キム・ユンソク主演の韓国映画「極秘捜査」をWOWOWで観た。

1978年、韓国の釜山で実際にあった誘拐事件を映画化。


満足度 評価】:★★★★☆

これは、韓国だからこそ成り立つ作品だった。

一見、普通の実話の映画化のようでいて、しかし、その中に非常に奇妙で異色な出来事が詰め込まれていて、そこに韓国だからこその個性が光っていて、非常に面白かった。


「極秘捜査」予告編 動画

(原題:극비수사




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キャスト&スタッフ


出演者

キム・ユンソク
…(「1987、ある闘いの真実」、「天命の城」、「あなた、そこにいてくれますか」、「プリースト 悪魔を葬る者」、「海にかかる霧」、「チェイサー」など)

ユ・ヘジン
…(1987、ある闘いの真実」、「タクシー運転手 約束は海を越えて」、「コンフィデンシャル/共助」、LUCK-KEY/ラッキー」、「国選弁護人 ユン・ジンウォン」、「あいつだ」など)

〇チョン・ホビン

〇ソン・ヨンチャン

〇イ・ジョンウン

監督・脚本

クァク・キョンテク
…(「黄泉がえる復讐」、「友へ チング」など)


2015年制作 韓国映画

極秘捜査

あらすじ


1978年韓国の釜山でソン・ウンジュ誘拐事件が起きる。

小学校の帰り、ウンジュは何者かに誘拐されるが、誘拐犯から両親への連絡が一切無い。

母グィジャ(イ・ジョンウン)は、占い師を訪ねてまわるが、どの占い師にも「ウンジュは死んでいる。諦めろ」と言われてしまう。

そんな中、キム導師(ユ・ヘジン)だけが、「ウンジュは生きている。犯人から15日後に連絡がある。コン刑事が助けてくれる」と言ったため、母はキム導師に頼るようになっていた。

そして、実際にコン刑事(キム・ユンソク)がこの事件の担当になり…。

極秘捜査2


感想(ネタバレあり)


