ライアン・レイノルズ主演、アトム・エゴヤン監督の映画「白い沈黙」をWOWOWで観た。
カナダの雪深い田舎町で、ある日突然9歳の少女が行方不明になる。警察は真っ先に父親を疑い始め、父は警察に頼らずに娘の捜索を始める…。

【満足度 評価】:★★★★☆
各レビューサイトで評価が低かったので心配しながら観たけど、おかげで予想以上に面白い作品だった。
そして、邦題の「白い沈黙」が、原題のTHE CAPTIVE(囚われた)よりも良かったと思う。
田舎の閉塞感、小児性愛者の薄気味悪さ、無能な警察…その全てを白い雪がかき消してしまった…。
〇ライアン・レイノルズ
…(「デッドプール2」、「ライフ」、「クリミナル 2人の記憶を持つ男」、「デッドプール」、「ワイルド・ギャンブル」、「黄金のアデーレ 名画の帰還」、「あなたは私の婿になる」など)
〇ロザリオ・ドーソン
…(「レゴバットマン ザ・ムービー」(声の出演)、「白い沈黙」、「イーグル・アイ」、ドラマシリーズ「デアデビル」、「ジェシカ・ジョーンズ」、「ルーク・ケイジ」、「アイアン・フィスト」、「ディフェンダーズ」など)
〇スコット・スピードマン
…(「アンダーワールド」、TVドラマ「フェリシティの青春」など)
〇ケヴィン・デュランド
〇ブルース・グリーンウッド
…(「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」「ニュースの真相」、「ドローン・オブ・ウォー」、「パパが遺した物語」、「エレファント・ソング」、「デビルズ・ノット」、「スター・トレック イントゥ・ダークネス」「スター・トレック」など)
〇ミレイユ・イーノス
…(「サボタージュ」、「イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所」など)
2014年製作 カナダ映画
マシュー(ライアン・レイノルズ)は、娘のキャスがアイススケートの練習をした帰りに、ダイナーに寄り、テイクアウトのパイとアイスクリームを買っていた。
その僅かな間に、車に1人で乗っていたキャスがいなくなってしまう。
しかし、小児犯罪の刑事であるジェフリー(スコット・スピードマン)は、過去に犯罪歴があるマシューが犯人であり、彼が小児性愛者グループに娘を売ったんだと決めつける
結局、娘が見つから無いまま時が過ぎ、マシューは娘がいなくなった責任を感じながら、キャス捜索のビラ配りをしながら警察に頼ることなく1人で捜索を続けていた…。
なんて理不尽な話なんだ…と思った。
寒い雪の日に愛する娘が失踪して失意の中にいる父親に対して、警察は上から目線で「お前が犯人だろう」と決めつける。
理由は、「長年の勘」だとか。
そんなばかな。
そんな科学的な根拠がないこと言っている間に現場検証したり、聞き込みをしたり、たくさんやることがあるだろう。
若い頃に父親がやんちゃだったというだけで、その父親を犯人に決めつけるなんて…。
無能な警察は、どこの国にもいるんだなぁと思った。
そんな理不尽な場面からスタートしたこの映画「白い沈黙」で描かれるのは、娘を誘拐された父親の執念。
8年間という長い間、一度も諦めることなく探し続けたその熱意だった。
雪が深く、真っ白で景色も何もない世界。
その中で描かれる誘拐劇を私はドキドキしながら最後まで楽しんだ。
ところが、どのレビューサイトを観ても、イマイチ評判が良くない。
その理由はひとえに、監督アトム・エゴヤンの演出方法にある。
この映画「白い沈黙」では時系列が全てバラバラになって場面が展開していく。
娘のキャスが9歳だった頃からスタートし、いきなり現在の様子がでたかと思うと、誘拐から3年後だったり、6年後だったり、それ以前に戻ったりする。
この映画「白い沈黙」を観た多くの人が、その場面展開に混乱したんだと思う。
もちろん、私のその場面展開に混乱しながら観たんだけれども、その混乱は、娘を誘拐された両親の頭の中の混乱なのだと思った。
何が起きたのか理解できず、上手く頭の中が処理できない。
そんな様子をこの映画は時系列を混ぜこぜにすることで表現したのだと思った。
私の頭がごちゃごちゃすればするほど、両親に同情したし、彼らの辛さが伝わってくるようだった。
だから、この時系列がごちゃごちゃする描き方は、私にとってはマイナスにはならなかった。
そして、この映画で思い知らされたのは、世界中に広がる小児性愛者のネットワークだ。
「ひとりぼっちで寂しいな」と思った女の子がパソコンを開き、チャットルームに入って、Skype(テレビ電話アプリ)のボタンを押したら、そこには優しそうなお姉さんがいて、仲間に入らないかと勧誘してくる。
私の知らないところで、そんな世界が広がっているということを知った。
9歳で誘拐されたキャスは8年経って17歳になり、入り口で少女たちを出迎える「勧誘のお姉さん」の役割を果たしていた。
よく少年少女が失踪する事件をニュースで観るけど、中には、こういう性愛者グループに売られていく子供たちがいるんだと思うと、なんだかとてもやるせなくなった。
そういう犯罪者たちに限って、闇に紛れるのがうまく、外では本性を現さない。
やがて誘拐された少女たちは大人になり、犯罪者グループの人間として生活していくようになる。
なんて気持ち悪い集団なんだろう。
彼らの気持ち悪さが私には衝撃的だった。
そして、また腹が立つのは「白い雪」だった。
広い大地と白い雪が、犯人の証拠をドンドンと消し去っていく。
まるで、その雪が犯人たちの味方をしているようにも見えた。
もしも雪さえなかったら、もっと早く見つかったんだじゃないか…とか、お父さんの無実ももっと早く明らかになったのではないか・・・と思った。
さらに腹が立つのが、スコット・スピードマン演じる刑事。
あいつは、お父さんのことを犯人だと決めつけておいて、最後まで彼に謝らなかったからね。
お父さんのお手柄でキャスの居所が分かったというのに。
謝罪の一言もないのかよーーーと思った。
なんだよーー。腐れ刑事めーーー。
いや、私、本当は、この映画、エゴヤンのことだから、最後まで見つからないとか、死体で見つかるとか、そんなネガティブなラストを想像していたんだけど、ホントに、見つかって良かった。ホッとしたわーー。
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カナダの雪深い田舎町で、ある日突然9歳の少女が行方不明になる。警察は真っ先に父親を疑い始め、父は警察に頼らずに娘の捜索を始める…。

