チョン・ドヨン、キム・ナムギル主演の韓国映画「無頼漢 渇いた罪」をWOWOWで観た。

殺人者の恋人と殺人犯を追う刑事の報われない恋を描く。

満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

見終わった後に心に残るのは、「愛」の泥沼から逃げ出せず、破滅へと向かう女の姿。

チョン・ドヨンがいなかったら、この映画は成立していなかったと思う。


出演:チョン・ドヨン、キム・ナムギルパク・ソンウン

監督:オ・スンウク 2015年製作 韓国映画

「無頼漢 渇いた罪」予告編 動画

(原題:무뢰한(無頼漢))




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あらすじ


チョン・ジェゴン刑事(キム・ナムギル)は、ある殺人事件の犯人パク・ジュンギル(パク・ソンウン)を追っていた。

その中でたどり着いたのがジュンギルの恋人キム・ヘギョン(チョン・ドヨン)の存在だった。

ジュンギルが恋人の前に現れると確信していたジェゴンは、ヘギョンがオーナーを務めるクラブの営業部長イ・ヨンジュンとして潜入捜査を開始するのだが、ジェゴンは次第にヘギョンへ惹かれていってしまう…。

無頼漢渇いた罪

感想(ネタバレあり) 幸せな愛ではなく、破滅へ向かう愛


「愛する」とは、ポジティブな言葉として語られることが多い。

愛することは喜ばしいことであり、愛する人に出会えたことは嬉しいことであり、愛し合えることは幸せなことである。

など…。

しかし、残念ながら愛するがゆえに孤独を感じ、悲しく切なくなり、出会わなければ良かったと思うこともある。

この映画「無頼漢 渇いた罪」で描かれるのは、その愛のネガティブな面だ。

愛すれば愛する程に自分の首が絞められるような。

孤独がドンドン増していくような。

そうと分かっていながら、その泥沼にどんどんはまっていくような…。

そんな愛。

どうにもならない悲しさに心が支配されるような映画だった。

無頼漢渇いた罪2

離れていく恋人と隙間を埋める新しい愛


主人公のヘギョンは恋人のジュンギルが殺人犯となってしまう。

しかも、ジュンギルが人を殺すことになった原因はヘギョンの存在にあった。

ヘギョンのことで口論になった末に、相手の男を殺してしまった。

そして、ジュンギルは逃亡犯として追われる立場になる。

しかし、そのジュンギルの運命とは反比例するようにヘギョンの彼への思いは募っていくばかりだが、同時に苦悩も増えていく。

増え続ける借金、恋人の安否すら分からないという不安…。

その時、心に空いた隙間にスーーッと入ってきたのが、イ・ヨンジュンというクラブの営業部長だった。

無口で多くは語らないが、ヨンジュンがいれば守られているという安心感。

ヘギョンはヨンジュンがこの泥沼から引きだしてくれるかもしれないと思い始める。

しかし、ヨンジュンは刑事だった…。

それはヘギョンにとって、世界の全てが崩壊する瞬間だった。

ヨンジュンに心を許し始めていたといえ、彼女の世界はジュンギルで占められていた。


無頼漢渇いた罪3

恋する女を幸せにしたいという想い


一方、刑事のジェゴンは賄賂も取らず、正攻法で責める刑事だった。

通常の捜査方法としてヘギョンの張り込みをしていた。

しかし、何をしても不幸な世界へと転落していくヘギョンを監視するうちに彼女へ惹かれていってしまう。

それが許されない恋だと知っていながら。

彼もまた、愛すれば愛する程に悲しさが募っていく泥沼に足を入れ始めていた…。

なぜ、彼はヘギョンに惹かれていったのか。

自分だったらヘギョンを幸せにできるという思いだったからなのか…。

しかしそれはジェゴンの軽率な思い込みだったことが分かる。

ヘギョンはジェゴンが考える以上に世界をジュンギルに支配されていた。

ジュンギルがどうにもならない男だから、どうにも報われない恋だから。

だからこそヘギョンは益々ジュンギルへの思いが募っている。

ジェゴンはヘギョンへの思いが盲目になり、彼女の本当の心の沼に気付いていなかったのか。

これもまた、愛するが故の悲しみだった。

無頼漢渇いた罪4

韓国の最高女優の1人。チョン・ドヨン


主人公のヘギョンを演じるのは、チョン・ドヨン。

韓国は演技のできる女優が非常にたくさんいるけれども、その中でもトップクラスに演技がうまいのがこのチョン・ドヨンだ。

この映画「無頼漢 渇いた罪」のチョン・ドヨンの演技で印象に残っているのは、クラブでの仕事が終わって1人ポツンと食堂で焼酎を飲むシーン。

そこへジェゴンがふらっと入っていって2人で会話をするのだが、その時のチョン・ドヨンは明らかに「徹夜明けの疲れのまま焼酎を飲んでる中年女」の顔をしていた。

酒に強いはずの彼女が一本の焼酎で顔を赤らめ、ちょっと陽気にしている。

決して面倒な酔っ払いではない。ほのかに酔っている。

私はその姿を観ながら、あまりにも自然だったので、本当に酒を飲んでセリフを言っているのか??と思っていた。

それが、演技とは思わせない自然な姿でできるのがチョン・ドヨンだ。

そのシーンだけでなく、全てのシーンにおいて、歩く姿も営業用の笑顔を作る姿も全てが「愛に疲れた女の姿」を表現していて、彼女の演技の素晴らしさを隅から隅まで感じられる作品だった。

チョン・ドヨンの他の出演作には、「男と女」、「マルティニークからの祈り」、「メモリーズ 追憶の剣」、「シークレット・サンシャイン」、「ユア・マイ・サンシャイン」など

無頼漢渇いた罪5

ネガティブな愛の向かう先は破滅…


ヘギョンとジェゴンの出会いは、悲しいことに2人にとって破滅の道へと歩んでいくことになる。

それは、2人ともにネガティブな愛を選んだために、そのベクトルが向かう方向へと進んでしまったように見える。

結果として、誰も報われず、救われない。

私からすると、ジェゴンの「自分ならヘギョンを救える」という想いは、ただの思い上がりだったように見えた。

幸せになるためにジュンギルを殺して欲しいなんて願っていなかった。

世界を破壊されたヘギョンには復讐という選択肢しかなかった。

でも、私はヘギョンが復讐を果たして、ようやく心が救われたのではないかと思う。

たとえ彼女の行く末が刑務所だったとしても、泥沼から抜け出し、気持ちが軽くなったのではないかと思う。

かと言って。幸せになれるわけではないけれど…。

はぁ…。

観ているこちらが思わずため息をつく映画だった。





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