池田エライザ主演の映画「ルームロンダリング」を試写会で観た。
あまり人が住みたがらない事故物件を浄化する「ルームロンダリング」をしている女性 のコメディタッチな成長物語。
【満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)
ルームロンダリングという特殊な世界を背景に、幽霊は大丈夫でも、生きている人とはうまく向き合えないという引きこもり二十歳女子が、幽霊から生きることの素晴らしさを教えられるという成長物語が良かった。
目次
「ルームロンダリング」予告編 動画
更新履歴・公開情報
・2018年6月11日 試写会で鑑賞。
・2018年7月9日 感想を掲載。
・2019年5月24日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。
現在、ネット配信、DVD、共に販売中。作品情報は、下記公式サイトより。
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キャスト&スタッフ
出演者
…(「SUNNY 強い気持ち・強い愛」など)
〇渋川清彦
〇伊藤健太郎
〇光宗薫
…(「映画 深夜食堂」など)
監督・脚本
〇片桐健慈
2018年製作 日本映画
あらすじ
幼い頃に母が蒸発し、祖母に育てられるが、18歳の時にその祖母も亡くなり天涯孤独になった御子(池田エライザ)だったが、祖母の葬式に叔父の悟郎(オダギリジョー)が現れ、御子に住む場所と仕事を提供するという。
その仕事というのが、事故があった訳アリ物件に住んで訳なし物件にするという「ルームロンダリング」だった。
それ以来、御子は事故物件を転々とするようになるが、御子には霊が見える特技があるため、行く先々で霊の悩みを聞くようになってしまう…。
感想(ネタバレあり)
「ルームロンダリング」は本当にある!!
昔やっていた仕事の関係で不動産屋さんとお酒を飲んだことがある。
その時に、この映画の題材である「ルームロンダリング」の方法を聞いた。
自殺や他殺のような事故があった部屋は、次の入居希望者に「どんな事故があった部屋か」を伝えなければならない。
しかし、一定期間、誰かが住んだ後は「事故があった」と伝えなくてもいいという決まりがある。
つまり、そのまま売りに出せば誰も買い手がつかない事故物件も、一定期間誰かが住んだ後なら普通の物件と同じように売ることができるということ。
そのために、不動産屋さんの中には、「事故物件」にホームレスのような人を一定期間住まわせて、「事故なし物件」にしている会社もある。
そんな話を聞いたとき、それは全く想像もつかない世界だったのでとても衝撃的だった。
事故があった部屋は「事故があった」と開示しなければいけないとか、その次に誰かが住んだあとは「事故なし物件」になるとか、住む人がいなければホームレスを住まわせるとか…。
この映画は、まさに、そんな世界を舞台にしている話なので、私は、その時の不動産屋さんの衝撃的な話を思い出し、「観たい!!」と思ったのだ。
それに、その「事故物件」を「事故なし物件」にすることをマネーロンダリングになぞらえて「ルームロンダリング」と呼んでいるのも面白いと思った。
さすがに、この映画は社会派映画ではなく、コメディ映画なので、主人公はホームレスではなく、若い女性だけれど、それ以外の部分では、私が聞いた話とほぼほぼ一緒だったので、とても面白かった。
そして、その若い女性が主人公の御子(池田エライザ)であり、御子は幽霊が見えるという特技を持っているという設定も面白いと思った。
自分の特技を受け入れられず、他人と距離を置いてしまう 御子
日本人は、外国の人たちに比べて「他人と違うことを嫌がる」傾向にあると言われる。
今でこそ、「人と違うことは素晴らしい個性」と言うようになったけれども、人と違うことを受け入れて生きていくことはなかなか難しい社会である。
そんな社会の中で、幼い頃から「幽霊が見える」という御子の個性は、受け入れがたいものがあっただろうと思う。
そんな特技は他の人に理解してもらえないし、同級生たちには気味悪がられたに違いない。