【満足度 評価】:★★★★☆
各レビューサイトで評価が低かったので心配しながら観たけど、おかげで予想以上に面白い作品だった。
そして、邦題の「白い沈黙」が、原題のTHE CAPTIVE(囚われた)よりも良かったと思う。
田舎の閉塞感、小児性愛者の薄気味悪さ、無能な警察…その全てを白い雪がかき消してしまった…。
「白い沈黙」予告編 動画
(原題:THE CAPTIVE)キャスト&スタッフ
出演者
〇ライアン・レイノルズ
…(「デッドプール2」、「ライフ」、「クリミナル 2人の記憶を持つ男」、「デッドプール」、「ワイルド・ギャンブル」、「黄金のアデーレ 名画の帰還」、「あなたは私の婿になる」など)
〇ロザリオ・ドーソン
…(「レゴバットマン ザ・ムービー」(声の出演)、「白い沈黙」、「イーグル・アイ」、ドラマシリーズ「デアデビル」、「ジェシカ・ジョーンズ」、「ルーク・ケイジ」、「アイアン・フィスト」、「ディフェンダーズ」など)
〇スコット・スピードマン
…(「アンダーワールド」、TVドラマ「フェリシティの青春」など)
〇ケヴィン・デュランド
〇ブルース・グリーンウッド
…(「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」「ニュースの真相」、「ドローン・オブ・ウォー」、「パパが遺した物語」、「エレファント・ソング」、「デビルズ・ノット」、「スター・トレック イントゥ・ダークネス」「スター・トレック」など)
〇ミレイユ・イーノス
…(「サボタージュ」、「イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所」など)
監督
〇アトム・エゴヤン
2014年製作 カナダ映画
あらすじ
マシュー(ライアン・レイノルズ)は、娘のキャスがアイススケートの練習をした帰りに、ダイナーに寄り、テイクアウトのパイとアイスクリームを買っていた。
その僅かな間に、車に1人で乗っていたキャスがいなくなってしまう。
しかし、小児犯罪の刑事であるジェフリー(スコット・スピードマン)は、過去に犯罪歴があるマシューが犯人であり、彼が小児性愛者グループに娘を売ったんだと決めつける
結局、娘が見つから無いまま時が過ぎ、マシューは娘がいなくなった責任を感じながら、キャス捜索のビラ配りをしながら警察に頼ることなく1人で捜索を続けていた…。

