オマール・シー主演の映画「あしたは最高のはじまり」を試写会で観てきた。
フランスの遊び人サミュエルに、ある日突然娘ができてしまい、子育てに奮闘しながら、自身も成長していくコメディ映画。
【満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)
典型的なダメパパとしっかり者の娘のバディムービー。
たくさん笑えるコメディだけど、最後には、ホロッと感動させる。
彼ら2人を観ていると、親子の間の愛情の深さをを決めるのは、共に過ごした時間の濃さであり、血の濃さではないということがよく分かる。
今日はツイてないな思った日が、8年後には最高の一日になる。
そんな素敵な明日のために、今を一生懸命生きる。
そんなポジティブな気分にさせてくれるハートウォーミングコメディだった。
◆ネット配信で観る:あしたは最高のはじまり(字幕版)
◆DVDで観る:「あしたは最高のはじまり」
◆「明日は最高のはじまり」オリジナルサウンドトラック【輸入版】
…(「ショコラ」、「インフェルノ」、「二つ星の料理人」、「ジュラシックワールド」、「パーフェクト・プラン」、「サンバ」、「最強のふたり」など)
〇クレマンス・ポエジー
…(「招かれざる隣人」など)
〇アントワーヌ・ベルトラン
〇グロリア・コルストン
2016年製作 フランス映画

南仏でクルーズ船の船長をしているサミュエル(オマール・シー)は、毎晩、女性たちと遊んでばかり。
そんなある時、彼の元にロンドンから来たクリスティン(クレマンス・ポエジー)が、赤ん坊を抱いて訪ねて来る。
そして、彼女は「この子はあなたの子よ」と言い、サミュエルに赤ん坊を抱かせ、サミュエルからタクシー代を借り、そのまま行方をくらましてしまう。
困り果てたサミュエルは、クリスティンを追いかけてロンドンへ向かうが、彼女の行方が分からず、そのままロンドンで暮らし始めるのだが…。

最近、父と娘の関係をテーマにした作品が多いような気がする。
今年に観た映画だけでも、「ありがとう、トニ・エルドマン」、「君はひとりじゃない」、「新感染 ファイナル・エクスプレス」、「幼な子われらに生まれ」などなど。
母と娘が仲が良いのは当たり前だけど、父と娘はどうしてもギクシャクしてしまうところがあって、映画のテーマになりやすいのかも。
この映画の父と娘は、それらの映画たちとはちょっと違う。
サミュエルは、ある日突然お父さんになった不意打ちお父さん。
そもそも、子供を持つどころか、家庭持つことさえも考えていなかったのに、
いきなり、「あなたは、赤ちゃんのお父さんです!」と言われて、
その日から父親にならざるを得ない状況になってしまった。
それまでは、遊び人のプレイボーイだったのに、
(このプレイボーイ時代のサミュエルは、とにかくお調子者で楽しい)
娘のグロリアを育てるようになって、真面目に仕事をするようになったし、女遊びもしなくなった。
生活の全てを娘のために捧げるようになり、彼は遊び人から大人のお父さんへと成長していく。
この映画は、そんなサミュエルが娘のグロリアと共に成長していくところが、見どころの一つ。
サミュエルみたいな人間でも、立派なパパになれるんだから、必死になって困難に立ち向かえば、きっとあなたも何かを成し遂げられるはず。
そんな風に思えるのが、この映画の良いところだ。

