浅野忠信主演の映画「幼な子われらに生まれ」を映画館で観た。

重松清の原作を映画化。

2人の娘がいる女性と再婚した男性を主人公に、「家族」のあり方の難しさを描く。



満足度 評価】:★★★★☆(4.5)


連れ子同士の再婚のせいで、私の家族も、血がつながっていません

と言う人は、意外に多いような気がする。

そして、それが元で、ギクシャクした関係になってしまっている家族もいるかもしれない。

そんな家族のお悩みを抱えた人がこの映画を観たら、胸のつかえがとれて救われた気持ちになるかもしれない

悩みは、一人で抱えずに、腹の底からぶちまけてしまった方が良い



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「幼な子われらに生まれ」予告編 動画





更新履歴・公開、販売情報

・2017年8月27日 映画館にて鑑賞。

・2018年9月30日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。



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キャスト&スタッフ


出演者

浅野忠信
…(「累-かさね-」、「パンク侍、斬られて候」、「沈黙-サイレンス-」、「父と暮らせば」、「座頭市」など)

〇田中麗奈

〇宮藤官九郎

寺島しのぶ
…(「オー・ルーシー!」、「蜩ノ記」など)



〇新井美羽

〇鎌田らい樹



監督

〇三島有紀子

原作

〇重松清


原作本:「幼な子われらに生まれ」

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2017年製作 日本映画



幼な子われらに生まれ



あらすじ


残業もせず、同僚と飲みに行くこともなく、毎日真っ直ぐ家に帰る会社員の田中信(浅野忠信)は、4年前に2人の娘を持つシングルマザーの奈苗(田中麗奈)と再婚した。

一見、平和そうに見える一家だが、信は、12歳になる長女の薫(南沙良)が彼になついてくれないことを悩んでいた。

その一方で、キャリアウーマンの元妻、友佳(寺島しのぶ)との間に生まれた、同じく12歳になる娘・沙織(鎌田らい樹)のことを常に気にかけていて、年に4回二人で過ごす時間を作っていた。

思春期にさしかかった薫は、そんな信の2重生活を感じ取り、「パパは本当のお父さんだけ」と信のことを拒絶するのだった…。



幼な子われらに生まれ2



感想(ネタバレあり)


