リュック・ベッソン製作・原案・脚本の映画「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ」を試写会で観た。

1944年 第二次世界大戦の末期にナチスドイツがサラエボの山奥に隠した金塊を米軍特殊部隊 ネイビーシールズが奪還するアクション娯楽映画。


満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

何も考えず、気軽にド派手なアクションを楽しめる作品。

私としては、そのド派手なアクション映画の舞台をサラエボにしたことにロマンと意義があると感じた。

その詳しい理由は感想に。

ネタバレを含みます。感想は映画をご覧になってからお読みください


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!」予告編 動画

(原題:RENEGADES)



更新履歴・公開、販売情報

・2017年12月26日 試写会で観た感想を掲載。

・2018年12月1日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。

DVDで観る:「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!」

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キャスト&スタッフ


出演者

〇サリバン・ステイプルトン

〇チャーリー・ビューリー

シルヴィア・フークス
…(「ブレードランナー 2049」、「鑑定士と顔のない依頼人」など)

〇ジョシュア・ヘンリー

〇ディアミッド・マルタ

〇ディミトリー・レオニダス

ユエン・ブレムナー
…(「T2 トレインスポッティング」、「ワンダーウーマン」など)

J・K・シモンズ
…(「フロントランナー」、「ラ・ラ・ランド」、「パトリオット・デイ」、「ザ・コンサルタント」、「Re:LIFE リライフ」、「セッション」、「マーダー・オブ・キャット」、ドラマシリーズ「カウンターパート/暗躍する分身」など)

監督

〇スティーヴン・クォーレ

製作・脚本・原案

リュック・ベッソン
…(<製作・脚本>「96時間」、「96時間 リベンジ」、「96時間/レクイエム」<監督・脚本>「LUCY ルーシー」)

2017年製作 フランス・ドイツ合作映画



映画「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!」




あらすじ


1944年 敗戦間近のナチスドイツの親衛隊は、これまで略奪してきた多くの貴重品を隠すため、サラエボの山奥にある小さな村へやってくる。

しかし、村人たちはナチスを撃退するため、村にある巨大なダムを爆破して村を水没させてしまう。

もちろん、ナチスはお宝と共に水没し、そのお宝の中には、大量の金の延べ棒も含まれていた。

それから50年経った1995年。

サラエボはのボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争中だった。

その時、米軍特殊精鋭部隊のネイビーシールズは、セルビア人の将軍から村人たちを解放する任務のため、その村に潜入していた。

そして、任務が終了したとき、その川底に眠る金塊の話を聞いた彼らは…。



映画「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!」




感想(ネタバレあり)


現実離れしたなんちゃってネイビーシールズたちを楽しむ



ヨーロッパのひっそりとした山奥に、米軍特殊精鋭部隊のネイビーシールズがやってきて、ドカーンと爆発させたり、戦車が暴走したり、ヘリとドローンで銃撃戦したり、ド派手に暴れまくる!!

細かいことは気にしない!とにかく派手な奴お願い!!

と思っているアクション映画ファンだったら、きっとそれなりに満足できるはず



とにかくオープニングからアクション盛りだくさん!

そのアクションを観て、私は昔懐かしの「特攻野郎Aチーム」を思い出した(笑)

舞台が1995年ということもあって、あの当時のアクション映画の雰囲気を感じる。



そんな感じで、そんなに深い内容を考えなくても十分楽しめるけれど、私は「もうちょっと、この映画のことを詳しく知りたい」と思う人のために、この映画の背景について考えてみたい。



まず、主人公はネイビーシールズの5人組。

ネイビーシールズとは、米軍で最強で最高の特殊精鋭部隊

志願しても簡単に入ることはできず、厳しい訓練を勝ち残った人間だけが、晴れてその一員となれる。

(より詳しい説明は Wikipedia ネイビーシールズ



彼らの活動は主に極秘任務が多く、海外で要人が誘拐された場合の奪還作戦や、暗殺任務、諜報活動・偵察任務などが含まれる。

シールズたちの活躍は、これまで度々映画化されてきたけれど、私の中で最も印象に残っているのはトム・ハンクス主演の映画「キャプテン・フィリップス

この映画は、アフリカのソマリア沖で海賊がアメリカ人を誘拐した実話を描いた作品。

アフリカを航行していたアメリカ船籍の貨物船が海賊に襲われてしまい、フィリップス船長は高額な身代金を要求するための人質として誘拐されてしまう。

そのフィリップス船長を海賊から奪還作戦するのがネイビーシールズだった。



その船長奪還作戦の場面では、緊迫感とリアリティがあった。

その時のシールズたちが、異常に体が大きくがっちりとしていたので不思議に思っていたら、その映画でシールズを演じていたのは、元シールズたちだったことが後でわかった。

映画にリアリティを出すために、彼らを使ったのだとか。

そうでもしなければ、俳優たちを何か月もかけて訓練し、体を作らなければなければならないし、現場にいる彼らの動きは、そんなに簡単にマネできるものではないというのがその理由だった。



実際のシールズといったら、それぐらい全員が超人だということ。

だから、この映画を本物のシールズたちが見たら「こんなことしねーよ」と言われちゃいそうなぐらい、主人公たちはとてもチャラい。

なので、ここで描かれているシールズはパロディだと思えばいいと思う。

決して、リアルなシールズではない



それを踏まえた上で、この映画のなんちゃってシールズたちを楽しめばいい

実際に、私は「これは別物」と思って楽しんだ。



彼らは、1995年のボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争において、民族浄化を行っている将軍を拉致するためにサラエボへやってきた。

その任務の内容は確かに、シールズがやりそうなこと。

ただし、シールズの作戦は「極秘・非正規」のものなので目立たないように将軍を拉致しないといけないのに、ここでは小さな村を一つ破壊するぐらいの勢いでド派手に堂々と拉致してしまった!



