とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:アカデミー賞



ヴィゴ・モーテンセン主演の映画「グリーンブック」を試写会と映画化で2回観た。

1960年代のアメリカで、差別主義者のイタリア系アメリカ人とインテリの黒人ピアニストの間に生れる友情を描く。


グリーンブック


満足度 評価】:★★★★★

笑いあり、感動あり、その裏にある社会問題も描いてて、最後には心が温かくなる良い映画だった。

初めは差別主義者だった運転手のトニーが、差別される側の現実を知って考えが変わっていく姿が良い。

それが実話というのも良かった


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. 受賞歴
  5. あらすじ
  6. 感想


『グリーンブック』予告編 動画

(原題:Green Book)



更新履歴・公開、販売情報

・2019年1月29日 試写会にて鑑賞(1回目)。

・2019年3月10日 映画館にて鑑賞(2回目)。

・2019年3月22日 感想を掲載。

・2020年2月8日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
映画『グリーンブック』公式サイト




キャスト&スタッフ


出演者

…(「はじまりへの旅」など)




監督

〇ピーター・ファレリー


2018年製作 アメリカ映画





受賞歴


第91回 アカデミー賞(2019年)

作品賞・最優秀助演男優賞(マハーシャラ・アリ)・脚本賞 


第76回 ゴールデン・グローブ賞(2019年)

作品賞(ミュージカル・コメディ部門)・最優秀助演男優賞(マハーシャラ・アリ)・脚本賞



グリーンブック2


あらすじ


1962年。ニューヨークにあるナイトクラブ コパカバーナの用心棒をしていたトニー・バレロンガ(ヴィゴ・モーテンセン)は、コパカバーナが2ヶ月間改修工事をするため、その間、仕事がなくなってしまう。

二人の子供と妻のドロレス(リンダ・カーデリーニ)を養わなければならないトニーだったが、コパカバーナの客から仕事を紹介される。

それは、カーネギーホールに暮らす黒人ピアニスト ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)からの依頼だった。

ドクは、2ヶ月間かけて南部を旅する演奏ツアーに出るのだが、当時の南部には、まだ差別があったため、ボディガードを兼ねた運転手を必要としていたのだ。

しかし、自信が差別主義者であるトニーは、黒人に雇われることを嫌い、そのオファーを断っていたのだが、ドクからの強い希望もあり、その仕事を受ける。

そして、差別主義者と黒人ピアニストが同じ車で南部に向け旅をスタートさせるのだが…。



グリーンブック3


感想(ネタばれあり)


「グリーンブック」とは


タイトルにある「グリーンブック」とは、何のことだろうか。

それは、1960年代に実在していたガイドブックのことである。



しかし、ただのガイドブックではない。

黒人専用のガイドブックである。



1962年当時のアメリカでは、南部の地域で黒人に対する差別がまだ残っていた。

様々な公的な場所(例えば、レストラン、トイレ、ホテル、バスなど)では、白人と黒人が共存することが許されなかった。

そのため、黒人たちが安全に旅行するために作られたのが、その「グリーンブック」だったのだ。
(正確には、1936年から1966年まで、毎年出版されていたそうである)



裏を返せば、その当時、黒人たちはその「グリーンブック」がなければ安全に旅行することができなかったのだ。

この物語は、そんな「グリーンブック」の時代に、白人と黒人の間で芽生えた友情が描かれている。



そんな時代を背景に、差別主義者の白人と黒人のピアニストが2ヶ月の旅をしている間に、友情が生れていく

それが、なかなか成立しずらい時代だったからこそ、この物語に感動するのだ。

そして、白人からの視点で描かれているため、白人たちからの罪の告白のように私には観えた。



今でも「差別」はなくなっておらず、むしろ、残念なことに、近年になって増えてきているようにも感じる。

そんな時代だからこそ、私たちは、この映画に学ぶことがあるのではないかと思う。



グリーンブック4



ステレオタイプに苦しめられたドク


主人公のトニーと、黒人ピアニストのドクは、とても対照的な二人である。

無学で、力自慢で差別的なトニーと、インテリで、ゲイで、カリスマ的なピアニストのドク。

そんな2人だから、当然、出会った頃は、お互いに反発し合っていた。



確かに、二人が出会った頃のトニーはひどかった。

「黒人はフライドチキンが好き」「黒人はソウルミュージックを聞いている」と決めつける。

恐らく、それはトニーだけの偏見ではなく、多くの人たちが「黒人たちの趣味嗜好について」、そういうものだと決めつけているステレオタイプの代表だ。



そんなトニーとドクのやり取りを観て、「偏見」とは、人々が勝手につくった「ステレオタイプ」でできていることに気付かされる。

この映画のドクのように、黒人だけどフライドチキンを食べたことがなく、音楽はクラシックしか聴かない人だっているのだ。



ドクは、フィクションのために作られたキャラクターではなく、実在した人物なのだ。

彼は、人々が黒人に求める「ステレオタイプ」とは大きく違うキャラクターだからこそ、周りが求めるキャラクターに応えられないことに苦しめられていたのだ。



そして、トニーはそんなドクと出会い、「違う世界」を学び、私たちはそんなトニーを観て、自分の心の中にあるステレオタイプからくる偏見や差別について、考えさせられるのだ。



グリーンブック5



「差別」を失くすための最初の一歩は「友情」


「差別」や「偏見」はなくさなければいけないことだと思う。

けれど、残念ながら、それは誰の心にも潜んでいるものだと思う。

正直に告白をすれば、私の心の中にもある。



相手のことなどよく知らないくせに、第一印象や、その人の経歴を聞いただけで「苦手な人」だと決めつけてしまうのは、私の心の中にある偏見からきている。



しかし、その苦手な人に実際に会って会話してみると、意外と良い人だったり、仲良くなれたりするのは、よくあることだ。



この映画の中で、なぜトニーは、自分の黒人に対する考え方が間違っていたと気付いたのか。

それは、実際に差別されているドクの側になったからだ。

人は、差別する側に立っていると気付かないが、差別される側になって初めて、どんなに酷いことをされているのかに気付くのだ。



いじめっ子でいるうちは、いじめられっ子の辛さに気付かないが、自分がいじめられる側になって初めて、その辛さに気付くのと一緒だ。



先ほども言った通り、そういった「差別」をこの世から失くすことは難しいけれど、この映画のトニーとドクのように友達になることはできる。

例えば、日本人だったら「中国人はちょっと苦手だ」という偏見を持っていたとしても、中国人と友達になることはできる。

そして、友達になれば、その友達の仲間たちに対しても友好的な気持ちになれる。



そうやって、トニーのように、今までの自分の考え方が間違っていたことに気付き、少しずつ、差別や偏見の気持ちが薄れていくのだ。



人の差別や偏見には、そのステレオタイプができるまでに長い長い時間がかかっている。

それを今すぐ取り崩し、「偏見をなくせ」「差別をするな」というのは、とても難しいことである。

しかし、目の前にいる人と友達になることは、気持ちさえあれば、今すぐにでもできることなのである。



トニーとドクは、2ヶ月間、同じ車に乗って旅をしている間に、友情が生れた。

日本語にも「同じ釜の飯を食う」という言葉あるように、どんなに苦手な相手でも、2ヶ月間共に暮らせば、それなりに友情が生れるのだ。



行きの車の中は、お互いの心の間に距離があったけれど、帰りは、クリスマスに間に合わせるために、必死になって車を走らせる二人の姿にほっこりする。

その行きと、帰りの違いが、この映画の全てである。



グリーンブック6



今の世の中だからこそ「憎しみ」よりも「友情」を


この映画で大切なことは、これが「白人の視点」で描かれていることである。



白人の視点で描くことで、彼らがその当時、黒人を差別し、「二グロ」と呼び、レストランやホテルから彼らを追い出し、不当に警察に監禁していたことを認めたということだからだ。

この映画は白人による「差別の告白」なのである。



そして、これはフィクションではなく実話であり、どんなに偏見を持った人でも、嫌いな相手と友達になれることができるのだ。



白人たちは、自らの過失を認め、二人の間の友情を描き、前へ進もうとしている。

これは差別や偏見をなくすための、はじめの一歩を描いているのだ。

今、再び時代は保守的な世の中になりつつあるからこそ、「友達になろうよ」というメッセージはとても大事なことだと思う。



そして、この映画は、そのメッセージをファレリー監督らしく、笑いながら描いているところがとても良い

笑って楽しみながらも、その裏には、しっかりとメッセージが込められているのだ。



「憎しみ」よりも「友情」を。

それが当たり前の世の中になればいいなと思う。





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ゲイリー・オールドマン主演の映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」を試写会で観た。

