ジョン・ファブロー監督映画「ジャングル・ブック」を観た。
オオカミ一家に育てられた少年モーグリが、森の平和を保つため人間社会へ帰ろうと旅に出る話。
【満足度 評価】:★★★★☆
かわいい者もいれば、凶暴な者もいる、優しい者もいれば、厳しい者もいる。
種々雑多な動物たちの中で暮らす少年モーグリの世界にどっぷりと浸りながら、私たち人間も彼らから教わることが大いにあるなと思わされた作品だった。
出演:ニール・セティ
声の出演:ベン・キングスレー、ビル・マーレイ、イドリス・エルバ、ルピタ・ニョンゴ、スカーレット・ヨハンソン、ジャンカルロ・エスポジート、クリストファー・ウォーケン
監督:ジョン・ファブロー 2016年製作 アメリカ映画
◆DVDで観る:「ジャングル・ブック」
◆ネット配信で観る:「ジャングル・ブック」(字幕版)
◆原作本「ジャングル・ブック」
◆原作アニメ「ジャングル・ブック」
まだ歩き始めたばかりの幼い頃、父親と共に森へ来た少年モーグリ(ニール・セティ)は、トラのシア・カーン(イドリス・エルバ)に父を殺されるが、その後黒ヒョウのバギーラ(ベン・キングスレー)に助けられ、バギーラはモーグリをオオカミ一家に預ける。
それ以来、オオカミ一家に育てられたモーグリは順調に成長するが、ある時、シア・カーンに見つかってしまう。
モーグリの父に痛めつけられたシア・カーンは、それ以来人間嫌いとなり、宿敵の息子であるモーグリを目の敵にしていた。
シア・カーンが自分の命を狙っていると知ったモーグリは、オオカミ一家に迷惑をかけてはいけないと、彼らから離れ、人間の住む村へ行く決心をする…。
しかし、その旅の途中でシア・カーンに再び見つかってしまい…。

実写版「ジャングル・ブック」とはいえ、出ているのは少年モーグリだけで、後はアニマトロニクスでありCG加工された動物たちなので、実写版と言えるのかどうか…(笑)
いや、しかし、それでも動物たちは十分にリアリティを感じる仕上がりだったし、どの動物たちもとても魅力的だった。
トラ、オオカミ、象、熊、水牛、サル、オランウータン、サイ…などなど。
私のお気に入りは、クマのバルーとモーグリのかわいい弟たち(オオカミ)。
すごく適当に生きてる熊で、昼寝と歌とモーグリが大好きなバルー。
とてもいい加減に見えるようで、でも、モーグリを守る時は、ちゃんとクマになって戦う、「やる時はやる」熊バルー。
そして、同じくモーグリのことが大好きなオオカミの弟たち。
まだまだすごく小さくて、遠吠えするのもやっと。
でも、まだ甘えん坊の弟たちが本当にかわいくて、連れて帰りたくなった(笑)

そんな感じで、このジャングルには種々雑多な動物たちがいる。
肉食も草食も共存して、平和に暮らしている。
それでは、なぜ、彼らは平和を保つことができるのか。
それは、彼らが「森の掟」と呼ばれるルールと秩序を守って暮らしているからだ。
乾季の中、水飲み場ができれば、ハンティングよりも、水が優先されるため、休戦が言い渡され、肉食、草食関係なく、そこで水を飲める。
モーグリが暮らすオオカミ一家も、毎朝のように「森の掟」を暗唱し、自分たちが森の一員であることを言い聞かせて暮らしている。

しかし、長い間、平和を保ってきた均衡を破る存在が登場する。
それが、人間(=モーグリ)だ。
彼らにとって人間は「赤い花(=火、炎)」を自在に操る怖い存在だった。
森の中では一番恐ろしい存在だったシア・カーンは、後々、それを脅かす存在になるモーグリを幼い頃から敵視していた。
そして、彼らを仲間だと言うオオカミ一家と対立。
オオカミたちは、シア・カーンに怯えるようになる。

