ジェイク・ギレンホールの映画「ライフ」を映画館で観た。

宇宙ステーションが地球外生命体によってパニックに陥るSF映画。


満足度 評価】:★★★★☆

タイトルの通り、「生命の神秘」に溢れたSF映画だった。

行動が予測不能な地球外生命体の動きが面白かった。

この自然界を全て人間が支配していると思ったら大間違いで、人間が勝手に寝た子を起こしたのなら、その傲慢な行いが報いを受けるのも当然なんだろう。


「ライフ」予告編 動画

(原題:LIFE)




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キャスト&スタッフ


出演者

ジェイク・ギレンホール

レベッカ・ファーガソン
…(「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」、「愛の亡命」、「ミッション:インポッシブル/ローグネイション」など)

ライアン・レイノルズ
…(「デッドプール2」、「クリミナル 2人の記憶を持つ男」、「デッドプール」、「黄金のアデーレ 名画の帰還」、「ワイルド・ギャンブル」、「あなたは私の婿になる」など)

真田広之
…(「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」、「レイルウェイ 運命の旅路」など)

〇アリヨン・バカレ

〇オルガ・ディホヴィチナヤ


監督

ダニエル・エスピノーサ
…(「チャイルド44」など)


2017年製作 アメリカ映画

ライフ

あらすじ


宇宙ステーションが火星探査機に採取させた砂を調査したところ、生物と思われる細胞を発見する。

しかし、その細胞が冬眠状態にあったため、科学者のヒュー(アリヨン・バカレ)は、気体を地球に生命が生まれた頃の状況と同じに設定し、ブドウ糖を与えたところ、細胞が動き出しみるみる成長するようになった。

地球では、「世紀の発見」だと言われ、その細胞にはカルビンという名前が付けられる。

ところが、そのカルビンの学習能力が高く、人間を襲うようになってしまい…。


ライフ2

感想(ネタバレあり)


人間が「自然の摂理」を超えた時


科学者の「飽くなき探求心」が、自然界で超えてはいけない「一線」を越え、罰としてその報いを受ける時



似たような話で言えば、「ジュラシック・パーク」、「ジュラシックワールド」シリーズ。

研究者が「本物の恐竜が見たい」という夢を叶えるため、琥珀の中で化石になった蚊の血液からDNAを採取し、足りない部分を爬虫類(カエルなど)のDNAで穴埋めし、恐竜のクローンを生み出すことで「一線」を超えてしまった。

