オマール・シー、シャルロット・ゲンズブール主演の映画「サンバ」をWOWOWで観た。

移民局で働く女性と、セネガルの移民の青年の心の交流を通じて、フランスの労働や移民についての問題を描く。

労働問題、移民問題と聞くと、すごく難しい話のように感じて身構えてしまうけど、そんなことはなく、とても笑えてハッピーな映画だった。

【満足度】:★★★★☆

「サンバ」予告編 動画

(原題:SAMBA)




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あらすじ


移民局で働くことになったアリス(シャルロット・ゲンズブール)は、日々訪ねてくる移民たちが抱える問題を聞き、解決の手助けをすることが仕事だ。

彼女が初めて担当になったセネガルからの移民、サンバ(オマール・シー)は、フランスに住み始めてから10年、レストランの皿洗いとして真面目に働き、もうすぐ調理師の免許もとれるという時に、退去命令を受けてしまう。

アリスはそんなサンバの力になりたいと思い、いろいろと調べ始めるが、同僚のマニュ(イジア・イジュラン)から、
「移民とは、距離を置いた方が良い」と言われてしまい…。


サンバ


感想(ネタバレあり) 心を無くすまで働くということ


今から、ちょうど1年ぐらい前、私はIT会社でWebデザイナーとして仕事をしていた。

毎日、朝の10時から、夜中の12時まで働き、東京にあった会社から、横浜の自宅へ帰り、3~4時間程寝てから、また出勤するという毎日を過ごしていた。

職場へ行けば、「仕事内容が酷い」と怒鳴られ、「もっと早く仕事をしろ」と怒鳴られる。

土日に家にいる時には、そのほとんどを寝て過ごすという日々を送っていた。

それでも、「このまま辞めたら負けたことになる」と思い込んでいた私は、その会社で7年間働き続け、1年前に辞める決心をした。

辞める直前には、ほぼ毎晩泣いて過ごすような生活だった。

そんな私の様子を見た両親は、「絶対にうつ病になる」と断言していたが、逃げるように辞めた結果、うつ病にならずに済んだ。

しかし、退社後に人間ドッグへ行った際には、あちこち不良が見つかって、結局1週間程入院することとなった。

サンバ2


生きる力をくれるのは、力強く生きるあなたの笑顔


そんな私が、この映画を観た時、「アリスは私だ。アリスも私も一緒だ。」と思った。

私は、アリスの言う「精神が壊れる」寸前で辞めたので、彼女のように安定剤も持っていないし、睡眠導入剤も必要ない。

でも、アリスが、生命力溢れるサンバに生きる力をもらい、「この人のために何かしてあげたい」と思う気持ちは、痛い程よく分かる。

それに、サンバの屈託のない笑顔を観ていると、心が癒されるんだなぁ。

アリスにとっては、その移民局での仕事が社会へ戻る復帰戦であり、リハビリのようなもの。

そんな時に、サンバのように、何を言っても笑ってくれる、とても大きな人に出会えて、心強かったんだろうなぁと思う。

サンバがアリスの部屋へ行った時、ベッドのサイドテーブルにあったサンバの写真に、「これは何?どこで手に入れたの??」と聞かれ、「あなたの写真を見ていると、とても元気になるのよ」と、アリスが言っていたシーンがとても印象的で、心に残っている。

そうなんだよね。

心がとても荒んでいる時は、好きな人の顔を思い浮かべるだけでも、すごく元気になるもんだよね。

よく分かるわぁと思い、心が温かくなるシーンだった。


サンバ3

「もうこれ以上働きたくない」過重労働と、「どんな仕事でも良いから働きたい」安い労働力の矛盾


しかし、アリスとサンバの間には、フランスが抱えるとても大きな矛盾がある。

フランス人たちは、「成績を上げるために」毎日12時間という、明らかに違法な過重労働で、必死に働いている。

その一方で、「すごく働きたい」移民たちは、いくら真面目に働いていても、汚れ仕事を請け負っていても、ちょっとした書類の不備で、母国へ強制送還させられてしまう。

そのために、彼らは、同じ黒人だったらバレないから、「他人の労働許可証」で働くようになる。

安い労働力が欲しい雇い主は、身分証の写真に映っている顔が「同一人物かどうか」ではなく、「黒人かそうでないか」ぐらいしか見ない。

そして、彼らは、他人の許可証で、他人の名前で働き始める。

結局、国は移民たちを強制送還しながらも、雇い主たちは、その安い労働力をあてにしている。

これは、私が実際に働いている時にも思ったんだけど、「この仕事は、あなたしかできない」なんてことは、絶対に無い。

新たな労働力を育てる努力をしないで、できる人に押し付けているだけ。

できる人には、どんどん仕事が押し付けられ、できない人には、チャンスがなかなか与えられず、いつまで経っても仕事が回ってこない。

そんな悪循環がある。

この映画のサンバも、映画のラストの方で、自分の名前を捨てるか、新しい名前でフランスで生活するか選択に迫られる時がある。

それは、サンバがワンランク上の仕事をすることができる最大のチャンスだった。

決して良い方法ではないけど、「それは絶対にダメだよ」なんて、誰も言えないと思う。

私は、サンバがあの時、あのジャケットを着ていたのは、神様からサンバへのプレゼントだったのではないかと思う。

しかし、全ての人に、もっとチャンスが与えられれば、もっとたくさんの人がハッピーになれるのに。

サンバ4

「最強のふたり」コンビ プラス フランスを代表する女優、シャルロット・ゲンズブール


主人公のサンバを演じるのは、オマール・シー

本当に笑顔が素敵な俳優さんだなぁ。

最強のふたり」で有名な俳優さん。

最近では、ハリウッドデビューも果たし、「X-MEN フューチャー&パスト」や、「あしたは最高のはじまり」、「ショコラ~君がいて、僕がいる~」、「ジュラシック・ワールド」、「インフェルノ」に主演。

でも、フランス映画に出てこそ、良い味が出せると思うんだけどなぁ。

ハリウッドには、良い黒人俳優さんはたくさんいるしねぇ。

サンバに恋するアリスを演じるのは、シャルロット・ゲンズブール

最初に、ものすごい疲れた顔で出てきた時に、正直、「いや~>< シャルロット・ゲンズブールも劣化が…」と思ってガッカリしながら観ていたところ、サンバとの距離が近づくにつれ、美しく、且つ色っぽくなっていく姿に、
「役作りだったのかぁ~!!」と気付き、ビックリ(笑)

いやいや、さすがに芸歴の長い女優さん。

その後も、ブチ切れる演技や、ダンスのシーンなんかも、お見事。

久しぶりに、イキイキとしたシャルロット・ゲンズブールに会えて良かった。

最新作は、「インディペンデンスデイ:リサージェンス」に主演の予定。

監督は、「セラヴィ!」、「最強のふたり」のエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュ


サンバ5

あなたがいれば、もっと強くなれる


この映画を観ていて、いいなぁと思ったのは、サンバにとっても、アリスにとっても、お互いが支え合っている感じがとても良い。

この人が側にいると強くなれる。

そんな関係が良いなぁと思った。

それと、どうせなら私も上司を殴ってから仕事を辞めれば良かったと思った(笑)

それにしても、とても良い映画を観て、心が晴れやかで、温かい。

本当に観て良かった。



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