ラッセル・クロウ主演・監督映画「ディバイナー 戦禍に光を求めて」をWOWOWで観た。

第一次大戦時にトルコとの戦いで息子を失った父が、息子たちの遺骨を探しに向かったトルコで起きた奇跡の物語。

実話を元に映画化。


満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

戦争がある家族に遺した傷跡と、その傷跡を修復していく物語。

傷跡は全てがきれいサッパリなくなるわけではないけれど、時間が修復してくれる部分もあれば、奇跡的になくなる部分もある。

かつて敵国だった国の人々との繋がりが癒しになっていく様子に、人間に対する希望を観た。


「ディバイナー 戦禍に光を求めて」予告編 動画

(原題:THE WATER DIVINER)




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キャスト&スタッフ


出演者

ラッセル・クロウ
…(「ある少年の告白」、「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」、「ナイスガイズ!」、「レ・ミゼラブル」、「3時10分、決断の時」、「ノア 約束の舟」、「ワールド・オブ・ライズ」、「消されたヘッドライン」、「パパが遺した物語」など)

オルガ・キュリレンコ
…(「ロープ 戦場の生命線」、「スパイ・レジェンド」、「オブリビオン」、「007/慰めの報酬」など)

〇イルマズ・アルドアン

ジェイ・コートニー
…(「アウトロー」、「ターミネーター:新起動/ジェネシス」など)

監督

ラッセル・クロウ(初監督作)

2014年製作 オーストラリア、アメリカ、トルコ合作映画


ディバイナー戦禍に光を求めて

あらすじ


第一次世界大戦の時に、トルコへ派兵された息子たち3人を同時に失ってしまった夫妻。

戦争終結から4年後、妻は、息子たちが帰ってこないことを苦に自殺。

夫のジョシュア・コナー(ラッセル・クロウ)は、必ず息子たちの骨を探して隣に埋めると墓に眠る妻に約束。

次の日から、トルコへと向かう。

トルコでは、息子たちが戦死したとされるガリポリへ向かうが、そこには大きな障害が立ちはだかっており…。

ディバイナー戦禍に光を求めて2


感想(ネタバレあり)


戦争がある平和な家族にもたらした傷跡


この映画「ディバイナー 戦禍に光を求めて」は、戦争で何が起きたかを描いたものではなく、戦争が平和な家族に何をもたらしたかを描いた作品。

主人公コナーはオーストラリア人の「水源占い人」(原題のTHE WATER DIVINER)。

水源占い人っていうのは、読んで字のごとく水源をあてる人。

井戸を掘るために、怪し気な水源占い棒を使って砂漠のど真ん中の地下に眠る水源を言い当てるのが仕事。

その彼が、「水源を言い当てる力があるなら、息子の居場所を言い当ててよ」と妻に言われたことから、本当に戦死した息子たちの骨を拾いにトルコまで行ってしまった話。

オーストラリアの歴史というのは、私たちにはあまり馴染みがないので、初めて知ったことばかり。

第一次大戦時、トルコはイギリスと戦っていて、イギリスから独立したばかりのオーストラリアは援軍としてトルコに攻め入っていた。

そのため、遠く離れたオーストラリアで暮らすコナーの息子たちも、トルコで戦うこととなった。

その後終戦を迎えるけれども、トルコはオーストラリアに敗戦した国だったので、いきなり訪ねて行ったオーストラリア人のコナーはトルコ人にとっては敵。

息子たちが戦死した戦場へ行こうと思っても、そこまで行かせてもらえなかった。

しかし、イスタンブールで知り合った現地の人たちに教えられ、戦地へ向かうことができた。

なぜ、彼は助けてもらうことができたのか。

それは、「息子を失った親の気持ちは、敵、味方なく、皆一緒だから」

国同士が敵味方であっても、市民レベルでは気持ちが通じ合える。

それが、この映画の良いところの1つだった。


ディバイナー戦禍に光を求めて3

なぜ、オーストラリア軍が遠く離れたトルコで戦うのか


では、なぜ、そんなに遠く離れたトルコの地までオーストラリア軍がいかなければならなかったのか。

その答えは、この映画の中の、トルコ軍とオーストラリア軍の会話の中にあった。

「私たちは土地が欲しくて戦ったわけではない。正義のために戦ったのだ」

では、その戦争がコナー家にもたらしたものは何だったのか。

息子たちの戦士の知らせ、妻の自殺、自殺したからといってミサもあげてくれない教会、全てを失った父。

一家に大きな傷跡を残し、多くの命を犠牲にして得られた正義とは一体何なのか。

それを、多くの骨が眠る戦地を目の前にして、オーストラリア軍兵士は語る。

では、土地が得られれば報われるのか。それも違う。

戦争なんてしても、失うものが多すぎるのが現実なのだ。

ディバイナー戦禍に光を求めて4

助けてくれたのは元敵国の兵士たちだった


さらに、皮肉にもコナーがトルコへ渡って得られた希望は、トルコ人との交流の中にあった。

オーストラリア軍もイギリス軍も、「No」と言って、何も助けてくれなかったのに、トルコ人たちが抜け穴や、情報をかき集めてくれる。

そして、彼らの助けがあって「長男が生きているかもしれない」という希望を手にする。

それぞれの国が敵同士でも、言葉を交わし、気持ちをシェアすれば必ず分かり合える。

本当の正義は戦いで得られるものでなく、コミュニケーションを通して得られるものだと教えてくれるシーンだった。

ここから、コナーの骨を拾う旅は息子を探す旅へとシフトチェンジしていく。

オーストラリア軍の静止も振り切って。

もしかしたら、トルコ人の情報はガセネタかもしれない。

しかし、彼の「水源占い人」としての直感が、「息子は生きている」と告げていた。

だから、息子をオーストラリアへ連れて帰るために、彼は旅を始めた。

最後まで一筋の希望を諦めないために。

彼は、確信した水源が出るまで諦めずに掘り続けるのだ。


ディバイナー戦禍に光を求めて5

子供は未来への希望である


そうして、トルコ人の助けを得ながらめぐり逢えた長男だったが、彼は弟たちを救えなかったことに責任を感じ、心を閉ざしていた。

その彼の心の闇も戦争が、彼ら家族にもたらしたものだった。

戦争がなければ、平和に暮らしていた家族が、戦争があったために戦死者がいて、それぞれが心に痛みを抱え、戦争に行っていない母までもが絶望することになった。

この映画の中で、とても印象的だったのは、コナーがイスタンブールで宿泊していたホテルの息子だった。

まだ小学生低学年ぐらいの彼の純粋無垢な笑顔の素晴らしさ。

映画で描かれていることは、とても辛いことばかりの中で、彼の笑顔が心の癒しになっていた。

彼は、この映画の中でコナーをトルコに招き入れる役割を果たした。

人種や宗教が違っていても子供には一切関係ない。

コナーはだだの大好きなおじさん。

そんな彼の存在が、トルコとオーストラリアをつなぐ希望に見えた。



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