グウィネス・パルトロウ主演、アンソニー・ホプキンスジェイク・ギレンホール共演の映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」をWOWOWで観た。

偉大な数学者を父に持つ娘が、病の父の介護と父の名を超える苦悩を描く。


映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」

満足度 評価】:★★★★☆

父と娘、、姉と妹、新しい恋人と自分など、それぞれの関係を通じて自分とは何者かを証明していく映画。

じっくりと、俳優たちの演技を楽しめる映画だった。

「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」予告編 動画

(原題:PROOF)





キャスト&スタッフ


出演者

グウィネス・パルトロウ
…(「アイアンマン」、「コンテイジョン」、「恋におちたシェイクスピア」など)

アンソニー・ホプキンス
…(「ハイネケン誘拐の代償」、「羊たちの沈黙」、「アミスタッド」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「9デイズ」、「ノア 約束の舟」など)

ジェイク・ギレンホール
…(「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」、「ライフ」、「オクジャ okja」、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」、「プリズナーズ」、「エヴェレスト3D」、「ミッション:8ミニッツ」、「サウスポー」、「ムーンライト・マイル」、「遠い空の向こうに」、「ブロークバック・マウンテン」)

ホープ・デイヴィス
…(「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」、「ディス/コネクト」など)

監督

ジョン・マッデン
…(「恋におちたシェイクスピア」、「マリー・ゴールドホテルで会いましょう」など)


2005年制作 アメリカ映画



あらすじ


シカゴで暮らす27歳のキャサリン(グウィネス・パルトロウ)は、最近偉大なる数学者の父親(アンソニー・ホプキンス)を亡くしたばかり。

自宅の父の書斎には、父の弟子である数学者のハル(ジェイク・ギレンホール)が入り浸って父の研究を漁っている。

NYに住む姉のクレア(ホープ・デイヴィス)は、父の葬儀のため帰宅し、キャサリンと目が合えば小言が絶えず、ケンカばかり。

そんな中、キャサリンは、父や彼女のことを気遣ってくれるハルに心が惹かれ始める…。




感想(ネタバレあり)


親の老いは悲しく切ない


親の老いを目の当たりにするっていうのは、悲しいものだよね。

それは、子供のとても勝手な言い分だとは分かっているけど、とても偉大だった親が老いていくのはすごく寂しい。

主人公のキャサリンは27歳。

とても偉大な数学者を父に持つ。

父に似て数学が好きな彼女は、大学で数学を学び始める。

ある時、彼女は自分が証明した定理について、父に意見を聞こうとした時、もう父は、彼女の書いた理論について、1行も理解できない状態になっていた…。

これは、切ないよなぁ。

27歳の娘としては、まだまだ親に褒めて欲しい時だったのだと思う。

しかし、現実は彼女に対して、とても冷たかった。


映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」グウィネス・パルトロウ、アンソニー・ホプキンス



ひねくれ、こじらせ、もがきながら親の殻を破る娘


彼女が証明した定理は、父に検証してもらうことなく埋もれていくところで、恋人のハルがそれを見つけ出す。

この時、キャサリンは父以外の人間に認めてもらう瞬間だった。

なのに、彼女は素直に喜ばない。

それは、キャサリンの証明を、父のものだと勘違いしたためだった。

もしも、この時、少し素直になって彼女が証明したものだと、キチンと説明すれば良かった。

しかし、そうではなく、ひねくれてしまったために、話をこじらせてしまった。

「あぁもったいない。素直に喜べばいいのに」と思うのは、すっかり大人になって、人生の中で物事の進め方を学んでしまったから。

キャサリンは、27歳とはいえ、まだまだ子供で、父親の庇護が欲しい年頃だった。

その庇護という殻を一生懸命破ろうとし、話をこじらせてしまった。

それは、本人も良く分かっている。

だからこそ、一旦、シカゴを出てNYへ行くという提案を受け入れ、空港へ向かうタクシーの窓を開け、ハルの投げたノートを受け入れたんだ。


映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」グウィネス・パルトロウ、ホープ・デイヴィス、ジェイク・ギレンホール



全ての殻を破った時、「本当にやりたいこと」が見えてくる


そして、ほんの少し心の扉を開けたキャサリンは、そこから「本当に自分がやりたいこと」に気付く。

これは、本当にハルの力が大きい。

「君が見つけたことを証明しよう」と言ってくれたハル。

彼の力がなければ、父の殻を破って外に出ることはできなかったと思う。

この映画の良いところは、こんなにひねくれちゃったキャサリンにも、すごく優しく温かく接しているところだ。

人はみんな素直にすくすく成長できるわけではない。

時には、深く傷つき、そのせいでひねくれる時もあるし、言ってはいけないことを言ったりもする。

でも、そんな時だからこそ、優しく手を差し伸べたら、またすくすくと成長する生き物なのだ。

その彼女の成長の過程を観るのが、深く考えさせられ、また清々しい映画だった。

映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」グウィネス・パルトロウ、ホープ・デイヴィス、ジェイク・ギレンホール



豪華な出演者の演技を観ているのが楽しい映画


主人公のキャサリンを演じるのは、グウィネス・パルトロウ

彼女は、とてもクールなイメージだけど(例えば「アイアンマン」シリーズのペッパー)、こうやって喜怒哀楽が激しい役もやるんだなぁと思った。

また、その喜怒哀楽の激しさがとても良かった。

何かに行き詰ったり、傷ついたりした時は、こうやって落ち込んで、怒って、泣くことで、ネガティブな感情を全部吐き出すことも必要だよなぁと思った。

また、それが成長するということでもあるんだよね。

とても将来が気になる数学者、キャサリンだった。


映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」グウィネス・パルトロウ


キャサリンの父で偉大なる数学者には、アンソニー・ホプキンス

さすがに、彼は出てきただけで数学者に見えるんだなぁ。不思議なことに。

ただ、うつ病患者には見えなかったし、彼がどれだけ偉大な数学者だったのかというのも、ちょっと伝わりづらかった。

ちょっと彼については説明不足のところがあったかなぁと思った。


映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」グウィネス・パルトロウ、アンソニー・ホプキンス


キャサリンの父の弟子であり、キャサリンの恋人になるハルに、ジェイク・ギレンホール

本当に、いつも、ジェイク・ギレンホールは優しい彼氏だよね。

そこは裏切らない。

今回も、キャサリンの良いところも、悪いところも理解して側にいてくれる優しい彼氏。

で、彼はそれをちゃんと自然に表現するから良い。

安心して観ていられる。


映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」ジェイク・ギレンホール


監督は、「恋におちたシェイクスピア」のジョン・マッデン

グウィネス・パルトロウとは2作目。

視線がね、優しくて良いんですよ。この監督は。



映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」グウィネス・パルトロウ、ジェイク・ギレンホール



「一緒にがんばろう」と言ってくれる人のありがたさ


この映画を見てて思ったのは、自分が精神的に追い詰められた状況にある時って、「君が正しいよ。だから、一緒にがんばろう」って言ってくれる人の存在って、本当に大きいなぁと思った。

世間を騒がせたSTAP細胞の話も、同じように「力になるから、一緒に証明しよう」っていう人がいたら、少しでも状況が変わったのかもしれないなと思った。

だれかが手をつないでくれたり、背中を押したりしてくれるだけで、その目の前に広がる世界が変わってくる。

だから、そんなことがあった瞬間は、絶対にひねくれたり、そっぽを向いたりしてはいけない。

しっかりと、相手と見つめ合って、本気かどうかを確かめた上で、一緒に前に進むことが大切なことなんだと思う。







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