イギリス映画「パディントン」実写版をWOWOWで観た。
世界的な絵本「パディントン」を実写映画化。
ペルーの奥深くに住んでいた熊のパディントンが、ロンドンに引っ越してきた!?
【満足度 評価】:★★★★☆
面白かったなぁ。
子供向け映画と思いきや、イギリスらしく、大人も楽しめるピリッと辛い風刺も満載の映画だった。
◆「パディントン」 DVD
◆原作本「くまのパディントン」
◆【Amazon.co.jp限定】パディントン スペシャルBOX
…(「英国総督 最後の家」、「ブレス しあわせの呼吸」、「パディントン2」など)
〇サリー・ホーキンス
…(「パディントン2」、「シェイプ・オブ・ウォーター」、「僕と世界の方程式」、「ブルージャスミン」など)
〇ジュリー・ウォルターズ
…(「メリー・ポピンズ リターンズ」、「パディントン2」、「ブルックリン」、「ワンチャンス」、「ハリー・ポッターと賢者の石」、「ハリー・ポッターと秘密の部屋」、「ハリー・ポッターとアズガバンの囚人」、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」、「リトル・ダンサー」など)
〇ジム・ブロードベント
…(「パディントン2」、「ベロニカとの記憶」、「イーグル・ジャンプ」、「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」、「ウィークエンドはパリで」、「ビッグゲーム」、「ブルックリン」、「ターザン:REBORN」、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」など)
〇ニコール・キッドマン
…(「ある少年の告白」、「アクアマン」、「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」、「パーティで女の子に話しかけるには」、「ファング一家の奇想天外な秘密」、「シークレット・アイズ」、「リピーテッド」、「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」、「バースデイ・ガール」、「レイルウェイ 運命の旅路」、「ザ・インタープリター」など)
〇ベン・ウィショー(声の出演:パディントン)
…(「メリー・ポピンズ リターンズ」、「パディントン2」、「未来を花束にして」、「リリーのすべて」、「ロブスター」、「白鯨との闘い」、「007 スカイフォール」など)
〇ピーター・キャパルディ
…(「パディントン2」など)
2014年製作 イギリス映画

ペルーの山奥でひっそりと暮らしていた熊のパディントン(声:ベン・ウィショー)だったが、地震が起きて、山林が倒壊、パディントンは住む家を失ってしまう。
そこで、かつて叔父さんが親交のあった探検家は、「いつでもロンドンに訪ねておいで」と言ってくれていたことから、彼を訪ねてロンドンへやってきた。
しかし、初めて訪れたロンドンはペルーとは全く違い、どうしていいか分からず困っていると、ブラウン夫妻が彼を泊めてくれるという。
しかし、いつまでもそこにいられないパディントンは、探検家を探し始めるのだが…。

「パディントン」と言われたら、赤い帽子と青いダッフルコートのぬいぐるみを思い出す。
あぁ、そういえば、そんなぬいぐるみあったなぁ~ぐらいの感じ。
その元ネタが絵本だとは知らなかった(笑)
下手したら、プーさんとパディントンの違いも微妙(笑)
そのぐらいの「パディントン」音痴なので、そもそも「パディントン」の絵本がどんな物語なのか当然知らない。
しかーーーーし!!
この映画のパディントンは相当面白かったので、絵本もこんなにユーモアにあふれ、ウィットに富み、風刺のきいたパンチのある絵本ならちょっと買いたいぞと思った。
それぐらい、この実写版「パディントン」は面白かったのだ。
当然、大人が観ても十分に面白い。
いや、むしろ、大人が見た方が楽しめるのでは??という要素がいっぱい詰まっていた。

これが、さすがアイロニーが好きな国イギリスが製作した映画だなと思った。
パディントンは、英語が話せる特別な熊。
その彼が、大地震で家をなくし、なんとかしなきゃと思ってロンドンを訪ねるが、そこでは彼は完全な「よそ者」。
困っている彼を観ても、誰も声をかけてくれないし、もちろん助けてなんてくれない。
そんなバディントンの様子は、必死な思いでイギリスに入国した難民と姿がダブっていく。
例えば、インドやバングラデシュあたりで、大きな地震が起きて、家が流されてしまった1人の難民が、必死の思いでロンドンにたどり着いた場合とかなり近いと思う。
運よく、ブラウン一家に声をかけてもらったパディントン。
彼らの家に泊めてもらおうとすると、まず、近所の人(カリーさん)が嫌な顔をする。
そして、ブラウンさんのお父さんは、「養護院へ預けてしまえ」という。
これは、先程の例で言えば、「インド人が来た」と言って、周り近所は冷たい視線を送り、「入国管理局へ連絡してしまえ」と言っている人たちとさほど変わらない。
つまり、パディントンは近年のイギリスでの移民の扱いのメタファーだと思うと非常に面白い。
この辺が、さすが風刺好きの国イギリスならではの皮肉のこもった描き方だなと思った。

