チェスの神童について描く「ボビー・フィッシャーを探して」をNHK BSプレミアムで観た。
チェスの神童と呼ばれた実在の人物ジョシュ・ウェイツキンが7歳の時にチェスと出会った頃の様子を描く。
【満足度 評価】:★★★★☆
良い映画だったなぁ。この映画「ボビー・フィッシャーを探して」で描かれるのは、「負けを克服することの難しさ」だった。
7歳にして、「勝ち続けること」に恐怖を感じプレッシャーに押しつぶされるジョシュと、そこから抜け出していく姿が感動的だった。
◆ネット配信で観る:「ボビー・フィッシャーを探して」(字幕版)
◆DVDで観る:「ボビー・フィッシャーを探して」
◆原作本「ボビー・フィッシャーを探して」
◆映画パンフレット 「ボビー・フィッシャーを探して」
〇ジョーン・アレン
…(「ルーム」など)
〇ベン・キングスレー
〇ローレンス・フィッシュバーン
〇ウィリアム・H・メイシー
1993年製作 アメリカ映画
ジョシュ・ウェイツキン(マックス・ポメランク)は、7歳の時に公園で大人たちがチェスをやるのを見ているだけで、そのルールを覚えてしまう。
お父さんのフレッド(ジョー・マンテーニャ)は、教えていないチェスを覚え、大人たちを負かしてしまうそのスキルを見て、伝説のチェス教師ブルース・パンドルフィーニ(ベン・キングスレー)にその教育を任せることに。
しかし、フレッドはブルースが反対しているチェスのトーナメントにジョシュを出場させる。
日頃、大人と対戦しているジョシュはどの大会でも優勝するようになるが、そのことが次第に彼へのプレッシャーとなていく…。
正直、チェスのルールなんて1つも分からない。
チェスだけではなく、将棋も囲碁もやったことがないから、この映画「ボビー・フィッシャーを探して」を観ても、ルールなんてちっとも分らないし、どのタイミングで勝負が決まるのかも分からない。
それでも、この映画を観ていて楽しかったし、最後はとても爽快な気分になった。
だから、チェスが全く分からない人でも安心して観られる作品だと思う。
主人公は7歳にしてチェスの天才ジョシュ。
ジョシュは誰にも教わらないのに、公園で大人たちがチェスを打つのを観て、そのルールを覚えてしまい、対戦までできるようになった。
その当時のアメリカのチェス界では、かつて冷戦の最中に大統領の命令でソ連のチェスチャンピオンと対戦し、見事に勝利を収めたチェス世界チャンピオンのボビー・フィッシャーが失踪し、第二のボビー・フィッシャーが求められていた。
そのボビー・フィッシャーの対戦を間近で観ていたのが、ブルース・パンドルフィーニであり、その彼がジョシュを「第二のボビー・フィッシャーだ」と言い、ジョシュの教育を引き受けることとなった。
しかし、ブルース以上にジョシュの才能を信じていたのは、父のフレッドだった。
彼はジョシュをブルースが反対するチェスのトーナメント(子供の部)に出場させるようになる。
ブルースは、「トーナメントで勝つための」チェスをやることが気に入らなかった。
恐らく、彼はもっと基礎の基礎からジョシュをキチンと教育したいと考えのだと思う。
ところが、ジョシュはブルースの反対をよそにどの大会でも勝ち続け、常に1位を取り続ける。
すると、そのうち「どんな時も1位でなければならない」と思うようになり、それが次第にプレッシャーとなっていく。
