山崎努主演の映画「モリのいる場所」を映画館で観た。

実在した画家の熊谷守一と奥様が豊島区にある自宅で暮らす日々を描く。


満足度 評価】:★★★★☆

昭和ののんびりとした時間の中で過ごす画家の熊谷守一と奥様。

彼らの家の庭が、モリにとって世界の全てであり、そこは宇宙とつながっている。

画面からはマイナスイオンが溢れ、心が浄化された。

目の前にあるものの素晴らしさに気付かされる温かい作品。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想



「モリのいる場所」予告編 動画




更新履歴・公開情報


・2018年5月14日 映画館で「モリのいる場所」を鑑賞

・2018年6月15日 感想を掲載。

・2019年3月17日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

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キャスト&スタッフ


出演者

…(「検察側の罪人」など)



〇吉村界人

…(「悪と仮面のルール」など)


〇吹越満

〇池谷のぶえ

〇三上博史


監督

〇沖田修一


2018年製作 日本映画


モリのいる場所




あらすじ


1974年の東京。

画家の熊谷守一(通称:モリ)(山崎努)は、池袋にある自宅から一歩も外に出ない生活を送っていた。

妻の秀子(樹木希林)と共に暮らす彼の元には、毎日多くの人たちが訪れる。

しかし、そんな客人に構わず、モリは午前中は庭にいる虫や鳥たちの観察をし、午後は寝て、夜はアトリエにこもるというマイペースな生活を続ける。

カメラマンの藤田武(加瀬亮)は、そんな彼の元を頻繁に訪れては、庭の自然を観察するモリの写真を撮り続ける。



モリのいる場所5




感想(ネタバレあり)


何が起こるわけでなく、ただモリが自宅の庭で過ごしているだけの日々に心が癒される


私が子供の頃、我が家にはインターネット、パソコンはもちろん、テレビゲームすらなかった。

そんな私にとっての遊び場の一つが、我が家の裏にあるちいさな丘だった。

なんの手入れもされていないその裏山は、雑草が生え放題で、近所で暮らす子供たちがそこへ登ってはちょっとした冒険を楽しんでいた。



この映画「モリのいる場所」を観て、私はその頃の裏山に生える雑草の匂いを思い出した

その茂みの中には、タンポポなどの花々が咲き、蝶々やトンボなどの虫たちが飛んでいて、私たちはそこで野草や昆虫に興味を持つようになった。

あの頃、人々は日常生活の中で自然と共存していたのだ。



1970年代、画家の熊谷守一(通称:モリ)は東京都池袋にある自宅で暮らしていた。

Wikipediaによれば、1956年 モリが76歳の時、軽い脳卒中で倒れてしまう。

それ以来、モリは自宅の敷地から出ることなく、自宅の庭の中で晩年を過ごしたという。

この映画は、そんなモリが1977年に97歳で亡くなる数年前の日常を描いたものである。

(参照:Wikipedia 熊谷守一



そこには、昭和ののんびりとした時間が流れ、その庭がモリの世界の全てであり、モリにとっては宇宙への入り口だった。



何が起きるでもない。

モリは無口であまりコミュニケーションが得意ではないのにも関わらず、毎日、多くの人々が彼の元を訪ね、絵を描いてもらえなくても、看板を書いてもらえなくても、奥様と雑談をして満足げに帰っていく。

