キム・サンギョン主演、韓国映画「鬼はさまよう」(原題:「殺人依頼」)をWOWOWで観た。

連続殺人犯によって妹を殺された刑事と、その妹の夫。彼ら遺族の思いを描く。

劇場未公開の作品をどこよりも早く放送する「WOWOWジャパンプレミア」の一本。

【満足度】:★★★★☆

連続殺人犯に殺された被害者たちの遺族に寄り添う思いが心に残る映画だった。


「鬼はさまよう」予告編 動画

(原題:살인의뢰(殺人依頼))





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あらすじ


世間では連続殺人犯の話題で持ちきりの中、刑事・テス(キム・サンギョン)は、事件の捜査中に現場の近くで当て逃げ犯・ガンチョン(パク・ソンウン)を逮捕する。

しかし、当て逃げ現場に見つかった遺留物から、テスの妹・スギョン(ユン・スンア)の携帯電話が見つかる。

それを知ったテスは、スギョンの行方を探すために必死になるが、ガンチョンは被害者たちの居場所や遺体の場所について、決して話そうとはしなかった。

鬼はさまよう

感想(ネタバレあり) 殺人事件に幸せを壊された、ある家族の思い


ニュースで話題になるような殺人事件が起きた時、その異常性から、つい「なぜ加害者はそんな事件を起こしたのか」について、注目してしまう。

その時に、「被害者、または、その遺族の方たちの思いや、精神状態について、同じぐらい考えたことがあっただろうか・・・」と、考えさせられる映画だった。

ある一組の幸せな家族がいる。

刑事の兄テスと、その妹スギョン、彼女の銀行員の夫スンヒョン。

その日、スギョンの妊娠が発覚し、3人揃って久しぶりに食事をしようと話していた時だった。

そんなささやかな幸せが、あっという間に打ち砕かれる。


鬼はさまよう2

復讐の「鬼」となる遺族たち


たった一人の憎たらしい連続殺人犯によって幸せを奪われたテスとスンヒョンは、スギョンがどこに眠っているのか分からないまま、犯人であるガンチョンへの怒りを募らせていく。

彼らは復讐の「鬼」だ。

もしも、私がテスやスンヒョンと同じ立場だったらどう思うだろう。

大切な家族を殺人犯に殺され、犯人は平然としてふてぶてしく、反省をする様子もなかったら。

相手を殺すまでの勇気は出なくても、「お願いだから、死んでくれ」と思うんじゃないか。

誰かに話を聞いて欲しいと思っても、「人を殺したい」なんて話を話せる相手がいるはずもなく、いつの間にか、気持ちがひたすらネガティブな方向へと向かっていくのではないか・・・と想像する。

だから、この映画のスンヒョンの行動は決して許されるものではないと頭では分かっていても、心のどこかでその思いをとげて欲しいと願う自分もいる。

しかし、結局、悲しくて切ない殺人者となってしまった。

この映画は、そんな「被害者の思い」に寄り添う映画だった。


鬼はさまよう4


人を殺すことが快楽となる殺人「鬼」


人が笑顔になるのは、楽しい時。

心からウキウキした時に笑顔になる。

この映画の中で、とても印象的だったのは、連続殺人犯ガンチョンが常に笑顔だったこと。

人を殺して血だらけになった時も、とても嬉しそうに笑っている。

気持ち悪い。

どうして笑っていられるんだろう。

それこそが、快楽殺人なんだと思った瞬間だった。

そう、彼は殺人「鬼」

人を殺して快楽を感じるような人がいなくならない以上、こういう事件はなくならないんだなと思った悲しい笑顔だった。

鬼はさまよう3

中堅俳優キム・サンギョンと、長編デビュー監督


主人公の刑事・テスを演じるのは、キム・サンギョン

映画の冒頭で出てきたキム・サンギョンは、いつもよりちょっとふっくらとして、「あら、この人太ったなぁ~」と思ったら、スギョンが殺されてから3年後にはゲッソリして登場する。

その姿があって、その3年間にテスがどんな思いをして過ごしてきたのかが、一目で分かる。

そこに、キム・サンギョンのテスにかける思いを見たような気がした。

他の出演作には、「殺人の追憶」「悪魔は誰だ

監督は、ソン・ヨンホ

驚きなのは、これが長編デビューだということ。

普通の「連続殺人もの」と違う視点を持った作品だったので、熟練した監督が撮った映画なのかと思った。

本当に、韓国映画恐るべし。

鬼はさまよう5

「死刑が執行されないなら自分で」の思い


原題は「殺人依頼」

自ら刑務所に入って復讐の相手であるガンチョンを殺すことができないスンヒョンは、ある人に殺人依頼をすることから、このタイトルがついている。

これは、ガンチョンが「死刑」と求刑されながら、「死刑が実行されない」ことが分かっているから、自らの手でその刑をくだそうと思ったことからの行動だった。

それは、日本でも考え得ることだけど、私は、死ぬことよりも、刑務所で快楽を得られないまま生き恥をさらしたほうが辛いことだと思っているので、死刑は反対。
(ただし、どんなに模範囚であっても、一生刑務所で過ごすのが条件)

しかし、遺族はそう簡単に割り切れない思いがあるんだろうと思う。

だから、こういう事件が起きた場合、もっとも必要なのは、遺族に対する手厚いメンタルケアなのではないかと思う。

すごく、きれいごとを言っているかもしれないけど、遺族たちの心からの正直な思いを聞いてあげられる人がいれば、罪のない人が殺人者になる必要なく、もしかしたら、前向きな気持ちで新しい人生を歩むことができるかもしれないと思った。





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