ケイト・ブランシェット主演の映画「ヴェロニカ・ゲリン」をWOWOWで観た。
アイルランドで、麻薬組織の取材をした女性記者・ヴェロニカ・ゲリンの実話を映画化。
2003年にアメリカで制作された作品。
【満足度 評価】:★★★★☆
正直、この人の生き方はどうなんだろう・・・。
称賛されるべきなんだろうか・・・と、深く考えさせられた作品だった。
◆「ヴェロニカ・ゲリン」DVD
◆「ヴェロニカ・ゲリン」【単行本】
…(「9デイズ」、TVドラマシリーズ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」(第5話、第6話))
2003年製作 アメリカ映画
1994年、アイルランド、ダブリンにある新聞社で記者をしているヴェロニカ・ゲリン(ケイト・ブランシェット)は、十代の子供たちの間で蔓延する麻薬の入手ルートについて、取材を開始する。
初めは、子供たちの取材から始めたヴェロニカだったが、取材に没頭していくうちに、組織の奥にまで手を伸ばし始める・・・

ヴェロニカ・ゲリンは、すごい人だ。
女性記者でありながら、アイルランドの麻薬組織についての全てを暴く記事を書き、国中の人にそれを知らしめた人だった。
しかし、私は、この映画「ヴェロニカ・ゲリン」を観ながら、この人はすごい人だけど、決して素晴らしい人ではないと思った。
この映画の面白いところは、まさにそこ。
恐らく、アイルランドでは、国の麻薬組織を暴いた英雄的存在であろう、ヴェロニカ・ゲリンについて、全て洗いざらい人間的に描いてしまったところだた。
彼女の小生意気で無謀なところも、浅はかで無知なところも、全てありのままに描いている。

そもそも彼女が、麻薬の被害について取材を始めた志は立派だった。
被害にあう少年少女たちを少しでも減らしたいという思い。
しかし、麻薬組織の取材をしていく上で、彼女の記事が大々的にトップに上がり、多くの人たちからの反応があって、警察も協力的になると、自分が「世直し」をしているような大きな気持ちになってしまう。
そこからのめり込んでしまい、世間の注目は彼女に対して追い風となる。
彼女の最大の失敗である「組織の元締め・ギリガン家への不法侵入」は、そんな追い風に乗って、気持ちが舞い上がっていたゆえの判断ミスだったと感じた。
それは、決して勇気ある行動ではない。
誰だって、アポなしで、知らない人が家に入り込めば腹が立つ。
それが、麻薬王なら尚更であり、普通の人の何倍も怒ることが容易に想像がつく。
そこの判断ミスは、記者として、あまりにも浅はかであり無知だった行動ではなかったかと思う。

そして、何よりも汚いのは、その浅はかで無知なヴェロニカを分かっていながら、そんまま取材させ、散々利用した警察だ。
警察は彼女に情報を流し、警察が入り込めないところへ踏み込ませ、かき回す。
ヴェロニカに、「警察は無能」と思わせ、正義感をあおり、組織に風穴が開くのをじっと待っている
そんな風に思えた。
汚いよね。
自分たちの手は汚さずに、見事に証拠ばかりを次から次へと手に入れていく。

そんなことが積み重なれば、彼女の死は起こるべくして起きたとしか言いようが無い。
彼女は組織の心臓をわしづかみにしているのに、警察はそれを見て見ぬふりをしていたんだから。
映画では、ヴェロニカ・ゲリンを英雄視せずに、事実をありのまま描いている。
そこが良かったなぁ。
これで、彼女がジャンヌ・ダルク並みの英雄に描かれていたら、しらけてしまったと思う。
監督は、ジョエル・シューマカー「評決のとき」や「オペラ座の怪人」「9デイズ」など、エンタテインメント性の高い作品を作っている監督にしては、今回は、かなり地味な作品だったように思う。
ヴェロニカ・ゲリンを演じるのは、ケイト・ブランシェット
小生意気で無謀、浅はかであり少々無知な記者ヴェロニカ・ゲリンをそのまま作り上げているところは、さすが。
ギリガンの家へ行き、ボコボコに殴られながら
「どうして、私は、こんなに殴れているの」
っていう表情をしていたのが、まさに、ヴェロニカ・ゲリンそのものであり、とても印象に残る。
そして、ワンシーンだけ、コリン・ファレルが出演しているのが面白かった。

