クリスチャン・ベール主演の映画「ファーナス/訣別の朝」をWOWOWで観た。
アメリカの小さな田舎町で真面目に生きていた人間が、弟によってその人生を狂わされてしまう話。
最近観た映画で、良い演技してるなぁ~って感じた俳優さんたち、「ザ・ファイター」のクリスチャン・ベール、「メッセージ」「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」「贖罪の街」「96時間/レクイエム」のフォレスト・ウィテカー、「スリー・ビルボード」、「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」、「ハンガー・ゲーム」のウディ・ハレルソンが共演している映画だと知り、これは観なければ!!と思ったのが、観る決め手になった。
彼らの演技が素晴らしいのはもちろんのこと、希望を無くした田舎町の描写など、全てのシーンを見逃してはいけないと、最初から最後まで熱心に深く見入ってしまった作品だった。
私、なんだかんだ言って、こういう重たーーーい映画が好きなんだなぁ。
◆「ファーナス/訣別の朝」DVD
製鉄業で支えられているアメリカの田舎町。
製鉄所で働くラッセル(クリスチャン・ベール)は、恋人のリナ(ゾーイ・サルダナ)と同棲中。
父は寝たきりであり、弟・ロドニー(ケイシー・アフレック(「マンチェスター・バイ・ザ・シー」))と叔父(サム・シェパード)と共に父の面倒を見ながら暮らしている。
しかし、軍人の弟はギャンブル好きであり、お金のために地元の顔役が闇で行っているストリートファイトにファイターとして参加するという一面も持ち合わせていた。
そんな中、ラッセルは飲酒運転で事故を交通事故を起こし、人を死なせてしまったために服役することに。
その間、ロドニーはイラクへ派兵されてしまう・・・。

町が死んでるなと思った。
若い男が働きたいと思った時、働ける場所は製鉄所のみ、合法的な唯一の娯楽はギャンブルとお酒。
それに物足りない者たちは、違法なドラッグやストリートファイトへと心が奪われていく。
しまいには、製鉄所の閉鎖が噂される。
中国からもっと安い鉄が輸入できるようになるからだと。
そうなると、ますます町は活気を無くし、希望もなくなっていく。
この映画では、ある一人の男が、だらしない弟に振り回されてしまう人生が描かれているけれど、そのネガティブな人生の根底には、この「アメリカの死んでいく田舎町のどうにもならない現状」がある。

人が病にかかり死んでいくとき、悪い細菌や細胞が、良い細胞を一つ一つと殺していくように、活気も希望も無い死にかけた町は、悪い因子が、一人一人と人を殺していく。
その悪い因子が、この映画の諸悪の根源デグロート(ウディ・ハレルソン)だ。
彼は、自分の気に入らない人間を迷わず殺し、ドラッグを蔓延させて人を壊し、ストリートファイトで死にかけた人間をさらしものにする。
蜘蛛の巣のように、運悪く張り巡らせた悪の罠に見事にかかった獲物が、ロドニー(ケイシー・アフレック)とペティ(ウィレム・デフォー)であり、もちろん何の戸惑いも無く、デグロートは彼らを始末してしまう。

この死にかけた街を再生させるには、悪玉因子のデグロートを根元から経たなければならない。
そこに唯一の希望をかけたのが、主人公のラッセルだった。
デグロートのことは、「どうせ刑務所に入っても、すぐ出てくるんだろうなぁ」と私も思っていたから、殺すしかなかったと思う。
だから、ラストシーンには納得したし、心にずしーーーんとした重みが乗っかってきた。
街の癌のような存在だったデグロートが死んだことで、夜明けを迎える。
それは、新しい一日の始まりであり、希望である。

