ジェフリー・ラッシュ主演の映画「シャイン」をWOWOWで観た。

オーストラリアのピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットの半生を映画化。

この映画でジェフリー・ラッシュ第69回アカデミー賞(1996年)主演男優賞を受賞している。


満足度 評価】:★★★★☆

親の期待に押しつぶされていたデヴィッドがその呪縛から解け、ピアニストとして舞台に上がった姿に感動。

20年前に観た時はそうは思わなかったけど、今見ると父親の度を超したしつけが息子への虐待だったことに気付く。

子供に対する過剰な期待が子供にどんな影響を及ぼすのかがよく分かる映画だった。


「シャイン」予告編 動画(日本語字幕なし)

(原題:SHINE)




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キャスト&スタッフ


出演者

ジェフリー・ラッシュ
…(「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」、「鑑定士と顔のない依頼人」、「やさしい本泥棒」など)

〇アーミン・ミューラー・スタール

ノア・テイラー
…(「スカイスクレイパー」、「フリー・ファイヤー」、「プリデスティネーション」など)

監督

〇スコット・ヒックス

1995年製作 オーストラリア映画

シャイン

あらすじ


デヴィッド(ノア・テイラー)は幼いころから父親(アーミン・ミューラー・スタール)の厳しい指導の元、ピアニストになることを目指していた。

子供の頃から大人が弾くのも難しいラフマニノフの曲を弾いていたデヴィッドは、オーストラリア国内で話題のピアニストへと成長していく。

父はデヴィッドを大人になっても自分の元で育てたいと思っていたが、デヴィッドは父の制止を振り切り、ロンドンにある王立音楽院で本格的にピアノを学び始める。


シャイン4


感想(ネタバレあり)


オーストラリア人ピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットの半生


1995年に製作されたこの映画がWOWOWで放送していたので、久しぶりに観返してみた。

そしたら思った以上に心にズシンとくる映画だった。

オーストラリアのピアニストデヴィッド・ヘルフゴットの半生を映画化。

デヴィッド少年は、幼いころから輝けるピアノの才能があり、オーストラリア国内でも期待されていた。

しかし、デヴィッド本人が精神を病んでしまい、ピアニストとしての成功の道を絶たれてしまう。

この映画では、デヴィッドと父親の関係を軸に、なぜ、彼が心を病んでしまったのか、そして、それをどのように克服していったかについて描いている。


シャイン2

度を越した厳しすぎる「しつけ」は子供に対する虐待でしかない


私が20年前に観た時は、「厳しいお父さん」と「ちょっと変わったピアニスト」の話という印象しかなかった。

しかし、今になって観てみるとその厳しいお父さんのしつけは、デヴィッドに対する完全な虐待だったことが分かる。

「絶対的にピアニストになれ」という過剰な期待、「必ずラフマニノフを弾け」などという言葉での強要、暴力、濡れたタオルで叩くなどの肉体的な虐待…。

デビッドが少年だった頃は、そんなお父さんは「厳しいしつけ」をしているだけだったかもしれない。

しかし、今、こうして観ると、それはただの幼児虐待でしかない。

そして、その結果、デヴィッドは「ラフマニノフ」に憑りつかれ、ノイローゼを発症し、その後精神科病院に入院することになる。

未だにテレビを見ると、「厳しいしつけは必要だ」論がワイドショーなどで取り上げられているが、「厳しすぎる」しつけは子供に対して悪影響しかないことがよく分かる。


シャイン3

なぜ、お父さんは息子に厳しくあたってしまったのか


しかし、そんなお父さんにも全く同情できないわけではない。

これは、20年前に観た時には気付かなかった点だった。

ユダヤ系ポーランド人の父も少年時代はバイオリニストを目指していた。

ところが、やはり父の父もまたしつけに厳しく、彼のバイオリンを折ってしまう。

その時、バイオリニストとしての夢に破れた彼は、自分の子供であるデヴィッドをピアニストにすることに夢がシフトしていく。

さらに、戦時中に強制収容所に入れられ、一家離散してしまった経験から、

「家族は常に一緒にいなければならない」

という思いにとらわれてしまう。

それまでの経験から、父はデヴィッドをピアニストにすることと、家族が絶対一緒にいることに固執してしまった。

そんなお父さんの姿を観ていると、「なんて酷い父親なんだ」とも思えない。

彼が「私はお前のことを世界で一番愛している」とデヴィッドに言っていた言葉は決して嘘ではないし、どの親よりも情熱的に愛していた。

しかし、あまりにも「度を越した」振る舞いがデヴィッドを追い込んでしまったけれども、父には父なりの悲しい背景を抱えていた結果だった。

20年前の私には、そのお父さんの悲しい背景に気付いてあげることができなかったように思う。


シャイン5

父親の呪縛が解けた瞬間が最も輝けるとき


私がこの映画の中で最も感動したのは、ラストでデヴィッドが初めてのピアノリサイタルを行った場面だった。

オーストラリアの輝ける(シャイン)才能と言われたデヴィッド。

しかし、心を病んでしまい、そのせっかくの才能も花を咲かせることのないままの人生を送ることになってしまう。

もうすぐ40歳を迎えようとした頃、彼は妻のジリアンと出会う。

デヴィッドの才能と、彼の子供のような無邪気な性格を愛した占い師のジリアンの助けもあり、初のリサイタルを行う。

リサイタルは成功し、スタンディングオベーションを受けたデヴィッド。

それは、父親から受けた虐待の呪縛が解けた瞬間だったと思う。

父親の過剰なまでのしつけがなかったら、デヴィッドはもっと早くピアニストになっていたかもしれないけど、そんな父親がいなかったら、そもそも彼はピアニストになれなかったのかもしれない。

結局は、厳格な父との関係性が生んだピアニスト デヴィッド・ヘルフゴットだったんだと思う。

しかし、最後に父の墓参りをしたデヴィッドが

「ここへ来てもなんとも思わない」

と言っていたのが、デヴィッドにとっての父親の全てであり、その事実がなんとも切ない。





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