ソフィー・ネリッセ主演、キャシー・ベイツ共演の映画「ギリーは幸せになる/ギリー・ホプキンズの不機嫌な日常」をWOWOWで観た。

里親を転々し、心が荒んでしまった少女が、ようやく自分の居場所を見つけ出すところまでを描く。

劇場未公開の作品を、どこよりも早く放送する「WOWOWジャパンプレミア」の作品。


満足度 評価】:★★★★☆

最後の方ではボロ泣きだった。

この映画は、13歳ぐらいの少女が自分の居場所を探し出す物語なんだけれども、中年独身女性の私にとっては、今後、自分の「孤独」とどうやって付き合っていくかを考えさせられる作品だった。

血のつながりだけが、本当に家族なのか。

孤独な者同士が、共に助け合って暮らしてくことも「家族」の形であり、相手を拒否するよりも、最初に受け入れることの素晴らしさを教えられた素敵な作品だった。


「ギリーは幸せになる/ギリー・ホプキンズの不機嫌な日常」予告編 動画

(原題:The Great Gilly Hopkins)




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キャスト&スタッフ


出演者

ソフィー・ネリッセ
…(「やさしい本泥棒」など)

キャシー・ベイツ
…(「ビリーブ 未来への大逆転」、「ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声」、「タミー/Tammy」など)

オクタヴィア・スペンサー
…(「gifted/ギフテッド」、「シェイプ・オブ・ウォーター」、「ドリーム」など)

〇ビル・コッブス

グレン・クローズ
…(「天才作家の妻 40年目の真実」、「ディストピア パンドラの少女」、「エアフォース・ワン」など)

ジュリア・スタイルズ
…(「DEMON デーモン」、「ジェイソン・ボーン」、「ボーン・アイデンティティ」など)

監督

〇スティーブン・へレク

2016年 アメリカ映画

ギリー・ホプキンズの不機嫌な日常


あらすじ


小学校高学年の少女ギリー・ホプキンズ(ソフィー・ネリッセ)は、幼い頃に母と離ればなれになり、里親を転々とした後、メイム・トロッター夫人(キャシー・ベイツ)の家へ里子としてやってきた。

素直になれず、言われたことを全部否定するギリーだったが、トロッター夫人の元へ引っ越してから数日後に、サンフランシスコに住む実母のコートニー(ジュリア・スタイルズ)から絵葉書が届く。

その絵葉書の中に書いてあった一文「一緒に暮らせたらいいのに」を強く信じたギリーは、いつかトロッター夫人の家を出て、母の元へ向かう計画を立てる。

一方で、中々心を許そうとせず、周りの人たちを全て拒絶するギリーをトロッター夫人は、常に優しく包み込むのだった。

ギリー・ホプキンズの不機嫌な日常3

感想(ネタバレあり)


アメリカでは日本よりオープンで一般的な里親制度


これまで、「里親に育てられました」という人にお会いしたことがない。

いや、もしかして、これまで会ったことはあっても、そのことを隠して大人になった人もいるかもしれない。

まだまだ、日本では、「血がつながっているからこそ家族」のイメージが強い。

しかし、アメリカでは、養子縁組や里親に対して、もっとオープンのようで、日本では、両親がいない子供のほとんどは養護施設で育てられるけれども、アメリカでは、両親がいない子供たちのほとんどが、養子縁組や里親の家庭で育てられるのだという。

(参考:アメリカの養子縁組・里親制度~日本との違い~

この映画の主人公ギリーは、母親の記憶がほとんどなく、幼い頃から里親を転々として暮らしてきた女の子だ。

もちろん、居心地が良い里親だったら、転々とすることはないだろう。

そのためか、性格が荒んで成長してしまった。

彼女に親切に話しかける人たちをことごとく拒絶し、素直に話を聞こうとしない。

まだ見ぬ「美しい母」は実はセレブで、自分は「The Great Gilly Hopkins」(華麗なるギリー・ホプキンズ)(原題)なんだと夢見ている。

そんなギリーは、私からしたら、不機嫌というよりもむしろ「かまってちゃん」のように見えた。

ことごとく里親と気が合わず、ひねくれて育ち、母に会いたいという寂しさから、大人の気を引きたいかまってちゃん。

この映画は、そんなかまってちゃんのギリーが、ようやく自分の居場所を見つけるまでの物語である。


ギリー・ホプキンズの不機嫌な日常2


どんなことでも肯定して、愛情を注ぎ続ける


ギリーの新しい里親となったトロッター夫人(キャシー・ベイツ)はとても素晴らしい人だった。

ギリーが何をしようとも、何を言おうとも、笑って彼女を受け入れる。

それは、ギリーを甘やかすためではなく、これまでのギリーの人生で愛情不足だったところへ、一生懸命愛情を注ぐような感じだった。

いつか、心の愛情が満タンになったら、トロッター夫人に心を開いてくれる時が来る。

それまでは、どんなことがあっても、愛情を注ぎ続けよう。そんな印象だった。

トロッター夫人とギリーの2人のシーンの中で、とても印象的だったのは、ギリーがケンカの仕方をWEに教えていた時のトロッター夫人の反応だ。

内気でケンカの弱いWEに対し、とても汚い言葉で相手を罵れと教えていたところ、ちょうどその時、トロッター夫人が登場し、WEがその汚いセリフを彼女に叫んでしまう。

決して自分からは汚い言葉など吐かないWEだから、それはギリーが言わせたのが明白で、ばつが悪くなったギリー。

その場を取り繕うために、「ケンカの仕方を教えていたのよ」と言うと、そのギリーを思い切りハグして、頬にキスをして「そうなの。ありがとう!!」とトロッター夫人が言ったことに私はすごく驚いた。

