ロバート・レッドフォード主演、監督の映画「大いなる陰謀」をWOWOWで観た。
アメリカの行く末を憂う大学教授とジャーナリスト。彼らの憂いの裏にある大きな陰謀とは…。
【満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)
本当はもっと言いたいことがあるのに、言えないまま終了してしまったような不完全燃焼な映画だった。
◆DVDで観る:「大いなる陰謀」<特別編>
◆ネット配信で観る:「大いなる陰謀」(字幕版)
アメリカで将来有望と言われているアーヴィング上院議員(トム・クルーズ)は、1時間だけという約束でリベラル派のベテランジャーナリストであるジャニーン・ロス記者(メリル・ストリープ)を呼び出す。
彼は、彼女に独占インタビューを提案し、その代わり、彼の主導で現在アフガニスタンで起きているテロとの闘いでの作戦を報道して欲しいと言う。
現実のアフガニスタンでは、その彼が計画した穴だらけの作戦のために、2人の若者が犠牲になろうとしていた。
その2人の若者は、政治学を教えるマレー教授(ロバート・レッドフォード)の将来有望な生徒たちだった…。

「アメリカに何の利益ももたらさないこんな戦争は、今すぐ止めるべきだ」と言いたいところが、すごく遠回りしてしまい、結局伝わりづらいものになってしまったような印象を受ける。
ハリウッドでもリベラル派で知られるレッドフォードが、アメリカの行く末を憂いて描いた作品。
そのレッドフォードの代弁者として登場するのが、2人のベテラン。
そのうちの1人は、大学で政治学を教えるマレー教授。
若い頃に反戦運動をしていた彼は、大学教授として論文を書き、この世界を変えようとかつては夢見ていた。
しかし、その夢も叶わず、学生たちを観れば、世の中を変えようと思っている若者(アニーとアーリアン)が戦場へ行き、無駄に命を落とし、世の中に無関心な学生たちは、何もせずにただ生き永らえようとしている。
その現実を変えようと思っていた矢先、彼の元に訃報が届いてしまう。
自分は若い頃、反戦運動をしていたから、今の若者たちにも、もっと政治に興味を持って欲しいという気持ちは分かる。
でも、だったら、彼の行っている授業を変える必要があって、そんな学生を産んだのは、先生にも責任があるんじゃないかと思う。
その中でも優秀な学生を1人選んで、そこから突破口をと思うのは、あまりにも時間がかかるやり方なのではないかな。

アメリカの行く末を憂うのは、もう1人。
リベラル派のジャーナリスト、ジャニーン・ロス記者。
彼女が、かつて、「共和党期待の星」と名付けたアーヴィング上院議員に呼び出され、机上でしか戦争を知らない彼が始めた作戦を報道するよう迫られる。
現地で、何が起きているのか知る由もないジャニーンは、アーヴィングの言う通りに報道するしか手立てがないが、本当にそれでいいのかと自分に問う。
恐らく、監督のレッドフォードは、ここで、今のジャーナリストの姿勢を描きたかったのだと思う。
米軍や議会が提供する情報をうのみにして、そのまま垂れ流して報道することが、本当のジャーナリズムなのか。
現地で何が行われているのか、裏をとって描くのがジャーリズムではないのか。
それは、アメリカだけでなく、日本でもよく見られる光景なので、伝えたい気持ちはよく分かる。
でも、しかし、これまた遠回りでちょっと分かりづらい。
もっと、ジャニーンとアーヴィングが対立するぐらいの力強さや、勢いがあっても良かったように思う。

主人公のマレー教授を演じるのは、ロバート・レッドフォード。
監督も兼任。
リベラル派で知られる彼が、2007年当時のアフガニスタンでの戦争を否定したい気持ちは分かるが、イマイチ、心に響かないのが残念なところ。

ベテランのリベラル派ジャーナリスト、ジャニーン・ロス記者を演じるのは、メリル・ストリープ。
彼女もまた、ハリウッドの中ではリベラル派で知られているので、納得のキャスティング。
作戦の裏にある真実を暴きたくて悶える姿は圧倒的だけど、彼女からしたら、まるで子供みたいなアーヴィング上院議員を論破するようなシーンがあっても良かったように思う。

そして、将来有望な共和党のホープとして登場するアーヴィング上院議員を演じるのは、トム・クルーズ。
これは、共和党の若手のホープと言われる人間は上っ面だけで、中身が無いっていうのが言いたいがためのトム・クルーズのキャスティングかな??としか思えなかった。
でも、しかしよく一対一でメリル・ストリープと対面する役を引き受けたなと思った。
その勇気だけでも、素晴らしい。

