篠原涼子主演の映画「人魚の眠る家」を試写会で観た。
事故で意識不明の昏睡状態なってしまった娘を巡るサスペンス映画。
【満足度 評価】:★★★★☆
もしもある日突然、娘が「脳死です」と医者に言われてしまったら。
心臓は動いているに二度と目覚めないなんて信じられない。
その母の時には恐ろしくさえある生への執着心にグッと引き込まれ、後半は家族の思いに涙が止まらなかった。
目次
『人魚の眠る家』予告編 動画
更新履歴・公開、販売情報
・2018年10月1日 試写会にて鑑賞。
・2018年10月18日 感想を掲載。
・2019年9月14日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。
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キャスト&スタッフ
出演者
〇篠原涼子
…(「SUNNY 強い気持ち・強い愛」など)
…(「女が眠る時」など)
〇坂口健太郎
〇川栄李奈
…(「亜人」など)
〇山口紗弥加
〇田中哲司
〇田中泯
〇松坂慶子
監督
〇堤幸彦
…(「天空の蜂」など)
2018年製作 日本映画

あらすじ
二人が小学校のお受験が終わるまで、離婚はしないでおこうと決めていた二人だが、育児は薫子がしていた。
夏休みのある日、瑞穂と生人を母 千鶴子(松坂慶子)と妹の美晴(山口紗弥加)に預け、美晴の娘 若葉と共に子供たちはプールへ。
しかし、そのプールで瑞穂は事故に遭ってしまい、昏睡状態となってしまう。
病院に運ばれた瑞穂だったが、担当医(田中哲司)から「娘さんは脳死の可能性が高い。脳死判定を受けて、脳死だと診断されたら臓器を提供してもらえませんか…」と相談され…。

感想(ネタばれあり)
もしも、家族が脳死かもしれない…と言われたら
この映画は、人間の命と魂について考えさせられる映画だった。
二児の母 薫子(篠原涼子)は、娘の瑞穂が事故に遭い、医者から「脳死かもしれない」と言われてしまう。
そして、医者から「脳死判定をして臓器を提供する」ことを勧められる。
瑞穂のおかげで、助かる命がたくさんあるからと。
この映画の中では、夫・和昌(西島秀俊)の同級生の息子が心臓病で、移植手術のためにアメリカへ行く資金を集めるの募金活動をする姿が描かれている。
身近にそういう人がいると、臓器を提供した方が良いのでは…と考えてしまう。
もしも、自分の家族が「脳死かもしれない」と言われたら、どう思うだろうか。
「はい。わかりました」と言って、臓器の提供などできるだろうか。
しかも、この映画の瑞穂は、まだ小学校にも行っていない幼さで、人生がこれから始まる子だ。
心臓は動いているし、身体も温かい。
「いつか目が覚めるんじゃないか」と思い、その「いつか」に希望を抱いてしまうのも当然だと思ってしまう。
いくら「脳波が反応していない」と言われていても、人間の命は数値では測れない。
いつか奇跡が起こるはず…と思うことこそが、家族の思いだろうと思う。

薫子の逸脱した行為に、周りはついていけず…
そこで、この映画では一つの可能性を提示する。
機械で身体を動かす方法だ。
具体的に、どう動かすのかは映画を観て確認して欲しいのだが、今の科学技術だったらこんなことも可能なのでは…と思えてくるし、近いうちにこういうことをする金持ちが出てきてもおかしくない。
眠っている脳の代わりに、機械が瑞穂の身体に信号を送り、瑞穂は目を閉じたまま身体を動かすようになる。
そんな瑞穂を見ながら、薫子は「瑞穂は生きている」と確信するようになる。
しかし、周りの人たちは、そんな薫子を気味悪がっていく…。
確かに、薫子はとても気の毒だと思うし、同情してしまう。
けれど、車椅子に寝たまま座った瑞穂が手を動かしたり、足を動かしたりする様子は、まるでホラー映画だ。
誰がどう見ても、薫子は瑞穂の死にこだわり過ぎた余り、常軌を逸してしまったと思ってしまう。
でも、毎日、毎日、そんな瑞穂の様子を見ていたら、母親なら「私の娘は生きています」と言いたくなるのも当然だと思う。
そもそも、薫子は「瑞穂は死んでいない。生きている」と思っているからだ。
たとえば、薫子に信仰している宗教があって、宗教の教える倫理観と照らし合わせて、それが「神を冒涜した行為だ」という判断になったら、そこまでエスカレートしなかったかもしれない。
しかし、これは「宗教観の薄い日本」「宗教よりも科学の国、日本」だからこそ起き得る話なのだ。
瑞穂を動かすことに執着する薫子は、まるで、悪魔に魂を売って、事故死した息子をペット・セメタリーに埋めた父と同じことをしていると思ってしまう。
いつか、「一線を越えた罰」として、しっぺ返しが来るに違いないと。

