ジェイク・ギレンホール主演、アントワーン・フークワ監督の映画「サウスポー」を試写会で観た。
全てを失った元世界チャンピオンのボクサーが、どん底からはい上がって再生していく話。
【満足度 評価】:★★★★☆
泣いた~。
前半は、愛する人を亡くした悲しさから、後半は、どん底からはい上がっていく成長物語に感動して、二段重ねで泣かされ、最初から最後まで、泣きっぱなしだった。
◆OST「Southpaw」
◆「SOUTHPAW」【輸入版】
ボクシング世界ライト・ヘビー級チャンピオン ビリー・ホープ(ジェイク・ギレンホール)は、無敗の王者に君臨していた。
両親がいない彼は、幼い頃に養護施設で育つが、彼と同じく施設で育ったモーリーン(レイチェル・マクアダムス)と結婚し、二人三脚でチャンピオンの地位を築いてきた。
しかし、怒りを抑えられない彼はモーリーンの注意を聞かずに、ライバルとのケンカを引き起こし、そこで彼女を亡くしてしまう。
ボクシング以外のことの全てをモーリーンに頼っていた彼は、失意の中、家も、お金も、そして娘までも失ってしまう。
もう、どうにもならなくなった彼が頼ったのは、街にある小さなジムのトレーナー、ティック(フォレスト・ウィテカー)だった。

オープニングは、ビリーの世界チャンピオン防衛戦から始まる。
NYのマジソン・スクエアガーデンで大観衆の中、見事に防衛を決める姿は、人生の頂点を極めた男の姿そのものだった。
また、彼の横には美人妻モーリーンが支える姿があった。
私は、「誰かに支えられるよりも、誰かを支えていることが好き」なタイプの人間。
なので、しっかりと寄り添い、ビリーの心の支えになっているモーリーンを羨望のまなざしで見つめ、「あぁ、私もあんな風に誰かを支える人になりたい」と思いながら観ていた。
オープニングから人生の頂点を極めるっていうことは、ここから挫折を味わうんだろうなぁなんて思っていたら、モーリーンが亡くなってしまった。
挫折なんてもんじゃない。失意のどん底だった。
それまでに描かれていた二人の心の絆の強さを観ていたから、ビリーはモーリーンを失ってもキチンと生きていけるんだろうかと、心配になってしまった。

すると当然のごとく、ビリーの生活は破綻してしまう。
彼は、ボクシングの以外の全てを、お金の管理も、マネージメントも、スケジュール管理も、その全てをモーリーンに頼って生きてきたために、何もできなくなってしまう。
私は、こういう「仕事以外のことは何もできません」っていう男性がとても好き。
なんでもやってあげたくなっちゃうし、「あなたは仕事だけしていてくれれば良い」って言ってあげたくなってしまう。
だからなのか、余計にモーリーンに共感するし、その後のビリーが心配でしょうがなかった。
ちゃんと、ご飯は食べられるのか、娘とはちゃんと向き合えるのか、これからどうやって生きていくのか…。

そこで登場するのが、フォレスト・ウィテカー演じるボクシングのトレーナーのティック。
彼はビリーに対し、ボクシングだけでなく、日常生活から、言葉遣い、人としての考え方までサポートしていく。
父を知らずに育ったビリーにとって、ティックは父親のような存在だっただろうか。
ティックに会うまでは、誰よりも自分がNo.1であり、モーリーンを亡くして不幸な自分のことしか考えられなかったビリーが、彼と出会うことで、精神面を鍛えられ、心に余裕ができ、周りの人たちに目がいくようになる。
同じジムで練習する少年ホッピーの面倒を見るようになったり、娘に対しても、彼女が自分に何を求めているのかを考えるようになる。
そのビリーの精神面の成長が、ボクサーとしても強くなっていく。
私にはティックがジェダイマスターのオビワンに見えた(笑)
よくありがちなスポ根ドラマのように、毎日、血反吐を吐くような練習をして強くなるわワケではなく、「人としての成長」にスポットをあてて、ビリーを再生させるところにとても共感した。
「人間的に成長してこそ、真のチャンピオンなり」っていう姿勢がすごく良かった。

主役のビリーを演じるのは、ジェイク・ギレンホール。
この役は、昨夏公開された「ナイトクローラー」の後に撮影したらしい。
「ナイトクローラー」ではガリガリの役(気持ち悪い程に!!)を演じた彼が、そこから6か月かけてこのビリーの体を作ったそう。
好きなんだなぁ。ジェイク・ギレンホール。
毎回、ジェイク・ギレンホールなりの解釈で、キチンと役になりきっているところが好き。
今回は、カッとなったら止まらないビリー。
生きていくことに不器用で、モーリーンがいなければ何もできないボクサー。
なんとも頼りない感じにとても惹かれてしまった。
他の出演作には、「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」、「ライフ」、「オクジャ okja」、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」、「プリズナーズ」、「エヴェレスト3D」、「ミッション:8ミニッツ」、「遠い空の向こうに」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「ブロークバック・マウンテン」など