この映画は、ロバート・レッドフォードが現状を憂う映画だ。
では、ここからどこへ向かうべきかや、若者たちは何をすべきかという提案が何一つない。
となると、これでは、お年寄りの愚痴で終わってしまう。
ベトナム戦争の頃は、兵役があった。
当時の若者たちは、国に働きかけ兵役はなくなった。
戦争が起きると、志願兵(ボランティア)を募ることになるが、政治に対する意識が高く、また貧しい暮らしをしている若者こそが志願兵で命を落としていく。
では、彼らはどうするべきなのか。
成績優秀だからと、国が優遇すべきなのか。
だから戦争をなくすべきなのか。
ロバート・レッドフォードの答えは、ここには無いが、何よりアメリカが他国に介入するような戦争は、もうやめるべきだと私は思う。
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◆「大いなる陰謀」<特別編> DVD
◆ネット配信で観る:「大いなる陰謀」(字幕版)
アメリカの行く末を憂う大学教授とジャーナリスト。彼らの憂いの裏にある大きな陰謀とは…。
【満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)
本当はもっと言いたいことがあるのに、言えないまま終了してしまったような不完全燃焼な映画だった。
「大いなる陰謀」予告編 動画
(原題:LIONS FOR LAMBS)◆DVDで観る:「大いなる陰謀」<特別編>
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新品価格 |

◆ネット配信で観る:「大いなる陰謀」(字幕版)
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キャスト&スタッフ
出演者
〇メリル・ストリープ
…(「メリー・ポピンズ リターンズ」、「マンマ・ミーア!ヒア・ウィーゴー」、「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」、「マダム・フローレンス!夢見るふたり」、「未来を花束にして」、「幸せをつかむ歌」、「イントゥ・ザ・ウッズ」、「8月の家族たち」、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」、「ジュリー&ジュリア」など)
…(「メリー・ポピンズ リターンズ」、「マンマ・ミーア!ヒア・ウィーゴー」、「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」、「マダム・フローレンス!夢見るふたり」、「未来を花束にして」、「幸せをつかむ歌」、「イントゥ・ザ・ウッズ」、「8月の家族たち」、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」、「ジュリー&ジュリア」など)
〇トム・クルーズ
…(「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」、「バリー・シール/アメリカをはめた男」、「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」、「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」、「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」、「m:i:Ⅲ ミッション・インポッシブル3」、「アウトロー」、「コラテラル」、「ザ・ファーム 法律事務所」、「ワルキューレ」、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」、「ザ・エージェント」、「マイノリティ・リポート」など)
…(「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」、「バリー・シール/アメリカをはめた男」、「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」、「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」、「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」、「m:i:Ⅲ ミッション・インポッシブル3」、「アウトロー」、「コラテラル」、「ザ・ファーム 法律事務所」、「ワルキューレ」、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」、「ザ・エージェント」、「マイノリティ・リポート」など)
〇アンドリュー・ガーフィールド
…(「アンダー・ザ・シルバーレイク」、「アンダー・ザ・シルバーレイク」、「ブレス しあわせの呼吸」、「ハクソー・リッジ」、「沈黙-サイレンス-」、「ドリームホーム 99%を操る男たち」、「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ、「ソーシャル・ネットワーク」など)
…(「アンダー・ザ・シルバーレイク」、「アンダー・ザ・シルバーレイク」、「ブレス しあわせの呼吸」、「ハクソー・リッジ」、「沈黙-サイレンス-」、「ドリームホーム 99%を操る男たち」、「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ、「ソーシャル・ネットワーク」など)
監督
2007年製作 アメリカ映画
あらすじ
アメリカで将来有望と言われているアーヴィング上院議員(トム・クルーズ)は、1時間だけという約束でリベラル派のベテランジャーナリストであるジャニーン・ロス記者(メリル・ストリープ)を呼び出す。
彼は、彼女に独占インタビューを提案し、その代わり、彼の主導で現在アフガニスタンで起きているテロとの闘いでの作戦を報道して欲しいと言う。
現実のアフガニスタンでは、その彼が計画した穴だらけの作戦のために、2人の若者が犠牲になろうとしていた。
その2人の若者は、政治学を教えるマレー教授(ロバート・レッドフォード)の将来有望な生徒たちだった…。