大好きなお母さんの側にいたい人魚姫
後半、薫子はご近所から奇異の目で見られ、息子や夫からも理解してもらえず、彼女の行動はどんどん逸脱していくのを見て、「うわぁーーー。この映画ってホラーかよーーー。」と思った。
その直後、瑞穂がある行動をするのだ。
その瑞穂は、夢か幻か…。何だったんだろう…。
そう思ったところでハッとした。
この映画のタイトルは「人魚の眠る家」であり、原作者の東野圭吾は、言葉を話すことができない瑞穂の思いをそのタイトルに込めたことに気付いたからだ。
思わず「うぅーーん」と唸ってしまった。
人魚とは、あの童話の「人魚姫」のことだ。
人間の王子に恋をした人魚姫は、魔女に悩みを打ち明け、言葉を話すことと引き換えに二本脚で歩く足を手に入れる。
しかし、言葉を話すことができない彼女の思いは王子に届かず、泡となって姿を消した後、精霊となって王子を見守るのだ。
それは、そのまま瑞穂の話として置き換えられる。
大好きなお母さんと一緒にいたい瑞穂は、言葉を話せないけれど動く身体を手に入れ、お母さんの側にずっといられることになった。
けれど、そのことで大好きなお母さんを窮地に追い込むことになってしまったのだ。
そこで、瑞穂は薫子が「夢か幻か…。いや、現実だった」と思う行動をしたのだ。
そして、その瑞穂の思いを受け取った母は、ある決断をする。

人間の生死は、数値で表せるものではない
この映画では「もしも、あなたの家族が『脳死かも』と診断されたら、どう行動しますか」と問題を提起し、あらゆる可能性について考えさせる。
すぐに脳死判定をしてドナー提供するのもあり、そのまま機械でつないで延命措置をするのもあり、この映画の播磨夫妻のようなやり方もあり。
金に糸目をつけなければ、いくらでも考えられる方法はある。
しかし、医者が脳波の測定をして「心臓は動いているけれど、脳が反応していないから脳死です」と言われても、家族はなかなか納得できないだろう。
人の生死を無機質な数値で測るなんて、それではあまりにも無慈悲ではないか。
脳は動いていなくても、魂は生きている。
きっと、いつか目覚めるに違いない。
家族だったら、そう思いたいのは当然だ。
とはいえ、たとえ心臓が動いていても、寝たままで言葉を話さなければ、周りの人たちから「もう死んでいる」と判断されてもやむを得ない側面もある。
それならば、せめてこの映画のように、本人も家族も納得できる瞬間があれば幸せだろうと思う。
その上で、ドナーとなって誰かの身体の中で生きていたら、「まだ、この世界のどこかで生きているかもしれない」と思えるし、それが、心の拠り所になるはずだ。
どんなに医学が発達しても、脳死状態の頭の中など、誰も知ることができない。
だから、どんなに薫子の行動が常軌を逸していても、誰も彼女のことを責められないし、彼女は正しかったかもしれない。
人間の神秘は、科学で解明できるものではないのだ。
映画のラスト、空から写した映像が、この物語のラストにふさわしいと思った。
きっと、瑞穂も幸せな思いで眺めているに違いない。
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映画『人魚の眠る家』★★★★4.0点。 これは面白かった!
人間の命と魂について、とても考えさせられる話だった
離婚寸前の夫婦、薫子(篠原涼子)と… https://t.co/PEHQpxxqKr #Filmarks #映画2018/10/01 23:46:39
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