主人公のラッセルを演じたのは、クリスチャン・ベール(「The Promise/君への誓い」、「マネー・ショート 華麗なる大逆転」)。
誰よりも家族を愛する男ラッセル。
恋人リナから妊娠を告げられたシーンや、最後のデグロートとの一騎打ちの姿には心が痛んだ。
決して大げさにはせず、まるで昔からケイシー・アフレックと兄弟だったかのような自然な演技をするのが、クリスチャン・ベール。
最後の最後に大物を捕らえ、清々しい顔をしていたのが、とても印象的。
そして、今回、演技派が顔を揃えた中で、最も印象的だったのは、ウディ・ハレルソン。
この人は、ブチ切れジャンキーをやらせたら天下一品なんだなぁ。
彼が出ているシーンの全てがおぞましかったけど、中でも、足の指の爪と指の間に注射器挿してドラッグ注入している姿が一番恐ろしい ><
いやぁぁぁぁぁぁぁこの人、クレイジーーーーと思いながら観てた。
監督は「クレイジー・ハート」のスコット・クーパー。
運命に引きずられる男の人生と、死にゆく田舎町を見事に融合させた作品だった。
次回作は、ジョニー・デップが実在のマフィアのボス、ベネディクト・カンバーバッチがその弟を演じる「ブラック・スキャンダル」が公開待機中。
これで、「ブラック・スキャンダル」がマスマス楽しみになったよ。
しかし、この監督の作品は良い俳優がいっぱい出てるんだけど、すごいなぁ。
人間力だろうなぁ。

今回は、アメリカの製鉄業に頼り切った小さな田舎町が舞台だったけど、日本でも、田舎に行けば、唯一の娯楽は麻雀、パチンコ、競馬にカラオケなんて町はいくらでもある。
地元の頼りの綱だった工場がつぶれて、シャッター街になってしまった街だってたくさんある。
だからと言って、その街がジャンキーで溢れる街になるわけではないけれど、活気や希望を失わない町であって欲しいと思う。
この「ファーナス/訣別の朝」のように、ちょっとした心の隙間につけ入る悪玉因子が入り込まないためにも。
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アメリカの小さな田舎町で真面目に生きていた人間が、弟によってその人生を狂わされてしまう話。
最近観た映画で、良い演技してるなぁ~って感じた俳優さんたち、「ザ・ファイター」のクリスチャン・ベール、「メッセージ」「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」「贖罪の街」「96時間/レクイエム」のフォレスト・ウィテカー、「スリー・ビルボード」、「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」、「ハンガー・ゲーム」のウディ・ハレルソンが共演している映画だと知り、これは観なければ!!と思ったのが、観る決め手になった。
彼らの演技が素晴らしいのはもちろんのこと、希望を無くした田舎町の描写など、全てのシーンを見逃してはいけないと、最初から最後まで熱心に深く見入ってしまった作品だった。
私、なんだかんだ言って、こういう重たーーーい映画が好きなんだなぁ。
「ファーナス/訣別の朝」予告編 動画
(原題:OUT OF THE FURNACE)◆「ファーナス/訣別の朝」DVD
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あらすじ
製鉄業で支えられているアメリカの田舎町。
製鉄所で働くラッセル(クリスチャン・ベール)は、恋人のリナ(ゾーイ・サルダナ)と同棲中。
父は寝たきりであり、弟・ロドニー(ケイシー・アフレック(「マンチェスター・バイ・ザ・シー」))と叔父(サム・シェパード)と共に父の面倒を見ながら暮らしている。
しかし、軍人の弟はギャンブル好きであり、お金のために地元の顔役が闇で行っているストリートファイトにファイターとして参加するという一面も持ち合わせていた。
そんな中、ラッセルは飲酒運転で事故を交通事故を起こし、人を死なせてしまったために服役することに。
その間、ロドニーはイラクへ派兵されてしまう・・・。

感想(ネタバレあり) 活気も希望も無い、仕事もいずれなくなっていく死にゆく町
町が死んでるなと思った。
若い男が働きたいと思った時、働ける場所は製鉄所のみ、合法的な唯一の娯楽はギャンブルとお酒。
それに物足りない者たちは、違法なドラッグやストリートファイトへと心が奪われていく。
しまいには、製鉄所の閉鎖が噂される。
中国からもっと安い鉄が輸入できるようになるからだと。
そうなると、ますます町は活気を無くし、希望もなくなっていく。
この映画では、ある一人の男が、だらしない弟に振り回されてしまう人生が描かれているけれど、そのネガティブな人生の根底には、この「アメリカの死んでいく田舎町のどうにもならない現状」がある。