そこには、父フレッドが「お前なら勝てる」「1位になれる」と言い続けたために、「お父さんに愛される子供」でいたいジョシュは「1位を取らないとお父さんに嫌われる」と考えるようになる。
これは、週末になると地方で行われている大会に父と2人で行き、学校もチェスを学べる学校へ転校するなど、「チェス中心の生活」にシフトチェンジした上、同世代の友達がいないために、ジョシュにとって世界は「お父さんとチェスだけ」になってしまったことが原因だったのではと思った。
そして「負けること」を恐れるあまり、自分らしいプレイができず、萎縮するようになってしまう…。
この時、本当に勝ちたかったのは、「お父さん」だったのか、「ジョシュ」だったのか。
ジョシュ以上に勝利にこだわっていたのが、お父さんだったのではないかと思う。
「勝ち」にこだわるあまり、「自分の息子」であるジョシュを見失ってしまったお父さん。
そのことに気付かせてくれたのが、妻のボニー(ジョーン・アレン)であり、ブルースだった。
そこで、ブルースはジョシュと2週間の釣り旅行に出かける。
一切、チェスの話題は禁止にしてただひたすら釣りだけを楽しむ。
それが、ジョシュにとっての良い気分転換になる。
というより、それも、お父さんにとっての良い気分転換だったんだろう。
ちゃんと息子と向き合って、チェスをしていない彼は何に興味を持って、何を楽しんでいるのか。
お父さんは、そうすることで、ようやく7歳の息子の姿を知ったのだと思う。
その親子の姿を観て感じたのは、「負けを克服することの難しさ」だった。
スポーツ選手でも、どんな世界でも、常に勝ち続けて負け知らずの人間などいない。
誰もが、出初めの頃は何度も「負け」を経験し、痛い思いをし、自分の弱みを知って、次の戦いに挑んでいく。
だから、強い人間になるためには、必ず「負ける経験」が必要になる。
お父さんは新聞のスポーツ欄を担当している記者なんだから、たくさんの一流アスリートたちの「負ける姿」を観ているはず。
だから、「負けること」が「次の勝ち」につながることはよく知っているはずで、誰よりもその素晴らしさを教えることができるはずなのに…。
お父さんも「神童の父」として、インタビューを受けたりして、良い気になっていたんだろうなぁ。
「勝ち」というのは、あくまでも必死で戦った結果でしかない。
大切なのは、そこに至るまでの経過だってことを教えて欲しかったんだけどなぁ。
「お前なら勝てる」しか言えなかったお父さんはちょっと残念だった。
しかし、結局、釣りでの気分転換と、伝説の教師ブルースの教えもあって、最後は無事に勝利してこの映画「ボビー・フィッシャーを探して」は幕を閉じる。
その勝利の寸前。
「勝負をドローにして、両方がチャンピオンになろう」と毅然とした表情で腕を差し出したジョシュがとても印象的だった。
そして、この映画「ボビー・フィッシャーを探して」のラストには、ジョシュ・ウェイツキンがその後どうなったかが書かれていた。
彼はその後18歳以下のチェストーナメントで全米一になったという。
その後も、バスケや野球を続けたのだとか。
さらに、その後どうしているのかがとても気になったので、調べてみた!!
そしたら、驚愕!!なんと、チェスの神童から全米一の武術家に華麗に転身していた!!
