デヴ・パテル主演の映画「LION/ライオン~25年目のただいま~」を映画館で観た。

インドで迷子になった5歳の少年が、25年後にGoogl earthで生家を探し出した実話の映画化。


映画「LION/ライオン25年目のただいま」

満足度 評価】:★★★★☆

Google earthがつないだ家族の絆の物語。

生みの親も、育ての親もどちらもかけがえのない家族で、親たちの思い、迷子になった子の願い、それぞれの想いに胸が締め付けられるような思いで観た。

しかし、これが実話であることが、これからの未来に向けて新たな希望の光を感じさせることであり、心が温かくなる思いがした。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「LION/ライオン~25年目のただいま~」予告編 動画

(原題:LION)



更新履歴・公開、販売情報

・2017年4月16日 映画館で観た感想を掲載。

・2019年11月11日 「映画天国」での放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。




キャスト&スタッフ


出演者

デヴ・パテル
…(「スラムドッグ$ミリオネア」、「マリーゴールドホテルで会いましょう」、「チャッピー」)

ルーニー・マーラ
…(「ドント・ウォーリー」、「A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー」、「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」(声の出演)、「ドラゴン・タトゥーの女」、「her/世界でひとつの彼女」、「トラッシュ!-この街が輝く日まで-」、「ソーシャル・ネットワーク」など)

ニコール・キッドマン
…(「ある少年の告白」、「アクアマン」、「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」、「パーティで女の子に話しかけるには」、「パディントン」、「シークレット・アイズ」、「リピーテッド」、「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」、「バースデイ・ガール」、「レイルウェイ 運命の旅路」、「ザ・インタープリター」、「ファング一家の奇想天外な秘密」など)

〇デヴィッド・ウェンハム

監督

〇ガース・デイヴィス

2016年制作 オーストラリア映画




あらすじ


1886年インドで、兄のクンドゥと共に電車に乗って出かけた5歳の少年サルーは兄と離れ離れになってしまい、迷子になってしまう。

1人で街をさまよい続けたサルーは、1年後にカルカッタで保護され、その後、オーストラリアのタスマニアで暮らすジョン(デヴィッド・ウェンハム)とスー(ニコール・キッドマン)の夫妻の元に養子に出される。

それから25年間、何不自由ない暮らしをしてきたサルー(デヴ・パテル)だったが、5歳の時に迷子になった記憶が消えず、Google earthでインドの生家を探し始める…。

映画「LION/ライオン 25年目のただいま」


感想(ネタバレあり)


インドや中国で行き場を失いさまよい続ける子供たち


インドで迷子になった5歳の少年がカルカッタで保護される

しかし、あまりにも人口が多すぎるインドでは、少年の両親を見つけ出すことができない。

そのため、彼は保護施設を経てオーストラリアで養子になる。



それから25年後、彼は「Google earthで生家を見つけ出す」という奇跡を起こす

これは、その実話を映画化したものである。



現在、インドでは年間8万人もの子供が行方不明になっている」という事実が、この映画の背景にある。

その中でも、この映画の主人公であるサルーのように、欧米諸国へ養子縁組でもらわれたケースは恵まれた方なんだと思う。

中には、人身売買で売られてしまった子供もいただろう。



この映画の中にも、これはもしや人身売買か!?と思われるシーンがある

カルカッタで野宿をしていたサルーが、ある時親切なおばさんと出会う。

その後、その親切なおばさんに付いて行き、彼女の家で美味しいご飯を食べてゆっくりしていると、そのおばさんが怪しげな男を連れ来るというシーンがある。



その男はサルーに会うなり、身体を触りまくり、「彼なら大丈夫、よくやった」と彼女に声をかける。

幼い頃から苦労をして育ったサルーは、その男にただならぬ気配を感じ、彼女の家から走って逃げ出すことになる。

もしもあの時、サルーが気配を察しなかったら、彼はどこかに売り飛ばされたかもしれず、この奇跡の実話は生まれたかったかもしれない



また、それはインドだけに限った話ではなく、同じく人口過多の中国でも「行方不明児童」の増加が問題になっており、それは中国映画の「最愛の子」でも描かれていた。

中国では、行方不明になった子供たちが農家の仕事を手伝わされたりしている様子が描かれていた。

そして、「最愛の子」もまた、実話を映画化したものだった。



インドでも、中国でも、行方不明児童の増加は社会問題なのである。



映画「LION/ライオン 25年目のただいま」



幼くして親と離れて暮らすことになった子供たちの想い


幼い頃から、何不自由のない生活を送ってきた私のような者にとって、迷子の末に親と離れて暮らすことになった人の体験や、その時の気持ちを知ることはとても貴重なことである。