悪玉因子が、一つずつ善玉因子を殺していく
人が病にかかり死んでいくとき、悪い細菌や細胞が、良い細胞を一つ一つと殺していくように、活気も希望も無い死にかけた町は、悪い因子が、一人一人と人を殺していく。
その悪い因子が、この映画の諸悪の根源デグロート(ウディ・ハレルソン)だ。
彼は、自分の気に入らない人間を迷わず殺し、ドラッグを蔓延させて人を壊し、ストリートファイトで死にかけた人間をさらしものにする。
蜘蛛の巣のように、運悪く張り巡らせた悪の罠に見事にかかった獲物が、ロドニー(ケイシー・アフレック)とペティ(ウィレム・デフォー)であり、もちろん何の戸惑いも無く、デグロートは彼らを始末してしまう。

再生への道は、悪玉因子を取り去ること
この死にかけた街を再生させるには、悪玉因子のデグロートを根元から経たなければならない。
そこに唯一の希望をかけたのが、主人公のラッセルだった。
デグロートのことは、「どうせ刑務所に入っても、すぐ出てくるんだろうなぁ」と私も思っていたから、殺すしかなかったと思う。
だから、ラストシーンには納得したし、心にずしーーーんとした重みが乗っかってきた。
街の癌のような存在だったデグロートが死んだことで、夜明けを迎える。
それは、新しい一日の始まりであり、希望である。

クリスチャン・ベール X ウディ・ハレルソン X 監督 スコット・クーパー
主人公のラッセルを演じたのは、クリスチャン・ベール(「The Promise/君への誓い」、「マネー・ショート 華麗なる大逆転」)。
誰よりも家族を愛する男ラッセル。
恋人リナから妊娠を告げられたシーンや、最後のデグロートとの一騎打ちの姿には心が痛んだ。
決して大げさにはせず、まるで昔からケイシー・アフレックと兄弟だったかのような自然な演技をするのが、クリスチャン・ベール。
最後の最後に大物を捕らえ、清々しい顔をしていたのが、とても印象的。
そして、今回、演技派が顔を揃えた中で、最も印象的だったのは、ウディ・ハレルソン。
この人は、ブチ切れジャンキーをやらせたら天下一品なんだなぁ。
彼が出ているシーンの全てがおぞましかったけど、中でも、足の指の爪と指の間に注射器挿してドラッグ注入している姿が一番恐ろしい ><
いやぁぁぁぁぁぁぁこの人、クレイジーーーーと思いながら観てた。
監督は「クレイジー・ハート」のスコット・クーパー。
運命に引きずられる男の人生と、死にゆく田舎町を見事に融合させた作品だった。
次回作は、ジョニー・デップが実在のマフィアのボス、ベネディクト・カンバーバッチがその弟を演じる「ブラック・スキャンダル」が公開待機中。
これで、「ブラック・スキャンダル」がマスマス楽しみになったよ。
しかし、この監督の作品は良い俳優がいっぱい出てるんだけど、すごいなぁ。
人間力だろうなぁ。

活気も希望も無い町は、死にゆく町への危険信号
今回は、アメリカの製鉄業に頼り切った小さな田舎町が舞台だったけど、日本でも、田舎に行けば、唯一の娯楽は麻雀、パチンコ、競馬にカラオケなんて町はいくらでもある。
地元の頼りの綱だった工場がつぶれて、シャッター街になってしまった街だってたくさんある。
だからと言って、その街がジャンキーで溢れる街になるわけではないけれど、活気や希望を失わない町であって欲しいと思う。
この「ファーナス/訣別の朝」のように、ちょっとした心の隙間につけ入る悪玉因子が入り込まないためにも。
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