チョ・インソン主演の映画「ザ・キング」を映画館で観た。

1980年代から2010年までの韓国激動の時代を背景に、地方の不良少年が検事になって成り上がっていく様を描く。


満足度 評価】:★★★★☆

これは面白かった!!

田舎町のチンピラが、ソウルで頂点に登りつめるまで。

これは、韓国が舞台になっているけれど、なぜ、官僚はあれほどまでに政治家にすり寄るのか、その理由がよくわかるドラマになっている。

そして、検事局とマフィアが並行して描かれることで「検事もマフィアも似たり寄ったり」だったのが面白かった


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「ザ・キング」予告編 動画

(原題:더 킹(The King))



更新履歴・公開、販売情報

・2018年4月5日 映画館で観た感想を掲載。

・2019年4月14日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


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キャスト&スタッフ


出演者

〇チョ・インソン

チョン・ウソン
…(「アシュラ」、「監視者たち」など)

ペ・ソンウ
…(スウィンダラーズ」、大好きだから」、「奴隷の島、消えた人々」、「造られた殺人」など)

リュ・ジュンヨル
…(「沈黙、愛」、「タクシー運転手 約束は海を越えて」、「奴隷の島、消えた人々」など)

キム・ウィソン
…(「ゴールデンスランバー」、「新感染 ファイナル・エクスプレス」、「プリースト 悪魔を葬る者」、「造られた殺人」、「国選弁護人 ユン・ジンウォン」など)

〇キム・アジュン

〇キム・ソジン


監督・製作・脚本

ハン・ジェリム
…(「観相師-かんそうし-」など)


2017年製作 韓国映画



韓国映画「ザ・キング」



あらすじ


1980年代の木浦(もっぽ)で暮らす不良高校生のパク・テス(チョ・インソン)は、窃盗を繰り返す父が検事に土下座する姿を見て、「検事になったら、世界を手に入れることができる」と思い、心機一転ソウル大学法学部を目指す。

必死になって勉強した結果、ソウル大学法学部にめでたく合格し、夢に見た検事局に合格する。

検事局に入ったばかりの頃は、権力のある人間が優遇される世界に納得がいかない日々を過ごしていた。

ソウル大学の先輩で検事局のエリート集団 戦略部に所属するヤン・ドンチョル(ペ・ソンウ)から声をかけられ、戦略部に入ることが決まると、そこは、ハン・ガンシク部長(チョン・ウソン)を頂点とした欲にまみれた世界だった…。



韓国映画「ザ・キング」チョ・インソンとチョン・ウソン



感想(ネタバレあり)


時代を読んで権力にすり寄ることこそ、出世までの最短距離


これは面白かった!

1980年代から、2010年までの韓国の激動の時代を背景に、木浦で暮らすチンピラ高校生のパク・テス(チョ・インソン)が、心機一転エリート検事にまで登りつめるさまを描く。



そういうと、割とありがちな感じに聞こえてしまうけれど、この映画が面白いのは彼らエリート検事とマフィア「野犬派」を並行して描くことで、「検事とマフィア、似たり寄ったり」の世界を作り出しているところだった。



マフィアが金を稼いで上納する先が政治家であるように、検事も「より検事局に有利に働いてくれる」政治家にすり寄っていく。

そして、どちらの政治家も、その上にいるのは「大統領」である。

つまり、マフィアも検事も大統領につながる政治家たちのために働く忠実な犬なのである。



本来ならば「国の良心」であるべき検事局が、「のし上がる」ために政治家たちにすり寄り、有力者のために忖度をする

そして、時には「国民から目をそらすために」スキャンダルを流して情報操作もする。



時には、「次期大統領が誰になるか(=選挙前に誰に便宜を図るべきか)」を知るために、占い師に「誰が大統領選で当選するか」を占ってもらい、その占いの結果を信じて先回りして名前を売り込み、当日は固唾をのんで選挙速報を見守ることだってあった。