子連れ再婚の「つぎはぎ家族」


私の父は、中学生の頃に母親が他界し、その後間もなく、父親(私の祖父)が2人の子を持つ女性と再婚した。

そのため、父は4人兄弟だが、そのうち、2人は血がつながっていない。

私にとっては、物心ついた時から祖母だけど、父にとっては未だに他人という雰囲気を感じてしまう。

その理由を私は父から聞いたことはないが、祖父が再婚した時に既に中学生だった父にとっては、ショックなできごとだったように思う。



そんなことを身近に見ているせいか、この映画の主人公一家の気持ちがよく分かるような気がした。

家庭よりも仕事やキャリアアップを優先したい妻と離婚し、家庭的な女性と再婚した主人公の信。

仕事や付き合いよりも家庭を大切にする信は、仕事が終わると真っ直ぐ家に帰って家族サービスをするが、思春期を迎えた長女は彼に懐こうとしない。



妻は、そんな夫と娘の様子に気付いているのか、それとも気づかぬふりをしているのか、あたりさわりなく、家庭的な妻、よき母親を演じ続ける。



信は、そんな家族を「つぎはぎだらけの家族」と呼んでいた

私は、そんな、ちょっとギクシャクした「つぎはぎ家族」に親近感を抱きながらも、「そのつぎはぎを目立たなくする方法はないのか」と考えながら観ていた。

そして、やはり何より「会話」が大切なことと、ただの会話ではなく「腹を割った本音トーク」が、彼らをつなぎとめるカギになるのではと思った。



幼な子われらに生まれ3



「何でそんなことしたの」と言う前にできること


「あなたは、『なんで、そんなことをしたんだ』と理由を聞くだけで、私の気持ちを聞こうとしない」

と、信に言ったのは、寺島しのぶ演じる元妻の友佳だった。



信には、信なりの『理想の家族像』があって、相手もそれを望んでいると信じ込んでる。

だから、その『理想像』からはずれたことをすると『なんでそんなことをするの』と、相手を非難してしまう



信は友佳にそう言われて以来、長女の葵に対して「なんで、そんなことをするんだよ」ではなく、「じゃぁ、葵はどうしたいの?」と聞くようになった。

今思えば、その時の友佳の言葉が、信と葵の心の距離を近づけるターニングポイントだったように思う



その言葉には、私自身もグッとくるものがあった。

たとえば、自分の周りの人が何か間違いをしてしまった時に、つい、「何でそんなことをしたの」と言ってしまう。

何か間違った行動をしてしまった人には、それなりの理由があるのに、他の人から「何でそんなことをしたの」と言われると、責められているような気分になってしまう

「責められてる」と思うと、ますます心は閉じていくばかり



それよりも、「なんか、辛いことでもあった?」と言われたら、「実はね…」と心の中身を全部ぶちまけてしまうだろう。



友佳は、自分が犯した間違いについて、信から「なんでそんなことをしたの」ではなく、「辛かったでしょ」と一言声をかけて欲しかったのだ。

そしたら、素直に「ごめんなさい」が言えたのに。

友佳は、この映画の中ではとても出番が少ないけれど、そのわずかな出番の中で、「信の心の中身をさらけ出す」という重要な役割を担っていたように思う



幼な子われらに生まれ5



頭の中と感情がうまくリンクしない思春期の反抗


「じゃぁ、葵はどうしたいの?」

と言われた葵の答えは、「本当のパパに会いたい。本当のパパに会わせてよ」だった。



ちょっとネタバレをしてしまうけれど、葵は本気で実の父に会いたかったわけではない

葵の本当の父親は、まだまだ幼かった葵の歯が折れる程殴るような、最低のDV男だった。

きっと、葵の心の中では震えるほどに恐ろしい男の人だったに違いない。



では、なぜ、葵はそんなことを言ったのか。

それは、思春期の少女特有の「ただ、両親を困らせたかっただけ」だったのだと思う。

信が、前のお父さんとは違って、一緒に遊んでくれる優しい叔父さんだと知っている

でも、「本当のお父さん」じゃないのに、「パパ」って言うのは、なんだか恥ずかしい。

それなのに、妹の恵理子は「血がつながっていない」と知らずに、無邪気に「パパ」と呼んでいる。

そんなニセモノ家族を見ていると腹が立つのだ。



思春期ゆえに、頭の中では理解できても感情がついてこない

気持ちがどうにもならず、行き場のない感情を信にぶつけ続ける

葵だって、心の奥底ではそんなことはしたくないと思っている。



母の奈苗が妊娠中で、妹か弟が1人増えると聞いたから、余計に頭が混乱してしまった

このままの感情で、妹や弟を可愛がることができるのか。



信の言う「つぎはぎ家族」の中で、問題児となる葵だけれど、

私からすると、彼女は何も悪くはなくて、ただひたすらに「愛して欲しい」と叫んでいるように見えた

奈苗も「何考えてるのか分からない」と言う前に、もうちょっと気遣ってあげられなかったのかと思う。



幼な子われらに生まれ4



子供は大人にウソに気付いている


大人は、つい体裁を考えて、「良い家族」を演出しようとする。

子供たちには『まだ理解できない』からと、その複雑な関係を隠そうとし、真実を伝えない。



しかし、子供たちはそれなりに、『大人たちのウソ』に気付いている。

日頃から、親には「ウソをつくのはやめなさい」と言われているのに、親は平気で嘘をつくことに納得がいかない。

そして、子供たちも親に対して嘘をつくようになる。

大人たちは、子供たちのためを思ってついた嘘なのだが、結局は、子供たちを苦しめることになる



子供たちに、『大人の事情』は通用しない



葵が「パパに会いたい」と嘘をつき、それが嘘だと分かった時、信は葵のことを責めずに、そっと抱きしめた。

それが、葵と信の心の距離が近づいた瞬間だった。

誰がなんと言おうとも、葵は信の娘だし、葵のパパは信しかいない。

受け入れるか、距離を置くかしか方法がなく、葵は距離を置く方法を選んだ。

それも、「家族が平和でいるための方法」なのかもしれない。

常に側にいるよりも、遠くにいた方が、心の距離が近くなることだってある



家族の形が多様化していく中で、子連れ再婚は珍しいことでもない。

「血がつながっている」のに、ギクシャクした家族関係だっていくらでもあるんだから、「血がつながっていない」なら、なおさら。

子は親を映す鏡で、大人のウソや態度はすぐに子供に伝染してしまう



だから、子供に本音を打ち明けて欲しいと思うのなら、まずは、大人が本音を打ち明けるのが一番なんだろうと思った。

適当に取り繕った体裁は、子供をイラつかせるだけなのだ




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