第二次世界大戦当時、チャーチルが首相となった1940年のイギリスの「最も暗かった日々」を描く。


映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」


満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

嫌われ者だったチャーチルが第二次世界大戦のヒーローとなるまで。

チャーチルが政治家として、最後まで自分の意志を貫き通す姿に感動した作品だった。

彼のおちゃめなキャラクターもあって、時折笑えるところもあって、最後まで楽しめた作品だった。


この感想には、結末についてのネタバレがあります。映画をご覧になってからお読みください。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」予告編 動画

(原題:Darkest Hour)



更新履歴

・2018年3月21日 試写会で観た感想を掲載。

・2020年2月2日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。




キャスト&スタッフ


出演者

ゲイリー・オールドマン
…(「裏切りのサーカス」、「クリミナル 2人の記憶を持つ男」、「チャイルド44」、「猿の惑星 新世紀(ライジング)」、「ロボコップ」、「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」、「エア・フォース・ワン」)

クリスティン・スコット・トーマス
…(「フランス組曲」、「パリ3区の遺産相続人」など)

リリー・ジェームズ
…(「マンマ・ミーア!ヒア・ウィーゴー」、「ベイビー・ドライバー」、「高慢と偏見とゾンビ」、「シンデレラ」など)

ベン・メンデルソーン
…(「キャプテン・マーベル」、「レディ・プレイヤー1」、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」、「スロウ・ウエスト」、「ブラック・シー」、「ワイルド・ギャンブル」など)

〇ロナルド・ピックアップ

…(「メアリーの総て」など)


監督

ジョー・ライト
…(「プライドと偏見」など)


2017年製作 イギリス映画

第90回アカデミー賞(2018年)主演男優賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞 受賞作品





あらすじ


1940年、第二次世界大戦中のイギリスでは、内閣不信任案が可決されたため、チェンバレン首相の後任者を探していた。

そこで、内閣はハリファックス外相(スティーヴン・ディレイン)を立てようとするが、本人がこれを固辞。

そこで、野党が納得いく人事として与党では嫌われ者のウィンストン・チャーチル(ゲイリー・オールドマン)を首相に指名する。

その頃、ヨーロッパではヒトラー率いるナチスドイツがヨーロッパを席巻し、フランスが陥落した後は、イギリス本土もナチスドイツに占領されるのではと思われていた…。



映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」



感想(ネタバレあり)


イギリスの歴史もチャーチルも知らなくても楽しめる


チャーチルの伝記映画と言われも、正直、私はチャーチルのことをあまりよく知らない。

そう言われてみれば、教科書で観たことがあったっけ。その程度だ。

だから、「ゲイリー・オールドマンがチャーチルにそっくり!」と言われても、あまりピンとこない。



しかし、この映画は、チャーチル本人についてそれほど知識がないからこそ楽しめたと思っている。

ゲイリー・オールドマンがチャーチル本人に似ているか似ていないか」とか

「辻さんのメイクがどこまでチャーチルに似せているか(ゲイリー・オールドマンの面影が全くないのはわかるけど)」など、

「どこまでチャーチルに迫ったのか」を気にすることなく、まっさらな気持ちで、「あぁ、これがチャーチルなんだな」とそのまま受け取り、先入観なしで「イギリス元首相の伝記」を楽しむことができたからだ。



1940年 第二次世界大戦下のイギリス。

ヨーロッパでは、ナチスドイツが席巻しようとしていた。

国会はチェンバレン首相内閣の不信任案が可決され、与党は首相候補を探していた。

ところが、与党は誰もが納得いく候補を立てることができなかったため、野党を納得させるために仕方なく候補に選んだのがチャーチルだったのだ。



この映画では、その「チャーチルが首相に任命され、第二次世界大戦でドイツと戦う数日間」が描かれる

「伝記映画」とか、「歴史もの」とか「第二次世界大戦」と聞くと、なんとも堅苦しく難しいイメージがある。



しかし、この映画は歴史を知らなくても十分楽しめる

その「嫌われ者チャーチル」の人間性にはユーモアがあって、時にはクスッと笑えるところもあり、昨年観た映画「ダンケルク」の舞台裏が描かれたところはとても興味深く観たし、最初から最後まで楽しめた作品だった。



映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」


なぜ、「ダンケルク」のダイナモ作戦は生れたのか


昨年公開された映画「ダンケルク」では、イギリス軍のダイナモ作戦により、フランスの海岸線に取り残された30万人の兵士たちがイギリスに帰るまでが描かれていた。

この映画では、フランスのダンケルク海岸は出てこない。

その舞台は内閣であり、「どのようにしてダイナモ作戦が生れたのか」が描かれる。



チャーチルが首相に指名されてから間もなく、フランスはナチスドイツに占領され、パリが陥落するまで間もなくというところまできていた。

連合軍の一員としてフランスに進軍していたイギリス軍だったが、ナチスドイツに追い込まれ、カレーに数千人と、ダンケルクに30万人の兵士たちが追い詰められていた。



その時、イギリス軍にはダンケルクに兵士を助けに行く軍艦がなかったため、30万人もの兵士たちを助けることができないという見方をしていた。

しかし、チャーチルは「絶対に兵士たちを見捨ててはいけない。何としてでも助ける」と言って、あらゆる方法を模索したのだ。



そこで、米軍に援助要請の電話をするが、その当時、アメリカはまだ第二次世界大戦に参戦していなかったため、「中立を守るため、介入できない」と言って断られてしまう。

この後、チャーチルの説得でアメリカは第二次世界大戦に参戦することになる。



軍艦は残っていないし、他国にも頼れない。

もしもそうなったら、普通だったら、どう考えるのだろうか。

兵力が足りないなりに工夫して、なんとかできる限りの兵士を救おうと考えるだろうか。

しかし、そこは映画「ダンケルク」の中でも描かれていたけれど、数少ない軍艦が海岸にたどり着いたとしても、ドイツ軍の戦闘機や潜水艦に撃墜されてしまう。



そこで、チャーチルはカレーにいた3千人の兵士を犠牲にすることを考える。

カレーにいるイギリス軍がドイツ軍に戦闘をしかけ、敵の注目を引き付けている間に、ダンケルクにいる兵士たちを救う。

それにしても船が足りないので、「兵士たちをダンケルクに助けに行く民間船を募る」とラジオ放送をしたのだ。

そしてそれは、ダイナモ作戦と名付けられた。



カレーにいる兵士たちを犠牲にすることには、内閣にも反論があったし、イギリス軍参謀の反応もイマイチだった。



しかし、それでもチャーチルが「ダンケルクに残された兵士たちを全員助けるんだ」という意志を貫いた結果、思った以上に民間船が集まり、兵士を助けることができたのだ。

これは、それまでチャーチルについて「どうせ成果を上げられない首相」だと思っていた与党にとっては、思わぬ誤算だっただろう。



このダイナモ作戦の裏側を観られたことで、「ダンケルク」をより立体的に理解できたように思う。

その時の「なんとしてでも兵士たちを救うんだ」というチャーチルの苦悩の末に民間船投入を投入した思いがあって、あのたくさんの船がダンケルクの海岸線に現れる感動的なシーンが生れたんだと思った。



映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」


政治家は国民の声に耳を傾ける存在であって欲しい


しかし、私が、この映画の中で一番感動したのは、その「ダイナモ作戦」の話ではない。

最も心を打たれ、印象に残ったのは「チャーチルが地下鉄に乗った場面」だった。



チャーチルが首相になるまで、内閣はイタリアを仲介役にして、ナチスドイツと和平条約を結ぶつもりでいた

しかも、チャーチル本人は「ドイツには屈しない」という意見だったのにも関わらず、周りに説得された結果「イギリス本土の主権をイギリスが握れるのなら」という条件付きで和平条約を受け入れる側へ心が傾きかけていた



そこで、イギリス国王がチャーチル宅を訪問する。

それまで国王はチャーチルの反対側にいたのに、その時に「私は君の意見を支持する」「国民の声に耳を傾けて欲しい」と言ったのだ。

この国王がチャーチルを訪問する場面は、この映画で最も心に残るシーンの一つだった。



恐らく、王様は政治に介入してはいけないことになっているから、誰に知られないようにアポなしでひっそりとチャーチルを訪ねてきたのだろう。

それぐらい、王様は当時のイギリス軍の状況を憂慮していたに違いない。

もしも、そこで王様がチャーチルに声をかけなければ、本当に王様はカナダに亡命することになっていたのかもしれない。



そして、王様の訪問を受けた翌日の地下鉄。

チャーチルが乗った車両に偶然居合わせた乗客の「本土を攻撃されることになっても、屈してはいけない」という気持ち

その時のチャーチルと乗客のやり取りを観て、やはり、政治と言うのは、国民の声に直接耳を傾けるべきなのだと思った。

そうでないと、内閣で起きていることと国民の声の間には距離ができてしまう



もちろん、国民の大多数の声よりも、政治のプロとして、政治家や内閣の意見が正しいこともあるかもしれない。

たとえ参考程度であっても、どんなに偉くなっても、政治家には「国民の声に耳を傾ける時間」がとても貴重なものだと思って欲しいのだ。

なぜなら、彼らは国民の選挙によって選ばれた国民の代表だからだ。



そして、チャーチルは、彼らの声を聞き流すのではなく、ちゃんと自分の演説に反映した

そこが、「簡単に与党の操り人形にはならないチャーチルの意志の固さ」なんだと思った。

その意志の固さは「ダイナモ作戦」の時と通じている。



この当時、ヒトラーはホロコーストや軍事力で自分の意志を貫き通したけれど、その対極にいたチャーチルは、本来なら仲間のはずの与党の支持よりも、野党と国民の強い支持が力となってその意志を貫き通すことができたのだ。