しかし、女性から見ると、お父さんと娘だけで本当に大丈夫なんだろうか??
と、心配してしまう。
今はまだ大丈夫かもしれないけど、そのうち、お母さんが必要になる時がくるはずとか、
余計なお世話を考えてしまう。
すると、そんな私の心配を聞いていたかのように、突然、行方不明だった母親のクリスティーヌが、新しいボーイフレンドを連れて、サミュエルとグロリアの前に姿を現す。
いつか、お母さんが帰って来ると信じていたグロリアは大喜び。
でも、ママの隣にいるのは、パパではなく、ママの新しいボーイフレンド。
そこから、グロリアの親権を争うことになってしまうのだけれど
8年間も放置しておいて、いきなり母親づらをするっていうのは、どういう神経なんだろうと思ってしまう。
父親と娘だけじゃ心配だから、グロリアにはお母さんがが必要だとは思ったけど、
2人の仲を裂くようなママだったら、いなくてもいいと思ってしまう。
これは、例えば、8年間里親の元で育てられた子に、『本当の親』が登場し、
「DNA的な親は私だから」と言って、里親の元から引き離すような話で。
里親を、本当の親のように慕っていた子供からしたら、それは、本当に幸せなことなのだろうか。
やはり、親と子の関係は、
「女の子にはママが必要だから」とか、「DNAが一致していなければ」ということよりも
正論では片づけられない2人の間の「愛情の強さ」が一番だなと感じる。
それを裏付けるように、結局、グロリアは、自らサミュエルと一緒にいることを選択する。

グロリアは、ママが登場してもサミュエルの側を離れなかったところを見ると、
グロリアはママよりのサミュエルの方が好きで、
サミュエルがグロリアに対して、たっぷりと愛情を注いて育てていたことがよく分かる。
とはいえ、2人の様子を見ていると、
サミュエルもまた、グロリアがいることによって、人間として成長することができたし
共に支え合って生活している姿は、とても微笑ましく、心が温かくなる。
グロリアと出会うまでは、雇い主の言うことも聞かず、毎晩女の子と遊びまくって、適当に生きていたサミュエル。
それが、グロリアと出会って、生活のために「スタントマン」という仕事につき、
身体をはって、命がけで仕事をし、
ロンドンで大きな家を借りるまでに成長した。
その彼の『父親』としての成長は、グロリアと出会わなければなかったもので、
あの日、クリスティーヌがやってきて、タクシー代の代わりにグロリアを置いていかなければ得られなかった幸せである。
グロリアは、神様からサミュエルへの最高の贈り物だったのだ。

この物語がいいなと思うのは、
「今日は、人生の中で最高についてない」と思った日が、8年後には、「あの日は、人生で最高の一日だった」と思えるようになること。
いきなり、赤ちゃんを置いていかれて、最低な日だと思っていたサミュエルも、8年後には、その日がグロリアと出会えて最高の一日だったと思うようになる。
これは、ダメ人間が、8年間かけて子供を育てることで一人前のお父さんに成長するまでを描いているけれど、
仕事においても同じことが言えるんじゃないだろうか。
例えば、今は「最低だ」としてか思えない仕事を任されたけれど、
8年間必死にがんばったら、それなりの事業に成長していて、あの日、仕事を任されて幸運だった。
そう思えることだってあるかもしれない。
だから、どんな困難も受け入れて、楽しい明日のために、毎日を必死にがんばってみる
そんなことがあり得ると思える、とても前向きな映画だった。
仕事だって、子供を育てるようなものでしょう?
自分には子供がいないから関係ないと思うのではなくて、
もしも、グロリアが始めたばかりのプロジェクトだと思ったら、いろんなアイディアが思い浮かんでくるかもしれない。
そんな運命の巡りあわせの不思議な力を考える映画だったし、
何気なく過ごしている時間の大切さを、改めて感じさせてくれる映画だった。
時折、クスクスと笑いつつ、父と娘の最強コンビに心が温かくなる、この作品。
仕事や人間関係でギスギスした日々を送り、優しさに飢えている人におススメの映画。
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◆ネット配信で観る:あしたは最高のはじまり(字幕版)
◆DVDで観る:「あしたは最高のはじまり」
◆「明日は最高のはじまり」オリジナルサウンドトラック【輸入版】
フランスの遊び人サミュエルに、ある日突然娘ができてしまい、子育てに奮闘しながら、自身も成長していくコメディ映画。
【満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)
典型的なダメパパとしっかり者の娘のバディムービー。
たくさん笑えるコメディだけど、最後には、ホロッと感動させる。
彼ら2人を観ていると、親子の間の愛情の深さをを決めるのは、共に過ごした時間の濃さであり、血の濃さではないということがよく分かる。
今日はツイてないな思った日が、8年後には最高の一日になる。
そんな素敵な明日のために、今を一生懸命生きる。
そんなポジティブな気分にさせてくれるハートウォーミングコメディだった。
目次
「あしたは最高のはじまり」予告編 動画
(原題:DEMAIN TOUT COMMENCE)更新履歴・公開、販売情報
・2017年9月3日 試写会で観た感想を掲載。
・2018年9月23日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。
現在、DVD、ネット配信、共に販売中。
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キャスト&スタッフ
出演者
〇オマール・シー…(「ショコラ」、「インフェルノ」、「二つ星の料理人」、「ジュラシックワールド」、「パーフェクト・プラン」、「サンバ」、「最強のふたり」など)
〇クレマンス・ポエジー
…(「招かれざる隣人」など)
〇アントワーヌ・ベルトラン
〇グロリア・コルストン
監督・脚本
〇ユーゴ・ジェラン2016年製作 フランス映画