ただただ、そんな穏やかで平和な日々の描写である。



しかし、私は、そんな日常の風景からあふれ出るマイナスイオンのシャワーを浴び、モリと奥様の穏やかな日々に心が浄化した思いがした

これは、ギスギスとした日々に心が疲れてしまっている人にこそ、観て欲しい作品である。



モリのいる場所3




彼の「アトリエ」は「学校」


モリの一日は、とてものんびりとしている。

朝ご飯を食べると、縁側から庭へと出て、庭の観察を始める

アリの動きや、見たことがなかった石に目を輝かせて、それをじーーーっと眺めている。

それをスケッチするのでもなく、ただただ眺めている



時には、午前中にお客さんが訪ねてきて、モリが対応することもあるけれど、たいていは奥様やお手伝いの美恵ちゃん(池谷のぶえ)が対応してくれる。



そして、お昼ご飯を食べると、午後は寝る時間だ。

お昼寝なんていうかわいいもんじゃない。

本気で寝る時間だ。



なぜなら、モリは、夜に「学校」に通っているからだ。

夕飯を食べ終わると、奥様が「そろそろ学校の時間ですよ」という。

すると、モリは「そうだな」と言って席を立つ。

彼が「学校」と呼んでいるのは「アトリエ」のことだ。



午前中に観察した植物や虫、猫などをこの時間に描いているのだ。

「仕事」じゃなくて「学校」っていう言い方がいいなぁと思った。

そこには、学ばせてもらっているという気持ちがこもっている

その言葉に、モリの「絵を描く」という行為に対する気持ちが表れている



私も、これからは学ばせてもらっているという気持ちを込めて、映画館を学校だと思うことにしようか。

いつまでも、多くの人たちから「絵を描いて欲しい」「看板を書いて欲しい」と言われるのは、そういう謙虚さにあるんだろうと思った。



そして、朝が来ると「行ってきます」と言って、庭へ出て行く。

そこから、また、ゆったりとしたモリの冒険が始まるのだ。

なんて素敵な毎日だろうと思う。



モリのいる場所4




電話しかなかった時代のゆったりとしたコミュニケーション


モリは決してコミュニケーションがうまいタイプではない

無口でぶっきらぼうで、人の言うことを聞いているのか、いないのかよく分からない。

よくいるタイプのちょっと頑固なおじいさんだ。



それでも、それなりに家族以外の人たちとコミュニケーションが取れていた。

いきなり訪ねてきたお客さんが、旅館の看板を書いてくださいと言ったり、親バカな人が息子の絵を見せたり。

そんなお客さんの対応は、たいてい、奥様とお手伝いさんの美恵ちゃんがするのだけど、気が向くとモリも対応してくれる。



それは、その頃が「アナログな時代」だったからなのではと思う。

今だったら、LINEや、メールやFAXが殺到して、あれやこれや言ってアポを取ったりするんだろうけど、この頃は電話しかなく、電話の場合は、モリが「外へ出たくない」の一言で断ってしまうことがある。

なんてったって、文化勲章だって断った強者だから。



だから、モリに本当にお願いしたいことがあれば、直接訪ねてくるしかない

断られたら、また出直せばいい

そんな人との付き合いの間にも、ゆったりとした時間が流れていた



今は、有線の電話以外にも、スマホやインターネットがあって、常に誰とでもつながることができる。

科学が進歩して、携帯電話やインターネットが普及したおかげで、その頃よりもすごく便利になったし、人と会うのもとても楽になったと思う。

ただ、人々の生活が楽になった分、テクノロジーにそういったゆったりした時間の流れを奪われてしまったように思う。

科学の進歩による恩恵は計り知れず、それを否定するつもりは一切ないけれど、目の前に広がる庭に宇宙を感じるような時間も大切だったんだなと、しみじみ思った。



かといって、いまさら「すべてをオフラインにして電波をデトックスしろ」と言われても、既に電波中毒の携帯依存症になっている私にはそんなことはできない。

残念ながら、せいぜい映画館で映画を観ている間と寝ている間ぐらいしかオフラインにできないのだ。



モリのいる場所2




高度経済成長期の到来と共に失われたモリの宇宙


この映画には、魅力的なところがたくさんある。

ゆったりと流れる時間、ギスギスしていない人間関係、微笑ましいモリと奥様の仲の良さ。

それらは、アナログな時代だからこそ培われたものだった。



しかし、そのゆったりした時間の流れにも終わりがやってきたことを感じさせるところで、この物語は終了する

高度経済成長期がモリの家にもやってきて、隣にビルが建ち、モリの宇宙である庭に日影ができるようになるのだ。

そこで、モリは苦労した掘った池を埋めることになってしまう。

庭で日が当たるのは、そこだけになるからだった。



日が当たるところには、野草が生えているべきだと、モリは考えたのだろうか。



池を埋め、予定通りビルが建つと、モリの生きていた時代も終わりを告げる

それから数年後、モリは亡くなってしまう。

私は、三上博史演じる宇宙人に宇宙へ連れて行ってもらったのだろうと思った。



昭和というアナログな時代だったからこそ、モリのような画家が思う存分才能を発揮できたのだろうと思う。



今でも、池袋にヤモリがいたり、サンショウウオがいたりするんだろうか。

それはちょっと厳しいように思う。



田舎の町だったら、いまだに、そんなモリのような生活もできるだろうけど、出版社の人たちやカメラマンたちが毎日のように通ったりするのは難しい。

やっぱり、モリは昭和の東京が生んだ画家なのだ。



私も全てをオフラインにして「電波デトックス」をするのは、なかなか厳しいけれど、この映画に出会って、モリと奥様の生活を観ている間は、スクリーンからあふれるマイナスイオンを感じて、すごく癒された

モリは、今も三上博史と一緒にどこかで虫や鳥の観察をしているのでは…と思っている。



時には、こんな風にアナログな時代の映画を観て、わずかな時間の間だけでも電波中毒から癒されることがとても大切な時間に思った。

毎日を仕事に追われ、ギスギスとした日々に疲弊してしまっている人にこそ、ぜひ、見て欲しい一本だ。

これを観たら、「アリの生活」に興味を持って、緑のある生活の素晴らしさに気付くかもしれない。




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