映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」


肝心なことは、それを続ける勇気である



そして、この映画のラストにはチャーチルの言葉が引用される。

成功が上がりでもなければ、失敗が終わりでもない。

肝心なことは、それを続ける勇気である


この言葉には、とても感動した。



チャーチルは首相候補になるまで失敗を繰り返し、「誰にも支持されない嫌われ者」だった。

それでも「政治家人生を終わらせる」ことなく信念を持ち続ける。

そして、棚ぼたで首相になったからといって、自分の地位に胡坐をかくことなく、多数派に迎合しない自分の意志を持ち続ける。

そうして、最後の「決してナチスドイツには屈しない!!」という名演説が生れるのである。

それは、何があっても、自分の意志を曲げることなく持ち続けた結果だった



この映画の試写会に行った時、ハリー杉山さんのトークショーが上映後に行われた。

その時、ハリー杉山さんはお父様から「チャーチルがいなかったら、お前は生まれていなかったかもしれないんだよ」と言われながら育ったとお話しされていた。



もしも、チャーチルが他人の意見に迎合するタイプの政治家で、内閣の多数派に意見を合わせるタイプの政治家だったら、ドイツと和平条約を結び、ヨーロッパ全土が暗黒時代を迎えたかもしれない。

チャーチルがダンケルクにいた30万人の兵士を救ったことで兵力を温存し、アメリカに参戦を仰ぎ、アメリカと共にナチスドイツに立ち向かったからこそ、民主主義が守られたのだ。



最後まで、自分自身を貫き通すチャーチルの姿に感動し、政治家は国民の代表であるからこそ、常に国民の声に耳を傾ける人であって欲しいと強く願った作品だった

辻さんのメイクもとても素晴らしいので、ぜひ多くの日本人に観て欲しい一本。






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ケイシー・アフレック主演の映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」を映画館で観た。

兄の訃報を受けて帰郷した男性。そこから彼は思いだしたくない過去に引き戻される…。


満足度 評価】:★★★★★

私の中では今年トップクラスに素晴らしい作品だった。

酷く悲しいことが起きた時、その悲しみ方も立ち直り方も人それぞれ。

この映画では、そこから無理に立ち直らせようとせず、主人公をそっと見守っているスタンスの距離感がとても良かった。

人は何かがあったから立ち直れるわけではなく、様々な出来事のなかで少しずつ起き上がれる。

その自然さがとても良かった。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「マンチェスター・バイ・ザ・シー」予告編 動画

(原題:MANCHESTER BY THE SEA)



更新履歴・公開、販売情報

・2017年5月19日 映画館で観た感想を掲載。

・2019年3月10日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


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オリジナルサウンドトラック「Manchester By the Sea」

Manchester By the Sea

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キャスト&スタッフ


出演者

ケイシー・アフレック
…(「A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー」、「ザ・ブリザード」、「トリプル9 裏切りのコード」、「ジェシー・ジェームズの暗殺」、「ファーナス 訣別の朝」、「インターステラー」など)

ミシェル・ウィリアムズ
…(「アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング」、「ヴェノム」、「ゲティ家の身代金」、「フランス組曲」、「ブロークバック・マウンテン」、「マリリン 7日間の恋」、「OZ はじまりの戦い」など)

…(「ファースト・マン」など)

ルーカス・ヘッジズ
…(「ベン・イズ・バック」、「ある少年の告白」、「レディ・バード」、「スリー・ビルボード」、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」など)


監督・脚本

〇ケネス・ロナーガン

製作

マット・デイモン
…(「ジェイソン・ボーン」、「オデッセイ」、「インターステラー」、「ミケランジェロ・プロジェクト」、「プロミスト・ランド」、「コンテイジョン」、「アジャストメント」、「トゥルー・グリット」、「インビクタス/負けざる者たち」、「世界で一番パパが好き!」など)


2016年制作 アメリカ映画

第89回 アカデミー賞(2017年)主演男優賞、脚本賞 受賞作品


映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」



あらすじ

ボストンでアパートの水漏れ・つまりの修理、建物の修繕を行ういわゆる何でも屋をしているリー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)の元に兄ジョー(カイル・チャンドラー)の訃報が入り、数年ぶりにボストン郊外にある小さな港町マンチェスターへ帰る。

葬式だけを済ませてボストンに戻る予定だったが、遺言により兄の16歳になる息子パトリック(ルーカス・ヘッジズ)の後見人に指名されていた。

リーはチャンドラーと共にマンチェスターで暮らすこととなるが、彼にはそこで暮らしたくない悲しい思い出があった…。

映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」ケイシー・アフレック



感想(ネタバレあり)


立ち直れないほどの悲しみから起き上がるためには


人は心に二度と立ち直れないような傷を負った時、どうやって立ち直っていくのか

どこかにラインが引かれていて、そのラインに到達したら「はい。立ち直りました!」というものではなく、誰かに背中を押されて立ち直るものでもない。

時間が解決してくれるというけれど、ただ時間が経てばいいというものでもない。



この映画の主人公ケイシー・アフレック演じるリーとミシェル・ウィリアムズ演じる元妻のランディの間には、立ち直れないような悲しい出来事があった。

その後二人は離婚してしまい、リーはマンチェスターを出てボストンで暮らし始める。



しかし、兄の死によってリーはマンチェスターに引き戻され、訃報を聞いたランディもまたマンチェスターへ戻って来る。

映画の中では、リーとランディの久しぶりの対面や、兄ジョーを亡くしたリーと彼の甥にあたるパトリックとの交流を通して、少しずつリーの心の傷が癒えていく様子を描く。



また、その微妙な心の揺れを表現したケイシー・アフレックは、この映画でアカデミー賞主演男優賞を受賞している。



映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」ケイシー・アフレック、ルーカス・ヘッジズ



立ち直るための時間も方法も人それぞれ


この映画の中で素晴らしいなと思ったのは、リーを無理矢理立ち直らせようとしないところだった。

様々な映画の中で、悲しみに心を打ちひしがれた主人公が必死で前向きになろうとしている姿を描く作品もある。

それはそれで良いし、そんな必死さから元気をもらうこともある。



しかし、私たちが実際に生きていく中で、辛いことがあった時、そんなに必死になって悲しみから立ち上がろうとするだろうか。

少なくとも私はそうではない。



何も話したくないから人と会うことを避け、しばらく泣き続ける日を過ごし、少し落ち着いてきたところで気を遣わなくていい友人と会って会話する。

そうやって少しずつ現実社会に戻っていくのだ。



この映画の中には、そのゆったりしたペースの自然さがある。

リーは悲しい出来事があってから、生まれ育った町を出て都会で暮らし始める。

町から離れていれば、その過去の痛みに苦しめられることがないからだ。



しかし、今度は強制的にその悲しかった故郷に戻ってくることになった。

それは兄からの「もう自分を許してもいいんじゃないか」というサインのようにも見えた。



そこで彼は、父を亡くした甥のパトリックと悲しみを共有し、元妻のランディと会話することで心の奥に蓋をして隠してた悲しみと対面する。

兄は許してくれても、近所の人たちは許してくれていないという悲しい現実も知る。



町のそこかしこに幸せな思い出があって、それをぶち壊してしまった昔の自分がいて、いつまでも過去の自分を許せない今の自分と町の人たちがいる。

だから、マンチェスターでは暮らせない。

その彼の結論はとても自然な流れに見えて、その自然さがとても良いと思った。



映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」ケイシー・アフレック、ルーカス・ヘッジズ



「愛してる」という言葉の破壊力


しかし、久しぶりに帰ったマンチェスターで過ごした日々は、彼にとって癒しの時間になったことは間違いない。



最も大きな力になったのは、元妻ランディとの再会だ。

悲しい事故があった時、リーと同じ悲しみを共有したランディだったが、久しぶりに会った彼女は再婚して、再婚相手との間に子供もいた。



リーよりも早く立ち直り、新たな人生を始めていたランディは既に心の中でリーのことを許していた。

そのことを泣きながらリーに告げるランディ。

(この時のミシェル・ウィリアムズの演技は本当に素晴らしかった)