あらすじ
南仏でクルーズ船の船長をしているサミュエル(オマール・シー)は、毎晩、女性たちと遊んでばかり。
そんなある時、彼の元にロンドンから来たクリスティン(クレマンス・ポエジー)が、赤ん坊を抱いて訪ねて来る。
そして、彼女は「この子はあなたの子よ」と言い、サミュエルに赤ん坊を抱かせ、サミュエルからタクシー代を借り、そのまま行方をくらましてしまう。
困り果てたサミュエルは、クリスティンを追いかけてロンドンへ向かうが、彼女の行方が分からず、そのままロンドンで暮らし始めるのだが…。

感想(ネタバレあり)
ある日突然パパになった。「不意打ちお父さん」
最近、父と娘の関係をテーマにした作品が多いような気がする。
今年に観た映画だけでも、「ありがとう、トニ・エルドマン」、「君はひとりじゃない」、「新感染 ファイナル・エクスプレス」、「幼な子われらに生まれ」などなど。
母と娘が仲が良いのは当たり前だけど、父と娘はどうしてもギクシャクしてしまうところがあって、映画のテーマになりやすいのかも。
この映画の父と娘は、それらの映画たちとはちょっと違う。
サミュエルは、ある日突然お父さんになった不意打ちお父さん。
そもそも、子供を持つどころか、家庭持つことさえも考えていなかったのに、
いきなり、「あなたは、赤ちゃんのお父さんです!」と言われて、
その日から父親にならざるを得ない状況になってしまった。
それまでは、遊び人のプレイボーイだったのに、
(このプレイボーイ時代のサミュエルは、とにかくお調子者で楽しい)
娘のグロリアを育てるようになって、真面目に仕事をするようになったし、女遊びもしなくなった。
生活の全てを娘のために捧げるようになり、彼は遊び人から大人のお父さんへと成長していく。
この映画は、そんなサミュエルが娘のグロリアと共に成長していくところが、見どころの一つ。
サミュエルみたいな人間でも、立派なパパになれるんだから、必死になって困難に立ち向かえば、きっとあなたも何かを成し遂げられるはず。
そんな風に思えるのが、この映画の良いところだ。

