マイケル・ファスベンダー主演、ダニー・ボイル監督の映画「スティーブ・ジョブズ」を試写会で観てきた。

iMacやiPhoneなどで知られるApple社の元CEO、スティーブ・ジョブズがiMacで成功するまでの舞台裏。

これは、スティーブ・ジョブズのサクセス・ストーリーではなく、その人間性に迫った作品。

スティーブ・ジョブズのダメ人間っぷりがすごく面白かった。

【満足度】:★★★★☆

「スティーブ・ジョブズ」予告編 動画

(原題:STEVE JOBS)





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あらすじ


1984年Apple社は、新製品(Macintosh マッキントッシュ)の発表会を控え、CEOのスティーブ・ジョブズ(マイケル・ファスベンダー)は、デモンストレーションで使うPCがうまく動作しないことにイラついていた。

その時、楽屋を訪れてきたのは、元恋人のクリスアン(キャサリン・ウォーターストン)と、娘のリサだった。

リサがスティーブ・ジョブズの娘であることを認めてもらい、養育費を上げてもらうために。

そんな様子を見ていたマーケティング担当のジョアンナ(ケイト・ウィンスレット)は、スティーブとクリスアンを二人きりにするために、リサを会場へ案内するのだが…

スティーブ・ジョブズ


感想(ネタバレあり) Macを使うとパニクるWinユーザー


お使いのPCは、Windowsですか? Macですか?

私は、PCを使い始めた頃からずっとWin派で、Macはほとんど触ったことも無い。

でも、ごくたまに、Macを使う機会があると、「Ctrlキーはどこ?」「Altキーはどこ?」「F2キーはどこぉぉぉぉ?」「どうしても右クリックしちゃうんだけどぉぉぉぉ」

と、数分でイラついて、パニック状態になる(笑)

主人公、「スティーブ・ジョブズ」という人は、Apple社でそのMacを作り、この世に広めた人。

それで、この映画を観て分かったことが、この「イラつきそのものがMacなんだ」なってこと。

スティーブ・ジョブズ2

Macはそもそもユーザーに優しい製品を作っていない


普通、何か製品を買って、使い心地が悪かったらメーカーに苦情を言うよね。

それで、感度の良いメーカーだと、次回のバージョンアップで即修正したりしてくるれることもある。

しかし、このApple社の、スティーブ・ジョブズという人は、

ユーザーの使い心地を、絶対に優先しない人

なぜなら、そんなことをしていたら、彼の夢に描いた製品が現実化しないから

だからもしも、さっきの私のようなWinユーザーが、これでは使いづらいから「Ctrlキーをつけてくれ」、「マウスは右クりを使えるようにしてくれ」と言ったところで、「そんなことは知ったこっちゃない」と言われるに違いない

この映画で描かれる、スティーブ・ジョブズとは、常に30年、50年先を見越した製品を頭の中に描き、それを現実化するためなら、どんなことでもやり、周りを巻きこんで、絶対に現実化させる。

そのために、「他人の意見に耳を貸す」なんてことは絶対にしない。

でも、その傲慢ぷりが、まさに、AppleのPCな訳よ。

スティーブ・ジョブズ2

MacのPCはスティーブ・ジョブズそのもの


スティーブには熱狂的な、というよりも信者的なファンが大勢いる。

彼の製品を愛し、新商品が出ると、誰よりも先にその使い心地を試したくなる。

そんな人たちにしてみれば、Macは夢のPCだ。

しかし、私のようなWinユーザーからしたら、「なんで、アンタだけルールが違うのよ」とイラついてしまう。

それは、まさにスティーブ・ジョブズの生き様そのもの。

スティーブの夢に乗り、彼をスターのように演出するのは、マーケティング担当のジョアンナ(ケイト・ウィンスレット)。

誰よりも、もしかしたら本人よりも彼を理解していた彼女は、すぐに周りと衝突するスティーブの感情面をうまくコントロールし、スターであり、Apple信者の教祖であるスティーブを作り出した。

しかし、彼をよく思わない人たちにとって、何も話を聞こうとしないスティーブは、まさにイラつきそのもの。

その他者を一切受け入れようとしない姿が、MacのPCそのもの。

製品とは、その製品を生み出した人を写す鏡なんだなぁ

スティーブ・ジョブズ3

娘との関わりで成長していく、人間・スティーブ・ジョブズ


そんなこの映画の中で、私が最も印象的だったのは、娘・リサとの関わりだった。

出会ったころは、リサを自分の娘だと認めようともしなかったスティーブが、長い年月を経て、彼女の攻撃的な性格を見て、彼女を娘として愛するようになる。

そして、衝撃だったのは、スティーブがリサとのケンカで、

「私は欠陥人間だから」

と自分自身の欠点を認めたところ。

1984年の時に5歳だったリサが19歳になるまでの14年間に成長したように、スティーブもその間、自分が作った会社から追放されるという屈辱を味わいながら、成長していた。

その時、ずーっと二人の間のわだかまりだった彼の過失を認めたことで、リサとの仲が改善される。

それは、iMacの成功前夜。

ここから、Appleが世界的に成功していったのは偶然ではない。

スティーブ・ジョブズ4

アカデミー賞ダブルノミネートの主演男優、主演女優


主役のスティーブ・ジョブズを演じたのは、マイケル・ファスベンダー

この作品で、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされる。

1984年の垢抜けない青年が、少しずつ垢抜けて、スターになっていくまでの姿が衝撃的にうまかった。

孤高の欠陥人間って感じが良かったなぁ。

マイケル・ファスベンダーは、「X-MEN:ファーストジェネレーション」のマグニート役で有名。

他の作品には、「エイリアン:コヴェナント」「光をくれた人」「FRANK-フランク-」「それでも夜は明ける」など

ビジネスパートナーとして、常にスティーブを支え続けるジョアンナには、ケイト・ウィンスレット

いつもの華やかなケイト・ウィンスレットは全て封印して、とにかく地味(笑)

しかし、彼女もマイケル・ファスベンダーと同じく、徐々にすごく微妙なさじ加減で垢抜けていく姿が良かったなぁ。

他の出演作に、「女と男の観覧車」「とらわれて夏」「コンテイジョン」「ダイバージェント」「ネバーランド

監督は、ダニー・ボイル

私には、この映画が、まるでシェイクスピア悲劇…Apple王国で国を大きくしたスカリー王と、彼を王座から落とそうとするスティーブ王子、有能な策士のジョアンナと、妻の不貞と隠し子の話…のように見えたのは、イギリス人のダニー・ボイルが監督だからかなぁ。

彼は、私にとっては「トレインスポッティング」をこの世に送り出してくれたことだけでも感謝したい人。

大好きなんだよねぇ

他の監督作には「スラムドッグ$ミリオネア」「127時間」「28日後」など


スティーブ・ジョブズ6

監督の独自の切り口で描いたからこその「スティーブ・ジョブズ」


ここには、サクセスストーリーが描かれていない。

サクセスストーリーが観たかったと言ったところで、それは、「知ったこっちゃない」こと。

だったら、彼の伝記でも読めばいいと言われそう。

そんな、ダニー・ボイルにしかできない切り口で描いたところが、まさに「スティーブ・ジョブズ」であり、「他者を引き寄せない」孤高の存在となる。

いや~、でも、あれだけ有名なスティーブ・ジョブズが「性格的に欠陥人間だった」っていう作りにするなんて、かなり勇気ある決断だったろうなぁ。

しかし、やっぱり、何事も、やる!と決めたら最後まで貫き通した人間が勝つんだなぁ。



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