この時のランディにリーはどれだけ癒されただろうか。

「ごめんなさい」や「ありがとう」の言葉よりも「愛してる」の一言が、人の心を癒すのにどれだけ絶大な力を持っているか



長い長い時間よりも、一人の人とのわずか数分の会話が人の心を数倍癒す証明のような場面だった。

そこまでくれば、あとはリー本人が自分を許すのを待つだけだが、それにはまだまだ時間がかかりそうだ。


映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」ケイシー・アフレック、ミシェル・ウィリアムズ



笑顔に見える希望の光


私がこの映画の中で最も好きなのは、最後にパトリックと船に乗るシーンだ。



ランディと再会した後、少し気持ちが前向きになり、パトリックをジョージの養子に出すと決め、リーはボストンに帰ると決めた後、少し肩の荷が下りたのか、笑顔が出るようになる。

パトリックがカノジョその1(16歳のクセに恐るべし!!(笑))と船を操縦しながらイチャイチャしている姿を微笑ましく見守っているリー。

そして、パトリックと楽しそうに釣りをしているリーの後ろ姿。



この時の彼は、一番最初にマンチェスターに帰ってきた時のこわばった表情とは明らかに違う。

ラストシーンの彼には明らかに希望の光が見える。



私はそんなリーの後ろ姿を見ながら、「えっと、ケイシー・アフレックってこんなに良い俳優だったっけ」と思った(笑)

それぐらい、この映画のケイシー・アフレックは神がかって良い演技をしていた。



人の笑顔には希望と未来がある

リーがどんなに拒絶しても過去はやり直せないし、未来はやってくる。

目の前にあることを1つずつ乗り越えながら生きていけば、きっといいことがある

そう思えたラストシーンだった。






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イラン映画「セールスマン」を試写会で観た。

ある夜妻が侵入者により暴行される。妻は警察の捜査を拒み、怒りを募らせた夫はその執念で犯人を突き止めていくサスペンス映画。


満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

近代化が急速に進むイランを背景に、ある夫婦を襲った性犯罪とその犯人を追い詰める夫。

そのサスペンスと同時進行する舞台「セールスマンの死」

この二つが見事に重なった時、現実も舞台も絶望しか残されていなかった。

そのどうにもならない悲しみに、私も心が追い詰められたような気分になった。

最後の2人の呆然とした表情がとても印象的。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「セールスマン」予告編 動画

(原題:FORUSHANDE / 英題:THE SALESMAN)



更新履歴・販売情報

・2017年6月10日 試写会で観た感想を掲載。

・2018年8月26日 WOWOWでの放送に合わせて、加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。



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アーサー・ミラー戯曲「セールスマンの死」

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キャスト&スタッフ


出演者

〇シャハブ・ホセイニ

〇タラネ・アリシュスティ

監督・脚本

〇アスガー・ファルハディ

2016年制作 イラン、フランス合作映画

第89回(2017年)アカデミー賞 外国語映画賞 受賞作品


セールスマン



あらすじ


学校の教師をしているエマッド(シャハブ・ホセイニ)と妻のラナは劇団に所属し、夜は演劇の公演に出演している。

彼らが現在公演しているのはアメリカの戯曲家アーサー・ミラーの書いた「セールスマンの死」である。

夫のエマッドが舞台を終えて家に帰ると、先に帰っているはずの妻ラナ(タラネ・アリシュスティ)が家にいないことに気付く。

そして家には血痕が残されていた。

病院へ行くと、頭に傷を負ったラナが治療を受けており、何者かによってレイプ被害に遭っていたことを知る。

この事件を警察に通報しようとしたエマッドだったが、「誰にも知られたくない」とラナは拒否をし…。



セールスマン2



感想(ネタバレあり)


イランでもiPhoneを使い、アメリカの戯曲を公演し、宅配ピザを食べ、ヘプバーンのポスターを飾る


この映画を観るまで、イランの人々が日頃どんな暮らしをしているのか、よく知らなかった。



映画を観たところ、とても失礼なことを言っているかもしれないが、とても普通の生活をしていることに驚いた。

主人公はiPhoneを使い、普通に車に乗るし、バケットだってピザだってパスタだって普通に食べるし、ヘプバーンのポスターを部屋に飾っている。

つまり、私たちの生活とあまり変わらない光景がそこにはあった。



最近、イランの首都テヘランでは急速に近代化が進んでいるのだという。

そのイランの近代化とシンクロさせているのが、劇中劇の「セールスマンの死」だ。

「セールスマンの死」とは、アメリカの戯曲家アーサー・ミラーが書いた脚本で、第二次大戦後、アメリカが高度経済成長期を迎える中、逆に人々の心が荒んでいく様を描いたものである。

(参考:Wikipedia セールスマンの死



現在のテヘランでは、第二次大戦後のアメリカと同じような高度経済成長期を迎えている。

この映画はその近代化が進むイランと「セールスマンの死」をシンクロさせ、経済発展と共に荒んでいく市民の心を描いた作品である。



セールスマン4



ショッキングな映像がなくても伝わるレイプの悲惨さ


この映画のテーマは「レイプ」である。

ある時妻が見知らぬ男にレイプされ、徐々に怒りを募らせた夫が犯人捜しをする。



しかし、イランの映画である。

イスラム教では、女性が肌を露にすることが許されない。

そのため、実際に妻がレイプ被害に遭っている場面は一切出てこない。



夫がアパートに帰り、インターホンで呼び出しても返答がない。

近所に人に開けてもらうと、階段や部屋の床に血痕がある。

夫が病院に駆け付けた時の妻の状況、助けてくれた近所の人たちの話でレイプされてしまったんだと分かる。



その彼らの演技を観ているだけで、ショッキングな映像なんか一切無くてもレイプの悲惨さは十分に伝わってくる。

夫に声を掛けられた時の妻の怯えたような反応、何も語ることができない状況、そんな彼女についイラついてしまう夫の様子。

それだけで十分だった。



そして、レイプ被害に遭った女性を取り巻く環境や、その周りの人たちの反応はイランも日本も大差ないと思った

一番辛いのは被害者のはずなのに、なぜか、その被害者が「申し訳ない」という気持ちになる



被害女性は恥ずかしい状況に追いやられ、洗いざらい話さなければならないことに恐怖を感じる。

そのうちに「あの時、インターホンを確認しなかったのがいけないんだ」と自分を責めはじめ、被害女性は事件について口をつぐんでしまう。



なぜ、被害女性が罪悪感を背負わなければならないのか

この腹立たしさはイランだけではなく、どの国でも起きていることのように思う



セールスマン5



高度経済成長が市民生活に落とす影


この被害に遭った夫妻は劇団に所属し、夜は公演に出演していた。

その時、公演していたのが「セールスマンの死」である。



イランで、よりによってアメリカの劇作家が書いた戯曲が公演されるなんて、本当に時代は変わったんだなと思った。

さて、その「セールスマンの死」は、かつては敏腕で好き勝手していたセールスマンが、老いと共に売り上げが減り、家庭にも問題を抱えるようになってしまう。

しかし、セールスマンの妻はそんな好き勝手する夫を尊敬し、家庭の問題に悩みながらも献身的に夫を支えていくという夫婦の姿が描かれている。



この映画の中で、その「セールスマン」が象徴しているのが、レイプ犯である加害者である。

加害者にははどんなことがあっても愛しているという献身的な妻と、もうすぐ結婚する娘がいる。

しかし、彼は娘にお金が必要な時にも関わらず、その裏で娼婦にお金を使っていた。



それを知った被害者の夫は加害者の家族を呼び、「そのことを家族に洗いざらいぶちまける」と言う。

すると、以前より心臓の弱かった加害者は急に体調が悪くなり、到着した妻が嘆き悲しむ前で心臓発作を起こしてしまう。

それは「セールスマンの死」のラストシーンで夫の棺の前で嘆き悲しむ妻の姿と全く一緒である。



つまり、被害者夫婦が日頃演じている「セールスマンの死」の実写版が彼らの目の前で展開してしまったのである。

本当はそこで嘆き悲しみたいのは、被害者なのに。



なぜ、加害者の命を必死になって助けようとしなければならないのか。

この時の被害者、被害者の夫、加害者、加害者の家族たちの混乱、矛盾、不条理が「加害者の死」によって絶望へと変わっていく

もうどうにもならない悲しみに暮れる被害者夫妻。

「セールスマンの死」が当時のアメリカに訴えかけたように、イランでも経済発展が市民生活や家庭環境に影を落とし始めているのではと思った。



セールスマン3



トランプ政権に抗議した主演女優


この映画は今年のアカデミー賞で外国語映画賞を受賞した作品である。

この作品を見ることによって、イランという国のレイプや性犯罪に対する考え方が私たちとあまり変わらないと分かったし、何より、彼らの生活が私たと大して変わらないという驚きもあった。