その上、なんと、自己啓発本まで出していた(笑)
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私の想像では、今も第一線で活躍するプロのチェスプレイヤーだったんだけど…。
全く予想もしない方向へ進んでいた…(笑)
あぁでもなぁ。
1つの分野でNo.1を極めた人は、他の分野でもNo.1を極めるというのは、なんとなく分かる気がする。
どちらも共通しているのは、集中力とか、精神力のメンタル面の強さなんだと思う。
それは、きっとこの自己啓発本を読めば、もっと詳しく出ているはず。
やるんなら、とことん突き詰めるまでやれってことなんだろうな。
ホント、人生いろいろだな。
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チェスの神童と呼ばれた実在の人物ジョシュ・ウェイツキンが7歳の時にチェスと出会った頃の様子を描く。
【満足度 評価】:★★★★☆
良い映画だったなぁ。この映画「ボビー・フィッシャーを探して」で描かれるのは、「負けを克服することの難しさ」だった。
7歳にして、「勝ち続けること」に恐怖を感じプレッシャーに押しつぶされるジョシュと、そこから抜け出していく姿が感動的だった。
「ボビー・フィッシャーを探して」予告編 動画(日本語字幕なし)
(原題:SEARCHING FOR BOBBY FISCHER)◆ネット配信で観る:「ボビー・フィッシャーを探して」(字幕版)
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キャスト&スタッフ
出演者
〇マックス・ポメランク
〇ジョー・マンテーニャ
〇ジョーン・アレン
…(「ルーム」など)
〇ベン・キングスレー
〇ローレンス・フィッシュバーン
…(「運び屋」、「アントマン&ワスプ」、「30年後の同窓会」、「ジョン・ウィック チャプター2」、「パッセンジャー」、「コンテイジョン」、「m:i:III」、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」など)
〇ローラ・リニー
…(「ハドソン川の奇跡」、「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」、「ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>」、「エミリー・ローズ」、ドラマシリーズ「オザークへようこそ」など)
…(「ハドソン川の奇跡」、「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」、「ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>」、「エミリー・ローズ」、ドラマシリーズ「オザークへようこそ」など)
〇ウィリアム・H・メイシー
〇デヴィッド・ペイマー
〇トニー・シャルーブ
監督・脚本
〇スティーヴン・ザイリアン1993年製作 アメリカ映画
あらすじ
ジョシュ・ウェイツキン(マックス・ポメランク)は、7歳の時に公園で大人たちがチェスをやるのを見ているだけで、そのルールを覚えてしまう。
お父さんのフレッド(ジョー・マンテーニャ)は、教えていないチェスを覚え、大人たちを負かしてしまうそのスキルを見て、伝説のチェス教師ブルース・パンドルフィーニ(ベン・キングスレー)にその教育を任せることに。
しかし、フレッドはブルースが反対しているチェスのトーナメントにジョシュを出場させる。
日頃、大人と対戦しているジョシュはどの大会でも優勝するようになるが、そのことが次第に彼へのプレッシャーとなていく…。

感想(ネタバレあり)
チェスを知らなくても楽しめる
正直、チェスのルールなんて1つも分からない。
チェスだけではなく、将棋も囲碁もやったことがないから、この映画「ボビー・フィッシャーを探して」を観ても、ルールなんてちっとも分らないし、どのタイミングで勝負が決まるのかも分からない。
それでも、この映画を観ていて楽しかったし、最後はとても爽快な気分になった。
だから、チェスが全く分からない人でも安心して観られる作品だと思う。
主人公は7歳にしてチェスの天才ジョシュ。
ジョシュは誰にも教わらないのに、公園で大人たちがチェスを打つのを観て、そのルールを覚えてしまい、対戦までできるようになった。
その当時のアメリカのチェス界では、かつて冷戦の最中に大統領の命令でソ連のチェスチャンピオンと対戦し、見事に勝利を収めたチェス世界チャンピオンのボビー・フィッシャーが失踪し、第二のボビー・フィッシャーが求められていた。
そのボビー・フィッシャーの対戦を間近で観ていたのが、ブルース・パンドルフィーニであり、その彼がジョシュを「第二のボビー・フィッシャーだ」と言い、ジョシュの教育を引き受けることとなった。