それには、J・K・シモンズ演じる上官のレヴィン少将もブチ切れ「お前ら3日間の謹慎!!」という処分がくだされる

そこで暇になった彼らは「ナチスの金塊」が川底で眠っているのを知り、その金塊を掘り起こすことを思いつく。



映画「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!」J・K・シモンズ



ナチスドイツとセルビア人に苦しめられたサラエボの悲しい歴史



舞台となっているのは、サラエボである。

1944年 第二次大戦 末期、当時のサラエボはナチスドイツの支配下にあった。

世界各地から金銀財宝を集めたナチスは、それらをサラエボの山奥にある銀行に隠していた。

しかし、ナチスを撃退したい村人たちは、ダムを爆破して決壊させ、村ごと水の中に沈めてしまう。



それから50年後、再びサラエボは内紛によりセルビア人の支配下にあった

村人たちからナチスの金塊の話を聞いたララはその金塊を掘り起こし、内紛で苦しんだ人たちを助けようと思った。



その計画をネイビーシールズの一員で、ララの恋人であるスタントンが聞き、世界最強のネイビーシールズなら掘り起こせるのではと思った。



まぁ、しかし、いくら謹慎中で暇だからといって、そんな「お宝さがし」みたいなことはネイビーシールズがやるはずもないし、それをネイビーシールズに聞いたら「そんなことしねーよ」と言いそうだけど、これは娯楽映画だから!!

細かいことは気にせず楽しめばいいんじゃないかと(半分自分に言い聞かせている)



映画「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!」



暗い歴史にしばられてきた人々を解放するド派手なアクション映画



しかし、50年前のナチスのお宝で、セルビア人に苦しめられた人々を助けたいというコンセプトはとても気に入った

どう考えてもそんなことは起こりえないけど、でも、そこにはロマンがある



どうせナチスの金を使うなら人助けに使い、それも、ホロコーストと似たような民族浄化で苦しんだ人々を助けるっていうのはいいなと思った。

ホロコーストにしろ、セルビア人による民族浄化にしろ、共にヨーロッパが抱える黒い歴史の一つ

だからこそ、ナチスのお宝でその苦しんだ人々を助けるということにとても意義があるような気がした



その仲介役に米軍のネイビーシールズを選んだのは、フランスでもイギリスでもドイツでもない国が良かったからかもしれなない。

もしも、フランス軍やイギリス軍が、ナチスのお宝を探すことになったら、自分たちがナチスドイツよって受けた被害をそれで修復しようという考えになるかもしれない。

ドイツに本土を攻撃されなかったアメリカだからこそ良かったのかもしれない。



もちろん、アクションを考えれば、ネイビーシールズがベストになる。

潜水能力にたけている上に、戦闘能力も兼ね備えていると考えたら、ネイビーシールズが良いと思うのは当然のことだろう。

いろんな意味で、ネイビーシールズが最適だったということかな。



しかし、こうして改めて見てみると、サラエボという町は長い間、常にどこかの支配下にあって、戦争状態にあったというのがわかる

本当に市民たちは、この映画に登場するぐらいの金塊をもらってもいいと思えるような生活を強いられてきた人たちであり、このド派手なアクション映画は、その暗い歴史から彼らを解放するような意味も込められていたように感じた。



映画「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!」J・K・シモンズ



「ヨーロッパ・コープ」が東欧でド派手なアクション映画を製作する意義



この映画は、製作・原案・脚本がリュック・ベッソンで、彼が率いる製作会社ヨーロッパ・コープの作品である



これまで常に戦闘下にあり、戦争や内紛で虐げられた生活を送ってきたサラエボに、あえてスポットライトをあてて、ド派手なアクション映画でサラエボの市民を解放する。

「ヨーロッパ・コープ」が作ったからこそ意味のある映画だったのではないだろうか。



正直言えば、そのド派手なアクションシーンの中でも、1999年が舞台のはずなのに最新鋭のドローン戦闘機が飛んでるし、主人公たちだって、どう見たってネイビーシールズには見えない。

しかし、この映画に限っては、そんな脚本の穴をつつくよりも「セルビアの人たちを救いたい」という思いを買いたいと思った。

彼らを救うのが、奪ってもどこの国も困らない「ナチスの秘宝」だったら、めでたしめでたしではないのか。

(ドイツは所有権を主張するかもね)



それが夢のような話だからこそ、この映画は最後に心が温かくなるのだ。

現在のヨーロッパでは、東欧諸国が先進国のお荷物になっているという批判をよく聞く。

だからこそ、映画の世界で成功した「ヨーロッパ・コープ」が、東欧でドカンと派手な映画を作って景気を盛り上げる

そんなベッソンの心意気を感じた作品だった。



ド派手なアクションが楽しいだけでなく、その裏側で、こんな夢のような話が本当にあったらいいのにと思える、心が温まるおとぎ話だった


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