まさか、iPhoneを使い、アメリカの戯曲を公演し、部屋にヘプバーンの絵ポスターが飾ってあるなんて思いもしなかった。



本当に私はイランについて何も知らなかったんだなぁと思った。

ニュースをチラ見しているだけでは世界を知ることはできない。

映画は知らない国を教えてくれる良い先生だ。

何も知らなかった自分への自戒も込めて、「知らない」ということは偏見を生むんだなと思った。



イランは、アメリカがトランプ政権になって「テロ支援7か国」に指定され入国禁止を受けた国である。

主演女優のタラネ・アリシュスティは、そんなトランプ政権に抗議し、アカデミー賞に欠席した人物である。

もしも、そのトランプがこの映画を観たら、なんと思うだろうか。

それでもイランはアメリカに敵対的な国だと言うんだろうか。



むしろ、拒否することで無駄に敵を増やしているようにも見える。

拒否からは何も生まれず、むしろマイナス要因が増えるばかり。

しかし、互いに相手を理解し合おうとすれば新たな関係が生み出される。

イランで暮らす主人公夫婦が「セールスマンの死」を公演しているように、私たちも彼らを拒絶する前に理解することが必要なように思う。


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アカデミー賞で作品賞を受賞した映画「ムーンライト」を試写会で観た。

黒人の貧困層で育った少年が母親の依存症、育児放棄、そして自身のセクシャリティに悩みながら成長していく物語。


満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

主人公のシャロンはとても無口な少年で、時折放つ言葉には彼の強い思いが込められていた。

その彼の静けさが持つ「感情の温存」がとても良く、最後の最後に放った一言には思わず自然と涙が溢れてしまった。

映像の美しさと感情を描く繊細さがずば抜けて素晴らしい作品だった。

「ムーンライト」予告編 動画

(原題:Moonlight)




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キャスト&スタッフ


出演者

ナオミ・ハリス
…(「われらが背きし者」、「007 スカイフォール」など)

マハーシャラ・アリ
…(「スパイダーマン:スパイダーバース」(声の出演)、「アリータ:バトル・エンジェル」、「グリーンブック」、「キックス」、「ドリーム」、ドラマシリーズ「ルーク・ケイジ」、「ハウス・オブ・カード 野望の階段」など)

トレヴァンテ・ローズ
…(「ザ・プレデター」、「ホース・ソルジャー」など)

ジャネール・モネイ
…(「ドリーム」など)

…(ドラマシリーズ「キャッスルロック」など)

〇アシュトン・サンダース

監督・脚本

〇バリー・ジェンキンス

製作総指揮

ブラッド・ピット
…(<出演作>「マネー・ショート」、「フューリー」、「ワールド・ウォー・z」、「イングロリアス・バスターズ」、<製作>「ビューティフル・ボーイ」、<製作総指揮>「オクジャ okja」など)ト


第89回アカデミー賞(2017年) 作品賞・脚色賞・助演男優賞 受賞作品

2016年製作 アメリカ映画



ムーンライト



あらすじ


小学生のシャロンはマイアミにある貧困層の黒人たちが暮らす街で育った。

ある時シャロンは、学校の帰り道で同級生にいじめられ廃墟に逃げ込むが、そこは麻薬の密売が行われている場所だった。

その時、そこから助け出してくれたのはドラッグディーラーのフアン(マハーシャラ・アリ)だった。

それ以来、シャロンは薬物依存症で育児放棄を繰り返す母(ナオミ・ハリス)から逃げるようにフアンの家へと通うようになり…。



ムーンライト3


感想(ネタバレあり)


悲惨な現実を背景にした美しくも切ない初恋の物語


話は至ってシンプルな青春物語である。

少年シャロンが高校生になり初恋をする。

しかし、不運な事件があって好きな人と離れ離れになってしまう。

大人になってから再会するが、彼はうまく思いを伝えることができない…。



しかし、この映画がよくある青春映画と大いに違うのは、シャロンが育った環境だ。

少年シャロンは貧困層の黒人ばかりが暮らす街で母親と二人暮らしをしているが、母は薬物依存症である。

たびたび薬に溺れ、育児放棄をする母から逃げ、父親代わりとなるフアンの家に身を寄せるが、フアンはドラッグディーラーである。



貧困層、母子家庭、ドラッグ、薬物依存、育児放棄、家出…。

悲惨な生い立ちのオンパレード

日本の子供たちとは明らかに違う世界がそこに描かれていた。



彼らが暮らす街では、小学生たちが歩いている道のど真ん中で昼間から普通にドラッグを売っている。

そして、またその側でジャンキーたちがドラッグを使用している。

シャロンの母親もそのジャンキーの1人。



そしてまた、シャロンはゲイだからという理由で同級生たちからイジメられる。

これは明らかに警察が見捨てた町



「ドラッグは体に悪いからやめましょう」なんてスローガンは何の役にも立たない。

本気でやめるなら、全てを捨てて街を出なければならない。

そんな悲惨な環境を背景に、胸を締め付けられるような初恋の思いを奇跡の美しさで描いたのが、この「ムーンライト」という映画である



ムーンライト2



無口だから、その思いを瞳にのせて


本当に好きな人の前に立つと上手に話すことができない

いつもの自分らしく接することができない。

きっとそんな経験は誰にも心当たりがあることだと思う。



なぜだろう。

本当に好きだという思いは、言葉にすることが難しい。

嫌いなことに関してははいくらでも言葉にできるのに。



主人公のシャロンは無口な青年だ。

言葉が少ないのは、心にある思いをうまく表現できないから



1つ言葉を発しては、しばらく時間を置いて、気持ちをためてからまた言葉にする。

母親のことや、自分のセクシャリティのこと、日頃悩んでいることをうまく言葉にすることができない。

うまく言葉にできないのは、シャロンは人よりも繊細で、1つ1つの物事に対する思いが強いから



私はそんなシャロンの無口がとても好きだった。

口で多くを語らない分、目が彼の思いを語る

「目は口程に物を言う」のだ。



フアンを父親のように慕う気持ち、ケヴィンに対する愛情、母に対する恐れ。

シャロンを三世代に分けて描く中、それぞれ全く別の俳優が演じているにも関わらず、なんだか面影があるのは、三人とも同じ目をしているからだった。

それぐらい、この映画は「目の力」を非常に重要視した作品だった。



ムーンライト5



尊敬する父親のようなフアンとの出会い


シャロンにとって幼少期に出会ったフアンの存在は大きかったと思う。

ドラッグ依存症で育児放棄(ネグレクト)の母親と二人暮らしのシャロン。

そんな中で出会ったフアンはシャロンの父親代わりだった。



いつも大きく包容力があり、シャロンを気遣ってくれる。

「自分はゲイかもしれない」と悩むシャロンを正面から受け止めてくれたのもフアンだった。

常にドラッグに溺れ、自分を罵るような母親と暮らしていたら、女性そのものを嫌ってしまうのも当然なのかもしれない。



海に連れていってくれ、泳ぎを教えてくれたフアン。

それ以来、シャロンは海が大好きな場所となる。



その後、フアンは亡くなってしまうが、シャロンはフアンのような男性を目指すようになる

大人になったシャロンの行動を見ていると、フアンはシャロンにとって尊敬すべき父親のような存在だったんだろうなと思う。

そんなシャロンの姿も、この映画を切なくしている要素の1つだった。



ムーンライト4



何年経っても変わらない思い


高校生になると、シャロンは同級生のケヴィンに恋をする

しかし、心を通わせたかと思った直後に離れ離れになってしまう

ケヴィンに会うことができなかったシャロンだったが、数年経っても彼への思いは変わっていなかった。



それなのに、大人になっても無口なシャロンはその思いを伝えることができない。

その姿が非常に歯がゆく切ない。

そして、何時間も歯がゆい時間を過ごし、打ち解けた頃、シャロンは勇気を出して告白する。



このシャロンが心に募る思いを打ち明けたシーンで、私は「あぁ良かった」と思いホッとした。

うまく告白できない弟を、イライラしながら見守っている感じだろうか。



ムーンライトが照らす海辺での大切な一夜の思い出。

きっと、シャロンはあの時の幸せを胸に肉体改造をし、イジメられない身体を作り、厳しい社会を生き抜いてきたんだろう。



会えなかった間にいろいろあったことをイチイチ言わなくても、その思いが伝わる心のこもった告白だった。

その時のシャロンを観ながら、思わず涙が溢れてしまった。

それは、彼らの未来には幸があるに違いないと思えるラストシーンだった。





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ジェフリー・ラッシュ主演の映画「シャイン」をWOWOWで観た。

オーストラリアのピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットの半生を映画化。

この映画でジェフリー・ラッシュ第69回アカデミー賞(1996年)主演男優賞を受賞している。


満足度 評価】:★★★★☆

親の期待に押しつぶされていたデヴィッドがその呪縛から解け、ピアニストとして舞台に上がった姿に感動。

20年前に観た時はそうは思わなかったけど、今見ると父親の度を超したしつけが息子への虐待だったことに気付く。

子供に対する過剰な期待が子供にどんな影響を及ぼすのかがよく分かる映画だった。


「シャイン」予告編 動画(日本語字幕なし)

(原題:SHINE)




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キャスト&スタッフ


出演者

ジェフリー・ラッシュ
…(「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」、「鑑定士と顔のない依頼人」、「やさしい本泥棒」など)

〇アーミン・ミューラー・スタール

ノア・テイラー
…(「スカイスクレイパー」、「フリー・ファイヤー」、「プリデスティネーション」など)

監督

〇スコット・ヒックス

1995年製作 オーストラリア映画

シャイン

あらすじ


デヴィッド(ノア・テイラー)は幼いころから父親(アーミン・ミューラー・スタール)の厳しい指導の元、ピアニストになることを目指していた。

子供の頃から大人が弾くのも難しいラフマニノフの曲を弾いていたデヴィッドは、オーストラリア国内で話題のピアニストへと成長していく。

父はデヴィッドを大人になっても自分の元で育てたいと思っていたが、デヴィッドは父の制止を振り切り、ロンドンにある王立音楽院で本格的にピアノを学び始める。


シャイン4


感想(ネタバレあり)


オーストラリア人ピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットの半生


1995年に製作されたこの映画がWOWOWで放送していたので、久しぶりに観返してみた。

そしたら思った以上に心にズシンとくる映画だった。

オーストラリアのピアニストデヴィッド・ヘルフゴットの半生を映画化。

デヴィッド少年は、幼いころから輝けるピアノの才能があり、オーストラリア国内でも期待されていた。

しかし、デヴィッド本人が精神を病んでしまい、ピアニストとしての成功の道を絶たれてしまう。

この映画では、デヴィッドと父親の関係を軸に、なぜ、彼が心を病んでしまったのか、そして、それをどのように克服していったかについて描いている。


シャイン2

度を越した厳しすぎる「しつけ」は子供に対する虐待でしかない


私が20年前に観た時は、「厳しいお父さん」と「ちょっと変わったピアニスト」の話という印象しかなかった。

しかし、今になって観てみるとその厳しいお父さんのしつけは、デヴィッドに対する完全な虐待だったことが分かる。

「絶対的にピアニストになれ」という過剰な期待、「必ずラフマニノフを弾け」などという言葉での強要、暴力、濡れたタオルで叩くなどの肉体的な虐待…。

デビッドが少年だった頃は、そんなお父さんは「厳しいしつけ」をしているだけだったかもしれない。

しかし、今、こうして観ると、それはただの幼児虐待でしかない。

そして、その結果、デヴィッドは「ラフマニノフ」に憑りつかれ、ノイローゼを発症し、その後精神科病院に入院することになる。

未だにテレビを見ると、「厳しいしつけは必要だ」論がワイドショーなどで取り上げられているが、「厳しすぎる」しつけは子供に対して悪影響しかないことがよく分かる。


シャイン3

なぜ、お父さんは息子に厳しくあたってしまったのか


しかし、そんなお父さんにも全く同情できないわけではない。

これは、20年前に観た時には気付かなかった点だった。

ユダヤ系ポーランド人の父も少年時代はバイオリニストを目指していた。

ところが、やはり父の父もまたしつけに厳しく、彼のバイオリンを折ってしまう。

その時、バイオリニストとしての夢に破れた彼は、自分の子供であるデヴィッドをピアニストにすることに夢がシフトしていく。

さらに、戦時中に強制収容所に入れられ、一家離散してしまった経験から、

「家族は常に一緒にいなければならない」

という思いにとらわれてしまう。

それまでの経験から、父はデヴィッドをピアニストにすることと、家族が絶対一緒にいることに固執してしまった。

そんなお父さんの姿を観ていると、「なんて酷い父親なんだ」とも思えない。

彼が「私はお前のことを世界で一番愛している」とデヴィッドに言っていた言葉は決して嘘ではないし、どの親よりも情熱的に愛していた。

しかし、あまりにも「度を越した」振る舞いがデヴィッドを追い込んでしまったけれども、父には父なりの悲しい背景を抱えていた結果だった。

20年前の私には、そのお父さんの悲しい背景に気付いてあげることができなかったように思う。


シャイン5

父親の呪縛が解けた瞬間が最も輝けるとき


私がこの映画の中で最も感動したのは、ラストでデヴィッドが初めてのピアノリサイタルを行った場面だった。

オーストラリアの輝ける(シャイン)才能と言われたデヴィッド。

しかし、心を病んでしまい、そのせっかくの才能も花を咲かせることのないままの人生を送ることになってしまう。

もうすぐ40歳を迎えようとした頃、彼は妻のジリアンと出会う。

デヴィッドの才能と、彼の子供のような無邪気な性格を愛した占い師のジリアンの助けもあり、初のリサイタルを行う。

リサイタルは成功し、スタンディングオベーションを受けたデヴィッド。

それは、父親から受けた虐待の呪縛が解けた瞬間だったと思う。

父親の過剰なまでのしつけがなかったら、デヴィッドはもっと早くピアニストになっていたかもしれないけど、そんな父親がいなかったら、そもそも彼はピアニストになれなかったのかもしれない。

結局は、厳格な父との関係性が生んだピアニスト デヴィッド・ヘルフゴットだったんだと思う。

しかし、最後に父の墓参りをしたデヴィッドが

「ここへ来てもなんとも思わない」

と言っていたのが、デヴィッドにとっての父親の全てであり、その事実がなんとも切ない。





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スーザン・サランドン主演の映画「デッドマン・ウォーキング」をWOWOWで観た。

死刑囚とシスターの交流を通して、アメリカの死刑制度のあり方を問う。


満足度 評価】:★★★☆☆

キリスト教の世界では、どんなに酷い極悪人でも、告解すれば神様は赦してくれるのかもしれないが、レイプされ、殺されてしまった少女本人のことを思うと、そんなに簡単に許せない。

だから、私は軽々と「死刑は廃止すべき」なんてことは言えない。

そこの考え方の違いがあって、最初から最後まで入り込めない映画で、評価も辛めになってしまった。


「デッドマン・ウォーキング」予告編 動画(日本語字幕なし)

(原題:DEAD MAN WALKING)




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キャスト&スタッフ


出演者

スーザン・サランドン
…(「ムーンライト・マイル」、「タミー/Tammy」、「ニューヨーク、愛を探して」など)

ショーン・ペン
…(「ザ・インタープリター」、「LIFE!」、「I am Sam アイ・アム・サム」、「ミスティック・リバー」など)

〇ジャック・ブラック
…(「ハイスクール・ロック」など)

ピーター・サースガード
…(「マグニフィセント・セブン」、「完全なるチェックメイト」、「ブルージャスミン」、「ブラック・スキャンダル」など)

監督・脚本

ティム・ロビンス
…(「ロープ 戦場の生命線」など)



1995年製作 アメリカ映画

第68回アカデミー賞(1995年)主演女優賞受賞(スーザン・サランドン)


デッドマン・ウォーキング


あらすじ


ニューオーリンズの「希望の家」で黒人貧困層の子どたちの世話をしているシスター・ヘレン(スーザン・サランドン)の元に、一通の手紙が届く。

それは、ティーンエイジャーのカップルを襲撃し、少女をレイプした上、二人とも殺害した罪で死刑判決を受けた囚人マシュー(ショーン・ペン)からのものだった。

そこには、彼の貧しい生い立ちや、共犯の相棒が無期懲役なのに、自分は死刑を言い渡されたという内容が書かれていた。

その手紙を読んだヘレンはマシューに面会し、彼を人権派の弁護士に紹介するのだが…。


デッドマン・ウォーキング2


感想(ネタバレあり)


昔は私も死刑反対だった…


これは「死刑」についての物語。

私も若い頃は、今よりももっと心が広かった(笑)

「死刑制度」には反対で、今後の犯罪を減らすためにも極悪人の生い立ちとか、精神状態の分析などをして、今後の犯罪防止に役立てたら良いんじゃないかと思っていた。

そんな極悪人にも更生の道を作ることが必要だし、それこそが、世の中を良い方向へ導く方法だと考えていた。

それに、刑務所で長年生きていることよりも、死んだ方が楽なような気がしていた。

しかし、歳をとるにつれ、「何回殺しても気が済まない極悪人」っていうのが世の中にはいて、そんな奴が無期懲役なんて判決を受けたら、30年後ぐらいには塀の外に戻ってくるかもしれないと思ったら、そんなの絶対に許せないと思うようになった。