その後、パディントンは彼を嫌うニコール・キッドマンから殺されそうになりながら、彼の生まれもった人の良さで、なんとか逃げ切る。
そして、ブラウン一家と共に暮らすことになる。
それは、イギリスが難民を受け入れて、仲良く暮らそうじゃないかというメッセージにも見える。
しかし、そんなメッセージも空しく、この映画の公開後、イギリスはEUを離脱してしまう。
それがヨーロッパの保守化を加速させ、移民の受け入れに難色を示す国が増え続け、とうとうアメリカも受け入れないと言い出した。
パディントンは、持ち前の人の良さが子供たちに愛され、ブラウン一家にはなくてはならない存在になった。
「子供たちは、パディントンを愛しているのに、なんで追いだす必要があるの」とブラウン夫人が夫に涙ながらに訴えるシーンがある。
それは、まさに現在のイギリスを示しているんだろう。
インドやパキスタンの移民を受け入れ、もう何十年も仲良くやってきた。
それを、なぜ、いまさら追い出そうとするのか。

この映画のラストに、その思いが詰まった歌が流れる。
その歌詞がとても印象的だった。
それは、イギリス人もインド人もアメリカ人も、おっとびっくり可愛い日本人も、みんな楽しくやろうぜ~。
そんな歌詞だった。
イギリスは日本と同じく島国で、長い間単一民族で暮らしてきた。
だから、より異なる者に敏感なんだろう。
でも、見た目がちょっと人と違うからという理由で追いだすのではなく、それぞれの良いところを受けいれば、仲良く暮らせば良いじゃん。
この映画が、本当に言いたいのはそういうことなんだなと思った。
それが、この映画が子供向きではなく、大人が見てこそ楽しめる理由である。
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◆「パディントン」 DVD
◆原作本「くまのパディントン」
◆【Amazon.co.jp限定】パディントン スペシャルBOX
世界的な絵本「パディントン」を実写映画化。
ペルーの奥深くに住んでいた熊のパディントンが、ロンドンに引っ越してきた!?
【満足度 評価】:★★★★☆
面白かったなぁ。
子供向け映画と思いきや、イギリスらしく、大人も楽しめるピリッと辛い風刺も満載の映画だった。
「パディントン」予告編 動画
(原題:PADDINGTON)◆「パディントン」 DVD
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キャスト&スタッフ
出演者
〇ヒュー・ボネヴィル…(「英国総督 最後の家」、「ブレス しあわせの呼吸」、「パディントン2」など)
〇サリー・ホーキンス
…(「パディントン2」、「シェイプ・オブ・ウォーター」、「僕と世界の方程式」、「ブルージャスミン」など)
〇ジュリー・ウォルターズ
…(「メリー・ポピンズ リターンズ」、「パディントン2」、「ブルックリン」、「ワンチャンス」、「ハリー・ポッターと賢者の石」、「ハリー・ポッターと秘密の部屋」、「ハリー・ポッターとアズガバンの囚人」、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」、「リトル・ダンサー」など)
〇ジム・ブロードベント
…(「パディントン2」、「ベロニカとの記憶」、「イーグル・ジャンプ」、「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」、「ウィークエンドはパリで」、「ビッグゲーム」、「ブルックリン」、「ターザン:REBORN」、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」など)
〇ニコール・キッドマン
…(「ある少年の告白」、「アクアマン」、「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」、「パーティで女の子に話しかけるには」、「ファング一家の奇想天外な秘密」、「シークレット・アイズ」、「リピーテッド」、「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」、「バースデイ・ガール」、「レイルウェイ 運命の旅路」、「ザ・インタープリター」など)
〇ベン・ウィショー(声の出演:パディントン)
…(「メリー・ポピンズ リターンズ」、「パディントン2」、「未来を花束にして」、「リリーのすべて」、「ロブスター」、「白鯨との闘い」、「007 スカイフォール」など)
〇ピーター・キャパルディ
監督
〇ポール・キング…(「パディントン2」など)
2014年製作 イギリス映画

あらすじ
ペルーの山奥でひっそりと暮らしていた熊のパディントン(声:ベン・ウィショー)だったが、地震が起きて、山林が倒壊、パディントンは住む家を失ってしまう。
そこで、かつて叔父さんが親交のあった探検家は、「いつでもロンドンに訪ねておいで」と言ってくれていたことから、彼を訪ねてロンドンへやってきた。
しかし、初めて訪れたロンドンはペルーとは全く違い、どうしていいか分からず困っていると、ブラウン夫妻が彼を泊めてくれるという。
しかし、いつまでもそこにいられないパディントンは、探検家を探し始めるのだが…。

感想(ネタバレあり)
パディントンの絵本の存在を知らず…
「パディントン」と言われたら、赤い帽子と青いダッフルコートのぬいぐるみを思い出す。
あぁ、そういえば、そんなぬいぐるみあったなぁ~ぐらいの感じ。
その元ネタが絵本だとは知らなかった(笑)
下手したら、プーさんとパディントンの違いも微妙(笑)
そのぐらいの「パディントン」音痴なので、そもそも「パディントン」の絵本がどんな物語なのか当然知らない。
しかーーーーし!!
この映画のパディントンは相当面白かったので、絵本もこんなにユーモアにあふれ、ウィットに富み、風刺のきいたパンチのある絵本ならちょっと買いたいぞと思った。
それぐらい、この実写版「パディントン」は面白かったのだ。
当然、大人が観ても十分に面白い。
いや、むしろ、大人が見た方が楽しめるのでは??という要素がいっぱい詰まっていた。

