ジェイク・ギレンホール主演の映画「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」を映画館で観た。
2013年に起きたボストンマラソン爆破テロ事件で被害に遭い、両足の膝から下を失ってしまったジェフ・ボーマンが再起するまでを描く。実話の映画化。
【満足度 評価】:★★★★☆(4.5)
最初から最後まで、ほぼ泣きながら観ていた。
両足を失って絶望の淵にいたジェフを救ったのは、同じ絶望を観ている人たちだった。
懸命に生きる姿は誰かを励まし、相手の痛みを知ることでジェフは強くなれたのだ。
目次
「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」予告編 動画
(原題: Stronger)
更新履歴・公開情報
2018年5月16日 映画館で「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」を鑑賞。
2018年5月29日 感想を掲載。
2019年4月21日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。
現在、DVD、ネット配信共に販売中。
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キャスト&スタッフ
出演者
〇ジェイク・ギレンホール
…(「ライフ」、「オクジャ okja」、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」、「プリズナーズ」、「エヴェレスト3D」、「ミッション:8ミニッツ」、「サウスポー」、「ムーンライト・マイル」、「遠い空の向こうに」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「ブロークバック・マウンテン」など)
…(「ライフ」、「オクジャ okja」、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」、「プリズナーズ」、「エヴェレスト3D」、「ミッション:8ミニッツ」、「サウスポー」、「ムーンライト・マイル」、「遠い空の向こうに」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「ブロークバック・マウンテン」など)
〇タチアナ・マスラニー
〇ミランダ・リチャードソン
〇クランシー・ブラウン
監督
〇デヴィッド・ゴードン・グリーン
2017年製作 アメリカ映画
あらすじ
2013年4月 ボストンで暮らすジェフ・ボーマン(ジェイク・ギレンホール)は、元カノのエリン(タチアナ・マスラニー)が、ボストンマラソンに挑戦することを知り、ゴールで応援して待っていると約束する。
そして、4月15日 ボストンマラソン当日。
ジェフはエリンを応援するボードを掲げて、彼女がゴールするのを待っていた。
しかし、その時、ジェフがいた場所の近くで大爆発が起きる。
ジェフは近くにいた人に応急手当をされ、病院に搬送されるが、両足の膝から下を失ってしまう…。
感想(ネタバレあり)
2013年4月 愛国者の日 ボストンマラソンの観客を狙った爆破テロ事件が発生
2013年4月15日、その日はアメリカ愛国者の日だった。
ボストンでは、毎年マラソン大会が開催され、その日も多くの観客がランナーたちにエールを送るためにゴール付近に集まっていた。
そして、トップのランナーがゴールしてから数分後、最も観客がにぎわっているゴール付近で爆破テロが起きる。
その事件の詳しい状況については、マーク・ウォルバーグ主演の「パトリオット・デイ」を観るとよくわかる。
この映画の主人公 ジェフ・ボーマンは、その時、ランナーとして参加している元カノのエリーを応援するために、ゴール付近で応援ボードを掲げながら彼女が来るのを待っていた。
その時、まさにそのジェフが立っている場所のすぐそばで、その爆破事件が起きる。
そして、ジェフは両足の膝から下を失ってしまう…。
この映画は、そこからジェフが再起していくまで描いたものであり、テロについてはあまり詳しく描かれていない。
そのため、もしも、ボストンマラソンについてあまり知らない人は、先に「パトリオット・デイ」を見ておくことをおススメする。
知らなくても理解できるが、観ておいた方が、ジェフの心情についてより深く理解できると思う。
そして、両足を失ったジェフは、その日から車いすでの生活が始まる。
苦しんでいるのは自分だけではないと知ることで強くなる
ジェフはどこにでもいる若者だ。
スーパーストア コストコで商品管理の仕事をし、夜は友人たちとバーへ飲みに行く。
多くのボストン市民がそうであるように、野球チーム「ボストン レッドソックス」を愛し、バーでビールを飲みながらレッドソックスを応援する。
それが、ある日突然両足の膝から下を失ってしまう。
まだまだやりたいことがあっただろうし、夢や希望を持っていたはずだ。
それなのに、いきなり奈落の底へと落とされてしまったのだ。
私は、そんなジェフの姿は涙なくしては見られなかった。
その時、傷ついていたのはジェフだけではない。
ボストン市もまた、そのテロ事件によって心が傷ついていた。
亡くなった人もいたし、ジェフのように足を失った人たちが他にもいて、そんな地獄絵図を目の前で目撃してひどく落ち込む人もいた。
また、「テロとの戦い」で戦地に行った家族を失った人たちも大勢いた。