人は歳をとった分だけ寛容になるのかと思ったら、そうでもない。

歳を重ねた今となっては、軽々しく「死刑反対」なんて言えず、むしろ、極悪人は死刑にしてしまえと思うようになった。

そんな私が、この映画を観たんだから気が合うはずがない。


デッドマン・ウォーキング3

告解をすれば神は赦してくれると問いかけるシスター


主人公はシスターである。

だから、キリスト教の教えが全てで、そこが正しいというところから物語はスタートしている。

まず私にはキリスト教の信仰そのものがないので、考え方が食い違ってしまったようだった。

キリスト教では、どんな極悪人でも告解をすれば赦してくれるという。

シスターはマシューに告解の機会を与えるため、裁判で上告できるよう人権派の弁護士に働きかける。

しかし、「新しい証拠」を提示できないマシューは上告のチャンスが与えられない。

結局、死刑は一週間後と決定してしまう。

シスターはそんなマシューに毎日会い、彼と話をしているうちに心が打ち解け、親しい間柄へと進展していく。

そこでシスターは、死刑が執行されるまでに何があったのか全て打ち明ければ、神は赦してくれるとマシューに語りかける。


デッドマン・ウォーキング5

おとなしくて優しすぎる被害者の家族


この映画がフェアだなと思うのは、そのシスターからの一方的な視点だけではなく、被害者の家族の話もキチンとだしているところ。

殺されてしまった二人のティーンエイジャーの両親。

彼らがどれだけ辛い思いをしているのか描いている。

シスターも家族に対し「彼を赦してください」とは言わない。

しかし、私は、ここに出てきた両親たちは、まだ優しい方なんじゃないかと思った。

本当は彼らはマシューのことなんか「殺したい」ぐらいに思っているんじゃないかと考えていた。

マシューと親しくしているシスターと会話をするだけでも、心が広いなと思ったぐらいだ。

もっと酷くののしったり、半狂乱になったりしてもおかしくない。

被害者の両親にしては、あまりも品行方正で正しく、でき過ぎていると感じた。


デッドマン・ウォーキング4

神は赦しても私は許さない


そうやって、被害者の家族の現状を見せた上で、最後にマシューの家族を登場させる。

明らかに被害者の家族とは社会的な地位が違い過ぎるマシューの家族。

それなのに、弟たちが3人もいて生活が大変そうな上、母親は泣いてばかり。

しかし、それではいかにも、「貧しさがモンスターを作った」と言わんばかり。

そうやってマシューが家族と過ごすところを見せることで、加害者であるマシューも家族のいる一人の人間だと観客に認識させる。

そして、そんなマシューの人生を人間が勝手に終わらせていいのかと問いかける。

人間は神でもないのに。

でも、結局のところ、マシューは女の子をレイプして殺していたのが本当で、それをやっていないと嘘を言い続けていたわけで。

そんな人間を減らすための見せしめとして死刑があっても良いんじゃないかと私は思ってしまう。

どうしても死刑を廃止するっていうなら、懲役1000年とか作って欲しいよ。

本当に一生外に出てこられないように。

キリスト教では神が許してくれるかもしれないが、私は許さない。

何を言おうが、口で何を反省しようが、2人の未来あるティーンエイジャーの命を奪った極悪非道な悪人に変わりはない。

この映画に登場するシスターもマシューも言いたいことは分かるんだけど、私としては、彼らの言っていることがあまりにもステレオタイプで、品行方正の常識人過ぎて、なんとも気分が乗らなかった。

悪い人間はもっと姑息だし、恨みを持つ人間はもっと恐ろしいものだと思う。





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2月26日(現地時間)にハリウッドでアカデミー賞授賞式が開催。

これは、年に一回のお祭りとして、私も楽しみにしているイベントの1つ。

WOWOWでリアルタイムで見て、夜は字幕版でもう一回。

今年は前代未聞の「受賞作品読み間違え」という大珍事もあり、忘れられない授賞式の一つになった。

結果は、「ラ・ラ・ランド」6部門 、「ムーンライト」3部門、「ハクソー・リッジ」2部門、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」2部門 をそれぞれ受賞。

下馬評では、「ラ・ラ・ランド」一色か??と思われていたけれど、蓋を開けてみれば様々な作品にうま分散された結果になった。


オープニング


毎年、歌やダンスでショーアップされるオープニング。

今年は、いきなり主題歌賞にノミネートされたジャスティン・ティンバーレイクの「Cant Stop The Feeling」からスタート!!

これは上がったなぁ~。

ジャスティンのパフォーマンスを見逃してしまった方、もう一回観たい!という方はこちらから。
▼ ▼ ▼

その時のことを振り返ってみると、レッドカーペットに「今来ましたよ」的な何食わぬ顔で登場し、奥様のジェシカ・ビールとこんなお茶目な写真を撮ったり(笑)

▼ ▼ ▼

ジャスティン・ティンバーレイク


これも、全てオープニングでサプライズするための前ふりだったのか ( ̄□ ̄;)

すっかり、だまされたじゃないか(笑)

その辺の見せ方の上手さは、

ディズニーチャンネルのキッズスター → アイドルグループ*nsyncでブレイク → グループを脱退してソロアーティストとして成功 → 俳優にチャレンジ → 歌手としてオスカーノミネート

という、ハリウッドの申し子的な華々しい経歴を歩んできたジャスティンならでは。

ちなみに、今回のパフォーマンスの中では、ジャスティンのダンスが観られたもの嬉しかったけど、

ディズニーチャンネル時代に、共にキッズスターとして活躍していたライアン・ゴズリングの肩をそっと抱く場面が好き。


司会者


司会は、コメディアンのジミー・キンメル。

彼はアメリカで人気のTVショー「ジミー・キンメル・ライブ」の司会者。

私も時々観たことがあるんだけど(YouTubeで観られるよ)、スタジオに呼んだゲストとトークをする番組。

これが、ジミー・キンメル
▼ ▼ ▼
ジミー・キンメル

この「ジミー・キンメル・ライブ」の中で、犬猿の仲とされるのがマット・デイモン。

度々ジミー・キンメル VS マット・デイモンの争いが繰り広げられてきた。

今回、プロデュースした映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」が作品賞にノミネートされ、招待客の1人だったマット・デイモン。

当然、ジミー・キンメルからのお約束、容赦ないいじりがあった(笑)

二人の仁義なき戦い in オスカーを見逃してしまった人はこちらから
▼ ▼ ▼


ジミー・キンメルがいじっていたのは、マット・デイモンだけでなく、トランプ大統領にも容赦ない(笑)

オープニングから、最後まで常にトランプをネタにしていた。

中ではこんなツイートまでトランプに送っていた。


ヘイ!トランプ観てる??



「メリル(・ストリープ)がよろしく」って言ってるよ


毎年、司会者によって面白さが変わるぐらい重要な役割。

今年は当たりだったなぁ。

「私のせいでショーを台無しにしてしまった(読み間違えがあった件で)

もう、二度と戻って来ないから」

と、ジミーが最後に言って終了したけど、また戻ってきて欲しい~。

彼のおかげでとても楽しい授賞式だった。



そんな(?)アカデミー賞の受賞作品はこちら


第89回 アカデミー賞受賞作品一覧


作品賞


ムーンライト」(4月28日公開予定)

↓ 「ムーンライト」の製作スタッフと監督バリー・ジェンキンス(右端)
ムーンライト製作スタッフ

ムーンライト


主演男優賞


〇ケイシー・アフレック「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(5月13日公開予定)

ケイシー・アフレック


主演女優賞


〇エマ・ストーン「ラ・ラ・ランド

エマ・ストーン

助演男優賞


〇マハーシャラ・アリ「ムーンライト

マハーシャラ・アリ


助演女優賞


〇ヴィオラ・デイヴィス「フェンス」

ヴィオラ・デイヴィス

監督賞


〇デイミアン・チャゼル「ラ・ラ・ランド

デイミアン・チャゼル

脚本賞


〇「マンチェスター・バイ・ザ・シー

脚色賞


〇「ムーンライト

撮影賞


〇「ラ・ラ・ランド

編集賞


〇「ハクソー・リッジ

メーキャップ&ヘアスタイリング賞


〇「スーサイド・スクワッド

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衣装デザイン賞


〇「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

音響編集賞


〇「メッセージ」

録音賞


〇「ハクソー・リッジ

美術賞


〇「ラ・ラ・ランド

視覚効果賞


〇「ジャングル・ブック

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作曲賞


〇「ラ・ラ・ランド

主題歌賞


〇“City of Stars”(「ラ・ラ・ランド」)