親と子の間に必要なのは、母親でもDNAでもなく『強い愛情』
しかし、女性から見ると、お父さんと娘だけで本当に大丈夫なんだろうか??
と、心配してしまう。
今はまだ大丈夫かもしれないけど、そのうち、お母さんが必要になる時がくるはずとか、
余計なお世話を考えてしまう。
すると、そんな私の心配を聞いていたかのように、突然、行方不明だった母親のクリスティーヌが、新しいボーイフレンドを連れて、サミュエルとグロリアの前に姿を現す。
いつか、お母さんが帰って来ると信じていたグロリアは大喜び。
でも、ママの隣にいるのは、パパではなく、ママの新しいボーイフレンド。
そこから、グロリアの親権を争うことになってしまうのだけれど
8年間も放置しておいて、いきなり母親づらをするっていうのは、どういう神経なんだろうと思ってしまう。
父親と娘だけじゃ心配だから、グロリアにはお母さんがが必要だとは思ったけど、
2人の仲を裂くようなママだったら、いなくてもいいと思ってしまう。
これは、例えば、8年間里親の元で育てられた子に、『本当の親』が登場し、
「DNA的な親は私だから」と言って、里親の元から引き離すような話で。
里親を、本当の親のように慕っていた子供からしたら、それは、本当に幸せなことなのだろうか。
やはり、親と子の関係は、
「女の子にはママが必要だから」とか、「DNAが一致していなければ」ということよりも
正論では片づけられない2人の間の「愛情の強さ」が一番だなと感じる。
それを裏付けるように、結局、グロリアは、自らサミュエルと一緒にいることを選択する。

サミュエルがタクシー代の代わりにもらった最高の贈り物
グロリアは、ママが登場してもサミュエルの側を離れなかったところを見ると、
グロリアはママよりのサミュエルの方が好きで、
サミュエルがグロリアに対して、たっぷりと愛情を注いて育てていたことがよく分かる。
とはいえ、2人の様子を見ていると、
サミュエルもまた、グロリアがいることによって、人間として成長することができたし
共に支え合って生活している姿は、とても微笑ましく、心が温かくなる。
グロリアと出会うまでは、雇い主の言うことも聞かず、毎晩女の子と遊びまくって、適当に生きていたサミュエル。
それが、グロリアと出会って、生活のために「スタントマン」という仕事につき、
身体をはって、命がけで仕事をし、
ロンドンで大きな家を借りるまでに成長した。
その彼の『父親』としての成長は、グロリアと出会わなければなかったもので、
あの日、クリスティーヌがやってきて、タクシー代の代わりにグロリアを置いていかなければ得られなかった幸せである。
グロリアは、神様からサミュエルへの最高の贈り物だったのだ。

「最低の一日」がいつか、「最高の一日」になる。そのために日々を生きている
この物語がいいなと思うのは、
「今日は、人生の中で最高についてない」と思った日が、8年後には、「あの日は、人生で最高の一日だった」と思えるようになること。
いきなり、赤ちゃんを置いていかれて、最低な日だと思っていたサミュエルも、8年後には、その日がグロリアと出会えて最高の一日だったと思うようになる。
これは、ダメ人間が、8年間かけて子供を育てることで一人前のお父さんに成長するまでを描いているけれど、
仕事においても同じことが言えるんじゃないだろうか。
例えば、今は「最低だ」としてか思えない仕事を任されたけれど、
8年間必死にがんばったら、それなりの事業に成長していて、あの日、仕事を任されて幸運だった。
そう思えることだってあるかもしれない。
だから、どんな困難も受け入れて、楽しい明日のために、毎日を必死にがんばってみる
そんなことがあり得ると思える、とても前向きな映画だった。
仕事だって、子供を育てるようなものでしょう?
自分には子供がいないから関係ないと思うのではなくて、
もしも、グロリアが始めたばかりのプロジェクトだと思ったら、いろんなアイディアが思い浮かんでくるかもしれない。
そんな運命の巡りあわせの不思議な力を考える映画だったし、
何気なく過ごしている時間の大切さを、改めて感じさせてくれる映画だった。
時折、クスクスと笑いつつ、父と娘の最強コンビに心が温かくなる、この作品。
仕事や人間関係でギスギスした日々を送り、優しさに飢えている人におススメの映画。
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ファンが物語のその後も大切にしてる良い話 (*^^*)
2017/09/03 08:18:26
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