アメリカ・イギリス・カタール合作映画「ミッシング・ポイント」をWOWOWで観た。

アメリカで成功する夢を抱いたパキスタン人青年の話。

良い映画だったなぁ。

とても力強い作品で、引き込まれながら見入ってしまった。

【満足度】:★★★★☆

「ミッシング・ポイント」予告編 動画

(原題:THE RELUCTANT FUNDAMENTALIST)





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あらすじ


パキスタンで暮らすジャーナリストのボビー(リーヴ・シュレイバー)は、アメリカ人の大学教授が誘拐された事件があったと聞き、パキスタン人の大学教授・チャンゲス(リズ・アーメッド)を訪ねる。

日頃から、若い学生を集めて原理主義的な思想を説く彼ならば、何かを知っているに違いないと思ったからだった。

しかし、そんなボビーに対し、チャンゲスはその誘拐事件とは何の関係もないような10年前の話を始めるのだった…。


ミッシング・ポイント


感想(ネタバレあり) 相手に理解して欲しいと願う時は対話から


初めて会った人と話す時は、ほぼ、第一印象で相手のことを想像する。

「きっと、この人は〇〇な人だろう」という感じで。

しかし、たいてい、その勝手な思い込みは「話をしているうちに」解消され、仲良くなった頃には、「見た目とは全然違う人だったなぁ」と思うこともあるし、「やっぱり、見た目通りのひとだった」ってなることもある。

だから、自分も「第一印象とは違う人」だと思って欲しい場合には、自らを語ることで相手に理解してもらう必要がある。

この映画で、最も印象的なのは、映画がアメリカ人ジャーナリストと、パキスタン人大学教授の「対話」でできていること。

みずから進んで「対話」を始めたのは、パキスタン人のチャンゲス。

イスラム系パキスタン人の彼が、「私は見た目と違って、アメリカが大好きだ」という主張を、社交辞令ではなく、本音から出ていることを信じてもらうために、彼の過去10年間の歴史を語らなければならなかった。


これがね、すごく大切なことなんだよ。

チャンゲスは、CIAにとって「厄介な原理主義者」であり、何かチャンスがあれば逮捕したいと常々思っていた人。

でも、チャンゲス本人はは学生たちにパキスタンの「西側諸国からの自立」を説いていただけで、絶対的に非暴力な人だった。

その違いをアメリカ人に分かってもらうために「対話」が必要だった。

ミッシング・ポイント2

なぜ、彼がパキスタンの大学で思想を語るのか


では、チャンゲスは対話で何を理解してもらおうと思ったのか。

アメリカの大学に通い、大手企業でアナリストして重役のポジションまで上り詰める。

しかし、911をきっかけに、アメリカ人から差別を受けるようになる。

それでも、彼はアメリカで働き続けていたが、「居心地の悪さ」がいつまでもつきまとう。

そこで出会ったのが「トルコ」だった。

仕事の出張で訪れたトルコで、彼は突然、アメリカを出て、パキスタンへ帰ることを決意する。

この時チャンゲスは、「半分ヨーロッパ、半分アジア」のトルコを見て、自分の姿と重ね合わせたのではないか。

ヨーロッパの文化も生かしつつ、アジアであり続けるトルコ。

チャンゲスは、アメリカで学んだ分析力で、パキスタンという国を再生させようと思ったのではないか。

その時に、必要だったのは、若いパキスタン人たちが、この国を西洋に頼らずに自立させようと思うポジティブな力だったのではないか。

だから、大学で教授をしているんだよと、ボビーとの対話の中で伝えたかったのだと思った。

ミッシング・ポイント3

インド人女性監督が、チャンゲスに託す想い


この映画を監督するのは、インド人女性監督、ミーラー・ナーイル。

パキスタンとインドは切っても切り離せない。

若いチャンゲスに、パキスタンの未来と希望を込めて描いたのではないかと思った。

いつまでも、インドとアフガニスタンに挟まれ、陰の国でいるのではなく、自立した自分の足で歩きだすパキスタンの希望を彼に託したのではないかと思った。

でも、そのためには、パキスタンが親アフガニスタンという姿だけでなく、アメリカや、アメリカの文化が大好きな若者たちもいるということを、世界に理解して欲しい、パキスタンに対する偏見を少しでも減らしたいという思いだったに違いない。

かといって、アメリカで偏見の末に人種差別に遭ったパキスタン人が、テロリストになる可能性も十分にある。

だからこそ、チャンゲスは「希望であり未来」なんだと思う。

ミッシング・ポイント4

ハリウッドスターが集結して作られた作品


主人公のチャンゲスを演じるのは、イギリス人のリズ・アーメッド

すごく複雑な役なんだけど、野心家で頭が良く、恋に悩むチャンゲスが等身大に感じられて良かった。

他の出演作には、「ヴェノム」、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」、「ナイト・クローラー」など

チャンゲスと対話するのは、リーヴ・シュレイバー

この人は、本当に演技がうまくて、安心できる俳優。

チャンゲスに、全てを見抜かれて呆然としてしまうところとか良かったなぁ。

他の出演作には、「チャック~”ロッキー”になった男~」、「フィフス・ウェイブ」、「スポットライト 世紀のスクープ」、「完全なるチェックメイト」、「ジゴロ・イン・ニューヨーク」「ソルト」など

他に、キーファー・サザーランドケイト・ハドソン(「バーニング・オーシャン」)など。

ミッシング・ポイント5

反論は「暴力」ではなく「対話」で


よくアメリカ映画で、イスラム系アメリカ人が出てれば、みんなテロリストなのか??

と思うことがあるけど、この映画は、まさに、そんなイスラム系アメリカ人からの反論的な映画。

でも、そこを暴力ではなく、対話で解決しようとする姿にすごく好感が持てる映画だった。

あまりにも、イスラム系アラブ人=暴力的テロリスト的な映画が多すぎて、ちょっと辟易していたから。

もちろん、これがあまりにも理想的で綺麗ごとだとは分かっているけど。

でも、そこに希望を持たないと、いつまでも暴力は無くならない。



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