感想(ネタバレあり)
今の学生を観て憂う
「アメリカに何の利益ももたらさないこんな戦争は、今すぐ止めるべきだ」と言いたいところが、すごく遠回りしてしまい、結局伝わりづらいものになってしまったような印象を受ける。
ハリウッドでもリベラル派で知られるレッドフォードが、アメリカの行く末を憂いて描いた作品。
そのレッドフォードの代弁者として登場するのが、2人のベテラン。
そのうちの1人は、大学で政治学を教えるマレー教授。
若い頃に反戦運動をしていた彼は、大学教授として論文を書き、この世界を変えようとかつては夢見ていた。
しかし、その夢も叶わず、学生たちを観れば、世の中を変えようと思っている若者(アニーとアーリアン)が戦場へ行き、無駄に命を落とし、世の中に無関心な学生たちは、何もせずにただ生き永らえようとしている。
その現実を変えようと思っていた矢先、彼の元に訃報が届いてしまう。
自分は若い頃、反戦運動をしていたから、今の若者たちにも、もっと政治に興味を持って欲しいという気持ちは分かる。
でも、だったら、彼の行っている授業を変える必要があって、そんな学生を産んだのは、先生にも責任があるんじゃないかと思う。
その中でも優秀な学生を1人選んで、そこから突破口をと思うのは、あまりにも時間がかかるやり方なのではないかな。

今の政治家を観て憂う
アメリカの行く末を憂うのは、もう1人。
リベラル派のジャーナリスト、ジャニーン・ロス記者。
彼女が、かつて、「共和党期待の星」と名付けたアーヴィング上院議員に呼び出され、机上でしか戦争を知らない彼が始めた作戦を報道するよう迫られる。
現地で、何が起きているのか知る由もないジャニーンは、アーヴィングの言う通りに報道するしか手立てがないが、本当にそれでいいのかと自分に問う。
恐らく、監督のレッドフォードは、ここで、今のジャーナリストの姿勢を描きたかったのだと思う。
米軍や議会が提供する情報をうのみにして、そのまま垂れ流して報道することが、本当のジャーナリズムなのか。
現地で何が行われているのか、裏をとって描くのがジャーリズムではないのか。
それは、アメリカだけでなく、日本でもよく見られる光景なので、伝えたい気持ちはよく分かる。
でも、しかし、これまた遠回りでちょっと分かりづらい。
もっと、ジャニーンとアーヴィングが対立するぐらいの力強さや、勢いがあっても良かったように思う。

出演者は、ロバート・レッドフォード、メリル・ストリープ、トム・クルーズ
主人公のマレー教授を演じるのは、ロバート・レッドフォード。
監督も兼任。
リベラル派で知られる彼が、2007年当時のアフガニスタンでの戦争を否定したい気持ちは分かるが、イマイチ、心に響かないのが残念なところ。

ベテランのリベラル派ジャーナリスト、ジャニーン・ロス記者を演じるのは、メリル・ストリープ。
彼女もまた、ハリウッドの中ではリベラル派で知られているので、納得のキャスティング。
作戦の裏にある真実を暴きたくて悶える姿は圧倒的だけど、彼女からしたら、まるで子供みたいなアーヴィング上院議員を論破するようなシーンがあっても良かったように思う。

そして、将来有望な共和党のホープとして登場するアーヴィング上院議員を演じるのは、トム・クルーズ。
これは、共和党の若手のホープと言われる人間は上っ面だけで、中身が無いっていうのが言いたいがためのトム・クルーズのキャスティングかな??としか思えなかった。
でも、しかしよく一対一でメリル・ストリープと対面する役を引き受けたなと思った。
その勇気だけでも、素晴らしい。

この先、どこへ向かうべきなのか
この映画は、ロバート・レッドフォードが現状を憂う映画だ。
では、ここからどこへ向かうべきかや、若者たちは何をすべきかという提案が何一つない。
となると、これでは、お年寄りの愚痴で終わってしまう。
ベトナム戦争の頃は、兵役があった。
当時の若者たちは、国に働きかけ兵役はなくなった。
戦争が起きると、志願兵(ボランティア)を募ることになるが、政治に対する意識が高く、また貧しい暮らしをしている若者こそが志願兵で命を落としていく。
では、彼らはどうするべきなのか。
成績優秀だからと、国が優遇すべきなのか。
だから戦争をなくすべきなのか。
ロバート・レッドフォードの答えは、ここには無いが、何よりアメリカが他国に介入するような戦争は、もうやめるべきだと私は思う。
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