キム・ムヨル主演の韓国映画「7人の追跡者」をWOWOWで観た。

ギャンブルのアガリを巡って様々なひとが奪い合うコメディアクション映画。

劇場未公開の作品をどこよりも早く放送する「WOWOWジャパンプレミア」の一本。



満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

どうしても金が欲しい人たちが、大金を巡って浅ましい争いを繰り広げるクライムコメディ!

思わず爆笑してしまうところもあって、テンポよく楽しめた それだけでなく、その「金」を通して社会を風刺する皮肉にあふれたブラックな面も面白かった。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『7人の追撃者』予告編 動画

(原題:머니백(マネー・バック)英題:Snatch up)



更新履歴・公開、販売情報

・2019年8月13日 WOWOWにて鑑賞。

・2019年8月16日 感想を掲載。




キャスト&スタッフ


出演者

…(「ウンギョ 青い蜜」など)



〇チョン・グァンリョル



監督

〇ホ・ジュンヒョン


2018年製作 韓国映画



韓国映画「7人の追撃者」



あらすじ

フリーターのミンジェ(キム・ムヨル)は、お母さんが病気で入院してしまい、手術が必要になるが、手術代が払えない。

何としてでもお母さんに手術を受けさせたいミンジュは、違法ギャンブルへ。

そこで、大金を当てたミンジュだったが、借金をしていた高利貸しに全額奪われてしまう。

一方で、ギャンブル好きのチェ刑事(パク・ヒスン)は、支給されている拳銃を担保にギャンブルをするが負けてしまい、ペク社長(イム・ウォニ)に奪われてしまう…。

また、ムン議員(チョン・グァンリョル)は票を金で買って選挙に勝つために、その資金をペク社長に出させようとするのだが…。



映画「7人の追撃者」キム・ムヨル



感想(ネタばれあり)


大金を巡る狂騒曲。果たして金は誰の手に!?


お金が必要な人たちによる、ギャンブルで当てた大金をめぐる狂騒曲。



お母さんの手術代が必要なフリーター ミンジェ。

拳銃を担保にギャンブルで賭けをして、負けてしまい、なんとしてでも拳銃を取り戻したいチェ刑事。

仕事がなく、生活のために金が欲しい殺し屋。

選挙で勝つために、票を金で買いたい人気のない政治家 ムン議員。

違法ギャンブルの経営を続けていくために、政治家に渡す賄賂が必要なペク社長。



彼らは、主人公のミンジェがギャンブルで当てた大金を奪い合う。

果たして、大金は一体誰の手に!?



貧乏人も金持ちも、みんな金が必要

そこで彼らは「一攫千金」を狙って浅ましい戦いを繰り広げる

そこから見えてくるのは、「金」がないと何もできない社会の構図



この映画は、その「金の流れ」を通して「社会」を風刺するブラックコメディだった。



映画「7人の追撃者」パク・ヒスン



ここから見えてくる「金」>「命」の社会構造


きっかけは、主人公のミンジェにお母さんの手術代が必要になったことだった。

公務員を目指してコンビニでアルバイトをしながら勉強していたミンジェだが、収入が少なく、滞納と借金が貯まり、当然、お母さんの手術代が払えない。



ここで、ビックリしたのは韓国の社会事情。

日本だったら、先に必要な手術をして、その手術代をどうするか、分割にするか、一括にするかは、その後、病院と相談して決めること。



ところが、韓国はそうではなく、「手術代を払えなければ手術はしません」というのが病院のスタンス

それならば、例えば、救急搬送された場合は、家族がいきなり「手術代を至急支払ってくれ」と言われるということだろうか。

ということは、「金」>「命」ということになる。



金持ちは長生きして、貧乏人は金が払えず死んでいくということなのか。

そこからも、韓国の格差社会が見えてくる



資本主義だから、金があれば何でもできるが、金がなければ何もできないのは基本だと思うけれど、社会福祉は別に考えて欲しいところ。

国民皆保険制度の日本は幸せなことなんだなと改めて思う。

アメリカの医療制度も韓国と同じようなものだし、むしろ日本のようなケースが珍しいのかもしれない。



映画「7人の追撃者」イム・ウォニ



人は大金を目の前にすると浅ましくなる…


人によって金の使い途は様々だ。

お母さんの手術代が欲しいミンジェ、拳銃を奪い返したいチェ刑事、票を金で買いたいムン議員…。

貧しい者も富める者も、みんな「金」が欲しい



なぜなら、この社会は「金」がないと何もできないからだ。

そんな「金」中心の社会を、住みやすい社会にするのが政治の役割のはずだ。



ところが、公務員である刑事が違法ギャンブルに入り浸り、政治家が票を金で買おうとしている。

それで社会が良くなるはずがない



彼らの様子を見て、庶民の味方はどこにいるのか…と考えた時、残念ながら、どこにもいない。

むしろ、金欲しさに、人を殺すことだっていとわなくなってしまう…

目の前に金があると、人はドンドン浅ましくなっていくことが、この映画を観ているとよく分かる。



刑事も政治家も倫理観などなく、闇金も違法ギャンブのル社長も、みんな同じ穴のムジナなのだ。



映画「7人の追撃者」チョン・グァンリョル



この世に美味しい話はない


そりゃもちろん、誰だって金が欲しい。

宝くじが当たれば良いなと思うし、一攫千金を狙いたい。

しかし、その先に待っているのは、お先真っ暗の「落とし穴」なのだ。



そこから得た教訓は「この世に美味しい話などない」



いや、もちろん、天文学的な確率で宝くじの1等が当たることもあるだろう。

しかし、日常的に生きていて「美味しいこと」に出会えることなどないのだ。



が、コツコツ真面目に働いていれば、豊かな生活ができるのか…と言えば、そうでもないのが、悲しいところだ。

ミンジェが真面目にコンビニでバイトしていてもお母さんの手術代すらも払えず、ムン議員が美辞麗句を並べても選挙に負けてしまうように、コツコツ生きていても報われないから、人々は「一獲千金」の夢を見るのだ。



もしかしたら、この金はミンジェのお母さんの手術代のための金であり、支払いが終わったミンジェは用済みっていうことなのかもしれない…。
(支払いが終わっていると信じたい…)

一獲千金もダメで、コツコツ働いてもダメなら、どうやって生きて行けばいいのか…。

見終わった後は、なんだか暗澹たる気持ちになった作品だった。




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