ビリーの妻、モーリーンを演じるのはレイチェル・マクアダムス。
最近、もっとも売れている女優の一人。
ラブコメから、サスペンス、政治的な作品までバランスよく出演している。
今回のレイチェル・マクアダムスかわいかったなぁ。
もっと長い時間観ていたいぐらい、ファッションも可愛かったし、素敵だった。
他の出演作には、「ドクター・ストレンジ」、「スポットライト 世紀のスクープ」、「誰よりも狙われた男」、「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」、「消されたヘッドライン」、「きみに読む物語」

どん底のビリーを立ち直らせるトレーナー、ティックを演じるのは、フォレスト・ウィテカー。
さっきも書いたけど、ジェダイマスターみたいだったなぁ。
もう、トレーナーというより、お坊さんみたい。徳がある感じ。
そんな彼も普通の人間らしいところがあって、ホッピーの死に取り乱すところにはグッときてしまった。
そんなジェダイマスターのようなフォレスト・ウィテカーも、今年は「スター・ウォーズ」シリーズのスピンオフ「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」が12/16に公開待機中。
本当にジェダイマスターの役だったりして(笑)
他の出演作には「メッセージ」、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」、「96時間/レクイエム」、「ファーナス/訣別の朝」、「ケープタウン」、「贖罪の街」、「クリスマスの贈り物」など

そして、監督はアントワーン・フークワ。
この監督さんは、非常に男性の心理描写が上手な方で、男臭いイメージ。
これまでの作品には、「マグニフィセント・セブン」、「トレーニング・デイ」、「クロッシング」、「イコライザー」など

この映画の中で最も印象的なシーンは、ラストシーンだった。
チャンピオンベルトをそっとティックに差しだすビリー。
とてもベタだけど、それこそが「自よりも他を優先する」大人になった証だった。
気づけばいつもの定位置にモーリーンはいない。
でも、彼には何より大切な娘がいる。
きっと、これからは、娘がビリーの面倒をみるんだろうなぁ(笑)
ご飯とか、掃除、洗濯とか(笑)
でも、絶望で終わらずに、二人の明るい未来が見えるような終わり方になっていて良かった。
これからも、前を見て歩くんだよ。ビリー。
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◆OST「Southpaw」
◆「SOUTHPAW」【輸入版】
全てを失った元世界チャンピオンのボクサーが、どん底からはい上がって再生していく話。
【満足度 評価】:★★★★☆
泣いた~。
前半は、愛する人を亡くした悲しさから、後半は、どん底からはい上がっていく成長物語に感動して、二段重ねで泣かされ、最初から最後まで、泣きっぱなしだった。
「サウスポー」予告編 動画
(原題:SOUTHPAW)◆OST「Southpaw」
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あらすじ
ボクシング世界ライト・ヘビー級チャンピオン ビリー・ホープ(ジェイク・ギレンホール)は、無敗の王者に君臨していた。
両親がいない彼は、幼い頃に養護施設で育つが、彼と同じく施設で育ったモーリーン(レイチェル・マクアダムス)と結婚し、二人三脚でチャンピオンの地位を築いてきた。
しかし、怒りを抑えられない彼はモーリーンの注意を聞かずに、ライバルとのケンカを引き起こし、そこで彼女を亡くしてしまう。
ボクシング以外のことの全てをモーリーンに頼っていた彼は、失意の中、家も、お金も、そして娘までも失ってしまう。
もう、どうにもならなくなった彼が頼ったのは、街にある小さなジムのトレーナー、ティック(フォレスト・ウィテカー)だった。

感想(ネタバレあり)人生の頂点からどん底へ突き落とされた男の話
オープニングは、ビリーの世界チャンピオン防衛戦から始まる。
NYのマジソン・スクエアガーデンで大観衆の中、見事に防衛を決める姿は、人生の頂点を極めた男の姿そのものだった。
また、彼の横には美人妻モーリーンが支える姿があった。
私は、「誰かに支えられるよりも、誰かを支えていることが好き」なタイプの人間。
なので、しっかりと寄り添い、ビリーの心の支えになっているモーリーンを羨望のまなざしで見つめ、「あぁ、私もあんな風に誰かを支える人になりたい」と思いながら観ていた。
オープニングから人生の頂点を極めるっていうことは、ここから挫折を味わうんだろうなぁなんて思っていたら、モーリーンが亡くなってしまった。
挫折なんてもんじゃない。失意のどん底だった。
それまでに描かれていた二人の心の絆の強さを観ていたから、ビリーはモーリーンを失ってもキチンと生きていけるんだろうかと、心配になってしまった。