ジョン・レジェンドによる「City of Stars」のパフォーマンスはこちらから




長編ドキュメンタリー賞


〇「O.J.: Made in America」

短編ドキュメンタリー賞


〇「ホワイト・ヘルメット-シリアの民間防衛隊-」

短編実写映画賞


〇「合唱」


長編アニメーション映画


〇「ズートピア

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短編アニメーション映画


〇「ひな鳥の冒険」

外国語映画賞


〇「セールスマン」(イラン)


以上です~。



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レオナルド・ディカプリオがアカデミー賞で主演男優賞を受賞した「レヴェナント:蘇りし者」を観た。

息子を殺され、凍土に放置された男が、復讐のために立ち上がる話。

満足度 評価】:★★★★☆

凄まじい人生だったーーー。

しかし、私にはその凄まじい人生に衝撃を受けるよりも、自然と共に生きている姿に共感した映画だった。

「レヴェナント:蘇りし者」予告編 動画

(原題:THE REVENANT)





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あらすじ


アメリカの西部。

仲間たちと狩りに行った最中、熊に襲われ瀕死の重傷を負ったヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は、凍土が広がる荒野に息子のホークと、フィッツジェラルド(トム・ハーディ)、ブリジャー(ウィル・ポールター)と共に置き去りにされてしまう。

さらに、グラスの先が長くないと思ったフィッツジェラルドは、ホークを殺し、グラスを生き埋めにし、ブリジャーと共に仲間の元へと帰っていく。

しかし、奇跡的に一命をとりとめたグラスは、凍土をさまよいながら、フィッツジェラルドへの復讐のために彼の元へと向かう…。

レヴェナント2

感想(ネタバレあり) 蘇りし者、グラスの凄まじい人生


この話、本当にあった話だと言われている。

言われているというのは、アメリカでは、古くから口承伝承で伝えられてきた物語だそうで。

これ、本当だったら、相当に凄まじいぜーーー。このグラスの人生!!

クマに襲われ、瀕死の重体になり、ネイティブアメリカンとのハーフの息子は殺され、復讐のために地の底から這いあがる。

そこで、彼の人生は終わらない。

崖から谷底に落ちても大した怪我もなく生きていて、寒さに耐えきれず馬の内臓を切り出して、その体の中で暖を取る。

すごいよねぇぇぇぇ。そのサバイバル魂。

生き抜くためならなんでもするんだから。


レヴェナント:蘇りし者6


「自然に生かされる男」グラスに共感


しかし、私が、この映画を観ながら共感を受けたのは、そのグラスの凄まじいサバイバル魂ではない。

彼は「自然に生かされている」と感じたこと。

木々が会話をし、川が彼を移動させながら、「この男を生かそうかどうしようか」と相談しているように、私には見えた。

なぜなら、グラスがクマに襲われた時も、馬の体で暖を取った時も、木々はそこにいて、しっかりとグラスを見守り、結局、彼を生かしている。

日本で言う、神羅万象、全ての自然現象には神がいるという「八百万の神」を、そこに感じて、そこにすごく共感した。

また、坂本龍一が、深い森とその中に血液のように流れる川に音楽をつけているんだけど、これが、まさに神々しい音楽で、ますます、自然=神度がアップしている。

人は、自然に見つめられ、生かされている。

何があっても生きているのは、人、それぞれに理由があるんだ。

私は、そう思った。

レヴェナント:蘇りし者5

森羅万象の神は彼に味方する


それは、ラストのフィッツジェラルドと、グラスの死闘にも感じられた。

グラスと共に、フィッツジェラルドの捜索に向かったヘンリー隊長(ドーナル・グリーソン)だったが、フィッツジェラルドに待ち伏せされてしまう。

殺された隊長を見つけたグラスの怒りを表すかのように、山は壮大な雪崩を起こす。
(この雪崩は偶然だったのか?それとも雪崩を起こしたのか…。そこもまた自然の不思議なところ)

さらに、フィッツジェラルドを追い詰め、最後の一撃を加えた後、彼は、川へフィッツジェラルドを流す。

その時、グラスは「自然にゆだねよう」という言葉を吐く。

そして、川は、フィッツジェラルドを彼の敵の元へと流していく。

やっぱり、グラスは自然と共に生き、命を自然に任せているんだなと思った瞬間だった。

最後、森は彼の前に愛する妻を表す。

彼は、そのまま、妻の元へと行ってしまうのか…。それとも、新しい人生が待っているのか…。

私は、新しい人生が待っていると思ったんだけどなぁ…。


レヴェナント:蘇りし者4

出演者は、レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、監督はアレハンドロ・G・イニャリトゥ


主演のグラスを演じるのは、レオナルド・ディカプリオ

この映画の演技で、アカデミー賞主演男優賞を受賞している。

以前から、環境保護をライフワークにしていることで知られたディカプリオにとって、この「森と共に生きる男グラス」は演じるべき男だったんだろうなぁ。

まさに、森が彼を呼んでいるように思えた。

さらに、その演技でオスカーを取れたのも、まさに運命だったように思う。

他の出演作には「インセプション」、「ワールド・オブ・ライズ」、「華麗なるギャッツビー」、「ジャンゴ 繋がれざる者」など

レヴェナント:蘇りし者3



グラスの復讐の相手フィッツジェラルドを演じたのは、トム・ハーディ

トム・ハーディは、こういう野性味溢れる役がピッタリだよね。

次回作で「X-MEN」のウルヴァリン役を卒業するヒュー・ジャックマンは、「次のウルヴァリンは誰が良いか?」の質問に、トム・ハーディを指名したと聞いたことがある。

分かるわーー。

すごいウルヴァリンっぽいよね。

他の出演作には、「ダンケルク」、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」、「ウォーリアー」、「裏切りのサーカス」、「インセプション」、「ロンドン・ロード ある殺人に関する証言」など

レヴェナント:蘇りし者


監督は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

最近、この人が撮った作品は、必ずと言っていい程アカデミー賞の作品賞候補になっている。

どのテーマに対しても、キチンとした世界観を持っているのが、この人の素晴らしいところ。

さまざまなテーマにそれぞれの世界観を持ち、画面の隅から隅まで、その世界観をぶらせることなく映像化できる人はなかなかいない。

だからこその評価だと思うけど、その映画に出ている人たちは、彼の世界観を理解するのがさぞかし大変なんだろうなぁと思う。

しかし、それをしっかりと表現したからこその、ディカプリオ主演男優賞なのだと思う。

他の監督作には、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」、「バベル」、「21g」など

レヴェナント:蘇りし者2

「移民の国」アメリカの原点がここにある


「移民は国へ帰れ」だの、「イスラム教信者はこの国から出ていけ」と言って人気が出ているアメリカの大統領候補がいる。

911以降、彼が出現する前から、アメリカは保守化が進み移民が住みづらくなっている。

でも、この映画を見ると、「そもそも、この国はネイティブアメリカンのものじゃないか」「だったら、ネイティブアメリカンに国を返せ」と言いたくなってしまう。

そんな中、グラスはネイティブアメリカンの妻を持ち、彼らと共に生活していた。

しかし、そのために、フィッツジェラルドのような偏見男から、酷いことを言われ、息子には「透明人間になれ」と言い聞かせて生活している。

本当は彼らの土地なのに、白人たちから猿と言われ、住みづらくなっているという矛盾。

これは、メキシコ出身の移民でありながら、アメリカで映画監督をするイニャリトゥのアメリカへの思いが反映されているでは…と思った。

そもそもが移民で構成された国のはずで、「誰もが夢を叶える国」だったのに。

世界中の人が、成功を夢見て行く国で移民が夢を叶えることは、もうないんだろうか…。



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3月23日 「レヴェナント 蘇りし者」でアカデミー賞主演男優賞を受賞したレオナルド・ディカプリオが来日し、記者会見を開いた。

その様子はこちらから。

「レヴェナント 蘇りし者」レオナルド・ディカプリオ 来日記者会見


ディカプリオ来日2








ディカプリオ来日1






ディカプリオ来日3




ディカプリオ来日4




集まった記者たちは、スチール250人、記者150人、TVカメラ50台、総勢500人の報道陣だったそうで、そんなに大勢のマスコミが集まることも至極稀だそう。



さすが!オスカー男優。

さて、今回は何日間の来日か分らないけど、是非、満開の桜を鑑賞して帰っていただきたい。

ついでに、夜の豪遊っぷりも健在であって欲しい(笑)


そのディカプリオがアカデミー賞主演男優賞を受賞した「レヴェナント 蘇りし者」について、予告編や、出演者についての記事はこちらから

 「レヴェナント 蘇りし者」4/22公開予定。アカデミー賞 最優秀主演男優賞 レオナルド・ディカプリオ 受賞!!【予告】



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〇 「レヴェナント 蘇りし者」観てきました!!

映画の感想はこちらから →「レヴェナント:蘇りし者」アカデミー賞主演男優賞 レオナルド・ディカプリオ受賞作品。凄まじい蘇りの人生を描く。森には神がいると思った映画【感想】

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