ペルーの山奥からロンドンに降り立った1人の移民…パディントン
これが、さすがアイロニーが好きな国イギリスが製作した映画だなと思った。
パディントンは、英語が話せる特別な熊。
その彼が、大地震で家をなくし、なんとかしなきゃと思ってロンドンを訪ねるが、そこでは彼は完全な「よそ者」。
困っている彼を観ても、誰も声をかけてくれないし、もちろん助けてなんてくれない。
そんなバディントンの様子は、必死な思いでイギリスに入国した難民と姿がダブっていく。
例えば、インドやバングラデシュあたりで、大きな地震が起きて、家が流されてしまった1人の難民が、必死の思いでロンドンにたどり着いた場合とかなり近いと思う。
運よく、ブラウン一家に声をかけてもらったパディントン。
彼らの家に泊めてもらおうとすると、まず、近所の人(カリーさん)が嫌な顔をする。
そして、ブラウンさんのお父さんは、「養護院へ預けてしまえ」という。
これは、先程の例で言えば、「インド人が来た」と言って、周り近所は冷たい視線を送り、「入国管理局へ連絡してしまえ」と言っている人たちとさほど変わらない。
つまり、パディントンは近年のイギリスでの移民の扱いのメタファーだと思うと非常に面白い。
この辺が、さすが風刺好きの国イギリスならではの皮肉のこもった描き方だなと思った。

みんな彼のことを愛しているのに、なぜ追い出そうとするのか…
その後、パディントンは彼を嫌うニコール・キッドマンから殺されそうになりながら、彼の生まれもった人の良さで、なんとか逃げ切る。
そして、ブラウン一家と共に暮らすことになる。
それは、イギリスが難民を受け入れて、仲良く暮らそうじゃないかというメッセージにも見える。
しかし、そんなメッセージも空しく、この映画の公開後、イギリスはEUを離脱してしまう。
それがヨーロッパの保守化を加速させ、移民の受け入れに難色を示す国が増え続け、とうとうアメリカも受け入れないと言い出した。
パディントンは、持ち前の人の良さが子供たちに愛され、ブラウン一家にはなくてはならない存在になった。
「子供たちは、パディントンを愛しているのに、なんで追いだす必要があるの」とブラウン夫人が夫に涙ながらに訴えるシーンがある。
それは、まさに現在のイギリスを示しているんだろう。
インドやパキスタンの移民を受け入れ、もう何十年も仲良くやってきた。
それを、なぜ、いまさら追い出そうとするのか。

「ちょっと見た目は違う」人も、一緒に楽しく暮らしていこう
この映画のラストに、その思いが詰まった歌が流れる。
その歌詞がとても印象的だった。
それは、イギリス人もインド人もアメリカ人も、おっとびっくり可愛い日本人も、みんな楽しくやろうぜ~。
そんな歌詞だった。
イギリスは日本と同じく島国で、長い間単一民族で暮らしてきた。
だから、より異なる者に敏感なんだろう。
でも、見た目がちょっと人と違うからという理由で追いだすのではなく、それぞれの良いところを受けいれば、仲良く暮らせば良いじゃん。
この映画が、本当に言いたいのはそういうことなんだなと思った。
それが、この映画が子供向きではなく、大人が見てこそ楽しめる理由である。
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コメント
コメント一覧 (4)
コメントありがとうございます。
確かに私が言っていることは理想論かもしれません。
しかし、移民の中に悪人がいるからと言って、移民全員が悪だと決めつけるのも問題だと思います。
イギリス人にだって悪人はいて、だからといってイギリス人全員が悪人ではないことと一緒です。
パキスタン人の中にも、一生懸命まじめに生きている人だっています。
だからこそ、人種に対する偏見を持たないように、映画の中でこそ理想を語るべきだと私は思っています。
イギリス人にだって悪人はいて、だからといってイギリス人全員が悪人ではないことと一緒です。
論点ずらしだなぁ、と思った。
「どんな人種にも良い人悪い人はいる」こんなん、多分全員分かりきってることだと思う。でも、この言葉を盾にして問題になっている「悪人」の議論をうやむやにする姿勢は評価しないな
移民や難民によって、自国民が損害を被り、移民難民全体に白い目を向けるのは至って当然のこと。その当然の感情を否定するのは綺麗事というか偽善だな、そう感じた。
こんにちは。
コメントありがとうございます。
あんこさんの主張なさりたいことは分かりました。
けれど、私はそれでも「移民=悪」とは思えません。
この映画はリアリティを追及するタイプの映画というよりも、人々に「理想の世界」を見せて楽しませるエンターテインメント作品ですので、そこに「夢」や「きれいごと」があっても、私は良いと思います。
意見の相違があったようですね。
これに懲りず、ぜひ、また来ていただけたらと思います。