「占い師」が誘拐事件の捜査に協力したという実話


時々、奇妙な出来事が起きたりすることがある。

例えば、夢に見たことが現実に起きたり、会いたいと強く願っている人にバッタリ出会ってしまったり…。

それは「ただの偶然」なのか、それとも「神の思し召し」なのか。

この映画を観ると、それは強い願いが神に通じた結果なんだと思ってしまう。

もしも、私たちの行いはもう既に神様が決めていて、強く願えば、神が私たちのすべきことを教えてくれるのだとしたら…。

なんだか、とてもオカルトチックな話になってしまったが、この映画では「占い」が事件解決に貢献している。

もしも、その「占い」がなかったら、事件が解決しなかったかもしれない。

アメリカのFBIでも難事件の解決のため、超能力者に協力を仰ぐことがあると言われているが、この映画の誘拐事件では、「占い師」に協力を求めている。

一見、ありがちな誘拐事件なのだが、その「占い師」が関わることで話が大いに変わって来る。

ここが、非常に韓国らしくて面白かった。

そして、また、警察を巡る「賄賂」や「忖度」の存在も描かれ、そこまた、韓国らしさが出ている部分だった。

日本でも起きそうな誘拐事件ではあるが、解決の方法や、その周りに関わる出来事は、隣の国でも全く違う。

そこが、面白い映画だった。

極秘捜査4


大事な決断を「占い師」にゆだねる韓国事情


韓国の歴史ドラマを観ると、国王に近いに位置に「占い師」が登場することがよくある。

その多くが「巫女」なのだが、「占い師」は王族でなくても、宮中に出入りできる立場であり、かなり高い地位と権力が約束されている。

あの「占い師」の存在は、いつも奇妙なだなと思って観ていた。

なぜならば、大事な国政や、行事の日程、王子の結婚相手など、重要なことまで「占い師」に確認する王がいるからだ。

そのため、「占い師」は多大な権力を握り、その権力を利用する占い師がドラマの悪役として登場することもある。

だから、この映画で、娘を誘拐された母親が、いきなり「占い師」めぐりを始めた時は、なんとも韓国らしい!と思った。

刑事の意見なんかよりも、「占い師」の意見の方が貴重なのだ。

なぜなら、彼らの言葉は「神様」からの言葉だからだ。

それこそ、それは韓国の伝統芸能のようなものだ。

さらに面白いのは、その「占い師」たちの中で唯一、誘拐された娘が生きていると断言したキム導師は、捜査に協力するようになる。

キム導師はその後も、犯人から連絡がある日時などを的中させていく。

そうして、初めは「占い師んなんか」とバカにしていたコン刑事も、このキム導師の意見に耳を傾けるようになる。

このキム導師の存在は非常に独特だった。

本当にこの映画で描かれている通り、犯人の行動を的中させたのかすごく気になるところだけども、本当だったら、物凄い的中率である。

でも、きっと、日本でキム導師のような人がいたとしても、表には出てこないだろうなと思う。

どう考えても、これはオカルトの範囲になってしまい、現実的な捜査が求められる警察では許されないことだろうと思う。

そこが、古来から占いに政局をゆだねていた国とそうでない国の違いかもしれない。


極秘捜査3


「賄賂」は韓国の伝統芸能にするべき


そして、韓国映画なら、どんな映画でも登場する「賄賂」が、当たり前のようにこの映画にも登場する。

これもまた、韓国に古来から伝わる伝統芸能の1つじゃないかと私は思っている。

この誘拐事件の担当であるコン刑事は、極秘捜査にすることを徹底させた。

もしも、この件がマスコミにバレて報道されてしまったら、犯人はウンジュを殺してしまうかもしれない。

さらに、身代金引き渡しの時に周りに刑事がいたら、それに感づいた犯人が逃げてしまい、その時もまたウンジュが殺されてしまうと考えた。

そこで、コン刑事はウンジュの両親に金を撒くことを提案する。

もう一度言うけど、これは実話だ。

コン刑事はマスコミや刑事に金をばらまき、一切、外に漏らさないようにして、民家に特別捜査班を設置するようにお願いすれば、極秘捜査ができるだろうと考えたのだ。

これもまた、なんとも韓国らしい話だった。

マスコミも、刑事も賄賂があれば、動くのだ。

どれだけ、刑事に力がなく、金の力が強いのか。

面白いなぁと思った。

また、「金持ち」であるウンジュのお父さんは、犯人が身代金の引き渡し場所を釜山からソウルへ移すように要求した時は、金の力を使ってソウルでナンバー1の刑事を担当刑事として指名し、実現している。

そこもまた、「事件の重要性」よりも「金の力」なのだ。



極秘捜査5


韓国は日本以上に「忖度天国」??


さらに、韓国は日本以上に「忖度天国」である。

というのも、日本以上に年功序列が厳しい社会だからだ。

一歳でも年齢が違えば、必ず敬語で話しかけるし、相手を敬わなければならない。

「忖度」というよりも、目上の人をおもんばかって先に手を回すのが当たり前の国なのだ。

その「忖度」が非常に分かりやすい出来事が最後に登場する。

まず、この事件を解決したのは、コン刑事である。

しかし、警察から表彰されたのは、全く捜査をしていないというか、逆に足手まといだった隣のチームである。

それは、コン刑事が隣チームに「忖度」をして、譲った話だった。

もしも、そこでコン刑事が手柄を立てたことになったら、警察署長が困る事態になっていたからだ。

さらに、捜査に協力したのはキム導師ではなく、キム導師の師匠ということになっている。

師匠はキム導師に対し、「ウンジュは死んでいるから諦めろ」と言っていたにも関わらず。

これもまた、キム導師が師匠に「忖度」した結果だった。

この辺のいきさつも、「忖度」具合も非常に韓国らしくて面白かった。

多分、「占い師」と「賄賂」と「忖度」は、韓国の古典芸能に入れたら良いと思う。

映画やドラマを観るたびに出てくるから。

ということで、その、韓国の古来からある独特の習慣、「占い」、「賄賂」、「忖度」が絶妙に絡み合ってできている映画だった。

それが、韓国の実情であり、むしろ、そんな風にオープンに描けてしまうところが、今の韓国映画の強さのような気もした。





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