感想(ネタバレあり)
娘が失踪。真っ先に疑われる父親…
なんて理不尽な話なんだ…と思った。
寒い雪の日に愛する娘が失踪して失意の中にいる父親に対して、警察は上から目線で「お前が犯人だろう」と決めつける。
理由は、「長年の勘」だとか。
そんなばかな。
そんな科学的な根拠がないこと言っている間に現場検証したり、聞き込みをしたり、たくさんやることがあるだろう。
若い頃に父親がやんちゃだったというだけで、その父親を犯人に決めつけるなんて…。
無能な警察は、どこの国にもいるんだなぁと思った。
そんな理不尽な場面からスタートしたこの映画「白い沈黙」で描かれるのは、娘を誘拐された父親の執念。
8年間という長い間、一度も諦めることなく探し続けたその熱意だった。

混乱した両親の頭の中
雪が深く、真っ白で景色も何もない世界。
その中で描かれる誘拐劇を私はドキドキしながら最後まで楽しんだ。
ところが、どのレビューサイトを観ても、イマイチ評判が良くない。
その理由はひとえに、監督アトム・エゴヤンの演出方法にある。
この映画「白い沈黙」では時系列が全てバラバラになって場面が展開していく。
娘のキャスが9歳だった頃からスタートし、いきなり現在の様子がでたかと思うと、誘拐から3年後だったり、6年後だったり、それ以前に戻ったりする。
この映画「白い沈黙」を観た多くの人が、その場面展開に混乱したんだと思う。
もちろん、私のその場面展開に混乱しながら観たんだけれども、その混乱は、娘を誘拐された両親の頭の中の混乱なのだと思った。
何が起きたのか理解できず、上手く頭の中が処理できない。
そんな様子をこの映画は時系列を混ぜこぜにすることで表現したのだと思った。
私の頭がごちゃごちゃすればするほど、両親に同情したし、彼らの辛さが伝わってくるようだった。
だから、この時系列がごちゃごちゃする描き方は、私にとってはマイナスにはならなかった。

小児性愛者ネットワークの不気味さ
そして、この映画で思い知らされたのは、世界中に広がる小児性愛者のネットワークだ。
「ひとりぼっちで寂しいな」と思った女の子がパソコンを開き、チャットルームに入って、Skype(テレビ電話アプリ)のボタンを押したら、そこには優しそうなお姉さんがいて、仲間に入らないかと勧誘してくる。
私の知らないところで、そんな世界が広がっているということを知った。
9歳で誘拐されたキャスは8年経って17歳になり、入り口で少女たちを出迎える「勧誘のお姉さん」の役割を果たしていた。
よく少年少女が失踪する事件をニュースで観るけど、中には、こういう性愛者グループに売られていく子供たちがいるんだと思うと、なんだかとてもやるせなくなった。
そういう犯罪者たちに限って、闇に紛れるのがうまく、外では本性を現さない。
やがて誘拐された少女たちは大人になり、犯罪者グループの人間として生活していくようになる。
なんて気持ち悪い集団なんだろう。
彼らの気持ち悪さが私には衝撃的だった。

誘拐犯に力を貸す白い雪
そして、また腹が立つのは「白い雪」だった。
広い大地と白い雪が、犯人の証拠をドンドンと消し去っていく。
まるで、その雪が犯人たちの味方をしているようにも見えた。
もしも雪さえなかったら、もっと早く見つかったんだじゃないか…とか、お父さんの無実ももっと早く明らかになったのではないか・・・と思った。
さらに腹が立つのが、スコット・スピードマン演じる刑事。
あいつは、お父さんのことを犯人だと決めつけておいて、最後まで彼に謝らなかったからね。
お父さんのお手柄でキャスの居所が分かったというのに。
謝罪の一言もないのかよーーーと思った。
なんだよーー。腐れ刑事めーーー。
いや、私、本当は、この映画、エゴヤンのことだから、最後まで見つからないとか、死体で見つかるとか、そんなネガティブなラストを想像していたんだけど、ホントに、見つかって良かった。ホッとしたわーー。
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