どれだけ想像で推し量ろうとしても、彼らの心にある本当の気持ちなど知る由もない。



5歳で行方不明になったサルーは、その後オーストラリアの養父母の元で過ごすことになる。

オーストラリアでの新しい生活では、インドで使っていた言葉も忘れ、愛する両親の元、何不自由ない暮らしをし、目標を持って人生を生きていた。



しかし、行方不明になった時の思い、離ればなれになってしまったお兄さんとお母さんへの想いはひと時も頭を離れることがなかった

その心境について、サルーは「僕は25年間迷子なんだ」と言う。



でも、それはサルーの場合だ。

サルーがオーストラリアに引っ越してから1年後。

養父母であるジョンとスーの夫妻の元に、同じく養子としてやってきたマントッシュは、オーストラリアに適合できず、大人になると彼らの元を離れ、自堕落な生活を送るようになってしまう。

マントッシュは、サルーとは対照的に行方不明児童の養子縁組があまりうまくいってないパターンとして、ここに登場する。



先述した中国映画「最愛の子」では、誘拐された少年が、数年間、別の家族と暮らしているうちに生みの親を忘れてしまう。

それぞれの「迷子たちの想い」を見ていると、サルーのように生みの親のことが忘れられず、常に彼の心に住み続けるというのも、奇跡なのかもしれない。



そして、覚えていたのは家族だけでなく、生活していた町の姿や景色の細かい特徴まで覚えていたことが奇跡を生んだ要因になった。

それだけ、5歳のサルーはインドで幸せな生活を送っていたということ。

5歳という幼さにも関わらず、家族を愛し、母と兄を助けて仕事をしたいと思い、実際に自分の意思で彼らの手伝いをして生きてきたサルーだからこそ、この実話が生まれたのだろうと思う。



映画「LION/ライオン 25年目のただいま」



無条件で愛情を注ぎ続ける母が生み出す奇跡


そして、私が何より感動したのは、ニコール・キッドマンが演じた、サルーの育ての親 スーの想いである。

彼女はひたすら無条件に子供たちに愛情を注ぎ続ける

その血のつながりを越えた深い情愛がサルーという奇跡を作り出す



この映画の中で、とても印象的な彼女のセリフがある。

私は子供を産もうと思えば産むことができた。でも、子供を増やして何になる。世界には、もっと救わなければならない子供たちがたくさんいるのに



自分で産んだ子供よりも、既に不幸な環境にある子供を救いたい

スーは、自分で子供が産めないから養子を迎えたのではなく、あえて子供を産まないという選択をし、恵まれない子供たちを救いたくて養子を迎えたのだ。

中には、マントッシュのように最初から情緒不安定な子供もいたのに、それも構わず養子にしている。



そして、出来る限りの愛情を注ぎ、彼らを大人に育てている。

その結果、サルーのように立派に育つ子供もいれば、結局、最後まで新しい家族に適応できないマントッシュのような子供もいる。

それでも、彼らは平等に愛情を注ぎ、2人とも愛していると言い続ける

その彼女の生きる姿勢には頭が下がるばかりだった。



同じように迷子になった子供でも、売られていく子供もいれば、スーのような寛大で心の広い養母に出会えることもある。

サルーが25年経って奇跡を起こすことができたのは、ひとえに、このジョンとスーの養父母の元で育てられたからに他ならない



映画「LION/ライオン 25年目のただいま」



Google earthが作り出すこれからの時代への希望


恵まれない環境で育った迷子の子供が、欧米の家庭に育てられ、立派な大人になりましたという話はそんなに目新しい話でもない。

その中で、この映画が他の類似した話と決定的に違うのは「Google earth」の存在である



サルーは「Google earth」を通じて生家を探し当てる。

それは、これからの時代の中で、誘拐されたのちに保護された子供にとっての無限の可能性を示している

この映画の中でサルーは「近所に線路があった」「駅の近くに給水塔があった」「川があった」「石を採掘する山があった」という情報だけで、生家を探し当てる。



もしかして、これから地震のような災害で親とはぐれてしまった子供たちがいた場合、サルーと同じように「家の近くに何があったのか」を聞き出すことで、より早く親とめぐり逢えるかもしれない



日本のように、子供たちが全員名前と住所を言えるならいいが、世界中にはもっと酷い環境で暮らしている子供たちがたくさんいる

そして、サルーの実母のように「文字が読めない」大人たちだって、世界にはたくさんいるのだ。



そんな彼らにとって「Google earth」が見えない糸を手繰り寄せる手段の一つになる可能性があるなら、それは IT という技術の素晴らしい使い道だと思う。

今回の映画化にあたり、「Google社」は積極的に制作に協力したという。

この映画が世界中に広まることで、同じように離ればなれになってしまった家族が再会できるきっかけになったら良いなと思う。





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