当然のように亡くなってしまったヴェロニカ・ゲリンだったが、彼女の死後、続々と麻薬組織の人間は逮捕され、法律まで制定されたと聞くと、ホッとする。
かなり無謀な戦いだったけれど、少なくとも、彼女が行ったことは無駄にはならなかった。
この映画の舞台となった1994年からちょうど20年経つけれど、その後、アイルランドの麻薬事情はどうなったんだろうか。
今でも、市民はヴェロニカ・ゲリンを忘れずにいるのだろうか・・・。
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アイルランドで、麻薬組織の取材をした女性記者・ヴェロニカ・ゲリンの実話を映画化。
2003年にアメリカで制作された作品。
【満足度 評価】:★★★★☆
正直、この人の生き方はどうなんだろう・・・。
称賛されるべきなんだろうか・・・と、深く考えさせられた作品だった。
「ヴェロニカ・ゲリン」予告編 動画 (日本語字幕なし)
(原題:VERONICA GUERIN)◆「ヴェロニカ・ゲリン」DVD
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キャスト&スタッフ
出演者
〇ジェラルド・マクソーリー
〇ブレンダ・フリッカー
〇バリー・バーンズ
〇サイモン・オドリスコール
〇コリン・ファレル
…(「ダンボ」、「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」、「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」、「マイノリティ・リポート」、「ウォルト・ディズニーの約束」、「クレイジー・ハート」、「ロブスター」、「ジャスティス」、「ニューヨーク 冬物語」など)
…(「ダンボ」、「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」、「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」、「マイノリティ・リポート」、「ウォルト・ディズニーの約束」、「クレイジー・ハート」、「ロブスター」、「ジャスティス」、「ニューヨーク 冬物語」など)
監督
〇ジョエル・シューマカー…(「9デイズ」、TVドラマシリーズ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」(第5話、第6話))
2003年製作 アメリカ映画
あらすじ
1994年、アイルランド、ダブリンにある新聞社で記者をしているヴェロニカ・ゲリン(ケイト・ブランシェット)は、十代の子供たちの間で蔓延する麻薬の入手ルートについて、取材を開始する。
初めは、子供たちの取材から始めたヴェロニカだったが、取材に没頭していくうちに、組織の奥にまで手を伸ばし始める・・・

感想(ネタバレあり)
ヴェロニカ・ゲリンはすごい人。でも素晴らしい人とは思えない・・・
ヴェロニカ・ゲリンは、すごい人だ。
女性記者でありながら、アイルランドの麻薬組織についての全てを暴く記事を書き、国中の人にそれを知らしめた人だった。
しかし、私は、この映画「ヴェロニカ・ゲリン」を観ながら、この人はすごい人だけど、決して素晴らしい人ではないと思った。
この映画の面白いところは、まさにそこ。
恐らく、アイルランドでは、国の麻薬組織を暴いた英雄的存在であろう、ヴェロニカ・ゲリンについて、全て洗いざらい人間的に描いてしまったところだた。
彼女の小生意気で無謀なところも、浅はかで無知なところも、全てありのままに描いている。

麻薬王の家に無断で入り込むことは勇気ある行動なのか・・・
そもそも彼女が、麻薬の被害について取材を始めた志は立派だった。
被害にあう少年少女たちを少しでも減らしたいという思い。
しかし、麻薬組織の取材をしていく上で、彼女の記事が大々的にトップに上がり、多くの人たちからの反応があって、警察も協力的になると、自分が「世直し」をしているような大きな気持ちになってしまう。
そこからのめり込んでしまい、世間の注目は彼女に対して追い風となる。
彼女の最大の失敗である「組織の元締め・ギリガン家への不法侵入」は、そんな追い風に乗って、気持ちが舞い上がっていたゆえの判断ミスだったと感じた。
それは、決して勇気ある行動ではない。
誰だって、アポなしで、知らない人が家に入り込めば腹が立つ。
それが、麻薬王なら尚更であり、普通の人の何倍も怒ることが容易に想像がつく。
そこの判断ミスは、記者として、あまりにも浅はかであり無知だった行動ではなかったかと思う。

ヴェロニカに情報を流し、利用する警察
そして、何よりも汚いのは、その浅はかで無知なヴェロニカを分かっていながら、そんまま取材させ、散々利用した警察だ。
警察は彼女に情報を流し、警察が入り込めないところへ踏み込ませ、かき回す。
ヴェロニカに、「警察は無能」と思わせ、正義感をあおり、組織に風穴が開くのをじっと待っている
そんな風に思えた。
汚いよね。
自分たちの手は汚さずに、見事に証拠ばかりを次から次へと手に入れていく。

起こるべくして起きた悲劇
そんなことが積み重なれば、彼女の死は起こるべくして起きたとしか言いようが無い。
彼女は組織の心臓をわしづかみにしているのに、警察はそれを見て見ぬふりをしていたんだから。
映画では、ヴェロニカ・ゲリンを英雄視せずに、事実をありのまま描いている。
そこが良かったなぁ。
これで、彼女がジャンヌ・ダルク並みの英雄に描かれていたら、しらけてしまったと思う。
監督は、ジョエル・シューマカー「評決のとき」や「オペラ座の怪人」「9デイズ」など、エンタテインメント性の高い作品を作っている監督にしては、今回は、かなり地味な作品だったように思う。
ヴェロニカ・ゲリンを演じるのは、ケイト・ブランシェット
小生意気で無謀、浅はかであり少々無知な記者ヴェロニカ・ゲリンをそのまま作り上げているところは、さすが。
ギリガンの家へ行き、ボコボコに殴られながら
「どうして、私は、こんなに殴れているの」
っていう表情をしていたのが、まさに、ヴェロニカ・ゲリンそのものであり、とても印象に残る。
そして、ワンシーンだけ、コリン・ファレルが出演しているのが面白かった。

その後の麻薬事情を知りたい・・・
当然のように亡くなってしまったヴェロニカ・ゲリンだったが、彼女の死後、続々と麻薬組織の人間は逮捕され、法律まで制定されたと聞くと、ホッとする。
かなり無謀な戦いだったけれど、少なくとも、彼女が行ったことは無駄にはならなかった。
この映画の舞台となった1994年からちょうど20年経つけれど、その後、アイルランドの麻薬事情はどうなったんだろうか。
今でも、市民はヴェロニカ・ゲリンを忘れずにいるのだろうか・・・。
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