが主体となってオリジナルのミュージカルを作っていたのに、今ではブロードウェイでヒットした作品ばかりを映画化するようになり、「映画ならではの」ミュージカルをなかなか観られなくなった。
そして名画座。
ミアとセブが初デートした名画座は、閉館されることが決まってしまった。
フィルムで撮影されたハリウッド黄金時代の映画を、わざわざ映画館へ足を運んで観ようとする人が減ってしまった。
そして、a-haの「Take On Me」(笑)
もう80年代ポップスなんて誰も知らない(笑)
ジャズも、ミュージカル映画も、名画座も、a-haも、みんな時代遅れで、ハリウッドの遺産となってしまった。
ハリウッドはこれまでたくさんの素晴らしいエンターテインメントを作ってきたのに、時代が経つにつれ、人々はその素晴らしさを忘れてしまう。
そして、新しいテクノロジーへと人が流れていく。
32歳という若手監督デイミアン・チャゼルは、あえて人々から忘れさられつつある「素晴らしきハリウッドの遺産」を地下深くから掘り起こし、新たに現代風にアレンジして、その素晴らしさを表現してみせた。
エンターテインメントの「温故知新」。
ちょっと古くなってしまった文化を「クラシック」というジャンルに閉じ込めてしまう前に、ほこりを払い、新たに色を付け直せば、こんなに楽しい作品になるよ。
と、この映画で教えられた気分だった。

華やかな世界の裏に切ない悲恋があるのもLA流
夢を見るのはとても簡単なことである。
むしろ、多くの人が「〇〇になりたい」という夢を抱く。
しかし、実際に夢に向かって行動し、なおかつ行動し続けることは非常に難しい。
誰もがその途中で壁にぶち当たり、「もう無理だ」と言って挫折してしまう。
ミアとセブは互いに夢に向かっている途中に出会った。
お互いが夢を追いかけているからこそ、共感できるところもあり、恋に落ちてしまう。
共に夢を追う「同志」のような存在だったように思う。
そして、セブに背中を押されたことによって、ミアは夢を叶える第一歩を踏み出すことになった。
しかし、ミアが夢を手に入れた代償として失ったものもある。
それが「セブの愛」だった。
逆に、「セブの愛」を手に入れていれば、温かい家庭を手にすることはできても、女優への道は断念していたのかもしれない。
華やかなサクセスストーリーの裏で、ちょっと切ない悲恋の物語があるのも、「夢の町LA(ロサンゼルス)流」ならでは。
その切ない思いを乗り越えて、ミアはより偉大な女優へと成長していく。
Wikipedia調べによれば、デイミアン・チャゼルは若い頃、ジャズ・ミュージシャンになることを夢見ていたという。
しかし、才能が無いと諦め、映画監督に転身。
その時の経験を元に作られた映画が「セッション」なんだとか。
最後にちょっと物悲しい表情を浮かべたセブは、もしかしたら、デイミアン・チャゼルの分身なのかもしれない。
素敵な夢の後に見た「The End」の文字がなんだかとても切なく見えた。
本当に、最後の最後まで素晴らしい映画だった。
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