だからだろうか。
御子は人と接することがとても苦手だし、「ルームロンダリング」という職業柄、隣近所の人たちと積極的に関わろうとはしない。
もしも、住んでいる部屋に買い手が見つかれば、すぐ出て行かなければならないし、彼女がしている「仕事」について、根掘り葉掘り聞かれても困る。
そのため、彼女は「ご近所づきあいは御法度だ」と決めていた。
しかし、そうやって人間とはうまくコミュニケーションがとれない御子だったが、なぜか、その部屋にいる幽霊とは仲良くなってしまうことに困っていた。
御子は幽霊のことが見えてしまうため、幽霊たちに話しかけると、幽霊たちも話しかけてくる。
彼らは、いきなり殺されたり、自殺したりしたため、この世に未練を残している。
彼らは、その「未練」を御子に話すことで成仏しようとしているのか…。
御子は御子で、彼らの話を聞いてあげてしまう。
そうして、御子は部屋を浄化すると共に、その部屋で暮らしていた人たちも浄化しているのだ。
自信喪失、自意識過剰…周りの視線を気にしすぎる人たちが陥る不幸
そもそも、事故物件はなぜ嫌われるのだろうか。
その部屋で誰かが殺されたり、自殺してしまった事故があったからだ。
物件を探しをしている人たちは「きっと幽霊がいるに違いない」と思って、その部屋には住みたがらない。
幽霊に脅かされたり、いたずらされたりするんじゃないかと思ってしまうのだ。
しかし、その部屋で亡くなった人たちは、本来なら「死ぬ必要のない人たち」だった。
パンクロッカーの公比古(渋川清彦)は、周りの評価を気にしすぎて「もう俺はダメだ。もう終わりだ」と勝手に思い込んでいた。
でも、実際に彼が遺したデモテープをレコード会社に送ってみたら、好反応だったのだ。
その次のコスプレイヤーの悠希もそうだ。
自意識過剰な彼女は、それを見ている人たちから反感を買ってしまう。
彼女は生きていたいのに、「ムカつく」という理由で殺されてしまう。
自分の特技のせいで周りの人とうまくコミュニケーションとれない御子もそうだけど、彼らは他人の評価や、他人の視線を意識しすぎるゆえに不幸になってしまった人たちなのだ。
ルームロンダリングをしなくていい社会が理想的
御子は、なぜ周りの人たちとうまくコミュニケーションがとれないのか。
それは、彼女が「母親に捨てられた」と思っているところに原因があった。
しかし、実は母は彼女を捨てていないことを知っていた叔父の悟郎は、姉と御子を引き合わせる。
母は母で、やはり幽霊が見えてしまうことを悩んでいたのだ。
そこで御子は、幽霊が見えることが自分だけではないこと、それが、御子の家族がみな背負っていることであることを知る。
そうして、その特技が自分の生まれ持ったものであり、だからこそ、母親に再び会えるのだということを知る。
そうして、御子は今まで嫌っていた自分の特技を受け入れることで、周りの人たちへの接し方も変わってくる。
この時、御子は大人になったのだ。
ロッカーの公比古だって、もっと早く自分の個性を受け入れて、その個性に自信を持って生きていたら、死なずに済んだのかもしれない。
みんな人と違っていてもいい、人はそれぞれ違っているからこそ面白いのだ。
この映画は「ルームロンダリング」という特殊な事情を描いた作品だけれど、本当なら「ルームロンダリング」なんてことが必要ないことが一番いい。
みんな、周りのことなど気にせずに、もっと気楽に生きていればいいんじゃないか。
そんなことを感じた映画だった。
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toe@とにかく映画が好きなんです@pharmacy_toe
#ルームロンダリング感想
2018/06/11 22:33:43
生きている人間とうまく付き合えない二十歳の御子が、幽霊たちから生きる素晴らしさを教えられる
「訳あり物件」を「訳なし物件」に変えるルームロンダリングという特殊な世界が面白かったし
そういうことを気にし… https://t.co/SCeCFfryug
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