イ・ビョンホン主演の映画「メモリーズ 追憶の剣」をWOWOWで観た。

共に王と戦うことを誓った3人の剣士だったが、1人が裏切ったために憎しみ合い、殺し合うことになってしまった彼らの運命を描く歴史ドラマ。

満足度 評価】:★★★☆☆

映像はとても美しいけれど、内容の薄っぺらさが非常に残念な作品だった。

もっと細部を丁寧に描けば重厚な作品にも成り得た気がした。

「メモリーズ 追憶の剣」予告編 動画

(原題:협녀:칼의 기억




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キャスト&スタッフ


出演者

イ・ビョンホン
…(「それだけが、僕の世界」、「天命の城」、「エターナル」、「MASTER マスター」、「マグニフィセント・セブン」、「インサイダーズ 内部者たち」、「ターミネーター/新起動:ジェネシス」、「王になった男」、「甘い人生」など)

チョン・ドヨン
…(「男と女」、「無頼漢 乾いた罪」、「ユア・マイ・サンシャイン」など)

キム・ゴウン
…(「コインロッカーの女」、「ウンギョ 青い蜜」など)

ジュノ(2PM)
…(「二十歳」、「監視者たち」など)

〇ペ・スビン

監督・脚本

〇パク・フンシク

2015年製作 韓国映画

メモリーズ追憶の剣



あらすじ


高麗王朝末期、最強として恐れられた3人の剣士、ドッキ(イ・ビョンホン)、ソルラン(チョン・ドヨン)、プンチョン(ペ・スビン)は王朝と戦っていたが、ドッキは権力に屈して王朝に寝返ってしまう。

そのドッキを殺そうとしたプンチョンはソルランによって殺され、生き残ったプンチョンの娘はドッキの剣により背中を切られてしまう。

その後、ドッキは王朝で将軍にまで登りつめ、最後の玉座を虎視眈々と狙い、ソルランはプンチョンが遺した娘ホンイ(キム・ゴウン)を一人前の剣士に育て、ドッキに復讐する機会を狙っていた…。

メモリーズ追憶の剣2



感想(ネタバレあり)


時系列が分かりづらいのが難点…


「この世の中を変えたい」という志を持った同士3人・ドッキ、ソルラン、プンチョン。

彼らは切磋琢磨して共に戦ったものの、最後の最後で、その仲間のうちの1人・ドッキが権力に屈して裏切ってしまう。

さらには、そのドッキへの愛が捨てきれずに、ソルランはプンチョンを殺してしまう。

しかし、ソルランは裏切り者を愛したことと、プンチョンを殺してしまったことへの良心の呵責から、ドッキへの復讐を誓い、自分自身は盲目となり、残されたプンチョンの娘ホンイを一人前の剣士に育て上げる。

ところが、実はプンチョンの娘ホンイはドッキに切られた時に死んでおり、その後、ソルランとドッキの間に生まれた娘をホンイとして育てていた。

娘は、その全ての事実を知りながらも、母に教えられた「復讐」を果たすため、腕を磨いていた。

というお話なんだけれども、どうにもこの全貌が伝わりにくい映画だった。

ストーリーは、ドッキが将軍となったところから始まり、過去のことはその間に回想シーンとして差し込まれていくが、時代劇ということもあって時系列が分かりづらく、この回想シーンはいつのものかと推理しながら先に進まないとならず、観客に対し不親切で雑な編集をしているなという印象を受けてしまった。


メモリーズ追憶の剣3



一つ一つのストーリーやキャラクター設定が薄い


最初から、最後まで、「この回想はいつの頃のものかな」…なんて、考えながら観ていったにも関わらず、内容はその割にとても薄っぺらい印象だった。

最強と言われた3人の剣士、ドッキ、ソルラン、プンチョンが登場するが、彼はなぜ、何のために王朝と戦っていたのか。

その理由が語られていない。

きっと王政が悪政だったんだろうということは想像がついても、どれ程までに酷い仕打ちを受けたから彼らは立ち上がったのか。

その理由が知りたかった。

そして、戦い抜き王の目の前まで来て、なぜドッキは仲間を裏切ったのか。

権力が欲しかったから?それとも王朝に入ったら、中から王政を覆せると思ったから??そこもまた、野心なんだろうなぁと推測するしかない。

そういう一つ一つのことの理由と、その心情背景が描かれないまま話が進んでいくために、物語はどんどん薄っぺらくなっていく。

その後、ドッキの忠実な部下として登場するユルについては、キャラクター設定さえも曖昧で、何か意味がありそうな役割を匂わせたまま、結局、あまり重要性を感じないまま終了してしまう。

もう少し、それぞれのキャラクターの持つ意味や、彼らの持つ「愛」や「憎しみ」の感情をもっと丁寧に描いていれば、もっと良い作品になっただろうなぁと思うと、とても残念だった。


メモリーズ追憶の剣4



内容よりも映像美に力を入れた感あり


その内容が薄くなった分、映像の美しさにはとても力を入れて描かれていた。

だからきっと、すごく美しい童話だと思って観ればいいのかなと思ったんだけど、その割に内容が「愛憎劇」だったので、そうもいかなくなってしまった。

ひまわりや、白い花が咲き誇る草原。

深い緑の竹林や、雨や雪のシーンもすごく効果的だった。

あぁ美しいなぁと思って見とれるシーンもいくつかあった。

それに、殺陣のシーンは、さすがの韓国クオリティで迫力満点だった。

しかし、あまり、ワイヤーを使って飛んだりしてしまうと、「足技」が見せ場の韓国カラーがちょっと薄れてしまって残念。

チョン・ドヨンやキム・ゴウンのような、あまりアクションシーンを演じてこなかった女優たちを使ったために投入したワイヤーなんだろうけど、「韓国だからこそ」の飛び蹴りやまわし蹴りを楽しみにしているファンも多いはず。

でも、まぁ、映像の美しさの力の入れようを見ると、内容の奥行きよりも、映像の美しさを重視したんだなという印象だった。


メモリーズ追憶の剣5



演技の上手さでも脚本の薄さはカバーできない


きっと、その分、イ・ビョンホンチョン・ドヨンキム・ゴウンといった新旧の演技派たちを集めて、演技の重厚さで内容の薄さをカバーしようと考えたのかなと思った。

しかし、残念ながらいくらうまい演技を見せられたところで、脚本の内容の薄さはカバーしきれない。

最後にホンイが念願の復讐を果たしたものの、「で、どうしたの??」っていうのが、私の率直な感想だった。

肝心なのは、「ホンイが復讐を果たして何を思ったか」だと思ったんだけど、そこについては何も語られず。

ということは、結局は、ソルランが自分の娘を巻きこんで復讐を果たしたかっただけの自分本位な物語だったのか。

ソルランは、ホンイに復讐を託したものの、未来は託していなかったのか。

彼らは、この世の中をよくするために生きていはいなかったのか…。

結局、復讐を果たして、「愛する人と死ぬまで一緒」という願いを叶えたかっただけの物語だったのか…。

なんだか、心に残るものもなく、残念な物語だった。



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