「仕事以外は何もできません」という男の悲劇
すると当然のごとく、ビリーの生活は破綻してしまう。
彼は、ボクシングの以外の全てを、お金の管理も、マネージメントも、スケジュール管理も、その全てをモーリーンに頼って生きてきたために、何もできなくなってしまう。
私は、こういう「仕事以外のことは何もできません」っていう男性がとても好き。
なんでもやってあげたくなっちゃうし、「あなたは仕事だけしていてくれれば良い」って言ってあげたくなってしまう。
だからなのか、余計にモーリーンに共感するし、その後のビリーが心配でしょうがなかった。
ちゃんと、ご飯は食べられるのか、娘とはちゃんと向き合えるのか、これからどうやって生きていくのか…。

ジェダイマスターのごとく登場するトレーナーのティック
そこで登場するのが、フォレスト・ウィテカー演じるボクシングのトレーナーのティック。
彼はビリーに対し、ボクシングだけでなく、日常生活から、言葉遣い、人としての考え方までサポートしていく。
父を知らずに育ったビリーにとって、ティックは父親のような存在だっただろうか。
ティックに会うまでは、誰よりも自分がNo.1であり、モーリーンを亡くして不幸な自分のことしか考えられなかったビリーが、彼と出会うことで、精神面を鍛えられ、心に余裕ができ、周りの人たちに目がいくようになる。
同じジムで練習する少年ホッピーの面倒を見るようになったり、娘に対しても、彼女が自分に何を求めているのかを考えるようになる。
そのビリーの精神面の成長が、ボクサーとしても強くなっていく。
私にはティックがジェダイマスターのオビワンに見えた(笑)
よくありがちなスポ根ドラマのように、毎日、血反吐を吐くような練習をして強くなるわワケではなく、「人としての成長」にスポットをあてて、ビリーを再生させるところにとても共感した。
「人間的に成長してこそ、真のチャンピオンなり」っていう姿勢がすごく良かった。

出演は、ジェイク・ギレンホール、レイチェル・マクアダムス、フォレスト・ウィテカー
主役のビリーを演じるのは、ジェイク・ギレンホール。
この役は、昨夏公開された「ナイトクローラー」の後に撮影したらしい。
「ナイトクローラー」ではガリガリの役(気持ち悪い程に!!)を演じた彼が、そこから6か月かけてこのビリーの体を作ったそう。
好きなんだなぁ。ジェイク・ギレンホール。
毎回、ジェイク・ギレンホールなりの解釈で、キチンと役になりきっているところが好き。
今回は、カッとなったら止まらないビリー。
生きていくことに不器用で、モーリーンがいなければ何もできないボクサー。
なんとも頼りない感じにとても惹かれてしまった。
他の出演作には、「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」、「ライフ」、「オクジャ okja」、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」、「プリズナーズ」、「エヴェレスト3D」、「ミッション:8ミニッツ」、「遠い空の向こうに」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「ブロークバック・マウンテン」など

ビリーの妻、モーリーンを演じるのはレイチェル・マクアダムス。
最近、もっとも売れている女優の一人。
ラブコメから、サスペンス、政治的な作品までバランスよく出演している。
今回のレイチェル・マクアダムスかわいかったなぁ。
もっと長い時間観ていたいぐらい、ファッションも可愛かったし、素敵だった。
他の出演作には、「ドクター・ストレンジ」、「スポットライト 世紀のスクープ」、「誰よりも狙われた男」、「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」、「消されたヘッドライン」、「きみに読む物語」

どん底のビリーを立ち直らせるトレーナー、ティックを演じるのは、フォレスト・ウィテカー。
さっきも書いたけど、ジェダイマスターみたいだったなぁ。
もう、トレーナーというより、お坊さんみたい。徳がある感じ。
そんな彼も普通の人間らしいところがあって、ホッピーの死に取り乱すところにはグッときてしまった。
そんなジェダイマスターのようなフォレスト・ウィテカーも、今年は「スター・ウォーズ」シリーズのスピンオフ「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」が12/16に公開待機中。
本当にジェダイマスターの役だったりして(笑)
他の出演作には「メッセージ」、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」、「96時間/レクイエム」、「ファーナス/訣別の朝」、「ケープタウン」、「贖罪の街」、「クリスマスの贈り物」など

監督は男臭い映画が得意なアントワーン・フークワ
そして、監督はアントワーン・フークワ。
この監督さんは、非常に男性の心理描写が上手な方で、男臭いイメージ。
これまでの作品には、「マグニフィセント・セブン」、「トレーニング・デイ」、「クロッシング」、「イコライザー」など

チャンピオンになった時、彼は大人になった
この映画の中で最も印象的なシーンは、ラストシーンだった。
チャンピオンベルトをそっとティックに差しだすビリー。
とてもベタだけど、それこそが「自よりも他を優先する」大人になった証だった。
気づけばいつもの定位置にモーリーンはいない。
でも、彼には何より大切な娘がいる。
きっと、これからは、娘がビリーの面倒をみるんだろうなぁ(笑)
ご飯とか、掃除、洗濯とか(笑)
でも、絶望で終わらずに、二人の明るい未来が見えるような終わり方になっていて良かった。
これからも、前を見て歩くんだよ。ビリー。
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