映画「ディストピア パンドラの少女」を映画館で観た。

疫病により人類が滅亡しつつある世界。人類の希望は、ある1人の少女の命にかかっていた…。


満足度 評価】:★★★★☆

単なるゾンビものかと思いきや、一味も二味も違っていて、予想外に面白い作品だった。

一人の少女の純粋な好奇心が人類を破滅に導くという展開が特に気に入っている。

自然は常に進化し続け、地球を破滅へと導く人間をいつか滅ぼそうとするのかもしれない。


「ディストピア パンドラの少女」予告編 動画

(原題:THE GIRL WITH ALL THE GIFTS)




更新履歴・販売情報

・2017年7月7日 映画館で観た感想を掲載。

・2018年7月2日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信、DVD共に販売中。



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キャスト&スタッフ


出演者

〇セニア・ナニュア

ジェマ・アータートン
…(「人生はシネマティック!」)

パディ・コンシダイン
…(「チャイルド44」、「パレードへようこそ」など)

グレン・クローズ
…(「天才作家の妻 40年目の真実」、「セブン・シスターズ」、「ギリー・ホプキンズの不機嫌な日常」、「エアフォース・ワン」など)

監督

〇コーム・マッカーシー

原作

〇M・R・ケアリー


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2016年制作 イギリス・アメリカ合作映画



ディストピア_パンドラの少女



あらすじ


人類に寄生するキノコの真菌が世界に蔓延し、寄生された人間は「ハングリーズ」と呼ばれるゾンビになり、人間を含めた動物の生肉を捕食するようになってしまった。

その真菌の寄生から人間を守るワクチンの生成について研究しているコールドウェル博士(グレン・クローズ)は、1人の少女メラニー(セニア・ナニュア)の身体から細胞を採取しようとしていた。

しかし、メラニーの担任をしている教師ジャスティノー先生(ジェマ・アータートン)が博士を止めようとした時、研究所はハングリーズの大群に襲われてしまう。

ハングリーズから逃げるため、ジャスティノー先生はメラニーを連れパークス軍曹(パディ・コンシダイン)の乗る車に乗ったところ、コールドウェル博士もその車に乗っており…。



ディストピア_パンドラの少女2



感想(ネタバレあり)


キノコが人間に寄生しゾンビ化させる!?


前半は「バイオ・ハザード」のようなパンデミックから始まったゾンビものといった雰囲気で、正直、大量のハングリーズ(ゾンビ)が襲ってきた時は、「なんだ、これはよくあるゾンビものか」と思った。

基本的にそういう、ひたすら撃ちまくり、殺し合うだけのような映画はあまり好きではないので、「もしかしたら、これは失敗映画かも」とすら思った。



ところが、映画を見続けていくと、このハングリーズはこれまでの映画でよくあった「あちこちから大量に湧いてきて、ひたすら人間を襲う」というタイプのゾンビとはちょっと違うことに気付く。



まず、ハングリーズは「音と匂い」にとても敏感で、周りにハングリーズしかいない時は動かない

道端で何もせず突っ立っている。

非常にコスパの良いゾンビで、体力を無駄に消耗しない。

動いたら動いただけエネルギーが必要になるから、周りに獲物がいない時は基本動かない。



人間は、そんなハングリーズの習性を知っているので、匂いを消す「ブロッカージェル」を体に塗って彼らに気付かれないようにしている。

このハグリーズとは、キノコの真菌が人間の身体に寄生しゾンビ化したもの

人間がこの真菌に感染すると、脳にキノコが生え、脳はそのキノコによって思考停止し、人間はゾンビ化するのだ。



その後、キノコを成長させるために、エネルギーを人間や動物の生き血、生肉から摂取する。

そして、そのキノコが成長すると、ゾンビとしての活動を終え、キノコの菌床(培地)へと変化する。

成長したキノコは口の中から外へ出て、上へ上へと伸び続け(ジャックの豆の木のように)、やがて種を付ける



その姿は、まるでキノコの一種である「虫に寄生した冬虫夏草のようなもの」と言うと、ピンと来る人もいるかもしれない。

ゾンビ期のハングリーズは、いつもは何もせずジッとしているが、匂いや音を嗅ぎつけた瞬間、その方向に向かって襲いかかってくる。

この『キノコに寄生された人間』という点がよくあるゾンビと違っていて、非常に面白いところだった。



その説明をしているコードウェル博士(グレン・クローズ)に向かって、思わず「キノコってなんだよーーーー!!」と言いそうになった(笑)