普通だったら、そこで「なんて汚い言葉を教えたの!!」と激しく叱るところだった。

しかし、トロッター夫人にとっては、WEが汚い言葉で罵ったことよりも、家の中でギリーとWEが楽しそうにしていることが嬉しかったのだ。

しかも、ギリーが自分の弟を守ろうとしている。

これは、彼女が愛情を注ぎ続けた結果が出た証拠だった。

だから、トロッター夫人はとても嬉しかったのだ。

ギリー・ホプキンズの不機嫌な日常7

減点より、加点することの大切さ


そして、もう1人。

学校のハリス先生(オクタヴィア・スペンサー)も素晴らしい人だった。

彼女の登場するシーンでとても印象的だったのは、ギリーがテストの答案に何も書かずに提出した時だ。

それまでギリーはハリス先生に「優秀だ」と褒められていた。

それが気に入らなかったのか、ギリーはテストに何も解答せずに提出する。

すると、ハリス先生は成績を「F+」とする。

「本当だったら、成績は最低の「F」、でも名前を書いてくれたから「+」を付けたのよ」と言う。

「なんでそんなことをしたのか」と言って彼女を責めることをしない。

ギリーは優秀な生徒だと知っていて、彼女が先生にかまってほしくて何も書かなかったことを先生はお見通しだった。

ハリス先生は、減点するよりも、加点することで、褒められるところがあれば、どんなことでも褒める。

そうやって、ギリーの気持ちを温め、心を開かせる優しい先生だった。

ギリー・ホプキンズの不機嫌な日常4

「愛のない親」より「愛情のある里親」


トロッター夫人にしろ、ハリス先生にしろ、どんなことでも「まずは肯定」するところが凄いなと思った。

どうしたら、ギリーが彼女たちに心を開いてくれるかを考える。

そのためには、とにかく褒めることと、ギリーの言うことを肯定すること。

私たちは、目の前にいる人が間違ったことをしてしまったら、まず否定することを考えてしまう。

でも、それでは、その人との距離が広まっていくばかりなのだ。

ギリーの気持ちを知りたくなったのなら、褒めて、肯定して、愛情を注ぎ続ける。

そして、ギリーの気持ちも少しずつトロッター夫人へと向き始める。

「愛情のない親」よりも、「愛情を注ぎ続けてくれる里親」のところが良いと思った時には、もう遅かった。

ギリーはお祖母ちゃんの元で生活しなければならなくなっていた。

しかし、トロッター夫人の居る場所が「彼女の本当の居場所」であることに変わりはない。

お祖母ちゃんには気の毒だけど、トロッター夫人の家はギリーにとっての大切な家族であり、故郷になった。


ギリー・ホプキンズの不機嫌な日常6

子供たちをきっかけに寄り添い合う大人たち


孤独なのは子供たちだけではない、大人たちも孤独だからこそ、寄り添って生きていた。

子供たちがいなければ一人暮らしになってしまうトロッター夫人。

奥さんを亡くし、一人で暮らす盲目の老人ランドルフさん。

ギリーのお祖母ちゃん(グレン・クローズ)も、裕福なのに、孤独な暮らしをしていた。

人生、長い間にいろいろあって、でも、老後を迎え一人になってしまった人たち。

トロッター夫人の場合は、里親になることで生き甲斐を見つけたり、ランドルフさんもトロッター夫人の家に度々出入りしたり。

お互いが家族がいないからこそ、両親のいない子供たちを交えて、心の拠り所になれる。

それもまた、新しい家族の形。

最後にはそこにギリーのお祖母ちゃんも仲間入りして、共に寄り添い合える環境っていいなぁと思った。

ギリー・ホプキンズの不機嫌な日常5


養子縁組や里親制度が、日本の少子化問題を解決するかも!?


面白いなぁと思ったのは、この映画の原題は「The Great Gilly Hopkins」(華麗なるギリー・ホプキンズ)であり、それはギリーが、本当は自分がセレブだと夢見ていたことから来ている。

そんな夢見がちな彼女も、大人になって現実の世界を知っていく。

タイトルがとても華やかでポジティブな印象を受ける。

それに対して「ギリー・ホプキンズの不機嫌な日常」とは、何ともネガティブな印象。

これは、この映画の中でも日本人だったら「なぜそんなとこをするの!!」とか、「そんな言葉を使ったらいけません!!」と否定的に𠮟りつけるところを、アメリカでは「とにかく、肯定して、ほめたたえる」というポジティブな教育をするという部分において、日本とアメリカのメンタル的な違いをとても端的に表しているんじゃないかと思った。

この物語は、少女を主人公にした物語だけど、大人の私がみても、

「何もかも否定するよりもまず、肯定せよ。拒絶するより、受け入れろ」ということを教えられた。

大人になると子供よりも、ますます頭が固くなってしまうから、新しい出来事を受け入れるのが難しい。

でも、そこで、まず受け入れてみること。

そうしたら、トロッター夫人の家が「住めば都」だったみたいに、そこには、何か新しい発見があるのかもしれない。

もしかしたら、日本でも施設で育つより、里親の元で育った方が良い子供たちがいるのではないか。

もっと、養子縁組や里親制度が充実したら、少子化問題の解消にもなるかもしれない。





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