そんなボストン市民は、足を失ったジェフを「ボストン復帰の象徴」として見た。
そもそも、爆破テロ犯捜査の際に突破口となったのが、ジェフの目撃情報であり、彼は犯人逮捕のヒーローの一人とされた。
しかし、ジェフ自身はそんな「英雄扱い」を重荷に感じていて、酒に頼り、思考は後ろ向きで、「悲劇のヒーロー」となってエリーに当たるようになる。
そんなジェフに嫌気がさしたエリーは、ジェフの元を去ってしまう。
エリーを失ってから徐々に正気を取り戻したジェフは、再び前を向き始め、大好きな「レッドソックス」の始球式に登場する。
この時、多くの人たちが家族を失ったり、テロの現場で惨劇を目撃して精神的に傷ついたりしたことでうまく社会復帰できていないことを知る。
苦しんでいるのは自分だけではないと気付いたのだ。
なにも、品行方正で完ぺきなヒーローである必要はないのだ。
時には自暴自棄になりながらも、それでも希望を捨てずに生き続け、その姿を見せることが誰かの支えになるのだ。
そしてジェフ自身も、人の痛みを知り、「辛い思いをして生きているのは自分だけではない」ことに気付いて強くなるのだ。
きっと誰もがそうだろう。
立ち直れないぐらい辛いことがあった時、自分が世界の悲しみを背負っているという気分になってしまう。
しかし、そうではない。
世界には、もっと悲しい思いをしながら、必死で生きている人たちがたくさんいる。
自分が辛い時には、そういう人たちの存在を知ることで、「その人たちのためにも頑張ろう」と思えるのだ。
ヒーローではない、ダメな自分を理解してくれる人がいて強くなれる
ある日突然車いすでの生活を強いられ、周りからの期待に応えられず、自暴自棄になっていたジェフ。
酒に溺れ、ネガティブな発言を繰り返し、恋人のエリーに八つ当たりをしていた。
そんなジェフが、前向きに生きるようになるきっかけは、エリーだ。
もしも、酒に溺れたジェフをそのまま甘やかし、ネガティブな発言や八つ当たりを許していたら、きっと今もジェフは酒に溺れた生活をしていただろう。
そんな自堕落なジェフについていけないと思ったエリーはジェフの元を去ってしまう。
それで、ジェフは目が覚めるのだ。
それまでエリーはとても献身的にしていた。
仕事を辞め、身の回りの世話から下の世話までして、落ち込んだ時は励まし、車の運転から車いすを運ぶのだって全部エリーがしていた。
それなのに、ジェフがいつまでも後ろ向きになっていたのでは、二人の未来はない。
そう、エリーは思ったに違いない。
エリーを失ったジェフが気付いたのは「本当の自分を理解してくれる存在の大切さ」だったはずだ。
ジェフとエリーは、ボストンマラソンまで何度も付き合ったり別れたりを繰り返していた。
ボストンマラソンの時は別れていたのに、事件後、足を失ったジェフを看護するうちに寄りを戻していた。
だから、事件が起きる前も、起きた後も、ジェフの良いところも悪いところも、誰よりも知っているのがエリーだったのだ。
ジェフはエリーを失って初めて、エリーの存在の大きさに気付くのだ。
人は一人では生きてはいけない。
だからこそ、本当の自分を理解してくれる人が必要なのだ。
そして、ジェフはエリーに必死に生きている自分を見せるために、義足で歩く練習を始める。
ジェフが義足をつけて歩く練習をする姿は、テロによって傷ついた誰かの支えとなっているが、そんなジェフにとっては、エリーが生きる支えになっているのだ。
災難に遭っても、必死に生きている姿は誰かの力になる
2011年3月11日に日本で東日本大震災が起きた後、私たちは壊滅的な被害を受けた東北の街が元気になることを願っていた。
東北にある野球チームの「楽天イーグルス」を応援することで、彼らを復帰の象徴とした。
そして、家族や家を失った人たちが元気でがんばっている姿を見て、「私もがんばらなきゃ」と思ったものだった。
それと同じことが、この映画にも言える。
多くのアメリカ国民が、ボストンで起きたテロを観て「Boston Strong(ボストン、がんばれ!)」と言って励ました。
地元の野球チーム「ボストン レッドソックス」を市民が一丸となって応援することで、彼らを復帰の象徴とした。
そして、犯人逮捕に向けて有力な情報を提供した英雄のジェフが頑張って生きている姿を見て、人々は励まされ「私も頑張ろう」と思うのだ。
この映画を観ると、そう思われた当人は、時にプレッシャーに押しつぶされながら、自暴自棄になったり、後ろ向きになったりして、もがき苦しみながら生きているのだということを知る。
誰もが初めから英雄ではないのだ。
テロや災害で失ったことを受け入れるのはとても難しいことなのだ。
それでも、苦しみに負けることなく生き続けることは、きっと誰かの力となる。
そして、同じく苦しみを抱えながら生きている人と出会い、互いの痛みを共有し、他人の痛みを知ることで人はより強くなるのだ。
この映画はきれいごとばかりでなく、ジェフの汚いところも、人間的に成長できていないところも全部見せてしまうところが魅力だ。
私たちも、いつ災難に遭い、ジェフのような人になるとも限らないからだ。
私たちが完ぺきな人間でないように、ジェフもまた普通の人なのだ。
だからこそ、私はこの映画に共感するのだ。
悲しみのどん底にいて、辛い思いをしている人にこそ、観て欲しい作品だった。
↓ ジェフ・ボーマン本人(左)と彼を演じたジェイク・ギレンホール(右)

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