「恐竜は絶滅した」のが自然の摂理にも関わらず、人間の「本物が見たい」という傲慢な欲望がその摂理を書き換えてしまった。

それを許さなかった自然は、作り出した恐竜を通じて人間に襲いかかっていく。



この映画「ライフ」では、火星で何億光年も昔に絶滅し、冬眠状態となっていたカルビン。

その眠っていた細胞を発見し、「世紀の大発見だ!!」と喜んでいた人間たちは、その細胞に命を吹き込み、「一線」を超えてしまう。

自然界はカルビンを通じて、「一線」を超えた人間たちに罰を与えることとなる



この映画はタイトルの通り、そんな「生命の神秘」に溢れた作品だった



ライフ3



人間にとって未知の研究でも、相手にとって人間は「ただの餌」


きっかけは、先程も書いた通り「寝た子を起こした」ことに始まる。

科学者のヒューは、手塩にかけて、地球外生命体 カルビンの面倒をみていた。

それは彼の科学者としての探求心から来るものだっただろう。



宇宙ステーションで研究するような世界でもトップクラスの科学者なら、その世紀の大発見に飛びついて当然だし、誰よりも熱心に研究して当たり前だ。



それに、ヒューがカルビンの研究に熱意を燃やすのは、それだけが理由ではなかった。

彼は両足が不自由で、地球上では車椅子なしで移動することができない

万能細胞であるカルビンを研究すれば、彼のように手足が不自由な人の助けになるかもしれない



もっと言えば、自分も普通の人と同様に歩けるようになるかもしれない。

そう思ったからこそ、彼はカルビンの研究により熱心に取り組んでいた。



しかし、愛は盲目であり、視界を曇らせる。

そのヒューの熱に浮かれた慢心は、カルビンをつけ上がらせるだけだった。

そこから、カルビンは人間を「餌」だと思うようになる



ライフ4



宇宙で争ったら「地球のルール」は通じない


出会ったばかりの頃は、天使のように愛らしかったカルビンだったが、大きくなるにつれ力を増し、人間に襲いかかるようになる

その豹変ぶりは、クリオネのそれと全く同じである。



誰が、その変貌を予測しただろうか。

そもそも、「火星に生命はいない」と思い込んでいたことが慢心を招き、「人間が制御できる」のだと勝手に推測したのではないか。

残念ながら、人間は地球上にいる細菌や生物、癌細胞やエイズウィルスだって完全に制御することができていない



にも関わらず、地球外生命体であるカルビンを制御できると思ったら大間違いなのではないか。



こう言ってはなんだけど、私は自分の家にでたゴキブリ(以下G)でさえ、この映画のクルーと同じぐらい大騒ぎし、命がけで向かって行く(笑)

ところが、あのGはどこへ向かって行くのか、完全に予測不能である。

「ここには入れないだろう」という小さな穴に入っていき、完全に人間の目をくらまして逃げてしまう。

それは、人間の予測に反し、Gの奴らは自分たちの体を伸縮させて体の大きさを変えることができるからだ。



このカルビンだって同じだろう。

人間が想像する以上の力を持ち、変幻自在に体の大きさを変えて小さな穴に入っていく。

そして、見事に匂いをかぎ分けて人間の血の匂いに吸い寄せられていく。



その、とことん人間の予測とは違う動きをするカルビンがとても面白かった

ライアン・レイノルズ演じるローリーは「焼き払ってやる!!」と言っていたが、「火に弱い」なんていうのは人間の思い込みで、むしろ、「火が大好物」の生物なのかもしれないのだ。

カルビンからしたら、「どうもありがとう」と思っているかもしれない。



何事も、「地球のルール」でカルビンを考えようとするところに問題があったのだ。

それこそが、「生命の神秘」であり、そのカルビンを起こしたことが「越えてはいけない一線を越えた罪」に値するのだ。



自然を、壮大な宇宙をなめんなよ。

自分たちだけが高等な生物だと思ってんじゃねーよ。

そんな声が宇宙から聞こえてきそうな映画だった。



ライフ5



自然界に「人間が予測できること」など1つもない


結局、宇宙ステーションのクルーたちと、地球にいる人間たちの「人間以外の生物」に対する「探求心」が「寝た子を起こした」ことになり、自然の摂理に沿わなかった人間は罰として報いを受けることになる

映画のラストで、救助艇Aと救助艇Bに別れたデビッド(ジェイク・ギレンホール)とミランダ(レベッカ・ファーガソン)。



宇宙ステーションから脱出したのは良いけれど、そこで、破壊された宇宙ステーションの欠片が飛んでくるなど、誰が想像したのだろうか

ところが、そのこと自体が人間の慢心なのだ


自然災害を始め、地球も宇宙も「人間の予測通り」に動くものなど、この世に1つもない

大震災クラスの地震が、何月何日何時何分に来るなど正確に予測することはできないし、台風の進路だって大きく外れることもある。



デビッドとミランダがカルビンを地球から遠ざけるために、救助艇に乗る時、デビッドはミランダに「君は操縦しなくて良い。君はそのままにしていれば軌道に乗る」「僕は操縦して地球から離れるよ」と言った。

そう言われて安心しきったミランダは、本当に操縦をしなかったため、宇宙ステーションの欠片にはじかれて軌道を大きく外れることになってしまった。



一方でデビッドは彼に張り付いたカルビンによって、操縦することができなくなってしまった。

なんという神のイタズラ。

これは、「世紀の大発見だ!!」と大喜びした人間に対する、神様からのプレゼントなんだろう。

そして、国民全体が、「自然界の一線を越えた罪」に対する報いを受けることになった

これも、必然なんだろう







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