ディストピア_パンドラの少女4



キノコと人間のハイブリッド版=セカンド・チルドレン=メラニー


それでは、コールドウェル博士が「人類の希望」だと言っているメラニーは一体何者なのか。

メラニーは、真菌に感染した妊婦から生まれた子供である。

妊婦が感染すると、お腹の中の子供も感染しハングリーズとなるが、母親の身体を食い破って生まれてくる。



そうして生まれてきた彼らは、身体とキノコが共生し、全く人間と同じままの状態である。

そんな彼らは、自然が生み出したキノコと人間のハイブリッド版であり、<セカンド・チルドレン>と呼ばれていた



コールドウェル博士は、彼ら<セカンド・チルドレン>の脳細胞に人類を真菌から守るDNAが含まれてると考え、そこからワクチンンを生成しようとしていた。

ところが、<セカンド・チルドレン>たちの教育を担当していたジャスティノー先生は、子供を殺してまでワクチンを生成することに耐えられなくなってしまった。



コールドウェル博士にとって、<セカンド・チルドレン>たちは実験台であり、貴重なワクチンの資源であるが、ジャスティノー先生にとっては可愛い教え子たちだった。

この、「見た目は人間と全く同じ」という点が、<セカンド・チルドレン>の最も優れた部分であった。



ディストピア_パンドラの少女3



メラニーには天使と悪魔が表裏一体で共存する


そのメラニー本人は、世界で起きているあらゆることに興味を持ち、美しい景色を見れば、そこへ行ってみたいと思うような普通の子供である。

お話が大好きで、特にジャスティノー先生が授業中にお話を聞かせてくれると、子供ならではの空想を膨らませ、その物語の主人公の気持ちを理解していた。



しかし、その反面、当然<セカンド・チルドレン>としての部分も持ち合わせており、お腹が空けば、道端にいる猫や鳥に襲いかかり、ムシャムシャと食べてしまう。

後半、猫を追いかけ始めたメラニーを見て、「あぁ、初めて見た猫に興味を持ったんだな」と思いきや、その直後にガブリといった時には、あぁ、そういえばこの子もハングリーズの1人だったんだと我に返ってしまった。



そんな風に、メラニーは表面は子供らしい純粋さを持っていながら、その裏では、猫や鳥に襲いかかるような凶悪な面も持ち合わせているという天使と悪魔が表裏一体で同居する子供だった。

そして、その彼女の長所の一つだった「子供ならではの好奇心」が、人類を破滅させてしまう



人間に寄生するキノコの真菌の種は、固い殻の中に入っている。

コールドウェル博士がその種について、「人間の力では開けられないけど、火や水の力で開けることができる。だから、火事や洪水が起きたら、人類は滅亡してしまう」と話した時、好奇心旺盛なメラニーは「この話は本当かな?」と思った。

だから、どうしても試したくなってしまい、キノコの木に火をつけてしまったのだ。



コールドウェル博士が正しいなら、種が飛び出て人間は滅亡するはず。

自分が死んでワクチンを作るぐらいなら、人間は滅亡してしまえば良い。



メラニーの知っている人間たちはみな、安全なところにいるから大丈夫。

大好きなジャスティノー先生が生きていればそれで良い。



まさに、これが天使と悪魔が表裏一体で共存するメラニーそのものだった。

彼女の「ちょっとした好奇心」が人類を滅ぼすこととなってしまったのだ。



ディストピア_パンドラの少女5



メラニーにとっては希望でも、人類にとっては絶望を感じさせるラスト


実際、自然界には「タイワンアリタケ」という、アリに寄生してゾンビ化させるキノコがあるのだそう。

(参考:詳細は下記に添付のYou Tube「映画『ディストピア』蟻をゾンビ化させるキノコ・タイワンアリタケとは? 」)



それだけじゃなく、「殺人アリ」と言われるヒアリや、デング熱の発生など、ここ数年で、これまでなかったような自然の驚異を感じることがある。

もしかしたら、自然界は地球を破滅させる恐れのある人間を滅亡させようとしているのかもしれない。



「人類にとっての希望」だったメラニーが選んだのは、<セカンド・チルドレン>たちが生きていく社会だった。

それは、メラニーにとっては希望でも、人類にとっては絶望だった。

それでも、メラニーたちに教育をしていく道をジャスティノー先生が選んだのは、彼女もまた<セカンド・チルドレン>たちとの共存を選んだからだ。



元々、彼女はメラニーからワクチンを生成することを拒否していたのだから、彼女にとってはこれが自然の成り行きだったのかもしれない。

しかし、これまで地球上で大きな顔をして生きてきた人間が、最後には檻の中で隔離されながら暮らしている姿を見ると、まるで「猿の惑星」のラストを観ているような切ない気分になった。








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