彼らにとって、大統領選挙はギャンブルのようなものなのだ。

そうやって、常に「時代」を読みながら、次の手を考え、「その時に最も権力を持つ人間」にすり寄っていくことが、「頂点(=検事局長)」にたどり着く最短距離なのだ。



主人公のパク・テスは、その「出世街道の歩み方」を、上司であり、戦略部部長のハン・ガンシクに叩き込まれ、頭角を現していくのだ。



この映画は韓国を舞台にして描かれた作品であるはあるが、これを観ていると「なぜ、官僚が政治家にすり寄るのか」がよくわかる作品になっている

あの森友事件の裏にある事情は一体何だったのか。

それを想像しながら、この映画を観ていると、とても面白い。



韓国映画「ザ・キング」チョ・インソンとチョン・ウソンとペ・ソンウ


検事とマフィアはコインの裏と表、表裏一体


ここで描かれる検事とマフィアは、コインの表と裏、表裏一体である。



もしも、検事局にとって「目障りな人間」が出た場合、その処理をするのがマフィア「野犬派」である。

マフィアにとって「何か」が起きた時に「刑を軽く」できる検事は貴重な存在だし、検事にとっても「汚れ仕事」を率先してしてくれるマフィアはなくてはならない存在である。



本来ならば、検事とマフィアは全く正反対の位置にいて、むしろ敵同士でいるべきなのに、実質「検事もマフィアもやっていることに大差ない」のが、なんとも面白い。

共に、頂点を「大統領」にして動いていて、利害関係が一致しているからこそ、表裏一体で動けるのだ。



そうやって、検事とマフィアが裏で手をつなぎながら、人を犬扱いし、彼らの行く手を邪魔する者は蹴落とし、大統領にとって最も有利に動けたものが頂点(検察庁長官)に立つことができる

マフィアにとっても、その時便宜を働いてくれた検事がトップに立てば、彼らにとって安泰なのだ。



ところが、主人公のパク・テスは、その「出世街道」の中で、頂点を目指しているハン・ガンシクにとって「目の上のたんこぶ」となってしまった。

それまで順調に生きてきたはずが、あまりに派手な動きをして他の真面目な検事たち(=監察部)に目をつけられ、その上、浮気がばれて妻には逃げらられ、地方の検事局に送り込まれる。

そうして、パク・テスは「とかげの尻尾切り」をされる側の人間になってしまったのだ。

それは、パク・テスにとって「死」を意味することだった。



韓国映画「ザ・キング」チョ・インソンとペ・ソンウ


利用できなくなったら簡単に「とかげの尻尾切り」される側に


パク・テスは、ハン・ガンシクに「殺される」と悟る

その頃、検察庁の長官にまで登りつめていたハン・ガンシクにとって、パク・テスがいなくなれば監察部からの追及も止まると考えた。

それを知った野犬派の親友ドゥイルは命がけでパク・テスを守るが、逆にドゥイルはボスから殺されてしまう。



それまで、パク・テスはハン・ガンシクのために働いてきたのに、邪魔になったらあっさりと尻尾のトカゲ切りをされる。

それこそ、まるで森友事件の「トカゲの尻尾切り」と一緒ではないか。

なんと非情なと思うけれど、それをあっさりとやってのける人間だけが頂点に立つことができるのだ。



そうして、パク・テスは窮地に追い込まれるが、彼はハン・ガンシクの教えを忠実に守る。

それが「やられたらやり返す」だった。

その時、彼の中で眠っていた木浦のチンピラ魂がよみがえったのだ。



親友を殺された恨みを「暴露」という形で晴らしていく

検事局を退職し、彼がこれまで行ってきた悪事をさらし、ハン・ガンシクを糾弾したのだ。



そして、パク・テスは政界への転身を発表する。



韓国映画「ザ・キング」チョ・インソンとリュ・ジュンヨル


出世をしたいなら、時代を読み「誰に仕えるか」を見極めろ!


では「暴露」をしたパク・テスは本当に心を入れ替えたのか

そうではないと思った。



彼はそれまで、大統領をトップとする組織の中での帝王学をハン・ガンシクから学んでいた。

そして、時代は変わったのだ

よりクリーンさが求められる時代になり、大統領が退任すると同時に訴追されるような時代になると、彼らのような生き方は通じなくなっていき、だからこそ、彼は検事から政治家へと転身したのだ。



その中で、パク・テスはハン・ガンシクよりも時代を読み、「どんな人間がより生き残っていけるのか」を誰よりも考えていたのだ。

そうして、慎重に計画を練り、最後の邪魔者ハン・ガンシクを逮捕に追い込む。



最後の結果は、観た者の考えに委ねられたけれど、私は、最後はパク・テスが政治家になっただろうと思う。

なぜなら、彼こそが周りにいるすべての邪魔者を蹴落とし、全てを牛耳る「キング」になったからだ。



出世をしたいなら、「誰を味方につけるのか」を常に読み取らなければならない。

その相手を間違えると、足場が一気に崩れ落ちてしまう。



パク・テスにとっては、時代の変化と共に仕える相手をハン・ガンシクから監察部に乗り越えた時が、「キング」へと登りつめる瞬間だったのだ。



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