オオカミ一家の反応を見て、「迷惑をかけてはいけない」と思ったモーグリは、彼らの元を離れ、人間の村へと向かう旅に出る。
しかし、その旅の中でモーグリは様々な出会いを重ね「自分は何者か」「自分にとって一番大切なものは何か」「自分は何ができるのか」を知ることになる。
そう。モーグリは、この幼さにして既に「自分探しの旅」に出たんだねーー。
そして、結局、自分にとって一番大切なのは家族(=オオカミ一家)と悟り、シア・カーンから逃げ出すことではなく、向かって戦うことを選択する。
ここで重要なのは、モーグリが腕力で闘ってのではなく、彼なりの知恵を使って戦ったということ。
武器とは、腕力だけではない。
戦うとは、取っ組み合うことではない。
自分のできることを生かして、相手を負かすことができる。
モーグリは、一歩も二歩も成長して、家族の元に帰ってきた。

種々雑多な動物たちが共存して暮らすために必要なのは秩序。
それは、人間の世界でも言えることだと思った。
様々な人種の人たちが共存して生きる中、最も大切なのはルールを守ること。
その中へ、異種の人が入ってくると、人々は急に警戒し始める。
そんな時こそ受け入れて、同じルールで暮らすことが平和への道だ。
もしも、ルールを破ることがあれば、それなりに罰を与えることが必要となるが、それは必ずしも「力」でねじ伏せることではなく、知恵を使って罰を与えることもできる。
そのために、私たちには法律がある。
モーグリの家族は人間ではなく、彼らを育てたオオカミたちだ。
それなのに、「さっさとここを出て、生まれた村へ帰れ」というのは、長く住んで、家族もいる移民を「生まれた国へ帰れ」と言っている政府の人間たちのように見える。
大きな心を持ってモーグリを受け入れたオオカミたちから学べることはたくさんある。
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◆ネット配信で観る:「ジャングル・ブック」(字幕版)
◆原作本「ジャングル・ブック」
◆原作アニメ「ジャングル・ブック」
オオカミ一家に育てられた少年モーグリが、森の平和を保つため人間社会へ帰ろうと旅に出る話。
【満足度 評価】:★★★★☆
かわいい者もいれば、凶暴な者もいる、優しい者もいれば、厳しい者もいる。
種々雑多な動物たちの中で暮らす少年モーグリの世界にどっぷりと浸りながら、私たち人間も彼らから教わることが大いにあるなと思わされた作品だった。
出演:ニール・セティ
声の出演:ベン・キングスレー、ビル・マーレイ、イドリス・エルバ、ルピタ・ニョンゴ、スカーレット・ヨハンソン、ジャンカルロ・エスポジート、クリストファー・ウォーケン
監督:ジョン・ファブロー 2016年製作 アメリカ映画
「ジャングル・ブック」予告編 動画
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あらすじ
まだ歩き始めたばかりの幼い頃、父親と共に森へ来た少年モーグリ(ニール・セティ)は、トラのシア・カーン(イドリス・エルバ)に父を殺されるが、その後黒ヒョウのバギーラ(ベン・キングスレー)に助けられ、バギーラはモーグリをオオカミ一家に預ける。
それ以来、オオカミ一家に育てられたモーグリは順調に成長するが、ある時、シア・カーンに見つかってしまう。
モーグリの父に痛めつけられたシア・カーンは、それ以来人間嫌いとなり、宿敵の息子であるモーグリを目の敵にしていた。
シア・カーンが自分の命を狙っていると知ったモーグリは、オオカミ一家に迷惑をかけてはいけないと、彼らから離れ、人間の住む村へ行く決心をする…。
しかし、その旅の途中でシア・カーンに再び見つかってしまい…。