お父さんを喜ばせるために勝つ
しかし、ブルース以上にジョシュの才能を信じていたのは、父のフレッドだった。
彼はジョシュをブルースが反対するチェスのトーナメント(子供の部)に出場させるようになる。
ブルースは、「トーナメントで勝つための」チェスをやることが気に入らなかった。
恐らく、彼はもっと基礎の基礎からジョシュをキチンと教育したいと考えのだと思う。
ところが、ジョシュはブルースの反対をよそにどの大会でも勝ち続け、常に1位を取り続ける。
すると、そのうち「どんな時も1位でなければならない」と思うようになり、それが次第にプレッシャーとなっていく。
そこには、父フレッドが「お前なら勝てる」「1位になれる」と言い続けたために、「お父さんに愛される子供」でいたいジョシュは「1位を取らないとお父さんに嫌われる」と考えるようになる。
これは、週末になると地方で行われている大会に父と2人で行き、学校もチェスを学べる学校へ転校するなど、「チェス中心の生活」にシフトチェンジした上、同世代の友達がいないために、ジョシュにとって世界は「お父さんとチェスだけ」になってしまったことが原因だったのではと思った。
そして「負けること」を恐れるあまり、自分らしいプレイができず、萎縮するようになってしまう…。

トーナメントで優勝したいのはお父さんなのか、ジョシュ本人なのか
この時、本当に勝ちたかったのは、「お父さん」だったのか、「ジョシュ」だったのか。
ジョシュ以上に勝利にこだわっていたのが、お父さんだったのではないかと思う。
「勝ち」にこだわるあまり、「自分の息子」であるジョシュを見失ってしまったお父さん。
そのことに気付かせてくれたのが、妻のボニー(ジョーン・アレン)であり、ブルースだった。
そこで、ブルースはジョシュと2週間の釣り旅行に出かける。
一切、チェスの話題は禁止にしてただひたすら釣りだけを楽しむ。
それが、ジョシュにとっての良い気分転換になる。
というより、それも、お父さんにとっての良い気分転換だったんだろう。
ちゃんと息子と向き合って、チェスをしていない彼は何に興味を持って、何を楽しんでいるのか。
お父さんは、そうすることで、ようやく7歳の息子の姿を知ったのだと思う。

「次に勝つための負け」を知る
その親子の姿を観て感じたのは、「負けを克服することの難しさ」だった。
スポーツ選手でも、どんな世界でも、常に勝ち続けて負け知らずの人間などいない。
誰もが、出初めの頃は何度も「負け」を経験し、痛い思いをし、自分の弱みを知って、次の戦いに挑んでいく。
だから、強い人間になるためには、必ず「負ける経験」が必要になる。
お父さんは新聞のスポーツ欄を担当している記者なんだから、たくさんの一流アスリートたちの「負ける姿」を観ているはず。
だから、「負けること」が「次の勝ち」につながることはよく知っているはずで、誰よりもその素晴らしさを教えることができるはずなのに…。
お父さんも「神童の父」として、インタビューを受けたりして、良い気になっていたんだろうなぁ。
「勝ち」というのは、あくまでも必死で戦った結果でしかない。
大切なのは、そこに至るまでの経過だってことを教えて欲しかったんだけどなぁ。
「お前なら勝てる」しか言えなかったお父さんはちょっと残念だった。

ジョシュ・ウェイツキンの華麗なる転身
しかし、結局、釣りでの気分転換と、伝説の教師ブルースの教えもあって、最後は無事に勝利してこの映画「ボビー・フィッシャーを探して」は幕を閉じる。
その勝利の寸前。
「勝負をドローにして、両方がチャンピオンになろう」と毅然とした表情で腕を差し出したジョシュがとても印象的だった。
そして、この映画「ボビー・フィッシャーを探して」のラストには、ジョシュ・ウェイツキンがその後どうなったかが書かれていた。
彼はその後18歳以下のチェストーナメントで全米一になったという。
その後も、バスケや野球を続けたのだとか。
さらに、その後どうしているのかがとても気になったので、調べてみた!!
そしたら、驚愕!!なんと、チェスの神童から全米一の武術家に華麗に転身していた!!
その上、なんと、自己啓発本まで出していた(笑)
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私の想像では、今も第一線で活躍するプロのチェスプレイヤーだったんだけど…。
全く予想もしない方向へ進んでいた…(笑)
あぁでもなぁ。
1つの分野でNo.1を極めた人は、他の分野でもNo.1を極めるというのは、なんとなく分かる気がする。
どちらも共通しているのは、集中力とか、精神力のメンタル面の強さなんだと思う。
それは、きっとこの自己啓発本を読めば、もっと詳しく出ているはず。
やるんなら、とことん突き詰めるまでやれってことなんだろうな。
ホント、人生いろいろだな。
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