感想(ネタバレあり)
動物たちがとても魅力的なジャングル
実写版「ジャングル・ブック」とはいえ、出ているのは少年モーグリだけで、後はアニマトロニクスでありCG加工された動物たちなので、実写版と言えるのかどうか…(笑)
いや、しかし、それでも動物たちは十分にリアリティを感じる仕上がりだったし、どの動物たちもとても魅力的だった。
トラ、オオカミ、象、熊、水牛、サル、オランウータン、サイ…などなど。
私のお気に入りは、クマのバルーとモーグリのかわいい弟たち(オオカミ)。
すごく適当に生きてる熊で、昼寝と歌とモーグリが大好きなバルー。
とてもいい加減に見えるようで、でも、モーグリを守る時は、ちゃんとクマになって戦う、「やる時はやる」熊バルー。
そして、同じくモーグリのことが大好きなオオカミの弟たち。
まだまだすごく小さくて、遠吠えするのもやっと。
でも、まだ甘えん坊の弟たちが本当にかわいくて、連れて帰りたくなった(笑)

肉食も草食もいて、なぜジャングルは平和なのか…
そんな感じで、このジャングルには種々雑多な動物たちがいる。
肉食も草食も共存して、平和に暮らしている。
それでは、なぜ、彼らは平和を保つことができるのか。
それは、彼らが「森の掟」と呼ばれるルールと秩序を守って暮らしているからだ。
乾季の中、水飲み場ができれば、ハンティングよりも、水が優先されるため、休戦が言い渡され、肉食、草食関係なく、そこで水を飲める。
モーグリが暮らすオオカミ一家も、毎朝のように「森の掟」を暗唱し、自分たちが森の一員であることを言い聞かせて暮らしている。

平和を壊すのは人間
しかし、長い間、平和を保ってきた均衡を破る存在が登場する。
それが、人間(=モーグリ)だ。
彼らにとって人間は「赤い花(=火、炎)」を自在に操る怖い存在だった。
森の中では一番恐ろしい存在だったシア・カーンは、後々、それを脅かす存在になるモーグリを幼い頃から敵視していた。
そして、彼らを仲間だと言うオオカミ一家と対立。
オオカミたちは、シア・カーンに怯えるようになる。

モーグリの自分探しの旅
オオカミ一家の反応を見て、「迷惑をかけてはいけない」と思ったモーグリは、彼らの元を離れ、人間の村へと向かう旅に出る。
しかし、その旅の中でモーグリは様々な出会いを重ね「自分は何者か」「自分にとって一番大切なものは何か」「自分は何ができるのか」を知ることになる。
そう。モーグリは、この幼さにして既に「自分探しの旅」に出たんだねーー。
そして、結局、自分にとって一番大切なのは家族(=オオカミ一家)と悟り、シア・カーンから逃げ出すことではなく、向かって戦うことを選択する。
ここで重要なのは、モーグリが腕力で闘ってのではなく、彼なりの知恵を使って戦ったということ。
武器とは、腕力だけではない。
戦うとは、取っ組み合うことではない。
自分のできることを生かして、相手を負かすことができる。
モーグリは、一歩も二歩も成長して、家族の元に帰ってきた。

異質なものを受け入れる心の大きさ
種々雑多な動物たちが共存して暮らすために必要なのは秩序。
それは、人間の世界でも言えることだと思った。
様々な人種の人たちが共存して生きる中、最も大切なのはルールを守ること。
その中へ、異種の人が入ってくると、人々は急に警戒し始める。
そんな時こそ受け入れて、同じルールで暮らすことが平和への道だ。
もしも、ルールを破ることがあれば、それなりに罰を与えることが必要となるが、それは必ずしも「力」でねじ伏せることではなく、知恵を使って罰を与えることもできる。
そのために、私たちには法律がある。
モーグリの家族は人間ではなく、彼らを育てたオオカミたちだ。
それなのに、「さっさとここを出て、生まれた村へ帰れ」というのは、長く住んで、家族もいる移民を「生まれた国へ帰れ」と言っている政府の人間たちのように見える。
大きな心を持ってモーグリを受け入れたオオカミたちから学べることはたくさんある。
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